米国

北米研究図書館協会(ARL)、加盟図書館員の給与調査レポートの2019-2020年度版を刊行

2020年11月3日、北米研究図書館協会(ARL)は、加盟館124館を対象とした図書館員の給与調査レポートの2019-2020年版“ARL Annual Salary Survey 2019-2020”の刊行を発表しました。

今回ARLにデータを提供しなかった大学図書館1館の分を除き、115の大学図書館に勤務する1万691人と、8の非大学系図書館に勤務する3,154人のデータを分析対象としています。大学図書館のデータは、総合図書館・健康科学図書館・法律図書館に分けて報告されています。

刊行のお知らせでは以下の内容等が指摘されています。

・大学図書館におけるマイノリティ(historically underrepresented groups)の図書館員の割合は16.7%であり、管理職ではより割合が低い。
・マイノリティの図書館員の69%が女性である。
・115の大学図書館における女性図書館員の全体給与は男性の95.08%である。

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、報告書「COVID-19 / SARS-CoV-2 関連のプレプリントを用いた研究動向の試行的分析」の補遺を公表

2020年11月4日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、2020年6月30日に公表した[DISCUSSION PAPER No. 186]「COVID-19 / SARS-CoV-2 関連のプレプリントを用いた研究動向の試行的分析」の補遺を公表したことを発表しました。

NISTEPは、主要なプレプリントサーバにおける新型コロナウイルス感染症に関する研究の概況を調査した[DISCUSSION PAPER No. 186]の公表後も状況が激しく変化していることから、2020年9月末時点のデータを追加して同様の分析を行い、新たに国・地域ごとの特徴の把握も試みた補遺を作成しました。

補遺では改めて行われた調査の結果として、2020年5月末頃をピークとしてプレプリントの投稿数が減少していること、研究トピック自体に変化はないこと、研究トピックの比重が徐々に社会経済・公衆衛生等にシフトしてきていること、などを報告しています。また、新たに追加した国・地域の分析においては、2020年5月以降、中国に代わって米国の投稿数が伸びていることを指摘しています。

米・スタンフォード大学図書館、IIIF対応ビューワMirador v3.0.0のリリースを発表

2020年11月9日、米・スタンフォード大学図書館は、同大学の開発チームにより、IIIF対応ビューワMirador v3.0.0がリリースされたと発表しています。

新しい機能として、ElasticとMosaicの二つの異なるワークスペース、IIIF Presentation API v2・v3への対応(動画・音声対応)、日本語を含む12か国語への対応、プラグインでのW3CのWeb Annotation準拠のアノテーション作成対応等が紹介されています。

Mirador v3.0.0 is released(Stanford Libraries,2020/11/9)
https://library.stanford.edu/blogs/digital-library-blog/2020/11/mirador-v300-released

北米研究図書館協会(ARL)、社会科学分野における若手研究者の研究活動の実態と図書館・学協会向けの提言を示した調査レポートを公開

2020年10月26日、北米研究図書館協会(ARL)は、学術情報流通分野の研究者であるMarcel LaFlamme氏が執筆した調査レポート“Affiliation in Transition: Rethinking Society Membership with Early-Career Researchers in the Social Sciences”の公開を発表しました。

このレポートは米国・カナダの社会科学分野の若手研究者に対するインタビュー調査に基づいて、ソーシャルメディア等のコミュニケーション技術を活用した新しい形の研究コミュニティの形成を明らかにし、図書館や学協会向けに研究環境の変化に適応し研究の一層オープンアクセス化を進めるための提言を示したものです。

レポートでは、既存の学会への所属は研究へ参画するための一形態にすぎず、永続的ではなくより緩やかに制度化されたコミュニティ形成を求めていることなど、社会科学分野における若手研究者の研究活動の実態について、インタビュー調査から得られた知見を紹介しています。また、インタビュー調査の結果を踏まえて、研究支援の在り方等に関する図書館向けの提言や、新たに形成されている若手研究者らのコミュニティとの調整等に関する学協会向けの提言が示されています。

米・カリフォルニア大学サンタバーバラ校図書館、SPレコード時代の録音に関するデータベース“Discography of American Historical Recordings”にLinked Dataを追加

2020年11月2日、米国のカリフォルニア大学バーバラ校図書館が、SPレコード時代の録音に関するデータベース“Discography of American Historical Recordings(DAHR)”にLinked Dataを付与したことを発表しました。

DAHRは、米国のレコード会社が作成したマスターの録音31万4,000件以上が登録されたオンラインデータベースであり、3万件以上の録音を無料で聞くことができます。

発表の中では、貴重資料の収集・保存・提供を行う同館のコレクション“UCSB Library Special Research Collections”の編集チームが、録音資料の保存に関する取組を行う米国議会図書館(LC)の“National Recording Preservation Board”からの助成を受け、1年かけてLinked Dataの追加に取り組んだと述べられています。

