学術雑誌

オランダ科学研究機構(NWO)、同機構の助成規則におけるPlan S実施のための指針を発表

2020年7月1日、オランダ科学研究機構(NWO)は、2021年1月1日のPlan S発効に先立ち、研究者に十分な準備期間を与える目的で、NWOの助成規則におけるPlan S実施のための指針を発表しました。

NWOでは2015年以降、助成を受けた研究成果は全てオープンアクセス(OA)化するポリシーを実施していますが、2021年1月のPlan S発効後は今回発表された指針の枠組みで、2019年5月31日に発表された改訂版のPlan S実現に取り組みます。

NWOは2021年1月1日以降に公表された助成成果に当たる研究論文は、クリエイティブ・コモンズのCC BYライセンスの下で、エンバーゴの付かない即時OAとしなければならず、即時OA化は以下の3種類のいずれかの方法をとらなければならないとしています。

Clarivate Analytics社、Journal Citation Reports(JCR)の2020年版をリリース

2020年6月29日、Clarivate Analytics社は、学術誌評価分析データベース“Journal Citation Reports”(JCR)2020年版のリリースを発表しました。

2020年版では最新版のジャーナル・インパクトファクター(JIF)2019を参照することができます。83か国の学術雑誌12,000誌以上の情報を収録し、収録誌のうち完全オープンアクセス(OA)誌は1,600誌以上です。また、351誌の新規タイトルのうち178誌がOA誌です。

2020年版のJCRでは、OAに関する新たなデータが追加され、各学術雑誌の論文をアクセスモデル別に表示するデータが提供されます。これにより、ゴールドOAの学術論文が学術雑誌全体のコンテンツ量と被引用数にどの程度貢献しているかについて、透明性のある出版社中立の情報を研究コミュニティに提供可能になっています。また、7,487タイトルのハイブリッド誌について、従来の購読モデルで発行された論文数とクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で出版されたゴールドOAの論文数とを容易に識別可能になっています。

その他、過剰な自誌引用や不自然な引用等に関するモニタリングを行った結果として、33タイトルの除外や、15タイトルへの懸念表明を実施したことを表明しています。

J-STAGE、ウェブページ「新型コロナウイルス感染症対応支援:臨時フリー公開資料一覧」を公開

2020年6月23日、科学技術振興機構(JST)が提供する電子ジャーナルプラットフォームJ-STAGEは、ウェブページ「新型コロナウイルス感染症対応支援:臨時フリー公開資料一覧」の公開を発表しました。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、図書館の閉鎖等により学術情報へのアクセスが制限されている状況を踏まえ、J-STAGE上で公開されている認証付き資料の一部では、臨時フリー公開等の措置を実施しています。同ページでは、一部記事のフリー公開等を実施している資料の情報をまとめています。

お知らせ一覧(J-STAGE)
https://www.jstage.jst.go.jp/static/pages/News/TAB1/Current/Page1/-char/ja
※2020年6月23日付けのお知らせに「新型コロナウイルス感染症対応支援として、一部の認証記事がフリー公開されています。」とあります。

Springer Nature社、新たなオープンアクセス(OA)ジャーナルシリーズ“Discover”を立ち上げ

2020年6月23日、Springer Nature社が、新たに完全オープンアクセス(OA)ジャーナルシリーズ“Discover”を立ち上げることを発表しました。

同シリーズは、応用化学、物理学、生命学、医学、社会科学等のトピックを扱う40誌で構成される予定であり、同社が刊行するジャーナルに求められる高水準の研究公正を維持しつつ、投稿後7週間から10週間の出版を目指すとしています。

同シリーズで最初に刊行されるジャーナルは“Discover Sustainability”であり、同ジャーナルでは持続可能性に関して様々な研究分野の成果が掲載されます。

英・Jisc、SHERPA RoMEO・Sherpa Factのリニューアル版を公開

2020年6月18日、英・Jiscのオープンアクセス(OA)チームは、JiscのサービスSHERPA RoMEOのリニューアル版を公開したことを発表しました。

SHERPA RoMEOは、世界中の出版社のOAポリシーを集約・分析し、ジャーナルごとにOAによるセルフアーカイブの許諾条件・権利条件の概要を提供するオンライン情報源です。リニューアル版では、各ジャーナルの様々なOAポリシーの概略表示など、ユーザビリティ向上に関する大きな改善が行われました。また、APIの機能拡張や、将来の迅速なサービス展開を可能にする基礎データの改善も行われています。

今回のSHERPA RoMEOのリニューアルは、OAポリシーを取り巻く環境の変化への積極的な対応として実施されました。出版社が出版プロセスのさまざまな段階で提供している複雑なOAポリシーのバリエーションをより明確に示すことができるようになっています。Jiscはリニューアル版への移行を支援するため、ユーザー向けの参考資料を多数用意しています。

なお、ジャーナルが助成機関のOAポリシーに従っているかどうかを確認するためのサービスSherpa Factについても、SHERPA RoMEOとともにリニューアル版が利用可能であることが併せて発表されています。

学術出版プラットフォームRedalycとAmeliCAがDOAJとの共同事業を発表:DOAJへのラテンアメリカの非APCベースのオープンアクセスジャーナル収録増加等を目指す

