米国

米・イェール大学バス図書館、凍結したスプリンクラー配管の破裂による大規模な浸水被害のため休館中:蔵書の水損被害は最小限

2021年1月29日の夜、米国のイェール大学バス図書館(Bass Library)で、館内の凍結したスプリンクラー配管の破裂により、大規模な浸水被害が発生しました。

イェール大学図書館は、1月31日付のお知らせにおいて、館内の清掃と修繕が完了するまでバス図書館が休館すること、設備工事業者が週末に水の汲み上げと送風機・除湿機で館内を乾燥させる措置を行ったことなどを伝えています。

2月9日付のお知らせでは、清掃・修繕のための休館は少なくとも2月末まで継続すること、同館の蔵書は大学内の別の図書館で利用するか、自宅等への配送を依頼可能であることを発表しています。また、事故の詳細な状況として、1月29日の閉館直後に上層階の天井で配管が破裂して漏水が発生し、階段と電気ケーブル・インターネットケーブルの通った導管を伝って下層階にも浸水が広がったこと、傷んだ壁板・天井板等の交換、カーペット・石細工等の洗浄を進めていることなどを併せて発表しています。

なお、同館の6万5,000冊以上の蔵書については、外部の専門家に約730冊のドライクリーニングと状態の評価を依頼中であるものの、貴重資料や入手困難な資料には被害が及んでいない、と説明しています。

主要な医学雑誌の掲載論文における臨床試験データ共有の実際(文献紹介)

2021年1月28日付で、米国医師会(JAMA)が刊行するオープンアクセス(OA)の査読誌“JAMA Network Open”に、米・スタンフォード大学メタリサーチ・イノベーションセンターのValentin Danchev氏を筆頭著者とする論文“Evaluation of Data Sharing After Implementation of the International Committee of Medical Journal Editors Data Sharing Statement Requirement”が掲載されています。

米・ミシガン大学出版局、大学出版局として初めてBenetech社による電子書籍のアクセシビリティ検証プログラム“Global Certified Accessible™”の認証を取得

2021年1月26日、米国のミシガン大学出版局(University of Michigan Press)は、障害者の学習環境の向上等の社会貢献のためのソフトウェア開発を支援する非営利企業Benetech社から、“Global Certified Accessible™”(GCA)による認証を取得したことを発表しました。大学出版局のGCAの認証取得は、ミシガン大学出版局が初めての事例となります。

Benetech社のGCA認証は、電子書籍のアクセシビリティを検証する、世界で初めての独立した第三者機関によるEPUB認証プログラムです。同社は、EPUB出版物のアクセシビリティの仕様を定めた“EPUB Accessibility 1.0”のうち規格適合性(Conformance)と発見性(Discovery)を満たし、ウェブコンテンツアクセシビリティのガイドライン“Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)2.1”でAA以上の基準を達成した出版社について、GCAの認証基準に従って完全にアクセシブルなEPUB出版物を作成する出版社として認証しています。

公共図書館等と連携した、臨床試験等に関するリサーチリテラシーを向上させるツール“Health for All”の開発(文献紹介)

オープンアクセス(OA)の査読誌PLOS ONEに、2021年2月3日付で、公共図書館等と連携した、十分にサービスを受けられていない人々の臨床試験等に関するリサーチリテラシーを向上させるウェブサイト型ツール“Health for All”の開発について報告する論文が掲載されています。

同ツールは、著者らが以前開発したフラッシュカードベースのリサーチリテラシー支援ツールをもとにしています。マイノリティのリサーチリテラシーを向上し、臨床試験における人種・民族的な多様性の欠如を解決することを目的としています。開発は、米国のシカゴ公共図書館(CPL)、シカゴ大学ジョン・クレラー図書館、イリノイ大学シカゴ校ヘルスサイエンス図書館、シカゴ公衆衛生局との連携により行われました。

開発の過程では、CPLの利用者と職員を対象とした紙のプロトタイプを使ったデザインセッション7回、CPLの利用者計24人を対象としたウェブサイト形式のプロトタイプのユーザビリティテストが実施されました。参加者には、アフリカ系、ヒスパニック・ラテン系、アジア系の住民等が含まれています。

英国の機関リポジトリアグリゲーターCORE、PubMedのLinkOut機能に対応:PubMedユーザーにCOREポータルサイト上で利用可能な文献フルテキストへのリンクを直接提供

2021年2月3日付で、英・Jiscは研究支援活動等を紹介するブログ“Research”の記事として、英国の機関リポジトリアグリゲーターCOREが米国国立医学図書館(NLM)の生物医学文献データベースPubMedのユーザーに対して、文献のフルテキストを提供可能になったことを紹介しています。

COREのPubMedユーザー向けのフルテキスト提供は、PubMedによる外部サービスへの直接リンク提供機能“LinkOut”を利用して行われます。COREのポータルサイト上で利用可能な文献について、PubMedの検索結果画面上に、フルテキストへのリンクが形成された専用アイコンが表示されます。

