TNA(英国国立公文書館)

英国図書館らによる大学院教育プログラム開発プロジェクト“Computing for Cultural Heritage”(記事紹介)

英国図書館(BL)は、2021年9月23日付けのブログ記事において、BLらによる大学院教育プログラム開発プロジェクト“Computing for Cultural Heritage”の成果を紹介しています。BLと英国国立公文書のスタッフらは実際にプログラムのテスト受講を行っており、その報告書を公開していること等が述べられています。

“Computing for Cultural Heritage”の紹介ページによれば、同プロジェクトは、文化遺産の専門家に役立つコンピューター・スキルを養うための大学院履修証明プログラム(PGCert)の開発を行うものです。英国のコンソーシアム“Institute of Coding”から約22万ポンドの助成を受けており、2019年から2021年2月にかけて、BL、英国国立公文書館、英・ロンドン大学バークベック校(主に夜間に開講)が協同で実施しました。プロジェクト実施の背景として、次のような点を挙げています。

英国国立公文書館(TNA)、国防省から陸海空軍の生年が1939年以前の1,000万人弱の人事記録を受け入れ

2021年8月17日、英国国立公文書館(TNA)は、同年2月から同国の国防省の1,000万人弱の人事記録を受け入れ始めたことを発表しました。対象は海軍・陸軍・空軍に所属した生年が1939年以前の兵士で、第1次世界大戦に従軍した兵士50万人と第2次世界大戦時に従軍していた兵士の大部分の人事記録が含まれます。資料の移送は今後6年間の間に数回に分けて行われる予定です。

同館は、これらの資料へ軍事史の研究者や家系図の調査でできるだけ早くアクセスできるようになることを望んでいることは認識していると述べながらも、オンラインあるいは同館内で閲覧できるようにするためには、記録を劣化や損傷から保護するためのアーカイブボックスへの収納や、検索可能にするための目録作成といった、多くの作業を行うために時間がかかると説明しています。

なお、人事記録には医療情報など個人情報が含まれるため、生年月日から115年後までは非公開とされます。その他、関連するデータ保護や情報公開に関する法律にも基づいて公開するか一部公開にするか非公開にするかが判断されます。
 
今後、同館のソーシャルメディアプラットフォームから、移送作業の進捗状況とTNAの閲覧室で利用可能になる時期について案内される予定です。

英国国立公文書館(TNA)、首相府・内閣府の1997年の文書を追加公開

2021年7月20日、英国国立公文書館(TNA)は、同国の首相府及び内閣府の1997年の文書を追加公開したと発表しています。

ブレア政権初期の頃のもので、フランス・米国・日本・ロシアといった国々との交渉にかかるファイルも含まれると説明されています。

1997年のメージャー政権末期のものはすでに公開されています。

More Prime Minister’s files from 1997 released(TNA,2021/7/20)
https://livelb.nationalarchives.gov.uk/about/news/more-prime-ministers-files-from-1997-released/

英・デジタル保存連合(DPC)、“Safeguarding the Nation’s Digital Memory”プロジェクトの評価報告書を公開

2021年7月14日、英・デジタル保存連合(DPC)は、“Safeguarding the Nation’s Digital Memory”プロジェクトの評価報告書の公開を発表しました。デジタル保存のリスク管理のための共同アプローチを確立し、統計的なリスク管理手法をデジタル遺産の領域に導入することを目的として実施されたプロジェクトです。

同プロジェクトは、英国の国営宝くじ文化遺産基金(The National Lottery Heritage Fund)からの助成を受けて、DPCと英国国立公文書館(TNA)、英・ウォーリック大学など英国のアーカイブズ・コミュニティとの協力により行われました。実施期間は2020年1月から12月までの1年間でした。

評価報告書では、得られた主な知見、長所、短所、成果を要約しており、プロジェクトは所期の成果を満たし、いくつかの点ではそれ以上の成果を実現できたと結論付けています。また、プロジェクトの成果をさらに発展させるための提言も含まれています。

英国国立公文書館(TNA)、2022年4月から判決文が閲覧可能に

2021年6月16日、英国国立公文書館(TNA)が、2022年4月から裁判所の判決文が閲覧可能になる予定であると発表しました。

発表の中では、現在、判決文はいくつかの情報源で公開されており、British and Irish Legal Information Institute(BAILII)が最大であること、長期的には、それらを全てTNAのウェブサイトに移行することを目標としていること等が述べられています。

