台湾

台湾国家図書館、公共図書館の利用状況等に関する報告書(2020年)を発表

2021年3月19日、台湾国家図書館が、2020年の公共図書館の利用状況等に関する報告書『109年臺灣閲讀風貌及全民閲讀力年度報告』を発表していました。

公共図書館の来館者数は延べ7,969万人(前年比30.59%減)で、本を借りた人数は延べ2,220万人(前年比3.27%減)、貸出冊数は8,015万冊(前年比1.41%減)となっており、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて数値が前年から減少しています。一方で、電子書籍の貸出冊数は363万冊(前年比42.35%増)に達しました。

2020年の貸出統計に基づいた人気図書のランキング(総合及びジャンル別)も掲載されており、総合ランキング第1位は米国の作家ジェフ・キニー氏の『グレッグのダメ日記』シリーズでした。日本関係書籍では『假面飯店』(東野圭吾氏の『マスカレード・ホテル』の中国語版)が第9位となっています。

また、本報告書には、「閲讀力」(読書力)の2020年調査結果もまとめられており、地域別の一人当たり平均蔵書数・貸出冊数・来館回数や、貸出カードの所持率などが紹介されています。

台湾国家図書館、台湾における2020年の図書出版動向に関する報告書を公表

2021年4月1日、台湾国家図書館は、台湾における2020年の図書出版動向に関する報告書「109年臺灣圖書出版現況及其趨勢分析報告」を公表しました。同館のISBNセンターへの申請及びCIP(Cataloging in Publication)データの集計結果を基に、同館が毎年発表しているものです。

報告書では、2020年の動向として以下のような内容等を紹介するとともに、台湾の出版産業に対し政府が2020年に実施した取組として、公共貸与権制度の試行導入、図書を対象とした「営業税」(日本の消費税に相当)徴収免除に関する法整備(免除は2021年3月から開始)を挙げています。

・2020年にISBNを申請した出版者数は4,694、出版点数は35,041種(電子書籍を含む)であり、2019年と比較して、出版者数は258、出版点数が1,769種減少した。出版点数は3年連続で低下しており、2002年の36,353種を下回る低水準となっている。

・翻訳書は9,549種で、全体の27.25%を占めており、そのうち日本からの翻訳が5,212種(翻訳全体の54.58%)で最も多く、次いで米国、英国、韓国の順となっている。なお、翻訳書のテーマ分類のうち最多となっているのは「マンガ」であり、翻訳書全体の25.73%を占めている。

国立台湾図書館、「心身障礙研究優良論文奨助」の2021年度募集要項を発表:障害を持つ人の図書館・情報の利用に関する研究論文を対象とした懸賞プログラム

2021年3月24日、国立台湾図書館は、同館の懸賞プログラム「心身障礙研究優良論文奨助」の2021年度募集要項を発表しています。

「心身障礙研究優良論文奨助」は、情報リテラシー・ニーズ、法的規制、技術サービスや情報資源の利用、読書推進、生涯学習、バリアフリー空間の計画、支援機器やその他の応用技術など、心身に障害のある人の図書館情報の利用に関する研究論文を募集対象としており、毎年6月1日から8月31日にかけて募集が行われます。

台湾の大学に所属する大学院生、当該分野に関する台湾内の研究者、台湾内の図書館員による、博士論文・修士論文・雑誌論文が募集対象であり、優秀論文には賞金が与えられます。

本館110年度「身心障礙研究優良論文獎助」將於6月開始徵件,歡迎踴躍申請!(国立台湾図書館, 2021/3/24)
https://www.ntl.edu.tw/ct.asp?xItem=67314&ctNode=1664&mp=1

台湾国家図書館、かつて台北市内に存在した大型商業施設「中華商場」の写真を募集:小説『歩道橋の魔術師』の舞台

2021年3月23日、台湾国家図書館は、かつて台北市内に存在した大型商業施設「中華商場」や、その付近の商業地区・西門町を撮影した古い写真を募集することを発表しました。

中華商場は1961年の落成以後、1960年代から70年代を中心に多くの人で賑わいましたが、台北地下鉄の「西門駅」建設工事に伴い1992年に取り壊されました。同館の発表では、台湾の作家・呉明益氏による中華商場を舞台とした小説『歩道橋の魔術師』がドラマ化され、ドラマを通じ、台湾の人々の中で中華商場の歴史への関心が高まっていることを紹介しています。

重現天橋下的記憶—國家圖書館徵集中華商場及西門町老照片(台湾国家図書館, 2021/3/23)
https://www.ncl.edu.tw/information_237_12073.html

国立台湾博物館による認知症患者のための取組「博物館処方箋」と実務ガイドの公開(記事紹介)

台湾の聯合新聞網による2021年3月15日付けの記事で、国立台湾博物館による「博物館処方箋」実務ガイドの公開が紹介されています。

「博物館処方箋」は「社会的処方」(social prescribing)の一種であり、認知症患者に博物館での文化活動を通じたケアを提供します。台湾では、台北市立聯合医院と国立台湾博物館との協力により、2019年から同医院の医師による処方が開始されています。

今回公開された実務ガイドでは、「博物館処方箋」を行う上での実務上の留意点のほか、台湾内外の「博物館処方箋」に関する取組の沿革や、英国・オーストラリアの博物館・美術館におけるケーススタディ、国立台湾博物館での実施例等がまとめられています。

