韓国

韓国、農漁業者の生活の質の向上および農山漁村地域の開発促進に関する特別法の施行令を一部改正:農漁業者への公共サービスの最低目標水準に図書館に関する項目を設定

2021年6月15日、韓国・農林畜産食品部は、農漁業者の生活の質の向上および農漁村地域の開発促進に関する特別法の施行令の一部改正が国務会議で決定されたと発表しています。

2011年から適用している「農漁村サービス基準」(農漁業者の生活の質を一定水準に維持・向上させるための公共サービスの最低目標水準を定めたもの)を拡大するとし、基礎的な生活サービスへのニーズの高まりや、生活密着型社会的共通資本(SOC)を拡充する流れを受け、今回新たに「図書館」「体育施設」等の項目が設けられました。アクセスにあたっての利便性等の目標値について、農林畜産食品部の告示を施行令公布後に改正するとして、図書館については「10分以内」とする予定としています。

日韓グローバルILL、2022年3月末をもって終了

日韓グローバルILLが、参加機関宛に国公私立大学図書館協力委員会から通知された2018年3月20日付文書「日韓グローバルILLの今後の運用について(通知)」の通り、2022年3月末をもって終了すると発表されています。

2021年6月3日付の「日韓グローバル ILL 終了について(通知)」によると、以下のようなスケジュールが予定されています。

・2021年10月  詳細スケジュールの通知/FAQの公開
・2022年1月  日韓ILL 貸借の新規依頼・受付中止
・2022年2月末  日韓ILL 複写の新規依頼・受付中止
・2022年3月末  日韓ILL レコード凍結
・2022年4月初め 日韓ILL 決済

国立情報学研究所目録所在情報サービス ニュース
https://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/about/infoill/global/
※「2021/06/07 【重要】日韓グローバルILLの終了について」とあります。

韓国・ソウル特別市教育庁、コロナ禍により苦境にある零細書店を支援する「図書館と近所の書店のネットワーク事業」を開始:同庁所管の図書館および生涯学習館による共生プロジェクト

2021年5月31日、韓国・ソウル特別市教育庁が、同庁所管の図書館および生涯学習館による共生プロジェクト「図書館と近所の書店のネットワーク事業」を6月から開始すると発表しています。

同庁所管の図書館および生涯学習館がコロナ禍により苦境にある書店とネットワークを構築し、書店が実施するプログラムの支援、施設利用による書店への賃料の支払い、図書の購入、といった形式で、零細書店の運営を支援するものです。2021年は鍾路図書館・開浦図書館など12館を中心に行われます。

書店が実施するプログラムの支援事業では、著名な書評家から書評の書き方を学ぶ講座(江南図書館・チェインア書店)、デザイナーによる初心者のためのイラストレーター講座(龍山図書館・解放村独立書店)、ミニマリスト(銅雀図書館・大陸書店)・ブックデザイナー(龍山図書館・解放村独立書店)・絵本作家(永登浦生涯学習館・絵本レストラン)による講演などが6月・7月に開催されます。

米・スタンフォード大学図書館、東アジアの印刷・通信技術等に関するコレクションを受け入れ

2021年5月26日、米国のスタンフォード大学図書館が、東アジアの印刷・通信技術等に関するコレクション“The Thomas S. Mullaney East Asian Information Technology History Collection”を受け入れたと発表しました。

寄贈されたのは、同大学の歴史学教授Thomas S. Mullaney氏が収集したコレクションです。中国を中心とした東アジアの、20世紀初頭から現在に至るまでのタイプライター、謄写版、ワープロ、コンピュータ等に関する機器や紙媒体の資料2,000点以上と、目録・高解像度のスキャン画像が含まれています。

発表の中では、今後、日本・韓国のコレクションの拡大・構築のため選択的に投資を行う予定であると述べられています。

Stanford Libraries receives a remarkable East Asian information technology collection(Stanford Libraries , 2021/5/26)
https://library.stanford.edu/node/172367