司法審査の判決や、欧州の判例法、商事判例、高等法院・控訴院等の法的に重要な判例がTNAにより公開される予定とあります。また、BAILIIは引き続き判決文へのアクセスの提供を行うとされています。

没食子インクで書かれた文書の保存方法(英国国立公文書館)

英国国立公文書館(TNA)が、2021年3月7日付のブログで、没食子インクで書かれた文書の保存方法を紹介しています。

没食子インクは、欧州で5世紀から19世紀にかけて筆記・描画用として最も使われた黒色(時には茶色)のインクで、20世紀においても使われていましたが、その成分は不安定な性質があり、時が経つにつれて文書を劣化させる原因となります。

TNAが保管する文書には、ドゥームズデイ・ブック(土地台帳)やシェイクスピアの遺書等といった没食子インクで書かれたものが多く含まれていることから、それらを保存し、劣化を遅らせるために、同館では、温度13度から20度、相対湿度35パーセントから60パーセントの範囲で安定的に管理された環境下で保管しています。

また、劣化が進行している文書については、資料保存部門の職員に利用を制限する場合があるほか、褪色したものについては、マルチスペクトル画像処理を用いて、人の目では見えなくなった情報を抽出しています。

また、館外の展示会への貸出依頼があった場合や、文字の消失を防ぐため、文書の保存処理が必要な時には、腐食を抑制する効果があることから修復用のアルコールやゼラチンの溶剤系接着剤を用いた処理が行われます。また、弱った部分や失われた箇所を補強するために和紙の薄葉紙も用いられています。

英国国立公文書館(TNA)、オンライン展示“With Love”を公開:同館所蔵の「ラブレター」を8つのテーマに分類して紹介

英国国立公文書館(TNA)が、2021年1月11日に、オンライン展示“With Love Letters of love, loss & longing”を公開していました。

同展は、TNAの展示室Keeper's Galleryにおいて、2020年2月14日に開始し、同年7月5日までの開催予定であったものの、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のためのロックダウンにより終了した展示です。

いわゆるラブレターだけでなく、遺言、記録、官僚にあてた手紙など、様々な種類の愛情表現を読み取れるものも「ラブレター」とし、同館が所蔵する過去500年の間のこのような「ラブレター」を、「名声(reputation)」「犠牲(Sacrifice)」「裏切り(Betrayal)」「助言(Advice)」「悲嘆(Heartache)」「別離(Separation)」「家族(Family)」「遺産(Legacy)」の8つのテーマに分けて紹介しています。

英国国立公文書館(TNA)、2019年に策定した戦略“Archives for Everyone”の目標達成のための取組“Becoming the inclusive archive”を公表

2021年1月29日、英国国立公文書館(TNA)、“Becoming the inclusive archive”を公表しました。

TNAでは、2019年に策定した戦略“Archives for Everyone”において“The inclusive archive”を掲げ、利用等のための障壁の除去、多様な背景を持つ人材の活用、大胆・積極的・外に目を向けるとしており、今回発表された取組は、その目標を達成するための第一歩として位置づけられています。

同取組は、館内外の主要な関係者との協議と策定作業を経て、1月にTNAの理事会で承認されたもので、「職員」「利用者」「実践」「ポジション」の4つの重点分野が示されています。

Becoming the inclusive archive (TNA,2021/1/29)
https://www.nationalarchives.gov.uk/about/news/becoming-the-inclusive-archive/

英国国立公文書館(TNA)、“COVID-19 Archives Fund”の立ち上げを発表

2020年12月4日、英国国立公文書館(TNA)は、“COVID-19 Archives Fund”の立ち上げを発表しました。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックの中で、コレクション管理上の問題に直面している英国内のアーカイブを対象としたプログラムであり、リスクのある状況に置かれた物理的資料及びボーンデジタル資料を保護するための、緊急の作業を支援するものと位置付けられています。

同プログラムは英国財務省(HM Treasury)から50万ポンドの割り当てを受けており、英国内の申請者は最大5万ポンドの助成申請が可能となっています。申請期限は2021年1月15日であり、その後審査を経て、2021年3月31日までに助成金の配分が行われます。

COVID-19 Archives Fund launched(TNA, 2020/12/4)
https://livelb.nationalarchives.gov.uk/about/news/covid-19-archives-fund-launched/

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