学術情報基盤

国立情報学研究所(NII)、2020年以降の目録所在情報システム(CAT2020)の適用を開始

2020年8月4日、国立情報学研究所(NII)が、2020年以降の目録所在情報システム(CAT2020)の適用を8月3日10時から開始したことを発表しました。

各クライアントにおけるCAT2020の適用については、各ベンダーの対応が必要です。

2020年以降の目録所在情報システムの適用開始について(NII目録所在情報サービス, 2020/8/3)
https://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/2020/08/2020202083_22.html

参考:
国立情報学研究所(NII)、新型コロナウイルス感染症の影響により2020年以降の目録所在情報システム(CAT2020)の適用開始日を2020年8月3日へ延期
Posted 2020年5月1日
https://current.ndl.go.jp/node/40884

「知識コモンズ」の視点から見た日本のリポジトリにおける研究データのガバナンス状況(文献紹介)

2020年7月31日付で、図書館情報学分野の査読誌“Aslib Journal of Information Management”のオンライン速報版(ahead-of-print)の論文として、“How are research data governed at Japanese repositories? A knowledge commons perspective”がオープンアクセスにより公開されています。

同論文は筑波大学大学院図書館情報メディア研究科の博士後期課程に在籍する西川開氏によって執筆されました。日本のリポジトリにおける研究データのガバナンス状況を調査する目的で、知的・文化的共有資源とその管理を扱う「知識コモンズ」のアプローチによって理念型を設定し、設定された理念型とリポジトリの適合性を個々に評価した結果・考察等を示した内容です。

文部科学省、2019年度の「学術情報基盤実態調査」の結果を公表

2020年7月31日、文部科学省は、「令和元年度「学術情報基盤実態調査」」の結果を公表しました。同調査は大学の学術情報基盤(大学図書館、コンピュータ及びネットワーク等)の現況を把握し、今後の改善と充実のための基礎資料とすべく、2005年度から毎年実施されているものです。2019年度調査の対象の大学は、国立86、公立93、私立613の計792大学で回答率は100%でした。

調査結果のポイントとして、以下の点等が示されています。

〇大学図書館編
・図書館資料費は708億円で、2017年度に続き減少傾向となり、前年度より5億円(0.7%)減少。そのうち、電子ジャーナル経費は315億円で、前年度より17億円(5.9%)増加。
・機関リポジトリを持つ大学は、603大学(76.1%)となり、前年度より18大学(3.1%)増加。
・543大学(68.6%)がアクティブ・ラーニング・スペースを設置。

Elsevier社、同社のプラットフォームScienceDirectに機関外からの簡便なアクセス認証を提供するサービス“SeamlessAccess.org”を導入

2020年7月28日、Elsevier社は、同社の提供する学術文献のオンラインプラットフォームScienceDirectに、機関外からの簡便なアクセス認証に関するサービス“SeamlessAccess.org”を導入したことを発表しました。

ユーザーの所属機関がScienceDirectを購読している場合には、ScienceDirect上の“Access through your institution”ボタンをクリックすることで、所属機関の認証を経てアクセス環境を問わず購読中のScienceDirectのコンテンツへアクセスすることが可能となります。“SeamlessAccess.org”は、ユーザーの選択した機関情報を記憶し、米国情報標準化機構(NISO)の推奨基準に準拠しながら、プライバシーを保護しつつ別のサービス導入サイトへの安全な転送を行うため、一度機関認証を受けたユーザーは、サービスを導入したプラットフォームへ移動する際に認証を繰り返す必要はなく、「シームレスに」プラットフォーム間を移動できる、と案内しています。

内閣府、「統合イノベーション戦略2020」を公表

内閣府が2020年7月17日に閣議決定された「統合イノベーション戦略2020」を公表しています。

「統合イノベーション戦略2020」は、新型コロナウイルス感染症の拡大や大規模災害の発生、イノベーションをめぐる覇権争いの激化など、国内外の状況が著しく変化したこと、また、第201回国会において、人文・社会科学やイノベーションの概念を追加する改正科学技術基本法が成立したことを踏まえて、重点的に取り組むべき施策として策定されました。以下の4点が戦略の柱として盛り込まれています。

① 新型コロナウイルス感染症により直面する難局への対応と持続的かつ強靭な社会・経済構造の構築
② スタートアップ・エコシステム拠点都市の形成やスマートシティの実現と国際展開などの推進
③ 研究力を強化するための若手研究者の挑戦支援や、大学等の間での連携による世界に伍する規模のファンドの創設、人文・社会科学の更なる振興
④ AI、バイオ、量子技術、マテリアルといった基盤技術や、感染症や自然災害などに対する安全・安心に関する科学技術、環境エネルギーなど重要分野の取組の強化

FAIR原則に従ったサービスを実践するためのデータ及びインフラサービスプロバイダに対する提言(文献紹介)

