録音資料

英・ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)、消滅の危機に瀕する言語を搭載する“Endangered Language Archive(ELAR)”の新しいオンラインプラットフォームを公開

2021年2月23日、英・ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)は、2月21日の国際母語デーにあわせ、“Endangered Language Archive(ELAR)”の新しいオンラインプラットフォームを公開したと発表しています。

ELARは、言語の多様性が激減していることに対応するため、アルカディア基金からの資金提供を受けて、消滅に危機に瀕する言語を記録化する事業への助成プログラムとともに2002年に開設されたものです。

デジタル保存技術を持つ英・Preservica社の支援を受けて構築された新しいプラットフォームには、世界中で記録された消滅の危機に瀕した500点を超す言語の視聴覚資料が搭載されています。

ELAR launches new archiving platform(SOAS,2021/2/23)
https://www.soas.ac.uk/news/newsitem151887.html

国立国会図書館、歴史的音源約600点を新たにインターネット公開

2021年1月27日、国立国会図書館は、歴史的音源(れきおん)で提供する音源のうち、著作権・著作隣接権の保護期間満了を確認した約600点を、新たにインターネット公開しました。

今回の公開により、インターネット上で公開する歴史的音源は約5,500点となりました。歴史的音源の全音源約5万点は、国内外の約320館の歴史的音源配信提供参加館で聴くことができます。

歴史的音源約600点を新たにインターネットで公開しました(国立国会図書館, 2021/1/27)
https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2020/210127_01.html

歴史的音源配信提供参加館一覧 (2021年1月15日現在)(国立国会図書館デジタルコレクション)
https://dl.ndl.go.jp/ja/rekion_librarylist.html

韓国・国立障害者図書館、障害者用代替資料の制作に関する管理指針を改正:申請数の上限廃止や対象資料の拡大等

2021年1月11日、韓国の国立障害者図書館が、障害者用代替資料の制作に関する管理指針の改正を発表しています。

同館では、2010年から、利用者からの申請を受け、学業・職務・自己啓発・教養に必要な様々な媒体の障害者用代替資料を制作していますが、今回、代替資料の環境の変化や制作ニーズにあわせて管理指針の改正を行ったものです。

主要な改正点として、

・1回あたり、および、年間の申請数の上限廃止
・機関による代理申請を可能に(ただし申請者は同館の個人会員登録が必要)
・政府刊行物、学術資料、子ども/青少年資料の申請を可能に(教科書・問題集は除く)

が挙げられています。

聯合ニュースの報道によると、障害者用代替資料には視覚障害者用の点字資料・録音資料や聴覚障害者用の手話映像資料があり、今回、デジタル録音資料基準で1人あたり1回5冊・年間15冊の申請上限を廃止したとのことです。また、2021年、同館では、重度視覚障害者が対象であった点字資料の製作を高齢の視覚障害者に拡大することや、公共機関・大学・私立の障害者図書館での障害者用代替資料の制作の申請を可能とするシステムの開発・普及も計画していると報じられています。ただし、改正後、多くの申請がある場合、制限を受ける事もあるとしています。

米・カリフォルニア大学サンタバーバラ校図書館、特別研究コレクションにラジオ放送に関する世界最大規模のコレクション“American Radio Archives”を追加

2020年12月17日、米国のカリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)は、ラジオ放送に関する世界最大規模のコレクション“American Radio Archives”が同校図書館の特別研究コレクションにまもなく追加されることを発表しました。

“American Radio Archives”は、カリフォルニア州サウザンドオークスの非営利の図書館支援団体サウザンドオークス図書館財団(TOLF)によって、1984年から構築の開始したラジオ放送に関するアーカイブコレクションです。英国のウィンストン・チャーチル元首相のオリジナル録音音源をはじめ、1922年以降の写真、ラジオ放送やテレビ放送の脚本、書籍、映像などで構成されています。1987年に著名な歌手でラジオ司会者であったヴァリー(Rudy Vallée)氏の遺品からラジオ放送に関する資料を引き継ぐなど、ラジオ放送業界の関係者からたびたび貴重資料の寄贈を受けてコレクションとしての価値を高めました。

【イベント】ZOOMによる座談会「近代遺産の発掘と活用 寄贈資料を引き継ぐ~SPレコード~」(11/21・オンライン)

2020年11月21日、ウェブ会議サービスZoomによるオンライン形式で、ZOOMによる座談会「近代遺産の発掘と活用 寄贈資料を引き継ぐ~SPレコード~」が開催されます。

同座談会は、大阪府吹田市の関西大学博物館を中核館とする、文化庁による地域と共働した博物館創造活動支援事業「関西圏大学ミュージアム連携活性化事業 ようこそ大学ミュージアムへ―つなぐ・つなげる・つながる―」の取り組みとして行われ、事業の実行委員会である「かんさい・大学ミュージアム連携実行委員会」が主催します。

