英国

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、著者名等の表記変更に関する新方針を発表:著者の求めに応じて発表済文献の表記を更新可能に

2021年4月21日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)は、著者名等の表記変更に関する新方針について発表しています。オープン・協力的・包摂的な研究環境の実現に向けた同社の取組の一環として、研究コミュニティとの協議を経て策定されたものです。

新方針では、著者の求めに応じて、発表済文献における著者名、代名詞、著者の写真、電子メールのアドレス(アドレスが著者名を反映している場合)の変更が可能となります。雑誌論文、プロシーディング、電子書籍を含め、同社が出版した全コンテンツに適用されます。

また、プライバシーに関する著者の権利を尊重するため、著者名の変更を公示(public notice)なしに行うことが可能となっています。さらに、変更の申請に当たり、申請理由を示す必要や、氏名の変更を証明する書類を提出する必要もないと述べています。

英・Libraries Connected、コロナ禍において公共図書館が児童向けに提供できるサービスのアイデア等をまとめたガイドを公開

図書館の支援を行う慈善団体である英国のLibraries Connectedは、コロナ禍において公共図書館が児童向けに提供できるサービスのアイデア等をまとめたガイド“How libraries can support children's wellbeing: Resource pack”を2021年4月付けで公開しています。

本ガイドの“Introduction”によれば、公共図書館のサービスが児童とその家族の(コロナ禍からの)回復に貢献できると思われる分野に焦点を当てたガイドであり、サービスのアイデアのほか、ケーススタディーや政府の支援に関するもの等、関連資料へのリンクも収録しています。

また、本ガイドは、Libraries Connectedが英・高学年の子ども及び教育図書館員協会(ASCEL)、英国読書協会(Reading Agency)との連携により2020年10月に開催したウェビナー“Children, Wellbeing and Libraries”での議論から着想を得たものとあります。

オランダ国立公文書館、奴隷制と奴隷貿易に関する記録をデジタル化してオンラインで公開

2021年4月23日、オランダ国立公文書館が、奴隷制と奴隷貿易に関する記録をデジタル化してオンラインで公開しました。

同館およびオランダ王立図書館(KB)による大規模プロジェクト“Metamorfoze program”の最終成果で、両館では、2013年から、オランダ・英国・ガイアナ・スリナムの9つの文化遺産機関とともに、奴隷制と奴隷貿易をテーマにデジタル化を進めてきました。

今回デジタル化されたのは、西インド会社(West-Indische Compagnie)、ミデルブルフ貿易会社(Middelburgse Commercie Compagnie)、スリナム協会(Sociëteit van Suriname)、オランダ領ギアナ(Nederlandse Bezittingen ter Kuste van Guinea)の評議会等の約190万点の記録で、ギアナに残された記録も、今回、保存とデジタル化のためにオランダに運ばれました。国立公文書館所蔵の西インド会社の記録、ゼーラント公文書館所蔵のミデルブルフ貿易会社の記録はユネスコの「世界の記憶」です。

Future Science Group、主要学術出版社刊行雑誌に掲載の文献へシームレスなアクセスを提供する無料ソリューションGetFTRへ参加

医療・バイオテクノロジー・科学分野の学術出版に携わる英国の出版社Future Science Groupは、主要学術出版社刊行雑誌に掲載の文献へシームレスなアクセスを提供する無料ソリューション“Get Full Text Research(GetFTR)”へ参加することを発表しました。

GetFTRは、提携するディスカバリーツールやプラットフォームを介して、研究者が場所によらず、必要なコンテンツへ迅速かつシームレスにアクセスすることを支援する無料のソリューションです。Future Science GroupはGetFTRへ参加する8社目の出版社となります。

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、米国の129機関と“Read & Publish”契約を締結

2021年4月6日、英国のケンブリッジ大学出版局(CUP)は、新たに米国の129機関と“Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。

“Read & Publish”契約を締結している米国の機関は、2020年は13機関でしたが、2021年には140機関以上となると述べています。このことによって、CUPおよびCUPグループのジャーナルで発表される米国の研究の25%が、追加費用なくOAで出版できるようになりました。

CUPは2025年までにジャーナル出版を完全なOAに移行することを約束しており、この契約はこの戦略の重要な要素であるとしています。今後も、米国でこの契約モデルを拡大させていきたいとしています。

「倫理的な共著」のためのガイド(記事紹介)

英国のロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(London School of Economics and Political Science : LSE)のブログ“LSE Blogs”に、2021年3月29日付けで記事“A simple guide to ethical co-authorship”が掲載されています。筆者は研究方法・研究倫理に関する論考を多く発表している研究者のHelen Kara氏です。

