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国際図書館連盟(IFLA)、「国際マーケティング賞2021」の受賞館を発表:1位は豪・モナシュ大学と米・ペンシルベニア州立大学の“The Monash and Penn State Great Rare Books Bake Off”

2021年6月14日、国際図書館連盟(IFLA)の管理・マーケティング分科会が、今回で18回目となる、「国際マーケティング賞2021」の受賞館を発表しました。同賞は、創造的で結果重視のマーケティングプロジェクトやキャンペーンを実施した機関を表彰するものです。

オーストラリア・ベラルーシ・ブラジル・中国・コロンビア・クロアチア・エジプト・ドイツ・ガーナ・アイルランド・カザフスタン・ケニヤ・ナイジェリア・ポ-ランド・ロシア・韓国・スペイン・台湾・ウクライナ・米国・ザンビア・ジンバブエ・ノルウェーといった国・地域からの応募の中から選ばれたもので、1位から3位までの受賞者には新しい技術を購入するための賞金が授与されます。

1位には、オーストラリア・モナシュ大学と米・ペンシルベニア州立大学による“The Monash and Penn State Great Rare Books Bake Off”が選ばれています。同取組は、両大学のコレクション内のレシピを用いて料理をして、ソーシャルメディアに投稿することを呼びかけることで、コミュニティーに貢献した取組で、コロナ禍のなかで楽しく創造的なサービスを提供したと評価されています。

中国国家図書館、5Gの技術に基づく新たな読書を体験できる閲覧スペースを設置

中国・新華網は、2021年6月8日付けの記事で、中国国家図書館(NLC)本館北区2階に新たに2つの閲覧スペースが設置されたことを報じています。

一つ目は、5GやVR技術といった最先端の技術を用いた新たな読書を体験できる、「没入型」読書体験スペースです。同スペースは、NLCが取り組む「5G時代の新たな読書とスマートライブラリーの構築」の重要な実践と位置付けられており、出版物の輸出入事業等を行う中国の国有企業である中国図書進出口(集団)総公司、中国の情報通信機器大手である華為技術(Huawei Technologies)との協力により設置されました。

二つ目は、優れた書籍や古典籍を利用したグッズ(文化創造産品)等を展示し、文化サロンとしての機能も備えた「国図書房」です。

新技术赋能新阅读 国家图书馆开放新阅读空间(新華網, 2021/6/8)
http://www.xinhuanet.com/book/2021-06/08/c_139996301.htm
※両スペースの写真が掲載されています。

米・スタンフォード大学図書館、東アジアの印刷・通信技術等に関するコレクションを受け入れ

2021年5月26日、米国のスタンフォード大学図書館が、東アジアの印刷・通信技術等に関するコレクション“The Thomas S. Mullaney East Asian Information Technology History Collection”を受け入れたと発表しました。

寄贈されたのは、同大学の歴史学教授Thomas S. Mullaney氏が収集したコレクションです。中国を中心とした東アジアの、20世紀初頭から現在に至るまでのタイプライター、謄写版、ワープロ、コンピュータ等に関する機器や紙媒体の資料2,000点以上と、目録・高解像度のスキャン画像が含まれています。

発表の中では、今後、日本・韓国のコレクションの拡大・構築のため選択的に投資を行う予定であると述べられています。

Stanford Libraries receives a remarkable East Asian information technology collection(Stanford Libraries , 2021/5/26)
https://library.stanford.edu/node/172367

中国国家図書館、『永楽大典』研究センターを設立

中国新聞網による2021年5月31日付けの記事で、中国国家図書館(NLC)による『永楽大典』研究センターの設立が報じられています。

『永楽大典』は中国・明代に編纂された中国最大級の類書(一種の百科事典)です。記事では、研究センター設立の意図として、国内外の専門家を結び付け、『永楽大典』の研究を進めるとともに、その価値・意義を広く示すことを挙げています。

あわせて、2021年6月1日からNLCで『永楽大典』に関する展覧会が開催されることも紹介されています。

中国国家图书馆成立《永乐大典》研究中心(中国新聞網, 2021/5/31)
http://www.chinanews.com/cul/2021/05-31/9489346.shtml

中国共産党・中国政府に属する9部門が連名で「博物館の改革発展の推進に関する指導意見」を公表:2035年までに「博物館強国」を目指す

中国国務院が運営する中国政府のポータルサイト「中国政府網」に、「博物館の改革発展の推進に関する指導意見」(「関于推進博物館改革発展的指導意見」、2021年5月24日付け)が掲載されています。中国共産党中央宣伝部と、中国政府の国家発展改革委員会、教育部、科学技術部、民政部、財政部、人力資源社会保障部、文化・観光部、国家文物局の連名による指導意見です。

指導意見は5つの章と21の項目からなります。全体目標として、2025年までに博物館事業発展の枠組み形成を、2035年までに「博物館強国」を目指すことが示されています。

指導意見の各項目では、世界トップクラスの博物館を10館から15館重点的に育成すること、博物館の地域・規模・タイプ別に支援を実施すること等に触れています。また、所蔵資料デジタル化の推進・科学技術の活用・展示の質向上・教育機能や情報発信の強化・国際協力の進展など、博物館業務の各方面にわたる言及がなされています。

中国国外に所在する中国古典籍のデジタルアーカイブ「漢典重光古籍数字化平台」が公開される

中国・四川大学による2021年5月19日付けの記事で、5月18日に行われたデジタルアーカイブ「漢典重光古籍数字化平台」(「漢典重光」古典籍デジタル化プラットフォーム)の正式公開が紹介されています。