同記事では、数十万件規模の文献がPubMedから直接利用可能になったことを説明しています。また、今回のフルテキスト提供は、CORE収録の論文データとPubMedのデータとを、効率的で正確に照合可能なアルゴリズムの新たな導入により実現したことを紹介しています。

COREは、Jiscと英国Open Universityによる非営利のサービスとして提供されています。

米・カリフォルニア大学、大学構成員の著作権保有に関するポリシーを改訂

2021年2月2日、米・カリフォルニア大学のOffice of Scholarly Communicationは、同大学構成員の著作権保有に関するポリシーが1992年以来初めて改訂されたことを発表しました。

カリフォルニア大学の同ポリシー改訂作業は、2013年のワーキングループの設置に始まり、2019年の大学構成員向けレビューを経て完了しました。ポリシー改訂の目的として、以下の5点を挙げています。

・著作権保有資格のある大学構成員の範囲の拡大
・大学構成員が著作権を保有できる著作物の対象範囲の拡大
・大学による著作権保有範囲の制限を目的とした「重要な大学のリソース(Significant University Resources)」の創設
・大学院生の著作権保有資格の明確化
・労働組合の協定と競合した場合の適用条件の明確化

改定されたポリシーの全文は、同大学の事務本部であるOffice of the Presidentのウェブサイトで公開されています。

オンラインを利用した医療情報の検索行動におけるヘルスリテラシーの役割:米・ミネソタ州の成人を対象とした横断調査(文献紹介)

2021年1月27日付で、医療分野のイノベーションや情報技術を扱ったオープンアクセスの査読誌“Journal of Medical Internet Research”(JMIR)の第23巻第1号に、米国の社会福祉・公衆衛生分野の研究者らによる共著論文“Role of Health Literacy in Health-Related Information-Seeking Behavior Online: Cross-sectional Study”が掲載されています。

コロナ禍におけるメタデータ:米・電子図書館連合(DLF)参加機関における取組事例(記事紹介)

2021年2月3日付で、米・電子図書館連合(DLF)が、新型コロナウイルス感染症感染拡大下における、メタデータに関するプロジェクトや活動を紹介する記事を掲載しました。

同記事は、電子図書館の標準・ツール・実践等の課題に取り組むAssessment Interest Group(DLF AIG)の、メタデータワーキンググループによるものです。同ワーキンググループでは、通常は来館者サービス等別の業務を行っている職員に仕事を提供するために、リモートやオンラインでできる業務として、デジタルコレクションに関する作業を増強した方法ついて議論が行われてきました。

記事の中では、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により休館、テレワーク体制となった以下の機関における、他部局の職員や学生スタッフ等を取り込んだ、デジタル資料に関するメタデータ作成・修正やテキスト化、索引付与のプロジェクト、新たなデジタルコレクション構築をはじめとした取組の内容や実施方法、成果等が紹介されています。

米・連邦政府のテクニカルリポートをオンラインで公開するTRAILが試験事業の開始から15周年:8万6,000件以上のリポートを公開

2021年2月8日、北米の研究図書館センター(CRL)は、米・連邦政府のテクニカルリポートをオンラインで公開するTRAILが試験事業の開始から15周年を迎えたと発表しています。現在、8万6,000件以上のリポートが公開されています。

TRAILは、連邦政府のテクニカルリポートをより利用しやすくする事を目的に、2006年に大学図書館コンソーシアム“Greater Western Library Alliance”が資金を拠出し、2007年に試験事業として開始されたものです。現在48を超す機関が参加しています。

TRAIL Celebrates 15 Years(CRL,2021/2/8)
https://www.crl.edu/news/trail-celebrates-15-years

TRAIL(CRL)
https://www.crl.edu/programs/trail

【イベント】U-PARLシンポジウム:むすび、ひらくアジア4 アジア研究図書館開館記念シンポジウム「サブジェクト・ライブラリアンの将来像」(3/15・オンライン)

2021年3月15日、東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門(U-PARL)および東京大学アジア研究図書館の共催により、U-PARLシンポジウム:むすび、ひらくアジア4 アジア研究図書館開館記念シンポジウム「サブジェクト・ライブラリアンの将来像」がオンラインで開催されます。

東京大学アジア研究図書館では、サブジェクト・ライブラリアン制度を本格的に始動させ、その確立と普及を目指しており、本シンポジウムは、そのための人材育成・確保のための新しい仕組みを構築する方法とその課題について議論し、サブジェクト・ライブラリアンの将来像を展望する目的に行われます。

参加費は無料ですが、事前の申込が必要で、先着480人です。

内容は以下の通りです。

[第1部]
・開会の辞 
 蓑輪顕量氏(U-PARL部門長、人文社会系研究科教授)

・アジア研究図書館の紹介 
 小野塚知二氏(アジア研究図書館館長、経済学研究科教授)

・趣旨説明
 中尾道子氏(U-PARL特任研究員)

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