英国

新たな研究成果公開のプラットフォームOctopus(記事紹介)

2020年6月23日、Europe Science社が運営するニュースサイトResearch informationに、“Cambridge scientist 'breaks up the old-fashioned academic paper'”と題された記事が公開されていました。

記事では、新たな研究成果公開のプラットフォームであるOctopusについて紹介されています。同プラットフォームは、研究成果の出版のプロセスをProblems、Hypotheses、Methods/Protocols、Data/Results、Analyses、Interpretations、Applications、Reviewsの8個の要素に分解して、それぞれに応じた研究成果を公開することができます。Octopusは英・ケンブリッジ大学のAlex Freeman氏によって取り組まれており、英・Jisc等が助成するReproducibility Networkによって支援されています。

このようなモデルを採用したプラットフォームの利点として、下記が挙げられています。

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、Hindawi社との共同出版契約により2021年1月刊行号から5誌の編集・制作を同社に移管して完全オープンアクセス(OA)化

2020年8月6日、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)は、オープンアクセス(OA)に向けた継続事業の一環として、OA出版を手掛けるHindawi社と刊行中の5誌に関する共同出版契約を締結したことを発表しました。

両者が締結した契約により、CUPが刊行する“Global Health, Epidemiology and Genomics”、“Genetics Research”、“Journal of Smoking Cessation”、“Wireless Power Transfer”、“Laser and Particle Beams”の5誌について、2021年1月刊行号からHindawi社が同社のオープンソースの出版プラットフォーム“Phenom”により編集・制作を担います。また、5誌全てが2021年1月以降完全OA化します。

英・電子情報保存連合(DPC)、2020/2021年度の新しい活動計画を示した“DPC Prospectus 2020-2021”を公開

2020年8月3日、英・電子情報保存連合(DPC)は、2020/2021年度の新しい活動計画を示した“DPC Prospectus 2020-2021”の公開を発表しました。

公開された“DPC Prospectus 2020-2021”では、2020/2021年度に予定されている出版物、リソース、研修・ワークショップ、イベント等の情報がまとめられています。発表では、2020年には主要なリソースを複数の言語で利用可能とすることや、2020年のハイライトの一つは11月5日に開催されるイベント「世界デジタル保存デー」(World Digital Preservation Day)となること等を紹介しています。

Forward Together: Digital Preservation Coalition publishes 2020-2021 prospectus(DPC, 2020/8/3)
https://www.dpconline.org/news/prospectus-2020-launched

英・電子情報保存連合(DPC)にオーストラリア・アーキビスト協会(ASA)らが加盟

2020年8月4日、英・電子情報保存連合(DPC)は、オーストラリア・アーキビスト協会(ASA)がDPCのFull Memberとして加盟することを発表しました。

7月30日には、オーストララシア(Australasia)の記録・情報管理専門家らの団体であるRIMPA(The Records and Information Management Professionals Australasia)が、8月3日には、アボリジニおよびトレス海峡諸島の多様な歴史、文化、遺産に関する活動を行うオーストラリアの国家機関であるAIATSIS(The Australian Institute of Aboriginal and Torres Strait Islander Studies)がDPCのAssociate Memberとして加盟することを発表していました。

DPCは2020年1月、オーストラリアのメルボルン大学に新たなオフィスを開設し、南半球のデジタル保存コミュニティに対する支援強化を図ることを発表しています。

新型コロナウイルス感染症により図書館施設に求められる変化とは(記事紹介)

建築に関する情報を発信する王立英国建築家協会(RIBA)のウェブサイト“RIBA Journal”の2020年7月29日付け記事で、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて図書館施設に求められる変化が紹介されています。筆者は建築デザインを行うIF_DOのディレクター兼共同設立者であるThomas Bryans氏です。

まず、これまでの図書館施設では、広いスペースを提供して多くの人々が集まれるようにすることが重視されていたとし、図書館等の公共スペースは新型コロナウイルスからの社会的回復の鍵となる一方、その特性には変化が求められていると指摘しています。

図書館施設の設計に関し、パンデミック後に浮上した最大の教訓の一つとして、図書館スペースにおける柔軟性向上の必要性を挙げています。図書館には公共スペースを最大化しバックヤードを最小化する傾向があるものの、今や利用された資料を一定期間隔離するためにバックヤードに十分なスペースが必要となっているとし、利用者エリア・スタッフエリア間の空間比率を柔軟に調整できること、導線を一方通行とするために棚のレイアウトを迅速に変更できることが不可欠となったとしています。

