米国

公共図書館の分館のサービスにおけるオープンデータの活用(文献紹介)

2020年10月3日付で、Taylor&Francis社が刊行する“Public Library Quarterly”に、公共図書館の分館のサービスにオープンデータを活用する試みに関する論文“Using Open Data to Inform Public Library Branch Services”が掲載されました。

同論文では、米国のシアトルの公共図書館が、利用者の構成や地域の人口変動を把握できる、オープンソースのシステムのプロトタイプ開発の経緯等がまとめられています。

現在提供されている類似システムは保守性、各館に合わせたカスタマイズ、使用のためのスキル等の面で課題があるということが指摘されています。この状況を踏まえ、シアトルの公共図書館の分館の職員へのインタビュー等を通してニーズを調査し、利用するオープンデータの検討が行われ、米国・国勢調査局のデータをもとに、プロトタイプが作成されました。同プロトタイプは、プログラミング言語であるR言語のパッケージ“Shiny”を用いて、対象地域の年齢、世帯収入の中央値、家庭で使用される言語等のデータを地図上に表すものであると述べられています。

英・Jiscと米・PLOS、オープンアクセス出版に関する新たな契約を締結

2020年10月14日、英国のJiscと米国のPLOSが、オープンアクセス(OA)出版に関する3年間の契約2つを新たに締結したことを発表しました。

発表によると、これらの契約により、論文処理費用(APC)を支払うことなく、PLOSが刊行する学術雑誌の一部でOA出版が可能となります。

2021年1月1日発効の契約は年間定額制であり、Jisc参加機関に所属する責任著者を対象として、“PLOS ONE”をはじめとした5誌での無制限のOA出版、カスタムレポートの利用等が可能となります。

もう一つの“PLOS Community Action Publishing agreement”では、Jisc参加機関に所属する責任著者と共著者が、“PLOS Medicine”および“PLOS Biology”において無制限に出版できるようになります。同契約は、年間定額制であり、責任著者と共著者の出版ニーズをもとに金額が定められます。

米国11大学の図書館アカウントによるInstagramへの投稿内容の分析(文献紹介)

2020年9月21日付で、米国図書館協会(ALA)内の部会“Core: Leadership, Infrastructure, Futures”が刊行するオープンアクセスの査読誌“Information Technology and Libraries”誌に、米・アイダホ大学の3人の図書館員による共著論文“Likes, Comments, Views: Information Technology and Libraries”が掲載されています。

著者らは、大学図書館によるInstagramの投稿で頻出するテーマは何か、Instagramに投稿されるテーマは「いいね」の数やコメントの有無に影響を与えるか、の2つのリサーチクエスチョンに基づく研究を実施しました。2018年11月から12月を対象期間として、アイダホ大学と学生構成・研究費・研究分野等が類似した米国内の11大学の図書館のInstagramアカウントについて、合計377件の投稿を調査しその内容分析を試みています。

米国歴史学協会、ウェブページ「新型コロナウイルス感染症への歴史家の反応に関する文献目録」を公開

2020年8月25日、米国歴史学協会(AHA)が、ウェブページ「新型コロナウイルス感染症への歴史家の反応に関する文献目録」(bibliography of historians’ responses to COVID-19)を公開していました。

同ウェブページは、「米国歴史学協会と新型コロナウイルス感染症」「政府の対応」「世間の反応と人々の経験」「医学的・科学的対応」「世界的・歴史的展望」「人種と健康」「一次資料と教育用ツール」といったセクションに分かれており、各セクションのテーマに沿って文献情報がまとめられています。

全米人文学基金(NEH)から、米国の新型コロナウイルス感染症に関する経済対策法“CARES Act”に基づく助成を受けたプロジェクト「パンデミックに立ち向かう:歴史家と新型コロナウイルス感染症」(Confronting a Pandemic: Historians and COVID-19)の一部として作成・公開されたものであり、公開後も文献の追加が続けられています。

ライデン大学図書館(オランダ)、同館特別コレクション室所蔵のイエメンで制作されたシーア派分派ザイド派の文化伝統を記録したアラビア語写本約150点をデジタル化公開

2020年9月16日、オランダのライデン大学図書館は、イエメンで制作された約150点の写本のデジタル化を完了し、研究・教育目的で自由に利用可能となるように公開したことを発表しました。

同館がデジタル化公開した写本は、17世紀から20世紀半ばまでにイエメンで制作されたイスラム教のシーア派分派ザイド派の文化伝統を記録したアラビア語の写本です。ザイド派の人々が制作した様々な写本は、紛争等のため、過去数百年の間に国外へ流出し、同館特別コレクション室はそのような写本のうち、言語・文学・歴史・宗教・イスラム法などの多様なテーマを含む約150点を所蔵しています。

