英国

国立国語研究所、英国図書館(BL)が所蔵する天草版『伊曽保物語』の原本画像と翻字本文対照を公開

2019年9月26日、国立国語研究所は、英国図書館(BL)が所蔵する天草版『伊曽保物語』の原本画像と翻字本文対照を公開したことを発表しました。

『伊曽保物語』の説話部分の原本画像と翻字本文3種(漢字仮名翻字、片仮名翻字、訓令式ローマ字翻字)を試験公開ページで閲覧することができます。閲覧にあたって、原本画像と翻字本文を重ねて表示する「重ね」モードと、原本画像と翻字本文を左右に対照表示させる「並べ」モードを利用することができます。また、「重ね」モード、「並べ」モードともに、翻字本文3種(漢字仮名翻字、片仮名翻字、訓令式ローマ字翻字)を切り替えて表示させることが可能です。

なお試験公開ページの推奨動作環境は、Windows OS上の Microsoft Edge、Mozilla FireFox、Google Chome等である、としています。

2019年度のニュース一覧(国立国語研究所)
https://www.ninjal.ac.jp/newsyears/2019/
※2019年9月26日付けのニュースに「大英図書館蔵天草版『伊曽保物語』原本画像・翻字本文対照を公開しました。」とあります。

Artstor、英・ウェルカムコレクションの所蔵作品をクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開する“Open Artstor: Wellcome Collection”を公開

2019年9月27日、教育・研究目的で美術品のデジタルライブラリを構築しているARTstorが、“Open Artstor: Wellcome Collection”を公開しました。

英国のウェルカムコレクション(Wellcome Collection)が所蔵する資料の10万点を超すデジタル化画像を、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのもと公開したものです。

New: 100,000 images from the Wellcome Collection(Artstor,2019/9/27)
https://www.artstor.org/2019/09/27/new-100000-images-from-the-wellcome-collection/

英国国立公文書館(TNA)、英国情報局保安部(MI5)に関する100点以上の機密ファイルを新たに公開

2019年9月24日、英国国立公文書館(TNA)は英国情報局保安部(MI5)に関する100点以上の機密ファイルを新たに公開したことを発表しました。

第一次世界大戦期から戦後の1960年代後半までの時期の幅広い主題のファイルが今回公開されています。第二次世界大戦期のドイツや冷戦期のソ連の諜報部に所属していた将校や英国内の共産主義者等に関する個人ファイルも含まれています。

TNAの発表によると、今回公開されたファイルには、旧ソ連の諜報組織である“Portland Spy Ring”の関係する事件、組織構成員の逮捕、組織のメンバーへの面談に関わるファイルが多数含まれています。

Latest MI5 files released(TNA,2019/9/24)
https://www.nationalarchives.gov.uk/about/news/latest-mi5-files-released/

英・ケンブリッジ大学出版局、UNSILO社と提携:AI技術を用いた関連コンテンツの特定とリンク提供のため

2019年9月16日、出版社に対しAI技術によるソリューションの提供を行っているデンマークのUNSILO社は、英・ケンブリッジ大学出版局と提携を結んだことを発表しました。同社は、ケンブリッジ大学出版局の100万を超える雑誌論文と書籍の各章のなかから、AI技術を利用して関連のあるコンテンツを特定し、リンク付けを行います。

同社は、機械学習とAIツールを用いてテキストコーパス中の重要な概念の特定を行いますが、これらの概念は、主題コレクションの構築、関連記事の特定、関連するジャーナルの検索等、出版ワークフローに対する幅広いソリューションの基礎を形成するものとあります。新規公開された論文、書籍は公開後数時間以内にインデクシングが行われ、Cambridge Coreの他のコンテンツにリンクされるとしています。

英・電子情報保存連合(DPC)、組織のデジタル保存における成熟度の測定ツール“DPC Rapid Assessment Model”を公開

2019年9月19日、英・電子情報保存連合(DPC)は、2019年9月16日から20日にかけてオランダ・アムステルダムで開催されている電子情報保存に関する国際会議“iPRES2019”において、組織のデジタル保存における成熟度の測定ツール“DPC Rapid Assessment Model”を公開したことを発表しました。

デジタル保存の各要素に関する11のセクションからなり、各セクションについて自機関の状況に応じ5段階で評価を行う仕組みとなっています。デジタル保存に携わる組織であれば、種類や規模、保存するコンテンツの種類を問わずに使用できるように、また、短時間で容易に実施できるように設計されています。DPCでは、このツールを使用して毎年進捗を確認し、目標の達成状況を評価することを推奨しています。

ツールはDPCと英国の原子力廃止措置機関(NDA)との共同開発であり、Adrian Brown氏の2013年の著書“Practical Digital Preservation:A how-to guide for organizations of any size”で提示されたデジタル保存成熟度モデルをベースとして改良を加えています。ツールは無料で利用可能ですが、DPCのメンバーに限り、DPCの他機関との結果比較機能が提供されるとあります。

テキストファイルのファイルフォーマット識別に関する英国国立公文書館(TNA)の研究プロジェクト(記事紹介)

英・電子情報保存連合(DPC)の2019年9月2日、13日付けのブログ記事において、テキストファイルのファイルフォーマット識別に関する英国国立公文書館(TNA)の研究プロジェクト“Text File Format Identification”が紹介されています。筆者はTNAの研究員であるSanthilata Kuppili Venkata氏です。

