英国

英・リーズ市議会、産業革命時に建設された亜麻工場の英国図書館(BL)への改修に係る設計・調査等のための資金の調達を承認

2021年7月21日、英・リーズ市議会が、英国政府のBLプロジェクトの予算2,500万ポンドを管理するウェスト・ヨークシャ―合同行政機構から権限移譲協定(Devolution Deals)に基づき調達する500万ポンドを資金計画(Capital Scheme)に投入すること等が理事会(Executive Board)で承認され、コールイン(call-in;国が地方自治体に代わって計画を実施する制度)の対象となったと発表しています。500万ポンドは、一時的な建物の保護・安定化と、改修可能性についてのより詳細な設計と調査のための資金として用いられます。

産業革命時に建設され、GradeⅠの建物に指定されている亜麻工場テンプル・ワークス(Temple Works)の英国図書館(BL)への改修に係る提案報告書の理事会での審議に基づくものです。

英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、新型コロナウイルス感染症対策としての新たな形態のリモートアクセスに関するレポートを公開:オンラインの閲覧室等を構築する取組について

2021年7月19日、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)が、オンラインの閲覧室(Virtual Reading Room:VRR)やティーチングスペース(Virtual Teaching Space:VTS)を構築する取組についての調査レポートの公開を発表しました。

同調査は、2021年5月14日から6月11日にかけてRLUKが実施したものであり、英国の大学を中心に、32機関から回答が寄せられました。発表の中では、VRRやVTSはデジタル化に依存せず、図書館内の閲覧室等に配置したビジュアライザーを用いたライブ・ストリーミングにより、コレクションへのリモートアクセスを可能とするとあります。

調査の結果明らかになった主な事柄として、両者は広がりつつあるサービスであり、利用・対象者・拡張性・持続可能性について課題が残っていること等が挙げられています。その他、VRRは、ロックダウン期間中に当該組織内の少数の研究者等を対象としたリモートアクセス提供サービスから、より広範な研究者を対象とした研究支援サービスとなったと述べています。VTSについては、当初はロックダウン期間中にオンサイトでの授業の代替とされていたものの、現在では学生の学習支援と参加・地域への貢献の拡大のためのものになっていると指摘しています。

英国国立公文書館(TNA)、首相府・内閣府の1997年の文書を追加公開

2021年7月20日、英国国立公文書館(TNA)は、同国の首相府及び内閣府の1997年の文書を追加公開したと発表しています。

ブレア政権初期の頃のもので、フランス・米国・日本・ロシアといった国々との交渉にかかるファイルも含まれると説明されています。

1997年のメージャー政権末期のものはすでに公開されています。

More Prime Minister’s files from 1997 released(TNA,2021/7/20)
https://livelb.nationalarchives.gov.uk/about/news/more-prime-ministers-files-from-1997-released/

図書館利用の変化に対応するための建物やテクノロジーの更新のために利用可能な基金“Libraries Improvement Fund”の申請受付が開始へ(英国)

英国において“Libraries Improvement Fund”の申請受付が2021年7月26日から開始されます。

コロナ禍により2020年3月開始予定が保留となっていた、イングランド全域の既存の文化基盤の改善と新規の文化基盤の提供を支援することを目的とする文化投資基金(Cultural Investment Fund)が設立されたことによるもので、文化開発基金(The Cultural Development Fund)・博物館不動産開発基金(The Museums Estate and Development Fund) ・図書館改善基金(Libraries Improvement Fund)の3種類の基金があります。

基準は、デジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)とイングランド芸術評議会(ACE)が定めており、助成金はDCMSから拠出され、ACEが管理・授与・検査を行います。

図書館改善基金(Libraries Improvement Fund)の2021年・2022年度の助成総額は500万ポンドで、人々の図書館利用の変化に対応するための建物やテクノロジーの更新のためのさまざまな取組に利用可能であり、

英国図書館(BL)、2020/21年度の年報を公開

英国政府のポータルサイト“GOV.UK”において、2021年7月15日付けで英国図書館(BL)の2020/21年度の年報が公開されました。

同館の6つの目標(コレクション管理、研究支援、ビジネス支援、文化への関与、学習の振興、国際連携)に関する取組や主要な指標の数値等の他、公共貸与権や財政状況について等がまとめられています。

また、これからの1年(The year ahead)の章で、新型コロナウイルス感染症感染拡大により、2020/21年度は通常の計画のリズムを根本的に変える必要性に迫られたこと、今後は、英国の復興およびコロナ禍における同館の運営モデル構築を行うことについて言及しています。

英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)、オンライン環境でのメディアリテラシーに関する戦略を公開

