米国

米国国立公文書館(NARA)、人種差別に関する内部タスクフォースによる推奨事項を公開

2021年6月14日、米国国立公文書館(NARA)が、人種差別に関する内部タスクフォース“Archivist's Task Force on Racism”による推奨事項を公開しました。

同タスクフォースは、NARAの利用者サービスおよび職場環境における構造的人種差別を把握し、解決策を提案することを目的として2020年に設立されました。職員や外部有識者への照会、採用過程・職場文化・研究者や一般からのNARAの機能に対する認識等の精査を行い、結果をまとめたレポートを2021年4月にNARAの職員向けに公開したとあります。

発表の中では、推奨事項として、少数派のコミュニティに関する記録のデジタル化に焦点を当てるといった研究者・来館者・その他一般向けにNARAが取り組むべきことが紹介されています。また、上級管理職において更に多様な職員を育成・採用するための戦略の策定をはじめとした、現在および将来の従業員のために取り組むべきことが挙げられています。

米・ニューヨーク州議会で、出版社に「合理的な条件」下で図書館への電子書籍ライセンス提供を求める法案が可決

米国の出版情報誌“Publishers Weekly”の2021年6月11日付の記事で、米国のニューヨーク州の法案(S2890B/A5837B)が、州議会において全会一致で可決されたことが紹介されています。

同法は、一般向けに電子書籍のライセンス提供を行う出版者に対し、「合理的な条件」(reasonable terms)下での図書館へのライセンス提供を求める内容となっており、メリーランド州に続く2例目です。記事によると、州知事が法案へ署名してから19日後に発効します。なお、議会可決後10日の間に州知事が署名をしない又は拒否権を行使しなかった場合、法案は自動で法律となると述べられています。

また、記事の中では、米国出版協会(AAP)が、メリーランド州の法案に関して反対の意思を表明していたこと、ニューヨーク州ではニューヨーク図書館協会(NYLA)が同法案への賛成を議員に求める意見をSNS上で募集していたこと等に触れられています。

英国国立公文書館(TNA)、2022年4月から判決文が閲覧可能に

2021年6月16日、英国国立公文書館(TNA)が、2022年4月から裁判所の判決文が閲覧可能になる予定であると発表しました。

発表の中では、現在、判決文はいくつかの情報源で公開されており、British and Irish Legal Information Institute(BAILII)が最大であること、長期的には、それらを全てTNAのウェブサイトに移行することを目標としていること等が述べられています。

司法審査の判決や、欧州の判例法、商事判例、高等法院・控訴院等の法的に重要な判例がTNAにより公開される予定とあります。また、BAILIIは引き続き判決文へのアクセスの提供を行うとされています。

米・LYRASIS、電子書籍プラットフォームの提供等を行うBiblioLabs社を買収

2021年6月15日、米国の図書館等のネットワークLYRASISが、図書館向け電子書籍プラットフォームの提供等を行っているBiblioLabs社を買収したと発表しました。

発表の中では、今回の買収により、BiblioLabs社はミッション主導型(mission-driven)の非営利モデルに移行すること、既存の電子書籍サービスを強化する機会となること等が述べられています。また、BiblioLabs社はLYRASISの一部門として同じスタッフ、プログラム、名称で運営を継続し、LYRASISおよびBiblioLabs社が提供しているサービスの中断はないとあります。

米国図書館協会(ALA)、コロナ禍における図書館等によるインターネット接続機器購入等を支援する「緊急接続基金(ECF)」を活用したサービス実施を支援するツールキットを公開

2021年6月15日、米国図書館協会(ALA)は、71.7億ドル規模の「緊急接続基金」(Emergency Connectivity Fund:ECF) による助成を活用したサービス実施を支援するためのツールキット“Emergency Connectivity Fund - Information for Libraries”を公開しました。

「緊急接続基金」は、米国救済計画法(American Rescue Plan Act of 2021:ARPA)に基づいて資金が拠出されます。館外・校外からインターネットアクセスできない図書館利用者・児童生徒・教職員が使用するデバイスを購入したりブロードバンドアクセスを契約するための資金を、公共図書館、部族図書館、高等学校までの学校に提供するプログラムです。図書館や学校は、2021年7月1日から2022年6月30日の間に行われた同プログラムの対象となる機器やサービスの購入のための資金を申請することができます。申請期間は6月29日から8月13日までです。

米国議会図書館(LC)、新型コロナウイルス感染拡大防止のため休止していた閲覧サービスを14か月以上ぶりに再開

新型コロナウイルス感染拡大防止のため閲覧サービスを休止していた米国議会図書館(LC)が、2021年6月1日から、閲覧サービスを14か月以上ぶりに再開しています。

6月1日からは、法律図書館(Law Library)、地理 ・地図(Geography and Map)閲覧室、手稿(Manuscript)閲覧室、逐次刊行物・政府刊行物(Serial and Government Publications)閲覧室が再開され、6月14日からは、舞台芸術(Performing Arts)閲覧室、録音資料(Recorded Sound)閲覧室、版画・写真 (Prints and Photographs)閲覧室、動画(Moving Image)閲覧室が再開しています。