記事では、共著を始める前に確認しておくべき点、共著者に倫理的な引用の仕方を勧めるべきこと等、倫理的な方法で共同執筆・共同出版を検討している著者に向けたアドバイスが示されています。記事の背景として、現在多くの社会科学分野で共著がデフォルトとなっていることや、「倫理的な共著」について議論されることは少ないが、共著では盗用や引用操作といった非倫理的行為が良く起こることを指摘しています。

記事では非倫理的行為のその他の例として、ゴーストオーサーシップ・ゲストオーサーシップ・ギフトオーサーシップを挙げており、その定義や、出版倫理委員会(COPE)がこれらについて説明したフローチャートを公開していることを紹介しています。

英・JiscとTaylor & Francisグループ、3年間の転換契約を締結

2020年3月2日、英・JiscとTaylor & Francisグループは、3年間の転換契約を締結したことを発表しました。契約への参加メンバーには、3年経過後にさらに2年の延長を可能とするオプションも提供されます。

発表によれば、契約には以下の内容が含まれています。

・英国の著者へのOA出版。Taylor & Francisグループの“Open Select journals”において、合意された上限まで、先着順で著者の費用負担なしにOA出版できる。
・現在の蔵書数に応じた購読コンテンツへの読み取りアクセス。
・参加メンバーが自館のOA成果物をモニターできる“Taylor & Francis Research Dashboard”を含む、OAインフラの提供。

Taylor & Francisグループは英国における全研究の9%を出版する最大の人文・社会科学系出版社とあり、そのため今回の契約締結は、科学・技術・医学(STM)分野の研究者ほどの資金を得られていない人文・社会科学分野の研究者向けのOAルートとして特に重要なもの、と述べています。

Wiley社、英JiscのPublications Routerに対しオープンアクセス論文のフルテキストのデータ提供を開始

2021年4月13日、英・Jiscは、Wiley社がJiscのPublications Routerに対しオープンアクセス(OA)論文のフルテキストのデータ提供を開始したことを発表しました。なお、Publications Routerとは、論文のメタデータおよび全文を出版社等から各大学の機関リポジトリ等へ通知・転送するためのシステムです。

JiscとWiley社は2020年3月に4年間の“Read and Publish”契約を締結したことを発表しており、同契約により英国の研究者がWiley社の学術誌でOAの論文を公表する割合は、1年目に27%から85%へ上昇し2022年には100%に達し得る、としていました。今回の発表では、Publications Routerへの提供開始はこの契約を踏まえたものであると述べています。

シンガポール国家図書館委員会(NLB)及びイスラエル国立図書館(NLI)、英・デジタル保存連合(DPC)に加盟

2021年4月1日、英・デジタル保存連合(DPC)は、シンガポール国家図書館委員会(NLB)がDPCの正会員(full member)として加盟したことを発表しています。

2020年のDPCメルボルンオフィスの開設に伴い、DPCのガバナンス体制の一部としてオーストララシア・アジア太平洋地域のステークホルダーグループが設けられましたが、NLBは同グループにも参加します。同グループでは、地域内におけるDPCのプログラム開発への情報提供、DPCの戦略的方向性への意見提出といった活動が行われます。

DPCは、2021年3月3日に、イスラエル国立図書館(NLI)がDPCの準会員(Associate Member)として加盟したことも発表していました。

英・デジタル保存連合(DPC)、組織のデジタル保存における成熟度の測定ツール“DPC Rapid Assessment Model”のバージョン2.0を公開

2021年4月6日、英・デジタル保存連合(DPC)は、組織のデジタル保存における成熟度の測定ツール“DPC Rapid Assessment Model”(DPC RAM)について、バージョン2.0の公開を発表しました。初版に寄せられたフィードバック等を踏まえて改訂されたものです。

DPC RAMの初版は、デジタル保存の各要素に関する11のセクションからなり、各セクションについて自機関の状況に応じ5段階で評価を行う仕組みとなっていました。バージョン2.0でも同様の構成が維持されています。

一方で、バージョン2.0では各セクションでの例示が追加されました。追加部分には、利用者のニーズ、倫理、環境の持続可能性、アクセシビリティ、組織戦略、継続計画等への言及が含まれています。また、モデル内の一貫性・明確性の確保に焦点を当てた変更も行われました。

DPC の2021年4月7日付けブログ記事でも、バージョン2.0における変更内容とその理由が解説されています。同記事には、DPC RAMに関し、バージョン2.0における変更箇所を強調表示したバージョンへのリンクも掲載されています。

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