2021年7月14日、英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)が、オンライン環境でのメディアリテラシーに関する戦略“Online Media Literacy Strategy”を公開しました。

同戦略は、3年間にわたり、メディアリテラシーに関する、より協調的で広範囲に届き、質の高い取組を行えるよう、関係機関を支援することを目的としています。目的を達成するために、英国におけるメディアリテラシーに関する戦略的方向性の提示、協調的アプローチの確保、主要なギャップへの対応、取組を行う機関にとっての障壁を減らして機会をつくることに取り組むとしています。

その他、メディアリテラシーの枠組みや特性、ユーザーグループ毎の特徴、誤情報(misinformation)と虚偽の情報(disinformation)、メディアリテラシー推進における政府と英国情報通信庁(Ofcom)の役割、メディアリテラシー分野における課題等がまとめられています。

英・デジタル保存連合(DPC)、“Safeguarding the Nation’s Digital Memory”プロジェクトの評価報告書を公開

2021年7月14日、英・デジタル保存連合(DPC)は、“Safeguarding the Nation’s Digital Memory”プロジェクトの評価報告書の公開を発表しました。デジタル保存のリスク管理のための共同アプローチを確立し、統計的なリスク管理手法をデジタル遺産の領域に導入することを目的として実施されたプロジェクトです。

同プロジェクトは、英国の国営宝くじ文化遺産基金(The National Lottery Heritage Fund)からの助成を受けて、DPCと英国国立公文書館(TNA)、英・ウォーリック大学など英国のアーカイブズ・コミュニティとの協力により行われました。実施期間は2020年1月から12月までの1年間でした。

評価報告書では、得られた主な知見、長所、短所、成果を要約しており、プロジェクトは所期の成果を満たし、いくつかの点ではそれ以上の成果を実現できたと結論付けています。また、プロジェクトの成果をさらに発展させるための提言も含まれています。

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、低所得国の研究者に対しオープンアクセス出版時の論文処理費用(APC)を免除することを発表

2021年7月6日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)は、世界銀行が低所得国(low-income countries)と定義している国の研究者に対し、オープンアクセス(OA)出版時の論文処理費用(APC)を免除することを発表しました。

同社はこれまでも、完全OA誌において低所得国の研究者向けにAPC免除を実施していましたが、ハイブリッドOA誌でのOA出版も新たにAPC免除の対象となります。著者が申請しなくても自動的に免除が適用される仕組みとなっており、これまで研究者が投稿を躊躇していた障壁を取り除くのに資すると述べています。

OA出版は誰もが研究にアクセスできるようにするために不可欠である一方、低所得国の研究者にとってはAPCの支払いが難しい場合があるとし、今回の取組によって世界的に科学研究への参加者が増加することを期待するとしています。

英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、学術研究に果たす大学・研究図書館の役割をテーマに行った調査の結果報告書を公開

2021年7月8日、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、学術研究に果たす大学・研究図書館の役割や可能性をテーマに行った調査の結果報告書を公開しました。英国芸術・人文科学研究会議(AHRC)と共同で行った同調査の「図書館」の定義には、アーカイブズ・特別コレクション・博物館・美術館も含まれています。

報告書では、研究パートナー・リーダーとしての大学・研究図書館の現在の役割や、それらの役割を強化する可能性、その際に直面する課題について詳細に概観しています。そして、得られた10の重要な知見をあげるとともに、図書館・学術コミュニティーのメンバー・設置母体・RLUK・AHRCに対して13の広範囲な提言を行っています。

また、英国内外から集められた研究のパートナー・リーダーとしての図書館の事例を示す詳細なケーススタディーもあわせて紹介されています。

英・Jisc、米国科学アカデミー(NAS)と2年間の“Publish and Read”契約を締結

2021年7月7日、英・Jiscは、米国科学アカデミー(NAS)と“Publish and Read”契約を締結したことを発表しました。契約期間は2021年7月から2023年6月までの2年間となっており、NASにとって国レベルのコンソーシアムとの転換契約締結は初めてとなります。

参加機関に所属する英国の責任著者(corresponding authors)は、出版費用を負担することなく、『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)にオープンアクセス(OA)論文を掲載することができます。また、参加機関の研究者は、1915年までさかのぼるPNASの全コンテンツに無料でアクセスできるようになります。

発表には、PNASの発行人でありNASのexecutive directorでもあるKen Fulton氏のコメントも掲載されています。同氏は、この契約を通じ、英国の大学に属する研究者はPlan Sに準拠した方法によりPNASでOA出版を行うことが可能になったとしています。さらに、この契約でのデータを分析してOAのビジネスモデル検討を進めること、フルOA誌の“PNAS Nexus”を2022年に立ち上げる予定であることにも言及しています。

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