韓国・ソウル特別市西大門区、一人暮らしの高齢者や福祉施設利用者にオーディオブック端末や電子書籍端末の貸出を行う「訪問型電子図書館事業」を開始

2021年5月31日、韓国・ソウル特別市西大門区が、6月から、一人暮らしの高齢者や、福祉施設の利用者を対象に、オーディオブック端末や電子書籍端末の貸出を行う「訪問型電子図書館事業」を実施すると発表しています。

一人暮らしの高齢者には、健康・文学・歴史分野のコンテンツが収録されたオーディオブック端末100台が貸出されます。高齢者でも使いやすい機器となっており、また、読み上げ機能もあるため、視覚障害者の利用も想定されています。

区内9つの福祉施設(高齢者・障害者・多文化支援)には電子書籍端末100台の貸出が行われます。端末搭載のコンテンツに加え、西大門区立図書館が提供する電子書籍も利用できます。文字を拡大しての利用も想定されています。

端末の貸出期間等の詳細な運営規定は参加機関が決定します。また、一人暮らしの高齢者や福祉施設利用者を対象とした端末の利用方法に関する講座を開催するほか、端末の利用状況を監視して効果を分析しサービスの改善も推進するとしています。

韓国において国家知識情報の連係および活用の促進に関する法律(デジタル集賢殿法)が成立:国家の知識情報を1か所で検索・アクセス・活用できるプラットフォームの構築

2021年5月26日、韓国国会は、国家知識情報の連係および活用の促進に関する法律(デジタル集賢殿法)が5月21日に可決成立したと発表しています。

韓国国会図書館(NAL)、政府、公共機関等の国家の知識情報を1か所で検索・アクセス・活用できるプラットフォームの構築を目指すものです。また、コロナ禍以降、非対面教育環境へと転換するなかで、教育コンテンツの生産・流通や、教育・学習支援のためのインフラとなることも想定されています。

NALにおいても、韓国版ニューディール政策の政策課題の1つとして2020年から2025年までの6年間に、国会政策資料・学術資料・国会刊行物・立法懸案資料といった「立法・政策・学術資料」コンテンツを拡充して大規模な知識インフラを構築し、「国会電子図書館」を通じて「デジタル集賢殿」と連携するとしています。また、「国会電子図書館」は、国家学術情報統合データや、ビックデータ分析・主題用語メタデータ管理のためのシソーラス・著者典拠DB、地方議会の議政情報とも連携する計画であるとしています。

韓国・文化体育観光部、韓国図書館協会(KLA)等と共同で、地域の特性にあわせた公共図書館の新築・改修を支援すると発表:建築・デザイン・図書館といった多様な分野の専門家からなるコンソーシアムを結成して支援

2021年5月11日、韓国・文化体育観光部が、韓国図書館協会(KLA)・湖西大学校産学協力団と共同で、地域の特性にあわせた公共図書館の新築・改修に関してコンサルティングを行うと発表しています。

対象は14の市・道の62の公共図書館で、今回、建築・デザイン・図書館といった多様な分野の専門家からなるコンソーシアムを結成し、建築に加え、利用者・サービスプログラムといった図書館運営に関してもコンサルティングを行うとしています。

具体的には、企画段階から建設計画・運営計画を診断することで、公共図書館の規模や予算拠出に関する不確実性を減らし、地域の特性や多様性を反映できるように支援するとしています。また、新しい文化・技術と最新の状況を反映した未来型の公共図書館となるようにも支援するとしています。その他、個々の図書館にあった空間整備計画、蔵書計画、地域特性に合わせたサービス運営といった点も具体的に相談に乗り、効率を高めるとしています。

支援にあたっては、ウェブサイト「図書館建設計画支援システム」を通じて、オンラインまたはオフラインで地方公共団体でネックとなっている事項に関し、迅速に対応する方針であるとしています。