バーチャル国際典拠ファイル(VIAF)や、LCが提供するLinked Data等が追加されています。

Internet Archive(IA)、ファクトチェック団体から虚偽情報と指摘されたアーカイブ情報等に注釈付きの黄色のバナーを表示

2020年10月30日、Internet Archive(IA)は、ファクトチェック団体から虚偽情報と指摘されたり、問題が指摘され元のウェブサイトから削除されたアーカイブ情報等に関し、“Wayback Machine”において、注釈付きの黄色のバナーを表示させると発表しています。

黄色のバナーには、ファクトチェック団体の該当ページへのリンクも貼られています。

Fact Checks and Context for Wayback Machine Pages(IA,2020/10/30)
http://blog.archive.org/2020/10/30/fact-checks-and-context-for-wayback-machine-pages/

【イベント】私立大学図書館協会主催オンラインセミナー 「ウィズ・コロナ時代の大学図書館サービス~北米の現場から~」(12/10・オンライン)

2020年12月10日、私立大学図書館協会の主催により、セミナー「ウィズ・コロナ時代の大学図書館サービス~北米の現場から~」がオンラインで開催されます。

米国とカナダの大学図書館司書から、北米における大学図書館サービスの現状について講演が行われます。

同協会加盟館の所属者が対象であり、事前に申込が必要です。

パネリストは以下の通りです。

・野口契子氏(プリンストン大学東アジア図書館日本研究司書)
・バゼル山本登紀子氏(ハワイ大学マノア校図書館アジアコレクション部日本研究専門司書)
・ファビアノ・ロシャ氏(トロント大学図書館日本研究司書)

国際図書館協力委員会主催:オンラインセミナーの開催について(12/10)(私立大学図書館協会, 2020/10/30)
https://www.jaspul.org/news/2020/10/1210.html

米・アリゾナ大学図書館、研究データリポジトリ“UA Research Data Repository”を公開

2020年10月29日、米国のアリゾナ大学図書館は、同館が中心となって開発し、提供を開始した研究データリポジトリ“UA Research Data Repository(ReDATA)”に関する記事を掲載しました。

“ReDATA”は、同大学に所属する研究者により作成されたあらゆるタイプのデータを蓄積し、共有する研究データリポジトリです。

記事の中では、情報アクセス・共有の障壁を減らすという同館のミッションに沿うものであり、研究成果の影響の把握も行えること等が述べられています。また、同リポジトリで公開されたデータにはDOIが付与されます。

米国図書館協会(ALA)、人種と性のステレオタイプに関する大統領令に対して批判声明を発表

2020年10月29日、米国図書館協会(ALA)は、9月22日付で発令された人種と性のステレオタイプに関する大統領令“Executive Order on Combating Race and Sex Stereotyping”に対する声明を発表しました。

この大統領令は、連邦政府の職員・政府からの契約を請け負った事業者・助成金の受領者に対して、批判的人種理論や白人優位主義に関する議論・検討を禁止し、ダイバーシティに関する教育・研修を中止することを求めています。ALAは発表した声明の中で、この大統領令がダイバーシティに関する教育・研修は人種差別や性差別を再生産するという悪意に満ちた誤りの主張に基づいているとして、否定する立場を明らかにしています。

ALAは、図書館・図書館員が、黒人・先住民・有色人種の人々を抑圧・排除し、女性への機会平等を否定するシステムに加担してきたことを認識し、平等な権利と機会を保障する国家の義務を果たすためには、痛ましく残酷な歴史に学ぶことが不可欠であると主張しています。また、助成金交付の中止を恐れてプログラムの中止を決めた機関が確認され、ホットラインを設置して違反の報告が奨励されていることについて、「マッカーシズム」による検閲を想起させるものとして懸念しています。

米・ユタ州大学図書館コンソーシアムが州内の学生・教員に実施した教科書・オープン教育資源(OER)に対する意識調査(文献紹介)

国際オープン・遠隔教育協議会(International Council for Open and Distance Education:ICDE)の刊行するオープンアクセスの査読誌“Open Praxis”の第12巻第3号(2020年7-9月)に、論文“Academic Librarians Examination of University Students’ and Faculty’s Perceptions of Open Educational Resources”が掲載されています。

同論文は、米・ユタ州の大学図書館コンソーシアム“Utah Academic Libraries Consortium (UALC)”が州内の学生・教員を対象に実施した、教科書・オープン教育資源(OER)に対する意識調査の結果を報告するものです。教科書にかかる費用が学業に与える影響、教科書費用の問題の解決手段としてのOER採用の実現可能性、OERに関する図書館員の支援のニーズ等についてのアンケート調査が行われました。州内の高等教育機関10機関の学生2,574人、教員1,157人の回答に基づいて、次のようなことを報告しています。

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