英国図書館(BL)、新型コロナウイルス感染症の影響により休止していた文献提供サービス“British Library On Demand”の大半を再開

2020年7月27日、英国図書館(BL)はTwitterアカウントによる投稿において、在宅勤務中であったスタッフの復帰が進んだことにより、文献提供サービス“British Library On Demand”の大部分を再開したことを発表しました。

サービス再開の発表時点で、ロンドンに所蔵されたコレクションを除くほぼ全てのコンテンツを“British Library On Demand”により利用可能となっていますが、資料の貸出サービスは休止したままとなっています。ただし、現在“British Library On Demand”により貸出中の資料の返却は受付されています。

BLは、再開にあたって必要な体制変更の影響で、文献提供までに要する日数が通常よりも長くなることが見込まれるものの、申し込みから5営業日以内の提供を目指している、としています。また、新型コロナウイルス感染症に関連する研究資料やその他の緊急に必要な資料については、「2時間以内の提供」オプションを利用して申込みすることができます。BLは実際には2時間以内に提供することはできないものの、感染症関連の申込を優先させるために「2時間以内の提供」オプションの利用を求めています。なお、このオプションを利用しても追加料金はかかりません。

出版コンサルタント会社Maverick Publishing Specialists、新型コロナウイルス感染症が英国の出版業界に与えた影響に関する調査報告書を公開

2020年7月24日、学会・専門協会出版協会(ALPSP)は、英国出版協会(The Publishers Association)とともに作成を支援した、出版コンサルタント会社Maverick Publishing Specialistsによる、新型コロナウイルス感染症が英国の出版業界に与えた影響に関する調査報告書が公開されたことを発表しました。

公開された報告書“The COVID-19 Pulse Check Report: The Impact of COVID-19 on the UK Publishing Industry”は、新型コロナウイルス感染症の流行に関する英国の出版業界の初期の反応を把握し、個々の出版社等が短期・中期的な経営戦略を策定・改善する際に役立てることを目的として作成されました。2020年5月から6月にかけて英国の出版業界の経営層を対象に調査が行われ、ALPSPと英国出版協会を通じて実施されたオンラインアンケートと同社が実施した18件のインタビュー調査に基づいて報告書が作成されています。

オランダデジタル遺産ネットワークとOpen Preservation Foundation(OPF)、デジタル保存のツールをテストできる仮想研究環境を開発中

2020年7月21日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、オランダデジタル遺産ネットワーク(The Dutch Digital Heritage Network:DDHN)との協力を通じ、オープンソースのデジタル保存ツールをテストできる仮想研究環境(VRE)を開発中であることを発表しました。

広く使用されているデジタル保存ツールを、個別にインストールすることなく実行できるVREを開発することにより、国際コミュニティにおけるデジタル保存ツール利用へのニーズの高まりに応えることを目的としています。現在のバージョンでは、Apache Tika、DROID、 JHOVE、veraPDFといったデジタル保存ツールを含んでおり、開発チームがプロトタイプのテストを行っている段階とあります。

Open Preservation Foundation(OPF)、フランス語・イタリア語・日本語・スペイン語・ポルトガル語によるメンバー募集パンフレットを公開

2020年7月9日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、メンバー募集パンフレットが6か国語で利用可能になったことを発表しました。

英国図書館(BL)のスタッフによって、英語パンフレットのフランス語・イタリア語・日本語・スペイン語・ポルトガル語への翻訳が行われ、英語を含めた6か国語によるパンフレットがOPFのウェブサイト上で公開されています。

OPFのメンバー募集パンフレットには、加入による特典の概要・加入機関からの声・メンバーの種別と年会費の概略などが案内されています。

New OPF membership brochure now available in six languages(OPF,2020/7/9)
https://openpreservation.org/news/new-opf-membership-brochure-now-available-in-six-languages/

英国図書館(BL)、16世紀末頃に成立しシェイクスピアが一部関与したとされる戯曲『サー・トーマス・モア』の原稿をデジタル化しオンライン公開

英国図書館(BL)は、2020年7月9日付のMedieval manuscripts blogで、エリザベス朝期の16世紀末頃に成立した戯曲『サー・トーマス・モア(The Booke of Sir Thomas Moore)』の原稿“Harley MS 7368”をデジタル化し、同館ウェブサイト上で公開したことを発表しました。

BLは公開された『サー・トーマス・モア』について、同作品の主たる作者はマンディ(Anthony Munday)だが、1871年にその筆跡から一部についてウィリアム・シェイクスピアの関与が指摘されたこと、シェイクスピアの自筆が残る現存唯一の戯曲原稿であること、などをデジタル化された画像とともに紹介しています。

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