利用にあたっては、事前にレファレンスインタビューを受けて、24時間前までに電話かオンラインレファレンスサービス“Ask a Librarian”を通じて予約する必要があります。

米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)、教員のためのコンテンツを提供するウェブサイト“Museums for Digital Learning”を公開

2021年6月9日、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)が、幼稚園から高等学校(K-12)の教員のためのコンテンツを提供するウェブサイト“Museums for Digital Learning”を公開したと発表しました。

IMLSが米・インディアナポリス美術館及び米・フィールド自然史博物館らと連携し2018年から実施している、多様な博物館が参加し、コレクションを用いたK-12の学校の教員向けの教育資源を開発・共有することを目的とした“Museums for Digital Learning”事業により作成されたプラットフォームです。

発表の中では、K-12の学校の教員と協力してあらゆる博物館にとって入力・追加しやすいテンプレートを作成したことや、29の教育資源を公開しており主題や学年で検索が可能なこと、23館の博物館が参加を表明していること等が述べられています。

クリエイティブ・コモンズ、GLAM分野のコレクションのオープン化支援を目的としたプログラム“Creative Commons’ Open GLAM program”の実施を発表

2021年6月10日、クリエイティブ・コモンズ(CC)が、美術館・図書館・文書館・博物館(GLAM)分野のコレクションのオープン化を支援する“Creative Commons’ Open GLAM program”の実施を発表しました。

同プログラムでは、GLAMの所蔵コンテンツを入手可能・二次利用可能にすることを支援する取組が実施されると述べており、主な要素として、(1)方針(policy)、(2)基盤(infrastructure)、(3)能力育成(capacity-building)、(4)コミュニティへの貢献(community engagement)の4点を挙げています。

また、2021年6月3日に、CCは、GLAM部門におけるオープンアクセスを推進するための5年間の助成金500万ドルをArcadiaから受けることを発表しており、その中で同プログラムの実施について言及していました。

米・ノースカロライナ大学チャペルヒル校図書館、コミュニティのアーカイブ構築を支援するツールキットを公開

米・ノースカロライナ大学(UNC)チャペルヒル校図書館は、2021年6月8日付けの記事で、ツールキット“Charting New Courses in Community-Driven Archives”を、無料のウェブページとして新たに公開したことを紹介しています。

“Charting New Courses in Community-Driven Archives”は、自らの歴史を保存しようと取り組んでいるコミュニティや、そのような取組を支援する図書館・アーカイブに向けたツールキットであり、コミュニティのアーカイブ構築を支援するものと位置付けられています。

同校ウィルソン図書館の「南部歴史コレクション」(Southern Historical Collection)では、アンドリュー W.メロン財団から87万7,000ドルの助成を、“Kenan Charitable Trust”から5万ドルの寄付を得て、コミュニティのアーカイブ構築に関する4年間のプロジェクトに取り組んできました。今回公開されたツールキットには、同プロジェクトで作成されたガイドや説明動画等のリソースが「アーカイブの概念」「アーカイブのスキル」「ストーリーテリング」「アーカイブの維持」といったテーマ別にまとめられています。

国際図書館連盟(IFLA)、「国際マーケティング賞2021」の受賞館を発表:1位は豪・モナシュ大学と米・ペンシルベニア州立大学の“The Monash and Penn State Great Rare Books Bake Off”

2021年6月14日、国際図書館連盟(IFLA)の管理・マーケティング分科会が、今回で18回目となる、「国際マーケティング賞2021」の受賞館を発表しました。同賞は、創造的で結果重視のマーケティングプロジェクトやキャンペーンを実施した機関を表彰するものです。

オーストラリア・ベラルーシ・ブラジル・中国・コロンビア・クロアチア・エジプト・ドイツ・ガーナ・アイルランド・カザフスタン・ケニヤ・ナイジェリア・ポ-ランド・ロシア・韓国・スペイン・台湾・ウクライナ・米国・ザンビア・ジンバブエ・ノルウェーといった国・地域からの応募の中から選ばれたもので、1位から3位までの受賞者には新しい技術を購入するための賞金が授与されます。

1位には、オーストラリア・モナシュ大学と米・ペンシルベニア州立大学による“The Monash and Penn State Great Rare Books Bake Off”が選ばれています。同取組は、両大学のコレクション内のレシピを用いて料理をして、ソーシャルメディアに投稿することを呼びかけることで、コミュニティーに貢献した取組で、コロナ禍のなかで楽しく創造的なサービスを提供したと評価されています。

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