歴史的音源としての価値だけではなく、社会状況を反映する資料としての意味を持つSPレコードについて、それらを活かすデータベースとはいかなるものか、その意義について具体例を挙げ、討論、提言する機会として開催されます。開催の背景として、大阪芸術大学(大阪府南河内郡)と関西大学が大阪音楽大学(大阪府豊中市)に寄贈されたSPレコードを引き継ぎ、整理作業に取り組んだことが挙げられています。

参加には事前に電子メールで申し込みする必要がありますが、参加費は無料です。主なプログラムは次のとおりです。

オーストラリア国立公文書館(NAA)、2025年までに再生できなくなる可能性が高い視聴覚記録のデジタル化保存のため300万ドルを拠出すると発表

2020年10月27日、オーストラリア国立公文書館(NAA)が、視聴覚記録のデジタル化保存のため300万オーストラリアドルを拠出すると発表しました。5年計画の最初の1年分の作業の資金となります。

予算が逼迫するなかでも、今後5年間で、技術や機器の入手が困難となり、また、媒体自体も劣化することで、再生できなくなる可能性が高い磁気メディアの記録の保存を重視して決定したもので、この拠出により、同館のデジタル化された視聴覚資料は12万アイテムを超えるまで増加し、最も重大な危機にさらされている資料のほぼ半分がデジタル化保存されることになります。

NAAが所蔵する視聴覚記録には、先住民(アボリジニとトレス海峡諸島民)の言語・物語・オーラルヒストリー、同国の南極観測基地への遠征隊、オーストラリア郵便公社の広告、ウーメラ試験場から発射されたロケット、スノーウィーマウンテンズ水力発電計画による建設に関する記録があると紹介されています。

米国議会図書館(LC)、ヒスパニック文学の録音アーカイブの名称を変更:オンラインコンテンツも新たに追加

2020年10月5日、米国議会図書館(LC)は、LCが1943年から構築するヒスパニック文学の録音アーカイブ“Archive of Hispanic Literature on Tape”の名称を2020年10月から変更し、“PALABRA Archive”とすることを発表しました。米国で2020年9月15日から10月15日まで開催されているヒスパニック文化遺産月間(National Hispanic Heritage Month)におけるLCの取組の一環として行われたものです。

“Archive of Hispanic Literature on Tape”では、ホルヘ・ルイス・ボルヘスやパブロ・ネルーダなど高名な詩人や作家による自作朗読の録音記録を、名称どおりテープ録音によって収集してきました。しかし、2006年からの録音はデジタル形式で実施されており、テープによる既存録音分も全てデジタル化が完了しています。今回の“PALABRA Archive”への名称変更は、このような時代状況の変化を踏まえて、アナログからデジタルのアーカイブへの移行を示すものと位置付けられています。なお、スペイン語の“palabra”(ポルトガル語では“palavra”)はいずれも“Word”(言葉)を意味する単語です。

米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)、新型コロナウイルス感染症感染拡大下の体験談を募集するプロジェクト“History Now: The Pandemic Diaries Project”を開始

2020年8月17日、米国のニューヨーク公共図書館が、新型コロナウイルス感染症感染拡大下における体験談を募集するプロジェクト“History Now: The Pandemic Diaries Project”を開始したことを発表しました。

募集の対象は、新型コロナウイルス感染症感染拡大下の生活に関する個人の体験談を記録した音声ファイルであり、18歳以上であれば誰でも応募可能です。発表によると、今回の募集はプロジェクトの第1フェーズであり、2020年11月18日まで投稿を受け付ける予定です。また、ビデオを含んだ他の形式のファイルでの投稿を可能にし、プロジェクトの第2フェーズを展開したいということが述べられています。

投稿された音声ファイルは、NYPLの研究図書館にアーカイブされる予定です。

We Want to Hear Your Pandemic Story(NYPL, 2020/8/17)
https://www.nypl.org/blog/2020/08/17/pandemic-diaries

一般社団法人諫早青年会議所(長崎県)、諫早市立諫早図書館の前身「諫早文庫」を設立した明治期の漢詩人の野口寧斎に関するオーディオドラマを制作

2020年8月13日、長崎県の一般社団法人諫早青年会議所は、同会議所が制作したオーディオドラマ「ある漢詩人の生涯~野口寧斎物語~」について、オーディオドラマを収録したドラマCDの数量限定無償配布を諫早市立諫早図書館で8月22日に実施することを発表しました。

野口寧斎は明治期に活躍した諫早出身の漢詩人で、諫早図書館の前身にあたる「諫早文庫」を設立した人物です。当初は8月22日に諫早図書館でオーディオドラマの完成公開イベントの開催が予定されていましたが、新型コロナウイルス感染防止対策のため中止となり、ドラマCDの無償配布が行われることになりました。ドラマCD無償配布の実施日時は8月22日の13時から15時までですが、それ以降も諫早図書館および諫早文化会館にて規定の枚数まで配布が継続されます。

制作されたオーディオドラマは、諫早青年会議所のYouTubeチャンネルでも2020年8月22日に公開されます。また、諫早図書館は8月20日から9月16日まで、野口寧斎コラボ展示を実施します。

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