2020年7月7日付で、Elsevier社傘下Cell Pressが刊行するデータサイエンス分野の査読付きオープンアクセス(OA)誌“Patterns”掲載記事として、FAIR原則に従ったサービスを実践するためのデータ及びインフラサービスプロバイダに対する提言“Recommendations for Services in a FAIR Data Ecosystem”が公開されています。

同記事で示された提言は、欧州のFAIR原則促進プロジェクト“FAIRsFAIR”、研究データ同盟(RDA)の欧州における活動拠点RDA Europe、OA学術コンテンツの国際的データベースOpenAIRE、欧州オープンサイエンスクラウド(EOSC)実現のためのポータルサービスEOSC-hub、永続的識別子に関する基盤の発展を目指すプロジェクトとして欧州委員会の出資するFREYA projectが、2019年中に共同実施した3回のワークショップの成果に当たるものです。これらの団体は協調して、FAIR原則の実現に貢献すべきサービスにとっての共通課題と優先順位を明らかにすることへ取り組み、EOSCの構築を念頭に置きながら、データ基盤の発展とFAIR原則準拠のサービス提供のための協力に関する提言を作成しました。

韓国科学技術情報研究院(KISTI)、科学技術情報プラットフォームScienceONにおいて、人工知能(AI)を用いた論文要約サービスを試験的に開始

2020年7月6日、韓国科学技術情報研究院(KISTI)が、KISTIが運営する科学技術情報提供プラットフォームScienceONにおいて、人工知能(AI)を用いた論文要約サービスを試験的に開始すると発表しました。

これまで論文のタイトル・抄録・キーワード等から論文を調査することはできたものの、論文の論証で示された3要素(研究主題・研究方法・研究結果)からは調べることはできないため読んで整理する必要があったことから、研究者がより迅速・正確に論文を入手できるよう、PDF型式の国内の論文を対象に、自然言語処理技術BERT等を用いて、その内容を抽出・要約し提供するものです。

米・SPARC、学術出版界に関する包括的な現況分析と現況を踏まえた高等教育機関向けの行動のためのロードマップについて2020年更新版を公開

2020年6月22日、米・SPARCは、2019年中に公開済の学術出版界に関する包括的な現況分析“Landscape Analysis”と現況を踏まえた高等教育機関向けの行動のためのロードマップ“Roadmap for Action”について、2020年更新版を作成し公開したことを発表しました。

SPARCが公開した2020年更新版は、2019年中の出来事や新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済的な影響を検証し、学術出版市場の状況・関連主要企業の状況に関する最新情報を提供しています。更新版の現況分析では、注目すべき傾向として以下の3点が挙げられています。

・主要出版社における研究評価分野への進出傾向の深化
・Get Full Text Research(GetFTR)のような主要出版社の共同プラットフォームによる研究成果物の流通
・コンテンツへのライセンス契約がデータ分析サービスの契約に直結する新たな「ビッグディール」契約の出現

更新版の行動のためのロードマップでは、データ分析関連製品・サービスの購入の指針となる原則の確立を特に重視して、コミュニティが検討すべき行動の提案が行われています。

E2271 - J-STAGE Data:オープンサイエンス時代の新たなサービス

近年,情報技術の急速な発展を受け,あらゆる人々が研究成果へ自由にアクセスでき,それらを利活用できる環境が現実のものとなっている。このような環境を利用して実現される新しいサイエンスのあり方は「オープンサイエンス」と呼ばれている。その名を冠した様々な取組が世界規模で行われているが,中でも研究データの公開・共有はここ数年関心が高まっているトピックの一つである。人工知能(AI)の台頭に代表されるように,データを利活用することで新たな価値を創出する取組は産・学を問わず期待されている。また,研究不正の防止という観点から,多くの大学や研究機関,研究資金助成機関等がデータ管理・公開に係る方針を掲げ研究の透明性の担保に努めている。さらに,ジャーナルにおいてもデータの公開や共有に関するポリシーの整備が行われ,研究者が研究成果論文を発表する際,その根拠となるデータの公開を求められる場面は多くなっている。こうした状況に対応すべく,国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は,日本におけるオープンサイエンスの推進に資することを目的にJ-STAGE Dataを構築した。

米・EDUCAUSE、高等教育におけるデジタルトランスフォーメーションをテーマとした2件の報告書を公開

2020年6月15日、米国のNPO組織EDUCAUSEは、高等教育におけるデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation:Dx)」テーマとした2件の報告書を公開したことを発表しました。

公開された報告書は、高等教育におけるデジタルトランスフォーメーションがどのように展開されているかについてデータ収集等を実施するEDUCAUSEの研究プロジェクトの成果として発表されました。同プロジェクトは、デジタルトランスフォーメーションによる環境の変化に関する理解を深め、その課題や機会を調査することを目的としています。

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