全米女性党、米国議会図書館(LC)と米国国立公園局に女性の権利に関する歴史的コレクションを寄贈

2020年10月8日、米国議会図書館(LC)と米国国立公園局(National Park Service)が、全米女性党から女性の権利に関するコレクションの寄贈を受けることを発表しました。

米国における女性参政権100周年を記念し、女性の権利運動の歴史に関する資料へのアクセスを保証することを目的としています。発表によると、LCには31万件の文書、100件のスクラップブック、4,500件の写真等、米国国立公園局には全米女性党が保管していた横断幕、家具、彫刻等が寄贈されます。

Library of Congress and National Park Service Receive Historic Collection on Women's Rights from National Woman's Party(LC, 2020/10/8)
https://www.loc.gov/item/prn-20-066/?loclr=ealn

米国国立公文書館(NARA)、ネイティブ・アメリカンに関連する条約をデジタル化しオンライン公開

2020年10月12日、米国国立公文書館(NARA)が、数百件のネイティブ・アメリカンに関する条約をデジタル化し、同館が運営する“National Archives Catalog”でオンライン公開したことを発表しました。

ネイティブ・アメリカンの文化や芸術等に関する資料を所蔵する博物館Museum of Indian Arts and Cultureと連携し、同館等による先住民に関する資料のデジタルアーカイブプロジェクト“The Indigenous Digital Archive”の“Treaties Explorer”でも、同コレクションおよび関連する情報が公開されています。

Native American Treaties Now Online for the First Time(NARA, 2020/10/12)
https://www.archives.gov/press/press-releases/2021

ビジネス支援図書館推進協議会、「米国図書館協会(ALA)2019年次大会「ジャパンセッション」報告書」の全文をオンライン公開

2020年10月6日、ビジネス支援図書館推進協議会は、同協議会のウェブサイト上で「米国図書館協会(ALA)2019年次大会「ジャパンセッション」報告書」の全文をオンライン公開したことを発表しました。

同報告書は、2019年に同協議会が米国図書館協会(ALA)ワシントン大会で行ったジャパンセッションの発表およびそれに付随して行われた米国図書館視察の報告書です。同協議会は公開された報告書について、ALA年次大会における発表等の事業を推進するために実施したクラウドファンディング協力者への返礼品として編集・出版したものだが、好評な反応を得たことや、同事業の記録を残しその成果を周知する意図から、ウェブサイト上で公開することを決定した、としています。

米・ITHAKAと英・Jisc、JSTORにおけるデジタルコレクションの公開に関する協定を締結

2020年10月6日、JSTORを運営する米国のITHAKAと英国のJiscが、JSTORにおけるデジタルコレクションの公開に関する協定を締結したことを発表しました。

発表によると、今回の協定により、Jiscに参加する英国の高等教育機関は、JSTORのデジタルコンテンツをオープンアクセスで提供する“Open Community Collections”上で、各機関が保有するデジタル化した特別コレクションをオンライン公開することが可能となりました。

Free access to digital collections through new Jisc and JSTOR collaboration(JSTOR, 2020/10/6)
https://about.jstor.org/news/new-jisc-and-jstor-collaboration/

米国議会図書館(LC)、ヒスパニック文学の録音アーカイブの名称を変更:オンラインコンテンツも新たに追加

2020年10月5日、米国議会図書館(LC)は、LCが1943年から構築するヒスパニック文学の録音アーカイブ“Archive of Hispanic Literature on Tape”の名称を2020年10月から変更し、“PALABRA Archive”とすることを発表しました。米国で2020年9月15日から10月15日まで開催されているヒスパニック文化遺産月間(National Hispanic Heritage Month)におけるLCの取組の一環として行われたものです。

“Archive of Hispanic Literature on Tape”では、ホルヘ・ルイス・ボルヘスやパブロ・ネルーダなど高名な詩人や作家による自作朗読の録音記録を、名称どおりテープ録音によって収集してきました。しかし、2006年からの録音はデジタル形式で実施されており、テープによる既存録音分も全てデジタル化が完了しています。今回の“PALABRA Archive”への名称変更は、このような時代状況の変化を踏まえて、アナログからデジタルのアーカイブへの移行を示すものと位置付けられています。なお、スペイン語の“palabra”(ポルトガル語では“palavra”)はいずれも“Word”(言葉)を意味する単語です。

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