米国

米・ボストン公共図書館(BPL)、歴史的写真の画像データ8,000件以上をWikipediaで利用可能に

2021年1月14日、米国のボストン公共図書館(BPL)は、1月15日にWikipediaが20周年を迎えることを記念し、米国デジタル公共図書館(DPLA)と連携して、BPLのアーカイブコレクションの中から8,000件以上の歴史的写真の画像データをWikimedia Commonsに提供したことを発表しました。

今回のデータ提供は、DPLAによる、図書館や博物館が持つ歴史的資料へのアクセスを向上する取組の一環として実施されました。野球チームのボストン・レッドソックスの初期の写真、1800年代後半の米国西部で行われた調査において撮影された先住民族の写真等が含まれています。

また、発表の中で、年間を通じて数千件の地図・写真・手稿等の画像をWikimedia Commonsに追加で提供する予定であると述べられています。

Boston Public Library makes historical images available for use in Wikipedia(BPL, 2021/1/14)
https://www.bpl.org/news/bpl-dpla-wikipedia/

各国の国立図書館について紹介するウェビナーシリーズ“Meet the National Libraries”(記事紹介)

各国の国立図書館について紹介するウェビナーシリーズ“Meet the National Libraries”が、米・イリノイ大学国際地域研究図書館の組織“Slavic Reference Service”と国際図書館連盟(IFLA)国立図書館分科会との協力により開催されています。

2020年11月18日に開催された第1回は米国議会図書館(LC)特集であり、LC各部門の職員らによりLCの多様な業務・サービスの紹介が行われました。なお、第1回の記録動画はYouTube上で公開されています。

第2回は2021年1月28日午後6時(米国中部標準時)に開催予定であり、シンガポール国立図書館が特集されます。ウェブ会議サービスZoomを用いて開催され、事前登録すれば誰でも参加可能となっています。

米・ボストン公共図書館、2021年は米国を分断する隔たりを埋めるための取組に注力することを発表:取組のテーマは“Repairing America”

2021年1月11日、米・ボストン公共図書館(BPL)は、2021年は米国を分断する隔たりを埋めるための一連の取組に注力することを発表しました。それらの取組を包括するテーマは“Repairing America”となっています。

“Repairing America”の取組は、2021年の同館のサービス及びプログラムにおいて重点的に実施されます。取組の主なテーマとして、「経済復興」「市民の参加と議論」「新型コロナウイルス感染症からの復興」「人種平等」「人材開発」「若年層の参与」が挙げられており、具体的な取組内容の一部も発表されています。

発表には、同館のDavid Leonard館長によるコメントも掲載されています。同氏は、米国の調査機関Pew Research Centerによる2017年の調査で米国の成人のうち80%近くが公共図書館を「信頼できる」(trustworthy and reliable)と回答したことに触れつつ、米国の民主的機関の一つとして、同館には復興・平等・コミュニティに関する米国の分断について理解を促し、隔たりを埋めるための支援を行う必要があると強調しています。

米・国家デジタル管理連盟(NDSA)、デジタルコンテンツの収集・管理・保存における意思決定を支援するガイド“Digital Curation Decision Guide”の初版を公開

2020年12月18日、米・国家デジタル管理連盟(NDSA)が、デジタルコンテンツの収集・管理・保存における意思決定を支援するガイド“Digital Curation Decision Guide”の初版の公開を発表していました。

NDSAで、デジタル保存の支援ツール“Levels of Digital Preservation”の改訂に携わったワーキンググループが作成したものであり、非営利団体Center for Open Science(COS)の研究プロジェクト管理システム“Open Science Framework”(OSF)のプラットフォーム上で公開されています。

本ガイドの“Introduction”によれば、デジタルコンテンツの取得に携わるキュレーターのために意思決定のポイント等を示したガイドであり、「コレクション構築」「コレクション管理:セキュリティ」「コレクション管理:知的アクセス」「コレクション管理:技術的アクセス」といったテーマを含んでいます。

米国国立公文書館(NARA)、トランプ政権の公式ソーシャルメディアのすべてのコンテンツを収集・保存・提供すると発表

米国国立公文書館(NARA)が、@realdonaldtrumpや@POTUSから削除された投稿を含む、トランプ政権の公式ソーシャルメディアのすべてのコンテンツを収集・保存・提供すると発表しています。

ホワイトハウスでは、大統領記録法に従い、NARAと相談のうえ、全てのコンテンツを収集・保存するアーカイビングツールを使用しており、これらの記録は2021年1月20日にNARAに引き渡され、NARAが新たに公開するウェブサイト“trumplibrary.gov”で公開されます。

@USNatArchives(Twitter,2021/1/11)
https://twitter.com/USNatArchives/status/1348330024420700160

米国科学振興協会(AAAS)、Science誌及びその姉妹誌においてcOAlition Sの研究助成成果に当たる受理済論文にCC BYまたはCC BY-NDライセンスの付与を容認

