学術雑誌

英・Jisc、英国微生物学会(Microbiology Society)と2年間の“Publish and Read”契約を締結

2019年10月16日、英・Jiscと英国微生物学会(Microbiology Society)は、試験的なオープンアクセス(OA)等に関する出版契約として、2年間の“Publish and Read”契約を締結したことを発表しました。

この契約により契約参加機関に所属する研究者は、英国微生物学会の刊行する雑誌へ著者として掲載された全ての研究成果が初めからOAで公開されると同時に、学会の刊行するコンテンツについて1947年までのアーカイブも含めて全てアクセス可能になります。

英国微生物学会はJiscのコンソーシアムを通してOA出版への転換契約を締結した最初の学会系出版者となります。契約の効力発生は2020年からで、“Microbiology”や“Journal of Medical Microbiology”など、OA誌、購読誌、ハイブリッド誌を含む英国微生物学会の刊行誌6タイトル全てが契約対象となります。

【イベント】九州大学統合新領域学府ライブラリーサイエンス専攻・附属図書館共催シンポジウム・ワークショップ「大学における研究データサービス」(12/5-6・福岡)

2019年12月5日及び6日に、九州大学中央図書館(福岡県福岡市)4階きゅうとコモンズにおいて、九州大学統合新領域学府ライブラリーサイエンス専攻と九州大学附属図書館の共催によるシンポジウム・ワークショップ「大学における研究データサービス」が開催されます。

同イベントは九州大学と米国イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校との戦略的パートナーシップの一環として開催されます。シンポジウムでは、イリノイ大学から招へいされた図書館職員による、図書館の研究データサービス部門におけるサービスやサブジェクトライブラリアンによる研究者への研究データ支援の実際の紹介と、日本の大学における研究データサービスの方向性についての議論が行われる予定です。ワークショップはシンポジウムの翌日に開催され、研究データとは何か、データキュレーションに必要なチェック項目は何か、学術雑誌のデータポリシーの確認の重要性に関する演習を通して、研究データサービスとして何が必要かを理解することを目標とした内容です。

無料で参加可能ですが事前に申し込みが必要です。また、シンポジウムの定員は80人、ワークショップの定員は40人となっています。

主なプログラムは以下のとおりです。

欧州分子生物学機構とASAPbio、投稿前原稿の査読プラットフォームサービス“Review Commons”を2019年12月に立ち上げ

2019年9月30日、欧州分子生物学機構(EMBO)と生命科学分野の出版の加速に取り組む非営利団体ASAPbio(Accelerating Science and Publication in biology)は共同して、投稿前原稿の査読プラットフォームサービス“Review Commons”を立ち上げ予定であることを発表しました。

2019年12月に立ち上げ予定の“Review Commons”では雑誌へ投稿前の原稿が受付され、受付された原稿は雑誌から独立した専門家による厳密な査読を受けることができます。また、原稿の著者はプレプリントサーバbioRxivへ査読内容と自身の回答の公開や、提携雑誌へ“Review Commons”で査読済原稿の投稿も可能になります。

ノルウェー・Unitが組織するコンソーシアム、Taylor & Francis社と“Read and Publish”契約で合意

2019年10月4日、ノルウェー国内の研究機関等の高等教育および研究におけるICTや共同サービスを担当するUnit(Direktoratet for IKT og fellestjenester i høyere utdanning og forskning:Norwegian Directorate for ICT and Joint Services in Higher Education and Research)は、ノルウェーの研究機関を代表して、Taylor & Francis社と“Read and Publish”契約で合意したことを発表しました。契約期間は2020年から2022年までの3年間です。

この契約にはノルウェー国内の23の研究機関が参加しています。契約参加機関の研究者は、理学・工学・医学・社会科学・人文科学にまたがるTaylor & Francis及びRoutledgeのジャーナルへアクセス可能になると同時に、それらのジャーナルで追加費用を支払うことなく研究成果をオープンアクセス(OA)化することができます。

コールド・スプリング・ハーバー研究所、bioRxivに投稿されたプレプリントに並べて査読内容を掲載する試行プロジェクト“Transparent Review in Preprints(TRiP)”を開始