韓国国立中央図書館(NLK)、国家相互貸借サービス・技術情報センター等、公共図書館支援のため個別に運営してきたウェブサイトを一つに統合:小規模読書施設「小さな図書館」向け資料管理システムKOLASYS-NETの提供も開始

2021年5月11日、韓国国立中央図書館(NLK)が、「公共図書館支援サービス」のウェブサイトを公開しました。

同ウェブサイトは、公共図書館を支援するために、NLKが個別に運営してきた、本の海(책바다;国家相互貸借サービス)・チェギウム(책이음;1枚の利用者カードで全国複数の図書館を利用可能とするサービス)・公共図書館技術情報センター(NLKが管理・普及させている図書館システム等の支援窓口)のウェブサイトを一つにまとめたもので、国家相互貸借サービス・チェギウムの対象資料と参加館を検索することができます。また、図書館以外の、書店・出版社等の関連機関も、同サイトの「資料室」からダウンロードできるようにしたとしています。

また、同日から、全国の小規模読書施設「小さな図書館」の情報技術システムを支援するために資料管理システムKOLASYS-NETを提供するとしています。KOLASYS-NETには、国家資料総合目録・国家相互貸借サービス・チェギウム・公共(小さな)図書館資料管理システム等が含まれており、運営マニュアルやガイドも提供し、アップグレードにも対応するとしています。

コロナ禍における韓国の図書館情報学教育の一例:図書館作成のオンラインコンテンツ等の活用(記事紹介)

韓国図書館協会(KLA)が発行する『図書館文化』62巻3号(2021年3月)に、漢城大学校人文芸術学部副教授のパク・ジヨン氏による「코로나19 시대의 문헌정보학 교육- 도서관 현장의 온라인 콘텐츠를 활용한 전공 강의 설계 -(新型コロナ時代の文献情報学教育ー図書館現場のオンラインコンテンツを活用した専攻講義の設計ー)」という記事が掲載されています。

本記事で、パク氏は、オンライン講義のために相当量のコンテンツを準備しなければならず、特に多様なコンテンツが必要な基礎講義、説明が長いと退屈するため多様な具体例とともに説明する必要がある理論分野の講義の準備において、最も助けられたのは、非対面サービスへの転換により図書館が作成したオンラインコンテンツであったとしています。

そして、現在では、講義の準備において、概論書や論文のほか、カリキュラムに適したそのようなコンテンツを収集し、主題別に適したものを選別・編集し、学生と一緒に見て意見を交わすことができるようになったとしており、その過程で、パク氏は個別の図書館の特徴や時季別の図書館の業務をより多く確認するようになり、また、学生も周辺の図書館により関心を持つようになったとしています。

韓国国立中央図書館(NLK)、「国家文献保存館」の国際建築設計競技を開始:平昌オリンピック・パラリンリック競技大会の国際放送センターを改修

2021年4月28日、韓国国立中央図書館(NLK)は、新たに設置する「国家文献保存館」の国際建築設計競技を4月29日から開始すると発表しました。参加登録は5月21日までで、作品の受付は7月27日までとなっています。

同事業は、持続的で体系的なデジタル資源の保存や、国に知識情報データプラットフォームとして、2023年の完成を目指して進められており、30年間で約1,400万点の資料を保存することでができるとしています。

敷地面積14万5,297平方メートル、延床面積37万246平方メートルの規模で、平昌オリンピック・パラリンリック競技大会の国際放送センターを改修して設置されます。建築費は610億ウォンで、新築した場合と比べて1,000億ウォン以上の削減が見込まれています。

設計の基本方針として、

・国内で初めて建設される国家文献保存館の象徴性
・江原道地域との連携性
・媒体別の保存書庫としての機能性
・既存施設の再利用にともなう安全性への考慮

が掲げられており、同競技には、海外の建築家も参加できますが、韓国国内の建築事務所を共同で参加する必要があります。

ページ