2020年6月5日、メキシコ州立自治大学の運営する学術出版プラットフォームRedalycとラテンアメリカの非営利民間団体のイニシアチブとして活動する学術出版・オープンサイエンスのための情報基盤AmeliCAは、DOAJ(Directory of Open Access Journals)と共同事業を実施することを発表しました。

三者は共同事業において、ラテンアメリカの非APCベースのオープンアクセス(OA)ジャーナルのDOAJへの収録増加や、ジャーナル出版の効率化・コンテンツの可視性向上に関するRedalyc・AmeliCAの先進的技術の拡大を目指します。Redalyc・AmeliCAは特に人文・芸術・社会科学分野を対象に、ラテンアメリカの非営利のOAジャーナルの可視性向上・よりよい標準への準拠・ベストプラクティスの採用に努めることを表明しています。DOAJにとってRedalyc・AmeliCAとの共同事業は、フィンランド学会連盟との共同プロジェクトやカナダの学術プラットフォームÉruditとの協調に続くものであり、その収録範囲がさらに拡大されることになる見込みです。

cOAlition S、ユネスコ(UNESCO)が実施する“Global Consultation on Open Science”への回答を公開

2020年6月2日、cOAlition Sは、ユネスコ(UNESCO)が実施するオープンサイエンスに関する調査“ Global Consultation on Open Science”への回答を公開しました。

冒頭に要約と推奨事項が掲載されており、学術出版物へのオープンアクセスがオープンサイエンス実現のための主要素であること、学術論文へのアクセス欠如がオープンサイエンス実現の大きな障害であり、2017年時点では学術論文のうち75%が「購読料の壁(paywall)」に阻まれているとの報告があったこと、全ての研究論文はオープンアクセスで出版されるべきであり、出版時点で無料利用可能かつ再利用を促すライセンス付与がなされるべきであることなど、計7点を示しています。

DOAJ、カナダの学術プラットフォームÉruditとパートナーシップ関係を締結:フランス語学術雑誌等の可視性・発見可能性向上のため

2020年5月26日、DOAJ(Directory of Open Access Journals)は、カナダの学術プラットフォームÉruditとパートナーシップ関係を締結したことを発表しました。

両者のパートナーシップ関係は、Éruditのプラットフォーム上で流通する査読付オープンアクセス(OA)学術雑誌のDOAJへの収録を奨励・支援するプロジェクトの実施を目的として締結されました。現在、DOAJには131か国以上・75言語で出版された1万4,450タイトルのOA学術雑誌が収録されていますが、DOAJは2019年4月にフィンランド学会連盟(Federation of Finnish Learned Societies :TSV)等が発表した「学術コミュニケーションにおける多言語使用に関するヘルシンキ提言(Helsinki Initiative on Multilingualism in Scholarly Communication)」の署名機関として、英語以外の学術雑誌の収録に精力的に取り組んでいます。

フィンランドのコンソーシアム“FinELib”、SCOSSの資金調達モデルの枠組みによりDOAJへ3年間の資金提供を実施

DOAJ(Directory of Open Access Journals)の2020年5月19日付のお知らせで、フィンランドの大学・研究機関・公共図書館等によるコンソーシアム“FinELib”が、DOAJへの3年間の資金提供に合意したことが発表されています。

FinELibはDOAJのオープンアクセス(OA)・学術出版に対する貢献の重要性を認識し、DOAJへの資金提供に合意しました。FinElibの資金提供の表明は、2020年初頭に発表したフィンランドのオープンサイエンス・オープンリサーチに関する方針を背景として実施されており、フィンランドの学術コミュニティでも歓迎されています。

FinElibはDOAJへ年間3万1,500ユーロの資金提供を3年間実施することを約束しています。この資金提供はDOAJの「持続可能性」を確保するに足る水準であり、社会科学・人文科学分野の英語以外によるジャーナルを収録する事業など、DOAJの現在の主要目標に集中して取り組むことを可能にする、としています。

FinElibによる資金提供は、フィンランド学会連盟(TSV)とDOAJによる共同パイロットプロジェクトが成功したことを受けて実施されます。

cOAlition S、オープンアクセス(OA)出版費用を設定する際に出版者が遵守すべき「Plan Sに基づく価格透明性のフレームワーク」を公開:2022年7月1日に発効

2020年5月18日、cOAlition Sは、Plan Sの重要原則である価格の透明性に対応するものとして、オープンアクセス(OA)出版費用を設定する際に出版者が遵守すべき「Plan Sに基づく価格透明性のフレームワーク:手引きと要件(Plan S Price Transparency Frameworks: guidance & requirements)」の公開を発表しました。

cOAlition Sは、Plan S原則を満たす価格透明性のフレームワークとして以下の2種類を承認しています。

・学術出版の慣習の転換し出版プロセスの管理主体を学術コミュニティに取り戻すことを目的として活動する研究者・図書館員の連合“Fair Open Access Alliance(FOAA)”が開発し、Frontiers社等が実施中のフレームワーク“Breakdown of Publication Services and Fees”

・Information Power社が開発しAnnual Reviews社・Springer Nature社等が試行実施中のフレームワーク“Plan S Price and Transparency Framework”

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