2021年2月14日付で、Springer Nature社が刊行する科学計量学分野の査読誌“Scientometrics”に、中国の山东大学国际创新转化学院の张立伟(Liwei Zhang)副教授と中国人民大学公共管理学院の马亮(Liang Ma)教授による共著論文“Does open data boost journal impact: evidence from Chinese economics”のオンライン速報版が掲載されています。
ザクセン州立・ドレスデン工科大学図書館 (SLUB)と共同で取り組む“B!SON (Bibliometric and Semantic Open Access Recommender Network)”は、OAジャーナルの推薦システムの開発に関するプロジェクトです。DOAJとオープン書誌データ・引用データを提供する学術インフラサービスOpenCitationsをプロジェクトパートナーとして、機械学習を利用したユーザーの入力情報の類似度判定などにより、著者に自身の研究成果の出版に最適な高品質のOAジャーナルを推薦することを目的に挙げています。
2021年1月28日付で、米国医師会(JAMA)が刊行するオープンアクセス(OA)の査読誌“JAMA Network Open”に、米・スタンフォード大学メタリサーチ・イノベーションセンターのValentin Danchev氏を筆頭著者とする論文“Evaluation of Data Sharing After Implementation of the International Committee of Medical Journal Editors Data Sharing Statement Requirement”が掲載されています。
同声明は、欧州の研究助成機関のコンソーシアムcOAlition Sのイニシアティブ「プランS」による研究成果のオープンアクセス(OA)化の拡大という理念に共感しつつ、即時OA化の保証を意図して導入された「権利保持戦略」については、現状のままでは支持することができないと表明しています。「権利保持戦略」の問題点として、無料の代替物の提供が出版社の購読料・論文処理費用(APC)収入を脅かしOA誌の財政的持続可能性を損なうこと、学術情報の基盤である出版社版(Version of Record)論文の公正性を掘り崩す恐れがあることなどを挙げています。