インターネット

米国連邦通信委員会(FCC)、コロナ禍における学校・図書館によるインターネット接続機器購入を支援する「緊急接続基金」施行のための最終規則を採択

2021年5月10日、米国連邦通信委員会(FCC)が、「緊急接続基金」(Emergency Connectivity Fund)施行のための最終規則を全会一致で採択したと発表しています。

コロナ禍においてノートパソコン・タブレット・Wi-Fiのホットスポット・ブロードバンド接続を必要としている学生・学校職員・図書館利用者を支援するために、学校や図書館がそれらを購入することを可能とする内容で、米国救済計画法(American Rescue Plan Act of 2021:ARPA)から71億7,000万ドル規模の資金が拠出されます。

米国図書館協会(ALA)では、図書館が多くの人々にサービスを提供するため、緊急基金に申請し、助成を受けるために必要な情報を確実に入手できるよう引き続き取り組むとしています。

米・公共図書館協会(PLA)、米国の大手通信企業AT&Tと協力し家庭向けにデジタルリテラシー育成プログラムを提供へ

2021年5月3日、米・公共図書館協会(PLA)は、家庭や地域コミュニティにおけるデジタルリテラシーを育成し、ブロードバンドの普及を促進するため、米国の大手通信企業AT&Tと協力することを発表しました。

PLAとAT&Tは、遠隔教育やデジタル教育への子どもの参加を支援するために必要なスキルと自信を身につけることができるよう、両親や家族向けにデジタルリテラシー育成プログラムの提供を予定しています。プログラムは、PLAのウェブサイト“DigitalLearn.org”で提供しているコンテンツをベースにしたものや、モバイル機器やビデオ会議システムの利用に焦点を当てた新しいコンテンツが作成される予定です。なお、全てのプログラムは英語・スペイン語の両方で提供されます。

プログラムはバーチャルでの受講のほか、公共図書館やコミュニティセンター等の学習スペースで対面式での受講も可能とあります。また、AT&Tの従業員ボランティアは、 “DigitalLearn”の教室用研修教材を用いて、“AT&T Connected Learning Centers”において「伝統的にサービスが行き届いていない地域」(traditionally underserved neighborhoods)の家庭向けに技術スキルの研修も行います。

米・ボストン公共図書館、ノートパソコンやモバイルルーター等をセットにした“Chromebook Home Connectivity Kit”の貸出を開始:デジタル・ディバイドの解消に向けた取組

2021年4月7日、米・ボストン公共図書館(BPL)は、4月4日から10日にかけて開催される2021年の「全米図書館週間」(National Library Week)に合わせ、デジタル・ディバイドの解消に向けた新たな取組を開始することを発表しました。ボストン市が進める「デジタル平等」(digital equity)実現のための取組に沿ったものです。

新たな取組には、“Chromebook Home Connectivity Kit”の貸出開始や、分館5館における屋外でのWi-Fi提供の開始が含まれています。なお、分館の屋外でのWi-Fi提供は、今回の開始分を含めると合計14館で行われています。

“Chromebook Home Connectivity Kit”は、収納用のバッグ、クイックスタートガイド、ノートパソコン(Chromebook)、充電コード、マウス、モバイルルーターからなり、利用者の自宅等でのインターネットへのアクセスを可能にします。利用者が自身のPC端末を所有している場合、モバイルルーターのみの貸出オプションも設けられています。BPLのどの館でも借用可能であり、最長1週間利用できますが、貸出期間が終了すると機器の機能が無効化されます。

文部科学省、「GIGAスクール構想の下で整備された1人1台端末の積極的な利活用等について(通知)」を発出:図書館等、学校や家庭以外の様々な場所や場面での活用も踏まえて学習支援を検討すること等

文部科学省は、2021年3月12日、初等中等教育局長名で、都道府県教育委員会や政令指定都市教育委員会の教育長等宛の「GIGAスクール構想の下で整備された1人1台端末の積極的な利活用等について(通知)」(2文科初第1962号)を発出しています。

4月から、児童生徒の「1人1台端末」および「高速大容量の通信環境」の下での学びが本格的に開始される見込みであることから、各学校での1人1台端末の本格的な活用を積極的に進めるに当たり、各学校設置者等において留意すべき点を9つにまとめたものです。

「1.端末の整備・活用について」においては、「端末の持ち帰りにより様々な場面でICTを活用した学習ができるよう、公民館、図書館等の社会教育施設や放課後子供教室等の地域学校協働活動、児童福祉施設、児童相談所等の社会福祉施設や放課後児童クラブなど、学校や家庭以外の様々な場所や場面での活用も踏まえて学習支援を検討すること」とあります。

米国のシンクタンク・ニューアメリカ、パンデミック下の米国における公共図書館サービスの利用に関する調査報告書を公開:オンラインリソースの利用に焦点を当てた調査

2021年3月1日、米国のシンクタンク・ニューアメリカは、パンデミック下の米国における公共図書館サービスの利用に関する調査報告書“Public Libraries and the Pandemic:Digital Shifts and Disparities to Overcome”を発表しました。

ニューアメリカは、新型コロナウイルス感染症の流行前後における、公共図書館とそのオンラインリソースに関する利用・アクセスの変化を把握するため、定量的・定性的な手法を用いた調査を行いました。一つ目の調査は、米国の成人を対象にしたオンラインの標本調査(2020年9月~10月に実施、回答者数2,620人)、二つ目の調査は教育者を対象としたオンライン調査(2020年12月に実施、回答者数118人)です。これらの調査では、図書館に対する意識や態度、図書館が提供するオンラインリソースの利用状況、パンデミックが利用パターンに与えた影響が調査対象となりました。また、図書館側の指導者層を対象としたインタビュー調査も実施しています。

