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GitHub、GitHubアーカイブプログラムの一環でコードを北極圏に保存

2020年7月16日、GitHubが”GitHub Archive Program: the journey of the world’s open source code to the Arctic”と題したブログ記事を公開しました。記事では、GitHubアーカイブプログラムの一環で、GitHubで公開されているコードが北極圏にある貯蔵庫(GitHub Arctic Code Vault)にアーカイブされたことを報告しています。

GitHubアーカイブプログラムは、将来の世代のためにオープンソースソフトウェアを1000年間にわたり保存することを目的としています。2020年2月2日にGitHub上の全てのアクティブな公開されているリポジトリのスナップショットを作成しました。このプログラムのパートナーであるPiqlは、21TBのリポジトリのデータをpiqlFilm(デジタル感光性アーカイブフィルム)に転写しました。それらは、2020年7月8日にノルウェー・スヴァールバル諸島に所在するGitHub Arctic Code Vaultに格納されました。ブログ記事では、保存までの過程が写真と共に報告されています。

プレプリントの迅速な評価と科学ジャーナリストへの情報提供を可能にするサービスの構想 (記事紹介)

2020年7月20日付けでThe New York Timesに”How to Identify Flawed Research Before It Becomes Dangerous”という題目のオピニオン記事が掲載されています。執筆者は米・カリフォルニア大学バークレー校の生物学者Michael B. Eisen氏と米・スタンフォード大学の統計学者Robert Tibshirani氏です。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、プレプリントによる迅速な研究成果の共有が進みました。一方、論文の初期の版を公開することで「政策立案者と一般市民が、深刻なエラーがある研究成果をもとに行動を起こさないようにするにはどうしたらよいか」といった課題が生まれたことを指摘しています。プレプリントのエラーはTwitter、ブログ等で指摘されますが、現代のジャーナリズムの速さ、およびプレプリントに対するマスコミや一般の理解の欠如によって、その研究成果はおおよそ額面通りに受け取られてしまうと述べています。

電子情報の保存・管理に関する標準手法“Oxford Common File Layout(OCFL)”のVesion 1.0が公開:英米の大学図書館員を中心とした2年以上の策定作業の成果

2020年7月7日付で、電子情報の保存・管理に関する標準手法“Oxford Common File Layout(OCFL)”のVesion 1.0が公開されました。

OCFLは、英米の大学図書館員を中心とした編集チームと電子情報の保存や技術に関するコミュニティの2年以上の策定作業の成果として公開されました。構造的で透明性が高く予見可能な方法による、特定のアプリケーションに依存しない電子情報の保存手法を示しています。設計の意図として、デジタルリポジトリ内でオブジェクトを長期にわたって管理するためのベストプラクティスの採用を促進すること、手法を標準化することによってアプリケーション間におけるコンテンツのマイグレーションや転送を容易にすることが挙げられています。

設計上の目標、及び活用することによる利点は以下の6点である、と説明しています。

スイスの学術出版物アーカイブSONAR、国内の中小規模の高等教育機関を想定した機関リポジトリサービスを近日中に提供開始

2020年7月3日、スイスの学術出版物アーカイブSONAR(Swiss Open Access Repository)は、国内の中小規模の高等教育機関を想定した機関リポジトリサービスの提供をまもなく実施することを発表しました。

SONARは、スイスの公的研究機関所属の研究者による出版物の収集・促進・保存を目的として、西部スイス図書館ネットワーク“RERO”等のコンソーシアムによって運営されるプロジェクトです。スイス国内の機関リポジトリ・分野リポジトリのコンテンツやメタデータを集約するアグリゲータとしての機能と、集約したコンテンツを国内の機関リポジトリやGoogle Scholarをはじめとした学術文献検索エンジン等に発信する機能を担っています。

SONARが初めて提供する機関向けの機関リポジトリ提供サービスは、REROを中心に構築が進められています。複数機関で共有して使用し、共通の検索インタフェースや登録ポリシー等を備えた“Shared portal”と機関独自にカスタマイズされたポリシー等の設定が可能な“Dedicated portal”の2種類のサービスの準備が進められています。“Shared portal”は2020年7月中に、“Dedicated portal”は2020年後半に提供される予定です。

米・LYRASIS、資金助成プログラム“Catalyst Fund”の2020年の助成対象プロジェクトを発表

2020年7月6日付の、米国の図書館等のネットワークLYRASISのお知らせで、加盟館による新しい試みや革新的なプロジェクトへの資金助成プログラムとしてLYRASISが実施する“Catalyst Fund”について、2020年の助成対象プロジェクトが発表されています。

“Catalyst Fund”は、LYRASISの研究・開発・イノベーションに関する予算120万ドルの枠内で実施されるプログラムであり、2020年で4年目を迎えます。以下の5件のプロジェクトが2020年の“Catalyst Fund”による資金助成対象として選定されています。

・ユタ大学による、精度の低いOCRにより抽出された歴史的文書のテキストデータ改善を支援するガイドライン・ツール開発のためのプロジェクト“Toolkit to Assess OCR’ed Historical Text in the Era of Big Data”

オランダ科学研究機構(NWO)、同機構の助成規則におけるPlan S実施のための指針を発表

2020年7月1日、オランダ科学研究機構(NWO)は、2021年1月1日のPlan S発効に先立ち、研究者に十分な準備期間を与える目的で、NWOの助成規則におけるPlan S実施のための指針を発表しました。