プログラムのソースコード、データ記述ファイル(XML等)、構成ファイル等を含め、デジタル保存の対象となりうるテキストファイルの種類は多岐に及びますが、ファイルの拡張子に誤りや欠落があった場合、ファイルの利用に困難が生じるという問題があります。

この研究プロジェクトでは、拡張子ではなくテキストファイル内部の記述内容に見られる特徴に基づいて、機械的にファイルフォーマットを識別できるようにすることを目指しています。記事中では、識別プログラムのプロトタイプとして、.py、.java、.txt、.csv、.tsvの5種類のファイルフォーマットに限定したデータコーパスを準備し、機械学習アルゴリズム等を活用することにより5種類の識別を高精度で行えるようにしたことが報告されています。

米国議会図書館(LC)や英国芸術・人文科学研究会議(AHRC)等の米・英の機関が文化機関におけるデジタルスカラシップの役割をテーマに連携

2019年9月18日、米国の人文科学基金(NEH)・国立科学財団(NSF)・スミソニアン協会・議会図書館(LC)及び英国の芸術人文科学研究会議(AHRC)、工学物理科学研究会議(EPSRC)が、図書館・博物館等の文化機関の未来を再考するため連携すると発表されています。

文化機関におけるデジタルスカラシップの役割をテーマに連携するもので、組織のリーダーシップの方向性や新たな学芸的実践の開発、新たな最先端な研究や課題の開拓、21世紀型のコレクションを基盤とした研究方法の推進といった、利用者が文化遺産を体験する方法を変革することが目指されています。

連携事業の第1弾として、9月18日と19日、米・ワシントンDCでワークショップが開催されます。

ワークショップは、両国の学術機関・文化機関の専門家(データ科学者・考古学者・デジタルキュレーター・鳥類学者)により、デジタル技術が博物館等に影響を与えている(今後与えるであろう)ことを調査するもので、機械学習・人工知能(AI)・クラウドソーシング等の共同作業モデル、来館者の体験向上などをテーマとしています。

今後の連携活動の基盤となるよう、優先されるテーマや推奨される活動など、当日の議論をまとめた報告書が出される予定です。

Wiley社、英国生理学会(The Physiological Society)と共同して生理学分野の分類法を開発

2019年9月17日、Wiley社は、英国生理学会(The Physiological Society)と共同して生理学分野の分類法を開発したことを発表しました。

Wiley社と英国生理学会は、専門分野の垣根を越えたつながりの構築の重要性が増大していることを背景に、Wiley Online Libraryのユーザーへ雑誌記事コンテンツの発見と活用を促すために、開発された分類法に基づいて雑誌記事コンテンツのタグ付けと表示を完全に自動化する機能に投資した、としています。開発された分類法はWiley社のウェブサイト上で提供されている英国生理学会刊行ジャーナルの検索結果一覧画面で、左カラムの“Physiology Taxonomy”から絞り込みをかける形で利用することができます。

学会・専門協会出版協会(ALPSP)、学会系出版社の即時オープンアクセス転換とPlan S原則に準拠した「転換契約」締結を支援するプロジェクトの成果物として報告書とツールキットを公開

2019年9月12日、学会・専門協会出版協会(ALPSP)は、学会系出版社の即時オープンアクセス(OA)転換とPlan S原則に準拠した「転換契約(Transformative Agreement)」締結を支援するプロジェクト“Society Publishers Accelerating Open access and Plan S (SPA-OPS)”の成果物として、報告書とツールキットを公開したことを発表しました。

このプロジェクトは学会系の出版社がPlan S原則に準拠しながら首尾よくOAへ転換できるための道筋の特定を目的としたものです。ALPSP、及び英国に拠点を置くcOAlition S加盟機関であるウェルカム・トラスト、UK Research and Innovation(UKRI)が、研究情報に関するコンサルタント会社Information Power Ltdへ委託し実施されました。

公開された報告書では、OAへの転換のため出版社が展開可能な27のビジネスモデルと戦略に関する学会系出版社へのアンケート調査等から、「転換契約」は予測可能で安定した資金の流れを提供できる点で最も成功の見込みが高いアプローチである、という提言等が示されています。

英・電子情報保存連合(DPC)、2019/2020年度の新しい活動計画を示した“DPC Prospectus 2019 – 2020”を公開

2019年9月6日、英・電子情報保存連合(DPC)、2019/2020年度の新しい活動計画を示した“DPC Prospectus 2019 – 2020”の公開を発表しました。

公開された“DPC Prospectus 2019 – 2020”では、入門レベルの研修のオンライン化・「Eメール保存研修」や「ウェブアーカイビング」等の中級レベル研修新設といった研修制度の見直し、各組織がデジタル保存機能を迅速に自己評価するためのツール“DPC Rapid Assessment Model”の公開、2019年11月7日の“World Digital Preservation Day”でのイベント開催、保存の危機に晒されているデジタルコンテンツをリスト化した“BitList of Digitally Endangered Species”の新版発行など、DPCの2019/2020年度の活動計画が示されています。

“DPC Prospectus 2019 – 2020”は英語版だけでなく、アラビア語版・フランス語版・ドイツ語版・スペイン語版も公開されています。

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