学術情報基盤

ORCID, Inc.、2019年の年次報告書と2025年に向けた活動の重要目標・事業評価指標(KPI)等を示した“ORCID’s 2025 Vision”を公開

2020年3月19日、ORCID, Inc.が研究データ公開プラットフォームfigshare上に、2019年の年次報告書を公開しています。

195万7,249人の新規ユーザー登録があり2019年末時点でユーザー数が776万3,812人に達したこと、全体の40%以上にあたる321万9,135件のレコードが少なくとも1つ外部の識別子と関連性を持つようになったことなど、研究者によるORCIDの採用と活用の観点で画期となる1年であった、としながら2019年の事業概要が報告されています。

また、2020年3月20日には、2025年に向けた活動の重要目標・事業評価指標(KPI)等を示した“ORCID’s 2025 Vision”を同じくfigshare上に公開しています。

“ORCID’s 2025 Vision”はORCIDの中核戦略とその課題から、研究者向けサービスの改善・高品質データの提供・組織的なレジリエンスの向上・ORCID採用の拡大の4つの重要目標を設定し、それぞれ活動内容と評価指標を示しています。

国立情報学研究所(NII)、CAT2020に対応したマニュアルとして「目録情報の基準(第5版)」と「目録システムコーディングマニュアル(CAT2020対応版)」を公開

2020年3月26日、国立情報学研究所(NII)の目録所在情報サービスが、2020年以降の目録所在情報システム(CAT2020)に対応した「目録情報の基準(第5版)」と「目録システムコーディングマニュアル(CAT2020対応版)」を公開したことを発表しました。

CAT2020の適用が開始される2020年6月1日以降に、大学図書館等の総合目録データベース(NACSIS-CAT)におけるデータ作成・修正作業で使用するためのマニュアルである、としています。

「目録情報の基準(第5版)」 及び 「目録システムコーディングマニュアル(CAT2020対応版)」 を公開しました(NII目録所在情報サービス,2020/3/26)
https://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/2020/03/5cat2020.html

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJデータベース)の運用を筑波大学等から引継

2020年3月23日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、2010年度から2012年度に国立情報学研究所(NII)のCSI委託事業として実施され筑波大学等を中心に運営されていた「学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJデータベース)」の運用を引き継いだことを発表しました。

SCPJデータベースは、日本国内の学協会の機関リポジトリに対する論文掲載許諾状況を提供するデータベースです。NIIのCSI委託事業として実施された学協会のオープンアクセスに関する方針(OA方針)の調査結果に基づきデータベースが作成・公開されています。JPCOARは2020年3月にOAインフラ整備の一環として運用を引き継いだ、としています。

JPCOARに運用が引き継がれたSCPJデータベースでは、暫定的な措置として、Googleスプレッドシートによるデータ公開が行われています。今後データ更新体制やJAIRO Cloudとの連携などが検討される予定です。

英国内の複数の図書館・高等教育関係組織が連名により新型コロナウイルス拡大危機の中での教育研究活動維持のため出版社等へ求める行動を示した共同声明を発表

2020年3月20日、英・Jiscは、新型コロナウイルス拡大危機の中で、機関が教育研究活動を維持できるように、デジタルコンテンツやソフトウェアを提供する全てのプロバイダーへ求める行動を示した、英国内の複数の図書館・高等教育関係組織との連名による共同声明を、英国出版協会(The Publishers Association)と学会・専門協会出版協会(ALPSP)へ提出したことを発表しました。

共同声明は、Association of Colleges(AoC)、英国図書館(BL)、Jisc、Southern Universities Purchasing Consortium(SUPC)、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)、英国大学協会(UUK)の連名で発されました。この声明は、出版社・アグリゲータ・ベンダー等に対して、新型コロナウイルス拡大危機の中、教育機関を支援するための行動を求めたもので、国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)が発表済の声明とも密接に連携していることに言及しながら、出版社等が実施可能な行動のリストとして次の内容を挙げています。

国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と図書館サービス・図書館資料への影響に関する声明を発表

国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)は2020年3月13日付で、ICOLCに参加する世界中の図書館コンソーシアムとこれらのコンソーシアムを構成する各図書館を代表して、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と図書館サービス・図書館資料への影響に関する声明を発表しました。

ICOLCは声明を発表した目的として、出版社等に対して世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大が世界の情報コミュニティにどのような影響を与えているかの理解を促すこと、図書館と情報サービス提供者の双方にとって有益と思われるICOLCのアプローチを提案すること、の2点を挙げています。

ICOLCは声明の中で出版社等へ次の4点を至急検討するように要請しています。

仏・オープンサイエンス委員会、SCOSSで資金調達を実施中の3種類のオープンサイエンス基盤サービスへ総額45万ユーロの支援を実施

2020年3月10日、仏・高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)のオープンサイエンス国家計画の一環として設置されているオープンサイエンス委員会(Le comité pour la science ouverte)は、SCOSSを通して資金調達を実施中の3種類のオープンサイエンス基盤サービスへ総額45万ユーロの支援を実施することを発表しました。