NWOでは2015年以降、助成を受けた研究成果は全てオープンアクセス(OA)化するポリシーを実施していますが、2021年1月のPlan S発効後は今回発表された指針の枠組みで、2019年5月31日に発表された改訂版のPlan S実現に取り組みます。

NWOは2021年1月1日以降に公表された助成成果に当たる研究論文は、クリエイティブ・コモンズのCC BYライセンスの下で、エンバーゴの付かない即時OAとしなければならず、即時OA化は以下の3種類のいずれかの方法をとらなければならないとしています。

E2271 - J-STAGE Data:オープンサイエンス時代の新たなサービス

近年,情報技術の急速な発展を受け,あらゆる人々が研究成果へ自由にアクセスでき,それらを利活用できる環境が現実のものとなっている。このような環境を利用して実現される新しいサイエンスのあり方は「オープンサイエンス」と呼ばれている。その名を冠した様々な取組が世界規模で行われているが,中でも研究データの公開・共有はここ数年関心が高まっているトピックの一つである。人工知能(AI)の台頭に代表されるように,データを利活用することで新たな価値を創出する取組は産・学を問わず期待されている。また,研究不正の防止という観点から,多くの大学や研究機関,研究資金助成機関等がデータ管理・公開に係る方針を掲げ研究の透明性の担保に努めている。さらに,ジャーナルにおいてもデータの公開や共有に関するポリシーの整備が行われ,研究者が研究成果論文を発表する際,その根拠となるデータの公開を求められる場面は多くなっている。こうした状況に対応すべく,国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は,日本におけるオープンサイエンスの推進に資することを目的にJ-STAGE Dataを構築した。

英・Jisc、SHERPA RoMEO・Sherpa Factのリニューアル版を公開

2020年6月18日、英・Jiscのオープンアクセス(OA)チームは、JiscのサービスSHERPA RoMEOのリニューアル版を公開したことを発表しました。

SHERPA RoMEOは、世界中の出版社のOAポリシーを集約・分析し、ジャーナルごとにOAによるセルフアーカイブの許諾条件・権利条件の概要を提供するオンライン情報源です。リニューアル版では、各ジャーナルの様々なOAポリシーの概略表示など、ユーザビリティ向上に関する大きな改善が行われました。また、APIの機能拡張や、将来の迅速なサービス展開を可能にする基礎データの改善も行われています。

今回のSHERPA RoMEOのリニューアルは、OAポリシーを取り巻く環境の変化への積極的な対応として実施されました。出版社が出版プロセスのさまざまな段階で提供している複雑なOAポリシーのバリエーションをより明確に示すことができるようになっています。Jiscはリニューアル版への移行を支援するため、ユーザー向けの参考資料を多数用意しています。

なお、ジャーナルが助成機関のOAポリシーに従っているかどうかを確認するためのサービスSherpa Factについても、SHERPA RoMEOとともにリニューアル版が利用可能であることが併せて発表されています。

慈善団体チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ(CZI)、医学分野のプレプリントサーバーmedRxivへ200万ドルの資金提供を実施

2020年6月18日、Facebook創設者ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏と夫人のチャン(Priscilla Chan)氏による慈善団体チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ(CZI)は、医学分野のプレプリントサーバーmedRxivと提携し、200万ドルの資金提供を実施することを発表しました。

CZIのmedRxivへの支援は、新型コロナウイルス感染症に関する重要な研究を含めた、医療分野の研究を研究者へ迅速に共有することを目的に行われます。エボラ出血熱やジカ熱の流行時には、プレプリントとして共有された関連研究は全体5%程度に過ぎなかったこととは対照的に、新型コロナウイルス感染症については研究の約4分の1がプレプリントとして共有され、そのうちのほとんどの研究がmedRxiv、もしくはすでにCZIが支援している生命医学分野のプレプリントサーバーbioRxivに掲載されています。CZIはプレプリントサーバーへの支援は新型コロナウイルス感染症へ対抗するために必要であることはもちろん、プレプリントによる研究成果の迅速な共有が感染症への対応という枠を超えて、科学研究そのものを加速させるものであるという認識の下、medRxivへの支援を実施します。

Europe PMC、新型コロナウイルス感染症に関する研究論文のプレプリント版についてXML形式のフルテキストを閲覧・再利用可能にするための新プロジェクトを発表

2020年6月8日、Europe PMCは、新型コロナウイルス感染症に関する研究論文のプレプリント版について、標準的なXML形式のフルテキストを閲覧・再利用可能にする取り組みを実施することを発表しました。

この取り組みは英国のウェルカム・トラストの支援、及び英国医学研究会議(UK Medical Research Council:MRC)・スイス国立科学財団(SNSF)との提携による新しいプロジェクトとして実施されます。今後数週間から数か月をかけて、Europe PMCはプレプリントサーバーやプレプリント版の著者と掛け合い、可能な限り多くの新型コロナウイルス感染症に関連する研究のプレプリント版がEurope PMC上で閲覧・再利用可能となるように取り組む予定です。また、主要なプレプリントのプラットフォームで公開された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)または新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する研究の責任著者に対しては、近日中に対応する研究論文プレプリント版のEurope PMCバージョンについて確認を依頼する、としています。

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