ウェブアーカイブ

E2433 - IAによる地域ウェブ情報収集支援の取組Community Webs

  国立国会図書館では国内のウェブサイトを定期的に収集し,保存,公開する国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)を行っている。国内では,このような取り組みはまだ一般的ではなく,ウェブ上でのみ公開された行政資料を電子的に保存している取り組みを含め,ウェブアーカイブを行っている公共図書館はほとんどない(E2044参照)。一方,米国では世界中のウェブサイトを収集,保存,公開しているInternet Archive(IA)と連携し,近年ウェブアーカイブのプロジェクトを始動した地方の公共図書館がある。本稿では,IAとそれらの図書館の取り組みについて紹介する。

米・カリフォルニア大学バークレー校図書館、消滅の危険性があるアフガニスタンのウェブサイトのアーカイブを実施

2021年9月24日、米国のカリフォルニア大学バークレー校図書館が、タリバン政権下で消滅の危険性に瀕しているアフガニスタンのウェブサイトのアーカイブの実施を、同館の公式Twitterアカウントで発表しました。

アフガニスタンの政治的・文化的・歴史的・社会的遺産と経験を保存することを目的とした取組です。2021年8月からウェブアーカイビングが行われており、10月1日現在、Archive-It上で75件が公開されています。

@UCBerkeleyLib(Twitter, 2021/9/24)
https://twitter.com/UCBerkeleyLib/status/1441088184767574026

At-Risk Afghanistan Web Archiving Project (ARAWA) : 2021(Archive-It)
https://archive-it.org/collections/17329

韓国国立中央図書館(NLK)、コロナ禍によって加速化した知識情報のデジタルへの大転換に積極的に対応するため「デジタルサービス3か年計画(2021-2023)」を推進すると発表

2021年9月28日、韓国国立中央図書館(NLK)が、コロナ禍によって加速化した知識情報のデジタルへの大転換に積極的に対応するため「デジタルサービス3か年計画(2021-2023)」を推進すると発表しました。

同計画は以下のような5つの重点課題と15の詳細な推進課題で構成されています。

1.コリアンメモリーサービスの拡大
①コリアンメモリーの構築(2023年までに213万冊をデジタル化)
②ウェブアーカイブOASISの構築拡大
③共有知識情報資源のアーカイブを構築

2.非対面サービスの拡充
④図書館の電子書籍サービスプラットフォーム(納本された電子書籍を自宅で利用できるプラットフォーム)の構築・運営
⑤国立中央図書館On나루(仮称)の構築・運営
⑥デジタルリテラシーサービス強化

3.データキュレーションサービスの開発
⑦データの資源化と活用性の強化
⑧データサービスの開発
⑨国の文献データの保存センターの構築

スコットランド国立図書館(NLS)、コロナ禍に関するオンライン上の誤情報(misinformation)や健康情報をウェブアーカイブするプロジェクトの実施を発表

2021年9月14日、スコットランド国立図書館(NLS)は、ウェルカムトラストからの助成を受けて、12月から同館を中心としたパートナーシップによるプロジェクト“The Archive of Tomorrow: Health Information and Misinformation in the UK Web Archive”を開始すると発表しました。期間は14か月です。

健康情報や、コロナ禍に関するオンライン上の誤情報(misinformation)・フェイクニュースを倫理的に保存し後世に伝えること、ウェブ情報の保存に関するベストプラクティスを調査すること、健康に関する研究にとってウェブアーカイブをより典型的で開放的なものとすることが目的とされており、英・ケンブリッジ大学図書館、エジンバラ大学図書館、オックスフォード大学ボドリアン図書館が参加し、英国図書館(BL)もサポートするとしています。

過去18か月分の公式・非公式の健康関連の1万件のウェブサイトを収集し、BLが運営するウェブアーカイブUK Web Archive内で“Health and misinformation collection”として公開されます。