SCOSSはMESRIやSPARC Europe等も参加する、非営利のオープンアクセス(OA)・オープンサイエンスサービスの資金調達支援のための国際的な連合体です。オープンサイエンス委員会は、現在SCOSSの援助対象となっている、オープン書誌データ・引用データの普及を目指すインフラサービスOpenCitations、オープンソースの出版システムを開発・提供する複数大学のイニシアチブPublic Knowledge Project(PKP)、OAの査読済単行書のダイレクトリDOABへ支援することを表明しています。支援額の内訳は、OpenCitationsが25万ユーロ、PKPが7万5,000ユーロ、DOABが12万5,000ユーロです。

欧州研究図書館協会(LIBER)、シングルサインオン(SSO)認証実施のための10の推奨原則の草案を公開:パブリックコメントを募集中

2020年3月2日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、LIBERの下に設置された「図書館の連携認証管理(Federated Identity Management For Libraries:FIM4L)」ワーキンググループがシングルサインオン(SSO)認証実施のための10の推奨原則の草案を公開し、パブリックコメントを募集していることを発表しました。

施設外から図書館のオンラインリソースへアクセスする際に用いられるSSOによる連携認証は、正しく設定されていない場合には、利用者のプライバシーを保護するという図書館の責任に相容れないものとなります。LIBERのFIM4Lワーキンググループは同草案を利用者のプライバシーを保護しながら、図書館と出版社がSSOによる連携認証の設定・管理をより容易に実施できるようにすることを目的に作成しました。

国立情報学研究所(NII)、「高等教育機関の情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集」を改定

2020年2月12日、国立情報学研究所(NII)は、「高等教育機関の情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集」を改定し2019年度版として公開したことを発表しました。

「高等教育機関の情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集」は、情報セキュリティへの取り組みが重要な課題となり、各大学において情報セキュリティポリシー策定が必須となっている一方、教育・研究活動への配慮、高等教育機関ならではの法律・制度や組織運営、情報・通信・セキュリティ技術等に関する専門知識が求められ、各大学への負担が大きいという問題があるため、ポリシー等策定支援のためNIIが2006年度から公開しているものです。今回の改定は3度目の大規模改定として実施され、内閣官房の内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)による「政府機関等の情報セキュリティ対策のための統一基準群(平成30年度版)」に対応し、統一基準への準拠性を高めるための構成見直しやクラウドサービス上で要機密情報を扱う場合についての解説の追加などが行われています。

研究データリポジトリのレジストリ“re3data.org”のサービスのさらなる専門化・記述要素の充実等を目的としたドイツ研究振興協会(DFG)の助成による36か月のプロジェクトが開始

2020年2月6日、研究データの共有と活用の向上にむけて活動を行っている国際コンソーシアム“DataCite”は、研究データリポジトリのレジストリ“re3data.org”に関する36か月のプロジェクト“re3data - Community Driven Open Reference for Research Data Repositories(re3data COREF)”が2020年1月に開始したことを発表しました。

“re3data.org”は独・カールスルーエ工科大学(Karlsruhe Institute of Technology:KIT)図書館がホスティングを提供するDataCiteのサービスです。2012年の立ち上げ以来、研究データリポジトリに関する信頼できる情報源として発展し、現在では2,450以上のリポジトリの情報を提供しています。

学術研究懇談会(RU11)、「産学連携活動における情報セキュリティ・図書資料関連経費、研究指導料に関する要望」を発表

学術研究懇談会(RU11)のウェブサイトで、産業界に対して取りまとめした2019年8月付のRU11による要望書「産学連携活動における情報セキュリティ・図書資料関連経費、研究指導料に関する要望」が公開されています。

同要望書は、近年増大している情報セキュリティ・図書資料関連経費が大学予算を圧迫していること、これまであまり考慮されてこなかった大学教員の提供する「知」の対価(研究指導料)という新たな要因・要素への対応について関係者の理解を求める、という趣旨の下で取りまとめ・作成されました。「図書館資料関連経費」については、電子ジャーナル経費の高騰等に伴い、大学の運営費・研究費を圧迫している実情が指摘されています。

同要望書では、産官学連携活動の関係者に対する要望事項として、次の2点に言及しています。
・「情報セキュリティ・図書資料関連経費」、及び「知」の対価としての「研究指導料」について、該当事項を立てて所要額を負担すること
・情報セキュリティ・図書資料関連経費、研究指導料等以外の企業側から提供される経費(直接経費、間接経費)について、さらに柔軟に措置されるような工夫を企業側と意見交換・検討するために協力すること

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