学術雑誌

ハゲタカジャーナル・ハゲタカ出版に対する「警戒リスト」「安全リスト」の質的内容分析(文献紹介)

2020年9月8日付で、Elsevier社が刊行する大学図書館の関わるテーマを主に扱う査読誌“The Journal of Academic Librarianship”掲載記事として、米・テキサス工科大学の研究者5人による共著論文“A qualitative content analysis of watchlists vs safelists: How do they address the issue of predatory publishing?”がオープンアクセス(OA)で公開されています。

学術出版において、ハゲタカジャーナル・ハゲタカ出版に対する懸念はますます高まっています。この問題へ対抗するため、多くの個人・団体・企業がハゲタカ雑誌・出版社の特定を目的とした「警戒リスト(watchlist)」や、信頼のおける雑誌・出版社の特定を目的とした「安全リスト(safelist)」の作成を試みています。

一般社団法人情報科学技術協会(INFOSTA)、『情報の科学と技術』誌掲載記事のオープンアクセス(OA)ポリシーを策定:グリーンOAによる公開手続・時期等を明確化

2020年9月9日、一般社団法人情報科学技術協会(INFOSTA)は、会誌『情報の科学と技術』について、掲載記事のオープンアクセス(OA)ポリシーを策定したことを発表しました。

INFOSTAはOAポリシーの策定によって、同誌へ記事を執筆した著者が機関リポジトリ等でグリーンOAにより記事の公開を実施する際の手続・時期等を明確化しました。OAポリシー策定に伴い、同誌への原稿の執筆・提出・掲載の詳細を定めた「『情報の科学と技術』原稿執筆の手引き」の「5. 著作権」のうち第3節の改訂が行われています。

2020年度第1回J-STAGEセミナー「ジャーナルから見た研究データ:研究データ公開の意義」の講演資料が公開される

2020年8月28日にオンラインで開催された、2020年度第1回J-STAGEセミナー「ジャーナルから見た研究データ:研究データ公開の意義」の講演資料が、9月14日に公開されました。

同セミナーで行われた以下の講演について、資料が掲載されています。

・研究データ公開が学術コミュニケーションにもたらす変化
倉田敬子氏(慶應義塾大学)

・Research data and scholarly journals: developments, policy and implementation
Dugald McGlashan氏(INLEXIO)、Caroline Hadley氏(INLEXIO)
※試訳が付いています。

・社会科学分野における研究データの公開
朝岡誠氏(国立情報学研究所)

・実験技術開発における研究データ公開の役割について
笹川 洋平氏(理化学研究所)

・J-STAGE Dataのご紹介
科学技術振興機構(JST)

英・CIBER Research社と米・Cabells社、研究者・研究支援者によるジャーナルの品質と信頼性の評価に関する共同調査の報告書を公開

学術出版におけるジャーナルの評価・分析ツール等を提供する米国のCabells社が、2020年9月2日付のブログ記事上で、英国を拠点に出版に関する調査研究等を行うCIBER Research社との共同調査の報告書が公開されたことを発表しています。

Center for Open Science(COS)、オープンアクセス(OA)誌PLOS ONEと共同してオープンで透明性の高い認知発達心理学分野の研究論文の投稿を募集

2020年8月31日、米国の非営利団体Center for Open Science(COS)は、オープンアクセス(OA)誌PLOS ONEとの共同により、2020年11月30日を提出期限としてオープンで透明性の高い認知発達心理学(cognitive developmental psychology)分野の研究論文の投稿を募集することを発表しました。

COSは募集の背景として、心理学分野では、統計上の課題等により研究結果の再現性に限界があることから、研究報告の透明性の向上・メソッドの厳密化への関心が高まっており、研究データやソースコードのオープン化・研究内容の事前登録が特に必要となっていることを挙げています。早期認知発達、言語発達、非定型発達など認知発達心理学分野の幅広いテーマについて、確認的研究・探索型研究・臨床試験・観察研究など様々な研究タイプの論文の投稿が募集されています。

ユサコ株式会社、信頼できるジャーナル・ハゲタカジャーナルに関するCabells社提供のデータベース商品について総代理店契約を締結

ユサコ株式会社は2020年8月26日付の「ユサコニュース第319号」の中で、学術出版におけるジャーナルの評価・分析ツール等を提供する米国のCabells社の2件のデータベース商品について、総代理店契約を締結したことを発表しました。