Internet Archive(IA)、図書館間相互貸借(ILL)のための“IDS Project”に参加

2021年7月27日、Internet Archive(IA)は、図書館間相互貸借(ILL)のための“IDS Project”への参加を発表しました。“IDS Project”は、全米の公共・学術図書館を含む120館が参加するコミュニティであり、各参加館の有する情報資源への相互アクセスの最適化に取り組んでいます。

IAは、“IDS Project”への参加により、自らが所蔵する200万冊の単行書と3,000冊の定期刊行物へのアクセスをILLを通じ提供するとしています。なお、IAは2021年4月にも、ILL調整サービスであるRapidILLとのパイロットプログラムを通じてILLサービスを開始すると発表していました。

Internet Archiveの25周年を迎えての振り返り(記事紹介)

米国の非営利団体Internet Archiveが25周年を迎えたことを受けて、2021年7月21日付で創設者のケール(Brewster Kahle)氏によるブログ記事が公開されています。ブログ記事では、Internet Archiveができるまで、非営利であること、振り返りと今後の展望について述べられています。

Internet Archiveができるまでとして、ケール氏が若い頃グーテンベルクの発明から前進した新しいメディアをつくることを支援したいと思っていたことなどが述べられています。リッチメディアの大規模コレクションのために機能するコンピュータの構築、ネットワークの発展などがあり、「すべての図書館(library of everything)」が構築されました。

Internet Archiveが非営利であることの理由として、Internet Archiveがすべての人のものを含んでいることが挙げられています。また、Internet Archiveの目標として、「新しいグローバルマインドをつくるために活用できるウェブの永続的なメモリを構築すること」、「経時的なデータから新しい洞察を与えるパターンを発見すること」、「歴史的資料であるだけではなく、インターネットの生きている一部分であること」が挙げられています。

Internet Archive(IA)、ニューヨークアートリソースコンソーシアム(NYARC)と共同で、オンライン上のアートリソースを収集・保存するコンソーシアム結成を目指す取組を開始

2021年6月24日、Internet Archive(IA)が、ニューヨークアートリソースコンソーシアム(New York Art Resources Consortium:NYARC)と共同で、オンライン上のアートリソースを収集・保存するコンソーシアムの結成を目指す取組“Consortial Action to Preserve Born-Digital, Web-Based Art History & Culture”を行うと発表しています。

かつては、印刷物として出版されていたアートギャラリー・アーティスト・芸術団体の資料がオンラインで公開されるようになってきていることから、そのような資料を積極的に収集・保存することで、21世紀の芸術の歴史の記録や昨今のコロナ禍の記録として将来にわたって利用できるようにする事が目的です。

全米の30以上の美術図書館・博物館図書館が参加しての実施を支援するための全米人文科学基金(NEH)からの助成(30万5,343ドル/2年間)を受け、IAの公共図書館を対象とした地域の歴史のウェブアーカイブ構築支援プログラム“Community Webs”に基づいて実施されます。

同取組への参加を希望する図書館は7月31日までに申し込むよう呼びかけています。

Internet Archive(IA)、公共図書館を対象とした地域の歴史のウェブアーカイブ構築支援プログラム“Community Webs”が米国デジタル公共図書館(DPLA)に参加すると発表

2021年6月22日、Internet Archive(IA)は、IAが実施している公共図書館を対象とした地域の歴史のウェブアーカイブ構築支援プログラム“Community Webs”が、米国デジタル公共図書館(DPLA)に参加すると発表しています。

IAは2015年からDPLAのコンテンツプロバイダーとして参加していますが、今回の“Community Webs”の参加により、同プログラムで収集・公開してるウェブアーカイブコレクションのメタデータがDPLAに取り込まれます。

Community Webs joins the Digital Public Library of America(Internet Archive Blogs,2021/6/22)
http://blog.archive.org/2021/06/22/community-webs-joins-the-digital-public-library-of-america/

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