国際図書館連盟(IFLA)、ミャンマー国軍のインターネット遮断による情報アクセス制限に対して会長・事務局長名で深い憂慮を表明

2021年2月9日、国際図書館連盟(IFLA)は、ミャンマー国内でインターネット遮断などの情報アクセス制限が行われているという報道を受けて、マッケンジー(Christine Mackenzie)会長とライトナー(Gerald Leitner)事務局長の連名で深い憂慮を示した声明を発表しました。

声明では、情報アクセスは権利と発展の原動力であるという確信が図書館活動の根底にあり、これを制限することは、短期的な弊害を生み出すとともに、長期的にも傷跡を残し進歩を遅延させるとして、深刻な問題であることを指摘しています。その上で、インターネット遮断による情報アクセス制限は、図書館が自らの使命を果たすための機能を阻害し、経済・社会・文化・市民参加に著しい制限をかける措置であるとして、ミャンマー国内の図書館の国際的な基準に沿った自由な運営と、図書館利用者の情報アクセス権の行使の支援について、ミャンマー政府がこれを保証するように要求しています。また、ミャンマー国民の情報に関わる権利行使の保証に、最大限の努力が図られることを求めています。

報道等によると、2021年2月1日にクーデターで政権を掌握したミャンマー国軍は、市民による抗議活動の組織化の阻止のため、2月6日から7日にかけて国内のインターネット接続の遮断を実施しました。

オンラインを利用した医療情報の検索行動におけるヘルスリテラシーの役割:米・ミネソタ州の成人を対象とした横断調査(文献紹介)

2021年1月27日付で、医療分野のイノベーションや情報技術を扱ったオープンアクセスの査読誌“Journal of Medical Internet Research”(JMIR)の第23巻第1号に、米国の社会福祉・公衆衛生分野の研究者らによる共著論文“Role of Health Literacy in Health-Related Information-Seeking Behavior Online: Cross-sectional Study”が掲載されています。

米・児童図書館サービス部会(ALSC)、子どもにテクノロジーへのアクセスを提供するための資源をまとめたツールキット“Accessibility to Technology”を公開

2021年2月6日、米国図書館協会(ALA)の児童図書館サービス部会(ALSC)が、ツールキット“Accessibility to Technology”を公開したと発表しています。

ALSCの「十分なサービスを受けていない子どもとその保護者への図書館サービス分科会(The Library Service to Underserved Children and Their Caregivers committee:LSCUTC)」では、2020年・2021年度、そのような人々に働き掛けるためのツールキットを作成しています。

2月版は、「子どもと技術に関する分科会(Children and Technology Committee)」と連携して作成したもので、コロナ禍において図書館がプログラムをオンラインへ移行した際に、多くの子どもが、重要な学習機会を失ったことが明らかになったとして、インターネットへのアクセスに関する不公平に対処し、子どもにテクノロジー、もしくは、最新の技術がなくても可能なプログラムを提供するための資源を紹介しています。

新型コロナワクチンの接種会場となる米国の公共図書館(記事紹介)

American Libraries(オンライン)のブログ“The Scoop”の2021年2月2日付の記事“A Shot in the Arm”が、新型コロナワクチンの接種会場となっている米国の公共図書館を紹介しています。

記事では、2020年、新型コロナウイルスの検査センター、3Dプリンターを用いた保護具の作成、フードパントリーへの食料を寄付する場所として、図書館は、コロナ禍対応に不可欠な施設として認識されたが、通常毎日開館していること、車椅子での利用も可能なこと、防犯カメラ等の防犯機能を備えていることなどから、2021年は、新型コロナワクチンの接種会場となることが要請されているとします。

そして、公共図書館が新型コロナワクチンの接種会場となった事例として、ニューヨーク州・スケネクタディ郡公共図書館(SCPL)を取り上げ、2020年12月には医薬品が到着し、2021年1月4日からは、通常プログラミングのために用いられる部屋で、1日100人から150人の接種が行われていると紹介しています。同館職員は問診表のコピー、在庫の管理、クリップボートやペンの調達、医療従事者が使うノートパソコンの提供、警備員付き添いのもとでのワクチンの搬入や、ガウン・手袋・マスク・注射器・注射器廃棄箱等の搬入・搬出といった作業を行っているとのことです。

米・Schools, Health & Libraries Broadband Coalition(SHLB)、自宅からインターネットに接続できない学生の遠隔授業における格差を解消するよう、米国連邦通信委員会(FCC)に請願書を提出

2021年1月26日、米国のSchools, Health & Libraries Broadband Coalition(SHLB) が、自宅からインターネットに接続できない推定1,500万人から1,600万人の学生の遠隔授業における格差を解消するよう、米国連邦通信委員会(FCC)に請願書を提出したと発表しています。

SHLBは、地域の拠点機関での、オープンで手頃で高品質なブロードバンド接続を支援する団体で、米国図書館協会(ALA)、北米の都市図書館協議会(ULC)等が参加しています。

この請願が認めらると、学校および図書館において、E-rateプログラムによる資金を用いた、インターネットに接続できない学生へのアクセスの提供が可能となるとしています。

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