ユサコ株式会社が総代理店契約を締結した商品はCabells社の“Cabells Journalytics”と“Cabells Predatory Reports”です。“Cabells Journalytics”は、信頼できるジャーナルの情報を提供するデータベースで、専門家の選定による18分野1万1,000誌の書誌情報、質評価メトリクス、エディターのコンタクト情報、投稿情報、オープンアクセス、採択率、募集中の論文情報などが収録されています。“Cabells Predatory Reports”は、ハゲタカジャーナル情報を検索できるデータベースで、専門家の選定による疑わしい雑誌のタイトル、ISSN、発行国、分野、ウェブサイトや、各タイトルの問題点などが収録されています。

英・ケンブリッジ大学、UKRIの新オープンアクセス方針案に対するケンブリッジ大学出版局(CUP)との共同回答の内容を報告

2020年8月18日付で、英・ケンブリッジ大学のOffice of Scholarly Communicationによるブログ“Unlocking Research”に、英国の研究助成機関UK Research and Innovation(UKRI)の新オープンアクセス(OA)方針案に対する同大学とケンブリッジ大学出版局(CUP)の共同回答の内容を報告する記事が公開されています。

ケンブリッジ大学はUKRIの新OA方針案に対して、CUPを含む大学内全体の幅広い分野の意見を反映して共同回答を作成し、2020年5月27日にオンラインフォームから回答しました。ブログ記事は共同回答の内容を以下のように要約して報告しています。

・著者の研究成果物に対する著作権保持、学術雑誌・出版社に対する透明性向上の要求、学術情報流通・研究評価基盤としての主要メタデータの重要性など、留保なしに支持できる点が多くある

・最終的な研究成果物へのアクセスを提供する持続的な雑誌出版モデルと研究集約型大学にとっての合理的な価格設定とは両立しがたく持続可能性に欠けるため、UKRIは全ての利害関係者の出版慣行の大幅な転換を支援しつつ、短期的にはより柔軟な方針を採用する必要があると思われる

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、“Research4Life”に参加し低所得国120か国の機関・組織に対して刊行する学術誌へのアクセスを提供

2020年8月13日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)は、途上国向けに無料・安価に学術情報を提供することを目的とした官民連携パートナーシップ“Research4Life”に参加したことを発表しました。

このことにより、低所得国120か国の機関・組織で、物理学・材料科学・生物科学・環境科学・工学・教育学など40以上の分野に及ぶIOP Publishing刊行の学術雑誌約90誌へのアクセスが可能となります。

Research4Lifeにアカウントを持つユーザーは、IOP Publishingの学術雑誌をResearch4Lifeのプラットフォーム上で利用することができます。

米国・カナダ・ラテンアメリカの大学図書館におけるハゲタカ出版に対する取り組み(文献紹介)

2020年7月8日付で、図書館情報学分野の査読誌“Aslib Journal of Information Management”にて、研究論文“Investigating academic library responses to predatory publishing in the United States, Canada and Spanish-speaking Latin America”が公開されていました。カナダ・オタワ大学の機関リポジトリで、著者版が公開されています。

論文では、米国、カナダ、スペイン語圏のラテンアメリカの国々の大学図書館におけるハゲタカ出版に対する取り組みについて比較調査が実施されています。Times Higher Education(THE)社の世界大学ランキングで上位に位置している各地域の大学の大学図書館が対象となっています。各大学図書館のウェブサイトを閲覧して、学術コミュニケーション司書の雇用、学術コミュニケーションに関するワークショップの開催、ウェブサイトでの学術コミュニケーションに関する情報の提供の有無について調査しています。さらに、これらのイベントや情報にて、ハゲタカ出版が扱われているか探っています。

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、Hindawi社との共同出版契約により2021年1月刊行号から5誌の編集・制作を同社に移管して完全オープンアクセス(OA)化

2020年8月6日、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)は、オープンアクセス(OA)に向けた継続事業の一環として、OA出版を手掛けるHindawi社と刊行中の5誌に関する共同出版契約を締結したことを発表しました。

両者が締結した契約により、CUPが刊行する“Global Health, Epidemiology and Genomics”、“Genetics Research”、“Journal of Smoking Cessation”、“Wireless Power Transfer”、“Laser and Particle Beams”の5誌について、2021年1月刊行号からHindawi社が同社のオープンソースの出版プラットフォーム“Phenom”により編集・制作を担います。また、5誌全てが2021年1月以降完全OA化します。

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