TNA(英国国立公文書館)

英国国立公文書館(TNA)、首相府・内閣府の1997年の文書を追加公開

2021年7月20日、英国国立公文書館(TNA)は、同国の首相府及び内閣府の1997年の文書を追加公開したと発表しています。

ブレア政権初期の頃のもので、フランス・米国・日本・ロシアといった国々との交渉にかかるファイルも含まれると説明されています。

1997年のメージャー政権末期のものはすでに公開されています。

More Prime Minister’s files from 1997 released(TNA,2021/7/20)
https://livelb.nationalarchives.gov.uk/about/news/more-prime-ministers-files-from-1997-released/

英・デジタル保存連合(DPC)、“Safeguarding the Nation’s Digital Memory”プロジェクトの評価報告書を公開

2021年7月14日、英・デジタル保存連合(DPC)は、“Safeguarding the Nation’s Digital Memory”プロジェクトの評価報告書の公開を発表しました。デジタル保存のリスク管理のための共同アプローチを確立し、統計的なリスク管理手法をデジタル遺産の領域に導入することを目的として実施されたプロジェクトです。

同プロジェクトは、英国の国営宝くじ文化遺産基金(The National Lottery Heritage Fund)からの助成を受けて、DPCと英国国立公文書館(TNA)、英・ウォーリック大学など英国のアーカイブズ・コミュニティとの協力により行われました。実施期間は2020年1月から12月までの1年間でした。

評価報告書では、得られた主な知見、長所、短所、成果を要約しており、プロジェクトは所期の成果を満たし、いくつかの点ではそれ以上の成果を実現できたと結論付けています。また、プロジェクトの成果をさらに発展させるための提言も含まれています。

英国国立公文書館(TNA)、2022年4月から判決文が閲覧可能に

2021年6月16日、英国国立公文書館(TNA)が、2022年4月から裁判所の判決文が閲覧可能になる予定であると発表しました。

発表の中では、現在、判決文はいくつかの情報源で公開されており、British and Irish Legal Information Institute(BAILII)が最大であること、長期的には、それらを全てTNAのウェブサイトに移行することを目標としていること等が述べられています。

司法審査の判決や、欧州の判例法、商事判例、高等法院・控訴院等の法的に重要な判例がTNAにより公開される予定とあります。また、BAILIIは引き続き判決文へのアクセスの提供を行うとされています。

没食子インクで書かれた文書の保存方法(英国国立公文書館)

英国国立公文書館(TNA)が、2021年3月7日付のブログで、没食子インクで書かれた文書の保存方法を紹介しています。

没食子インクは、欧州で5世紀から19世紀にかけて筆記・描画用として最も使われた黒色(時には茶色)のインクで、20世紀においても使われていましたが、その成分は不安定な性質があり、時が経つにつれて文書を劣化させる原因となります。

TNAが保管する文書には、ドゥームズデイ・ブック(土地台帳)やシェイクスピアの遺書等といった没食子インクで書かれたものが多く含まれていることから、それらを保存し、劣化を遅らせるために、同館では、温度13度から20度、相対湿度35パーセントから60パーセントの範囲で安定的に管理された環境下で保管しています。

また、劣化が進行している文書については、資料保存部門の職員に利用を制限する場合があるほか、褪色したものについては、マルチスペクトル画像処理を用いて、人の目では見えなくなった情報を抽出しています。

また、館外の展示会への貸出依頼があった場合や、文字の消失を防ぐため、文書の保存処理が必要な時には、腐食を抑制する効果があることから修復用のアルコールやゼラチンの溶剤系接着剤を用いた処理が行われます。また、弱った部分や失われた箇所を補強するために和紙の薄葉紙も用いられています。

英国国立公文書館(TNA)、オンライン展示“With Love”を公開:同館所蔵の「ラブレター」を8つのテーマに分類して紹介

英国国立公文書館(TNA)が、2021年1月11日に、オンライン展示“With Love Letters of love, loss & longing”を公開していました。

同展は、TNAの展示室Keeper's Galleryにおいて、2020年2月14日に開始し、同年7月5日までの開催予定であったものの、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のためのロックダウンにより終了した展示です。

いわゆるラブレターだけでなく、遺言、記録、官僚にあてた手紙など、様々な種類の愛情表現を読み取れるものも「ラブレター」とし、同館が所蔵する過去500年の間のこのような「ラブレター」を、「名声(reputation)」「犠牲(Sacrifice)」「裏切り(Betrayal)」「助言(Advice)」「悲嘆(Heartache)」「別離(Separation)」「家族(Family)」「遺産(Legacy)」の8つのテーマに分けて紹介しています。

英国国立公文書館(TNA)、2019年に策定した戦略“Archives for Everyone”の目標達成のための取組“Becoming the inclusive archive”を公表