2021年1月15日、米国科学振興協会(AAAS)は、オンラインニュース配信サイト“EurekAlert!”で、Science誌及びその姉妹誌の合計6誌において、オープンアクセス(OA)出版の条件が更新され、cOAlition Sから助成を受けた研究者は、受理済の論文にCC BYまたはCC BY-NDライセンスを付与できるようになったことを発表しました。

AAASはこのOA出版に関する新方針の背景として、Science Advances誌によりゴールドOAを進める一方で、他の5誌では長年に渡ってグリーンOAを支援してきたこと、ゴールドOAのみの促進では、過大な金銭的負担により、人種・ジェンダー・地域・分野・機関に関する研究者間の不平等が温存・助長される懸念を持っていることを挙げています。

この新方針は、2021年1月1日以降にScience誌及びその姉妹誌に投稿された論文のうち、プランSの「権利保持戦略」を採択済のcOAlition S加盟機関から助成を受けた研究成果に該当する論文に適用されます。

米国図書館協会(ALA)・北米研究図書館協会(ARL)・米国専門図書館協会(SLA)、連邦議会議事堂襲撃を非難する声明を発表

米国図書館協会(ALA)・北米研究図書館協会(ARL)・米国専門図書館協会(SLA)が、連邦議会議事堂に対する襲撃事件を非難する声明を発表しています。

ALAは、選挙のプロセスや民主主義の品位を損なう暴力的な試みとして非難するとともに、米国の図書館は全ての個人の憲法上の権利を保護しており、奉仕するコミュニティの土台であるとし、個人が生涯学習者となり、情報を得て、リテラシーを高め、教育を受け、文化的に豊かな住民となる機会を持てるように民主主義社会を称賛し保護すると述べています。

ARLは、今回の事件は、民主主義への直接的な脅威であり、反人種差別や「知識の包括的発展・表現・共有・保存」といったARLの使命や基本理念がなぜこれほど重要なのかについてのさらなる警鐘となるとしています。

SLAは、今回の事件は、意図的な誤った情報が暴動を扇動する力となることを示しているとし、ビジネス組織・政府機関・高等教育機関といった自由な社会の土台のための情報を管理するSLAの会員は、我々のコレクションやプログラムを通じて増幅する声の影響を考慮する責任があるとし、平和的な政権移行を支持するため全ての米国人が団結するよう求めています。

Library Publishing Coalition(LPC)、大学・研究図書館の出版活動に関するダイレクトリーの2021年版を公開

2021年1月12日、図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”(LPC)が、大学・研究図書館の出版活動に関するダイレクトリー“Library Publishing Directory”の2021年版の公開を発表しました。

PDF版、EPUB版での公開のほか、掲載情報を検索できるオンラインデータベースも提供されています。

ダイレクトリーには、米国とカナダを中心に、英国・アイルランド・ウクライナ・南アフリカ・ドイツ・オーストラリア・ロシア・チェコ・ノルウェーを含む計136の大学・研究図書館での出版活動が紹介されています。各館ごとに、担当部署、連絡先、ウェブサイト、SNS、職員数や機関種別をはじめとした出版活動の概観、査読誌・APCが必要な学術雑誌の割合や、出版プラットフォーム、デジタル化戦略、学内外・機関内外の連携先等がまとめられています。

米・OverDrive社、公共図書館および学校における電子書籍貸出が前年比33%増加したと発表:新型コロナウイルス感染症感染拡大等の影響

2021年1月7日、米国のOverDrive社が、同社が提供するサービスで、2020年の公共図書館および学校における電子書籍貸出件数が、2019年と比べて33%増加したことを発表しました。新型コロナウイルス感染症感染拡大、社会正義、リモート学習を増加の背景として挙げています。

発表によると、公共図書館および学校における2020年の貸出件数は合計で4億3,000万件でした。また、社会情勢の影響から先住民や有色人種等に関する書籍や社会的に疎外されたコミュニティの所属者によって書かれた書籍の貸出が、前年比で165%増加しています。加えて、リモート学習等により、子どもやヤングアダルト向けのフィクション・ノンフィクションが増加したこと等が指摘されています。

米国における下院選挙・大統領選挙の投票結果と公共図書館の利用状況との間の関連性の調査(文献紹介)

2020年12月15日付で刊行された、カナダ・アルバータ大学のラーニングサービス部門が刊行する季刊誌“Evidence Based Library and Information Practice”(EBLIP)の第15巻第4号に、カンザス州のエンポリア州立大学の大学院生であるルンド(Brady D. Lund)氏ら3人の共著論文として、“Election Voting and Public Library Use in the United States”が掲載されています。

著者らは、米国における下院選挙・大統領選挙の投票結果と公共図書館の利用状況との間に相関関係が存在するかどうかの調査を実施し、内容や考察を同論文で報告しました。調査の情報源には、2010年・2012年・2014年・2016年の米国連邦議会の下院選挙、2012年・2016年の米国大統領選挙の投票結果、及び米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)による公共図書館の概況調査で示された2010年・2012年・2014年・2016年の公共図書館の利用統計が用いられています。

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