2019年9月30日、生命医学分野のプレプリントサーバbioRxivを運営するコールド・スプリング・ハーバー研究所(CSHL)は、投稿されたプレプリントに並べて査読内容を掲載する試行プロジェクトとして、“Transparent Review in Preprints(TRiP)”を開始することを発表しました。

プロジェクトにはウェブアノテーションツールHypothesisが利用され、プロジェクト参加組織は、事前のオプトインにより参加意思を示した著者について、bioRxiv上の関連するプレプリントへピアレビューを投稿することができます。

多くのジャーナルでウェブサイトにピアレビューを表示させることが行われていますが、通常はレビュー対象となったバージョンではなく最終的に出版されたバージョンとともに表示されます。TRiPでは投稿バージョン・レビュー対象となったバージョンとともに表示可能であることが特徴です。

オープンアクセス誌eLife、欧州分子生物学機構(EMBO)、査読サービスPeerage of Science、EMBOとASAPbioプロジェクトにより2019年後半立ち上げ予定の査読サービスReview Commonsがプロジェクトの最初の参加組織となります。また、米国植物生物学会やPLOS等の他団体も参加予定です。

米・テキサス工科大学のプロジェクトチームが米国科学財団(NSF)の助成によりハゲタカジャーナルと信頼のおけるジャーナルを見分けるための教育プログラム開発に着手

2019年9月25日、米・テキサス工科大学は、同大学のメディア&コミュニケーション・カレッジで管理部門と財務部門のAssociate Deanを務めるAmy Koerber教授らのプロジェクトチームが、ハゲタカジャーナルと信頼のおけるジャーナルを見分けるための教育プログラム“STEM Training in Ethics of Publication Practices(STEPP)”開発に着手することを発表しました。

同プログラムの開発にあたって、Koerber教授、及びテキサス工科大学所属教員4人で構成されるプロジェクトチームは、米国科学財団(NSF)から34万5,702ドルの助成金を獲得しています。助成金を活用しながらSTEM分野の最新の出版慣行を調査し、教育プログラムを開発する、としています。

CA1960 - ハゲタカジャーナル問題 : 大学図書館員の視点から / 千葉 浩之

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カレントアウェアネス
No.341 2019年9月20日

 

CA1960

 

ハゲタカジャーナル問題 : 大学図書館員の視点から

北海道大学北キャンパス図書室:千葉浩之(ちばひろゆき)

 

【イベント】第2回J-STAGEセミナー 「国際動向への対応:出版倫理」(10/21・東京)

2019年10月21日、科学技術振興機構(JST)と国際STM出版社協会(STM)日本支部の主催により、東京都千代田区のJST東京本部別館において、第2回J-STAGEセミナー 「国際動向への対応:出版倫理」(JST-STMジョイントセミナー 「学術出版における変革:研究公正と出版倫理」)が開催されます。

同セミナーでは、J-STAGE利用機関やジャーナル出版に関心の高い、研究助成機関、研究者、行政の関係者等を対象に、研究公正・出版倫理に関するさまざまなトピックスの講演が行われます。

午前のセッションはSTMが主催し、学術出版において需要が高まっている、高水準で透明性の高い倫理規範に関する問題が取り上げられます。午後のセッションはJSTが主催し、出版倫理に焦点を当て関係団体から最新動向やそれぞれの団体のミッション・戦略・取り組み等が取り上げられます。

参加無料ですが事前申込が必要です。また、英語で行われる講演には英日の逐次通訳が用意されています。

主な内容は以下のとおりです。

スウェーデン王立図書館(NLS)、オープンアクセス(OA)に関する教育用動画をウェブサイト上で公開

2019年9月16日、スウェーデン王立図書館(NLS)は、オープンアクセス(OA)に関する教育用動画をウェブサイト上で公開したことを発表しました。

公開された動画は研究者や大学院生、大学図書館員等へ学術出版システムにおけるOAの基礎的な知識を提供するものです。動画はNLSの職員や国内の研究者・大学図書館員等へのインタビュー、オープンサイエンスの展開等近年の動向も含めたOA運動の背景にある学術出版システムの歴史、スウェーデンのOAに対する取り組みと現況等の内容で構成され、合計再生時間は約40分程度です。

動画はNLSのウェブサイトへメールアドレス等を登録すれば視聴可能です。またスウェーデン語音声の流れる部分には英語字幕を表示させることができます。

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