2021年1月29日、英国国立公文書館(TNA)、“Becoming the inclusive archive”を公表しました。

TNAでは、2019年に策定した戦略“Archives for Everyone”において“The inclusive archive”を掲げ、利用等のための障壁の除去、多様な背景を持つ人材の活用、大胆・積極的・外に目を向けるとしており、今回発表された取組は、その目標を達成するための第一歩として位置づけられています。

同取組は、館内外の主要な関係者との協議と策定作業を経て、1月にTNAの理事会で承認されたもので、「職員」「利用者」「実践」「ポジション」の4つの重点分野が示されています。

Becoming the inclusive archive (TNA,2021/1/29)
https://www.nationalarchives.gov.uk/about/news/becoming-the-inclusive-archive/

英国国立公文書館(TNA)、“COVID-19 Archives Fund”の立ち上げを発表

2020年12月4日、英国国立公文書館(TNA)は、“COVID-19 Archives Fund”の立ち上げを発表しました。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックの中で、コレクション管理上の問題に直面している英国内のアーカイブを対象としたプログラムであり、リスクのある状況に置かれた物理的資料及びボーンデジタル資料を保護するための、緊急の作業を支援するものと位置付けられています。

同プログラムは英国財務省(HM Treasury)から50万ポンドの割り当てを受けており、英国内の申請者は最大5万ポンドの助成申請が可能となっています。申請期限は2021年1月15日であり、その後審査を経て、2021年3月31日までに助成金の配分が行われます。

COVID-19 Archives Fund launched(TNA, 2020/12/4)
https://livelb.nationalarchives.gov.uk/about/news/covid-19-archives-fund-launched/

デジタル保存におけるリスクの定量評価を支援するツールDiAGRAM(記事紹介)

英・グラスゴー大学におけるデジタル保存の取組を紹介するブログ“Digital Preservation @ University of Glasgow”の2020年6月29日付け記事で、ベイジアンネットワークに基づいた方法論を使用してデジタル保存におけるリスクを定量化し、1つ以上のリスク要因が変化した場合の結果を比較できるツールDiAGRAMが紹介されています。

同ツールは、英国国立公文書館が、国内の5つのアーカイブ及び英・ウォーリック大学の統計学者との協力を通じ開発を行っているものです。2020年7月6日時点では、バージョン0.9.6(プロトタイプ)とあり、ステータスは開発中となっています。

ユーザーは最初に、スタッフの技術スキル、システムのセキュリティ、チェックサムの利用、情報管理、保存するデジタルファイルの種類、ストレージ、物理的なリスク(洪水)に関する内容を含む9つの質問への回答を通じ、デジタル保存のリスクレベルを示すモデルを作成します。作成後のモデルに対し、さまざまなリスク要因を変化させる機能が設けられており、各リスク要因の変化がリスクレベルに及ぼす影響を比較することができます。

英国国立公文書館(TNA)、臨時休館中、デジタル化記録の一部をウェブサイトで無償公開:チャットでの相談やウェビナーも開催

2020年4月24日、英国国立公文書館(TNA)、新型コロナウイルス感染拡大防止のための臨時休館中、デジタル化記録をウェブサイトで無償公開すると発表しています。

登録利用者は、コンテンツへの需要を管理しすべての人がデジタルサービスを利用できるよう、一度に10点、30日間で50件までの制限で、請求とダウンロードが可能です。非営利の私的利用や教育目的のみとなっています。

無料でダウンロード可能な記録は、検索システム“Discovery”において、“available for download only”でフィルタリングすることで検索可能で、TNAがデジタル化し公開した、第1次・第2次世界大戦の記録・軍歴・王立海軍/輸送船団の記録・カンタベリー大権裁判所所管の遺言書・移民関係の記録・20世紀の内閣文書及び保安局のファイル・ドゥームズデイブック(土地台帳)といったものが含まれます。

TNAと連携している民間機関が運営する他のウェブサイト上のコレクションは無料の対象外で、通常は、検索は無料、閲覧やダウンロードは有料ですが、ほとんどのウェブサイトで、14日間の無料トライアルを実施していることも紹介されています。

英国国立公文書館(TNA)、新たなデジタル戦略“Plugged In, Powered Up”を公表:デジタル保存に関するオンライン研修も提供予定

2020年1月21日、英国国立公文書館(TNA)は、デジタルに関する組織力向上のための新戦略“Plugged In, Powered Up”を公表しました。

2019年初めに、アーカイブに関する専門家300人超を対象としてTNAと・Jiscが共同実施した大規模調査の結果を踏まえて策定されたものであり、2022年までに提供される予定のプログラム、研修、リソースに関する計画を示しています。電子アーカイブ事業に関する3つの主領域である、「アクセス」、「デジタル保存」、アーカイブと様々な人々とを結びつける「エンゲージメント」に焦点を当てた内容となっています。

戦略には、英・電子情報保存連合(DPC)との連携プロジェクトである“Novice to Ninja”(初心者からニンジャへ)も含まれています。同プロジェクトでは、デジタル保存に関する無料のオンライン研修を2020年後半に提供する予定としています。

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