記事によれば、今後実務ガイドに寄せられたフィードバックを踏まえ、台湾初となる「博物館処方箋」参考書の出版が予定されています。

社交處方箋 台博館將出參考書幫忙治失智(聯合新聞網, 2021/3/15)
https://udn.com/news/story/7266/5317997

台湾・国立公共資訊図書館、読書と旅行とを結び付けた観光プランを募集するコンテスト「読書バックパッカー」を開催

台湾の国立公共資訊図書館(台中市)が、2021年3月9日から4月7日にかけて、読書と旅行とを結び付けた観光プランを募集するコンテスト「読書バックパッカー」(閲読背包客)を開催しています。

2021年の世界図書・著作権デー(4月23日)を記念したコンテストであり、観光地(図書館を含む)、ご当地グルメ、読書リスト、交通手段、タイムスケジュール、宿泊先等の情報を組み合わせた観光プランの募集が行われます。なお、プランの条件として、旅程は台湾の中部地域(苗栗県、台中市、彰化県、南投県)を対象とすること、2泊3日以内とすること等が示されています。

同コンテストには総額は5万ニュー台湾ドル超の賞金が用意されており、大賞受賞者には1万ニュー台湾ドルが授与されます。4月15日に入賞者の発表が、4月24日に授賞式が行われます。

台湾の国立海洋科技博物館、幼児園を附設へ:台湾の博物館では初(記事紹介)

台湾・中時新聞網は、2021年2月23日付け記事で、台湾の国立海洋科技博物館(基隆市)が、2021年8月に非営利の幼児園(台湾では2012年1月に幼稚園と託児所の名称を「幼児園」に統合)を附設することを報じています。博物館による幼児園の附設は台湾初の事例とあります。

記事では、同館が3月5日まで幼児園の運営委託先の募集を行っていること、幼児園では3歳から6歳までの75人を募集する予定であることを紹介しています。同館館長の陳素芬氏によるコメントも掲載されており、同館周辺の自然環境や同館の体験型学習スペース等は幼児の学習・成長に適したものであることや、附設にあたり台湾・教育部の支援を受けていることを述べています。

記事の最後では、教育部が育児環境の改善に取り組んでおり、地方政府との協力による公立又は非営利の幼児園増設等を進めていることにも触れています。

台湾国家図書館、データベース「期刊文献資訊網」をリニューアル

2021年3月2日、台湾国家図書館は、データベース「期刊文献資訊網」のリニューアルを実施したことを発表しました。

同データベースにはサブデータベースとして「台湾期刊論文索引系統」(Taiwan Periodical Literature)、「中華民国出版期刊指南系統」(Directory to Taiwan Periodicals)等が含まれており、台湾で出版・発行された雑誌・新聞や論文の検索が可能です。

今回のリニューアルでは、レスポンシブウェブデザインによるモバイル端末での利便性向上のほか、雑誌に関し「5年インパクトファクター」表示機能の追加、論文に関し被引用・クリック数に関する統計表示機能の追加が行われたとあります。

「期刊文獻資訊網」全新風貌上線,歡迎各界使用(台湾国家図書館, 2021/3/2)
https://www.ncl.edu.tw/information_237_11995.html

図書の「営業税」免除が2021年3月から開始(台湾)

2021年1月29日、台湾・文化部は、図書を対象とした「営業税」(日本の消費税に相当)の徴収免除を2021年3月から開始することを発表しました。

「文化芸術事業減免営業税及娯楽税弁法」の改正により実施されるものであり、申請手続きにより免税の認可を受けた図書が対象となります。なお、2021年1月末までにISBN又はeISBNが付与された台湾の図書は免税に当たり申請不要とあります。

圖書銷售免徵營業稅正式上路 促進圖書產業發展(台湾・文化部 2021/1/29)
https://www.moc.gov.tw/information_250_122912.html

関連:
文化藝術事業減免營業稅及娛樂稅辦法(文化部)
https://www.moc.gov.tw/information_310_20241.html
※「文化芸術事業減免営業税及娯楽税弁法」の条文です。

台湾国家図書館、台湾の修士・博士論文のうちインターネット未公開分を電子閲覧できるシステムを構築:同館内から利用可能

2021年1月22日、台湾国家図書館は、台湾の修士・博士論文のうちインターネット未公開分を電子閲覧できるシステム「台湾博碩士論文独立調閲系統」を構築し、館内から利用可能としていることを発表しています。

同館では学位論文約80万点の電子ファイルを所蔵していますが、そのうち30万点超は著者からの許諾が得られていないためインターネット上での閲覧・ダウンロードが不可となっています。これまで同館では、これらインターネット未公開分の論文は印刷版を用いて閲覧・複写する必要がありました。今回利用提供された「台湾博碩士論文独立調閲系統」は、これらインターネット未公開分30万点超の電子ファイルについても、同館内から閲覧・複写可能とするものです。

台湾の学位授与法では、学問分野によっては博士・修士論文の代替として作品等を提出することを可としています。これらマルチメディア形式の作品等を閲覧するためのシステム「博碩士電子論文数位影音串流系統」も新たに構築したこと、著者から許諾を得られたものは同システムを通じインターネット上で公開していることも発表しています。

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