四川大学は、阿里巴巴(アリババ)公益基金会、中国国家図書館、浙江図書館、米・カリフォルニア大学バークレー校らと共同で、中国国外に所在する中国古典籍のデジタル収集・公開に取り組む「漢典重光」プロジェクトを進めていました。今回、その成果として「漢典重光古籍数字化平台」が公開されました。

「漢典重光古籍数字化平台」では、第一次公開分としてカリフォルニア大学バークレー校が所蔵する古典籍20万ページが公開されており、宋・元代の刊本をはじめとする貴重書40種余りも含まれています。また、これらの古典籍画像には、阿里巴巴と四川大学が共同で開発した人工知能(AI)技術を用いた文字認識も行われており、全文検索が可能となっています。

記事では、阿里巴巴の研究開発機関である「達摩院」院長の張建峰氏による発言も紹介されており、文字認識の精度は97.5%に達したことや、今後も米国・欧州・日本・韓国等の図書館と協力し国外所在古典籍の「デジタル帰国」を進めること、文字認識の精度・速度向上に取り組むこと等が述べられています。

米・カリフォルニア大学バークレー校図書館、1912年以前の中国語資料のデジタル化を実施すると発表:中国・四川大学と連携

2021年5月19日、米国のカリフォルニア大学バークレー校図書館が、同校東アジア図書館が所蔵する、1912年以前の中国語資料1万タイトルのほとんどをデジタル化するプロジェクトの実施を発表しました。

同プロジェクトは、中国の四川大学と連携して実施されます。3年にわたり年間50万ページのデジタル化が行われる予定で、さらに3年継続される可能性があると述べられています。その他、デジタル化した画像は、光学文字認識(OCR)を用いたテキスト化を行い、同館のデジタルコレクションへのポータルサイト“Digital Collections”でオンライン公開するとしています。

‘A long journey’: Richly detailed, fully searchable Chinese treasures will be made available for free online(Berkeley Library NEWS、2021/5/19)
https://news.lib.berkeley.edu/chinese-treasures

第18回中国国民読書調査の結果が公表される

中国・新華網による2021年4月25日付けの記事で、4月23日に発表された第18回中国国民読書調査の調査結果が紹介されています。

中国国民読書調査は、中国新聞出版研究院により1999年から実施されています。今回の調査方式はオンライン調査と電話調査の併用であり、167の都市を対象としたサンプル調査を実施しました。

調査結果は2020年における読書状況を報告するものとなっています。調査結果の一例は次のとおりです。

・(紙媒体の)図書・定期刊行物及び電子出版物を含む各種メディアの総合読書率(綜合閲読率)は、成年では81.3%であった。一人あたりの図書(紙媒体)の読書量は4.70冊、図書(電子媒体)では3.29冊であり、いずれも2019年の数値より上昇した。
・メディア別の一日当たりの利用時間という観点では、成年では携帯電話・スマートフォンの利用時間が最も長く、100.75分に達した。また、成年のインターネット利用時間は67.82分であり、2019年の数値より1.77分増加した。

香港中文大学図書館が開催した中国古典籍のOCRコンテスト(記事紹介)

台湾・中央研究院デジタル文化センターは、2021年5月5日付けのお知らせで、香港中文大学図書館が開催した中国古典籍のOCRコンテスト「中国古籍文字自動識別挑戦2021」(2021 Chinese Classic Text OCR Challenge)において優勝したことを報告しています。

同コンテストは、2021年3月、10日間にわたりオンラインで開催されました。毎日アップロードされる50枚の古典籍画像に対し、各チームでOCR処理を行った上、一時間以内に認識結果をアップロードするという手順で行われました。文字及びレイアウト認識の正確性が評価対象であり、同センターのチームが91%の認識率で優勝しました。

参加チームの総数は、中国大陸から13チーム、香港から5チーム、台湾から4チーム、米国から1チームの計23チームであり、所属でみた内訳では、学界関係が13チーム、ビジネス界関係が6チーム、その他が4チームでした。全参加チームのうち、90%以上の認識率であったのは同センターのチームのみでした。

中国国家図書館など中国の図書館10館が古典籍のデジタル公開を実施:全国合計で1,700部余りの規模

中国国家図書館(NLC)は、2021年4月25日付けの記事において、国内の図書館9館と共同で、古典籍のデジタル公開を一斉に実施したことを紹介しています。9館の内訳は、天津図書館、南京図書館、安徽省図書館、湖北省図書館、四川省図書館、雲南省図書館、チベット自治区図書館、杭州図書館、河南省唐河県図書館です。

今回の一斉公開では、全国合計で古典籍1,700部余りが公開され、これまで全国で公開された古典籍の累計は7万4,000部に達しました。今回の公開対象に含まれる特徴的な資料として、チベット文及び中医薬関係の古典籍を挙げています。その他、宋・元代の善本や明・清代の古典籍等も含まれています。

記事では、NLCが2016年に「中華古典籍資源データベース」(中華古籍資源庫)、「全国古典籍センサス登録基本データベース」(全国古籍普査登記基本数据庫)を公開して以来、NLCは古典籍3万3,000部を公開しており、NLCが所蔵する古典籍善本のうち3分の2がオンラインで閲覧可能となっていること等も紹介しています。

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