中国

E2440 - 歴史的建造物を図書館に再利用した事例集<文献紹介>

   2021年6月,国際図書館連盟(IFLA)の環境・持続可能性と図書館に関する専門部会(ENSULIB)と図書館建造物および設備分科会(LBES)の協力のもと,世界各国の主に歴史的建造物が図書館に再利用された事例を集めた報告書が出版された。報告書は大きく3つのパートに分かれ,建築家Robert Niess氏,Santi Romero氏,図書館建築の専門家Karen Latimer氏による建造物を図書館に再利用することに関する総論と,公共図書館に再利用した10の事例,大学などの学術図書館に再利用した9の事例で構成される。病院,消防署,機関車工場,郵便局など改築前の建造物の種類は多様で,改築前後の様子が写真と共に紹介されており興味深い。全文はインターネットでも公開され,誰でも無料で読むことができる。本稿ではそのいくつかの事例を挙げつつ,歴史的建造物を図書館に再利用する取り組みの特徴を紹介したい。

中国、論文代筆業者を使用した研究者の取り締まりを強化(記事紹介)

Nature誌のオンライン版に、2021年10月1日付けで記事“China’s clampdown on fake-paper factories picks up speed”が掲載されています。中国の助成機関が、論文代筆業者(paper mills)を利用する研究者へ罰則を科していることなどが述べられています。

中国の2つの主要な助成機関が実施した不正行為の調査により、論文代筆業者を使用したことで少なくとも23人の科学者が処罰を受けました。その結果、中国科学技術部は、研究公正の侵害を取り締まることを約束し、2018年に不正行為に取り組むための抜本的改革を発表しました。2020年に新しい研究不正ポリシーが発表され、論文代筆業者について初めて明示的に言及されました。

記事によれば、論文代筆業者を使用した研究者への制裁は、警告、研究助成申請の最大7年間の停止、最大6年間の昇進の停止など多岐にわたります。一方、研究者らの意見として、これは大きな前進としつつも、論文代筆業者が制裁を免れているように見えることへの疑問や、中国の研究者が直面している論文執筆のプレッシャーを軽減するために、より柔軟で多様な研究評価スキームの開発の必要性等を指摘する声が掲載されています。特に、病院での研究評価スキームを見直す必要があると指摘しています。

国立国会図書館、リサーチ・ナビにコンテンツ「中国で発行、公開された新型コロナウイルスその他の感染症に関する資料、情報等」を掲載

国立国会図書館(NDL)が、調べ物に役立つリソースを紹介するNDLのウェブサイト「リサーチ・ナビ」に、コンテンツ「中国で発行、公開された新型コロナウイルスその他の感染症に関する資料、情報等」を掲載しています。

新型コロナウイルス感染症、SARS、およびその他の感染症について、中国で発行、公開された資料等のうち、国立国会図書館の所蔵資料や政府系ウェブサイトの情報をまとめています。主に中国語の情報源が案内されています。

中国で発行、公開された新型コロナウイルスその他の感染症に関する資料、情報等(リサーチ・ナビ)
https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-asia-164.php

九州大学附属図書館、同館所蔵の「濱文庫」に含まれる中国芝居番付コレクションを電子化しオンライン公開

2021年9月15日、九州大学附属図書館は、同館所蔵の「濱文庫」に含まれる戯単(中国の演劇における芝居番付・プログラム)等190点を電子化し、「九大コレクション」上でオンライン公開したことを発表しました。

「濱文庫」は、同大学の故・濱一衛名誉教授が蒐集した中国戯劇関係の和漢書939点(約2500冊)からなります。今回公開された戯単コレクションでは、1934年から1939年頃の北京を中心とした、中国各地の劇場の戯単・ポスター等及び映画館の小冊子を収録しています。

資料の目次欄に演目及び主なキャストを表記することで、演目・演者等からの検索も可能とするなど、研究者の利便性向上のための工夫も図られています。

中国芝居番付コレクション 画像一挙公開(九州大学附属図書館, 2021/9/15)
https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/news/43184
※公開資料のリストも掲載されています。

シルクロード国際図書館連盟の第1回大会が開催される(中国)

2021年9月7日、中国国家図書館(NLC)は、9月2日にシルクロード国際図書館連盟の第1回大会をオンライン方式で開催したことを発表しました。NLC及び浙江省文化・観光庁の主催による会議であり、中国側会場は浙江省杭州市に設けられました。

シルクロード国際図書館連盟は、中国が推進する「一帯一路」政策の文化面における取組として、2018年5月に設立されました。今回の大会には、アジア・欧州・アフリカ・オセアニア等の27か国から国立図書館長や文化機関の長計30人余りが、中国国内からも図書館長や研究者30人余りが参加しました。

大会上では、同連盟の目的・組織構成・メンバー・費用負担等の詳細を定めた「シルクロード国際図書館連盟運営規則」(丝绸之路国际图书馆联盟管理办法)が採択されました。この点について、同連盟の今後の運営及び持続的発展に果たす意義の大きさが強調されています。

NLCは大会上で「シルクロードデジタル図書館」や図書館員向け研修といったプロジェクトに関する発表も行っており、同連盟の枠組み内において、資料保存・デジタル化面での協力、図書館運営・人材育成面での交流を強化していく旨が述べられています。

中国の文化・観光部、文化・観光産業に関するシンクタンク建設の対象となるパイロット機関を公表:中国国家図書館を含む19機関

2021年8月19日、中国の文化・観光部は、文化・観光産業に関するシンクタンク建設の対象となるパイロット機関の公表について、関係各部門に通知しています。

2015年1月に中国共産党中央弁公庁及び国務院弁公庁が公表した「中国の特色ある新型シンクタンクの建設強化に関する意見」(关于加强中国特色新型智库建设的意见)を踏まえて実施された取組であり、今回が初の選定・公表となります。

中国国家図書館を含む19機関が選定されており、各機関には重点研究領域が設定されています。中国国家図書館の場合は、政策決定に係るレファレンスサービス、海外中国問題、スマート図書館の3領域となっています。

文化和旅游部办公厅关于公布首批文化和旅游行业智库建设试点单位的通知(文化・観光部, 2021/8/19)
http://zwgk.mct.gov.cn/zfxxgkml/kjjy/202108/t20210820_927274.html

国際図書館連盟(IFLA)による図書館員を対象とした音楽コンテストで最高点を獲得した4作品が発表される

2021年8月17日、国際図書館連盟(IFLA)の、若手図書館員のための活動を行っている“New Professionals Special Interest Group”が、図書館員を対象とした音楽コンテスト“NPSIG Music Contest 2021”で最高点を獲得した4作品を発表しました。

図書館の価値や重要性を表現する音源・ミュージックビデオとして17か国から応募のあった70曲の中から、創造性・オリジナリティ・歌詞・メロディ・ユーモア・地域性・民族性を基準に審査員7人によって選ばれました。

4作品は以下の通りで、協賛企業からの賞品も授与されます。

1.Yellow Paper Bird 
セルビア・ポジャレバツの公共図書館Ilija M. Petrovic
※ポーランドの過去100年間の音楽を収録したBOXセット「100for100」

2.Book Junkies 
ポーランド・ブウォツワベクのZdzisław Arentowicz市立図書館
※電子資料のプラットフォームLegimiへの4人分のアクセス権

3.Reading Mojito
中国・広西師範大学図書館
※国際音楽資料情報協会(IAML)の会員資格

中国・人力資源社会保障部及び文化・観光部、図書資料に携わる職員の職称制度改革に関する指導意見を公表

2021年7月13日、中国の人力資源社会保障部及び文化・観光部が連名で、図書資料に携わる職員の職称制度改革に関する指導意見を公表していました。同意見には、職階の明確化や、評価基準の改善、新たな評価基準の創出等に関する様々な内容が含まれています。

評価基準改善の一例としては、職業倫理を重視し、研究成果盗用等の不正行為があれば職称を取り消す旨等が記載されています。

新たな評価基準の一例としては、優れた業績を有する職員・高度外国人材等について高級職称申請に係る年齢等制限を緩和することや、長期間にわたり辺境地域等で業務に従事していた職員については実務状況を重点的に考慮し、論文数を必須要件とせず、学歴・年齢等制限を緩和すること等が記載されています。

人力资源社会保障部 文化和旅游部关于深化图书资料专业人员职称制度改革的指导意见(文化・観光部, 2021/7/13)
https://www.mct.gov.cn/whzx/bnsj/rss/202107/t20210713_926398.htm

E2415 - 新規利用開拓の試みを評価するIFLA国際マーケティング賞

2021年6月14日,国際図書館連盟(IFLA)の経営・マネジメント分科会が,2021年度の国際マーケティング賞の受賞館10館を発表した。今年で18回目を迎える同賞は,創造的なマーケティングプロジェクトやキャンペーンにより成果をあげた図書館・関連団体等に対して贈られるものである。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、リポジトリの現代化のための国際戦略の開始を発表

2021年7月19日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)が、リポジトリの現代化のための国際戦略の開始を発表しています。

アフリカ・オーストラリア・カナダ・中国・日本・韓国・欧州・ラテンアメリカ・米国からの参加者により開催された7月6日の会合において開始されたもので、学術コミュニケーションのなかでリポジトリが新しく幅広い役割を担えるようすることを目的としています。

同戦略では、参加国・地域における各々の状況にあわせ、各国・地域における最も顕著で重大な課題に対処するために、個別に計画が策定される予定です。戦略と計画は7月から9月にかけて策定される予定で、その後、COARでは、各国・地域がそれらを実施するにあたっての支援を行うとしています。

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