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プレプリントの出版者版へのリンクを発見する手法の開発(文献紹介)

2021年4月18日付で、Springer Nature社が刊行する科学計量学分野の査読誌“Scientometrics”に、フランスのトゥールーズ大学のGuillaume Cabanac氏らによる共著論文“Day-to-day discovery of preprint–publication links”がオープンアクセスで掲載されています。

プレプリントが査読後にジャーナル等で出版された際には、最新版を読者に提供するためにもプレプリントに出版者版のリンクを付与することが重要であると指摘しています。しかし、主要なプレプリントサーバは、プレプリントと出版者版の全てのリンクを特定できていないと述べています。

近畿病院図書室協議会、会誌『病院図書室』を創刊号から共同リポジトリ「KINTORE」で公開

2021年4月27日、近畿病院図書室協議会が、会誌『病院図書室』の創刊号からの記事を、共同リポジトリ「KINTORE」で公開したことを発表しました。

4月30日時点では、後継誌である『病院図書館』も合わせて、1980年3月に刊行された1巻1号から、2017年11月に刊行された35巻2号までが掲載されています。

お知らせ(近畿病院図書室協議会)
http://www.hosplib.info/
※2021年4月27日付で、「会誌「病院図書室」創刊号から公開しました」とあります。

病院図書館(KINTORE)
http://kintore.hosplib.info/dspace/kiyo/k450

全国遺跡報告総覧、「遺跡位置表示機能」「Wikipedia記事に全国遺跡報告総覧登録コンテンツを引用する際の表記を自動表示する機能」を追加

2021年4月26日、奈良文化財研究所が、全国遺跡報告総覧に「遺跡位置表示機能」「Wikipedia記事に全国遺跡報告総覧登録コンテンツを引用する際の表記を自動表示する機能」を追加したと発表しています。

全国遺跡報告総覧には遺跡の抄録情報が集約されており、それぞれ遺跡位置が登録されています。「遺跡位置表示機能」は、報告書詳細ページに、この遺跡位置の地図を簡易表示するようにしたものです。データ登録画面にも地図表示を導入したことで、入力ミスの減少も見込めるとしています。

また、「Wikipedia記事に全国遺跡報告総覧登録コンテンツを引用する際の表記を自動表示する機能は、近年、ウィキペディアタウン等の活動が活発化し、地域の文化財に関わる記事執筆や編集に郷土資料を活用することがあるものの、出典の明記にあたって表記スタイルに従う必要があることから、利便性・効率性・スタイルの正確さを高めるため、表記スタイルを自動表示し、コピー・アンド・ペーストできるアイコンを公開したものです。

オープンアクセス誌eLife、同誌の投稿プロセスにプレプリントサーバーmedRxivへの投稿を統合

2021年4月21日、オープンアクセス(OA)誌“eLife”は、eLifeの投稿プロセスに医学分野のプレプリントサーバーmedRxivへの投稿を統合することを発表しました。ライフサイエンスや医学コミュニティでのプレプリントへの支持の高まり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを背景としたCOVID-19関連のプレプリント増加を受けたものです。

2016、2017年にbioRxivと行った同様の取組に続くものであり、eJournalPress及びmedRxivのサポートにより実現されました。論文著者は、medRxivへのプレプリント投稿後に同時にeLifeに投稿することが可能となり、また、eLifeの投稿システムからmedRxivに直接投稿することも可能となります。medRxivとの間で、このような双方向の統合を投稿プロセスに組み込んだのはeLifeが初めてであると述べています。

著者がeLifeに先に投稿する医学分野の論文については、編集者が査読プロセスに回した直後の完全な投稿プロセス(full submission process)において、eLifeがプレプリントをmedRxivに直接投稿する計画であるとしています。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)が主催する“Asia OA Webinar”が2021年4月に開催:COARが公表したリポジトリに関するフレームワークについて日本用ローカライズと実践の試みを紹介

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、2021年4月14日付けのお知らせで、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)が主催する“Asia OA Webinar”の開催を紹介しています。

“Asia OA Webinar”は、アジアのオープンアクセスコミュニティによる情報の交換や、協調関係の構築、交流を目的としたウェビナーシリーズです。2021年4月27日に、その一環としてウェビナー“Balancing good practices with inclusivity: COAR Community Framework for Good Practices in Repositories”が開催されます。

同ウェビナーでは、COARが2020年10月に公表したリポジトリに関するフレームワーク“COAR Community Framework for Best Practices in Repositories”について、日本用ローカライズと実践の試みの紹介が英語で行われます。司会・発表はJPCOARのメンバーが担当しており、プログラムの内容は以下のとおりです。参加は無料ですが、事前の申込みが必要です。

ラテンアメリカとアフリカの機関がオープンサイエンスに関する活動強化のため覚書を締結:LA ReferenciaやWACREN等の5機関

2021年4月1日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、ラテンアメリカとアフリカの機関がオープンサイエンスに関する活動強化のため覚書(Memorandum of Understanding:MoU)を締結したことを発表しました。

覚書に参加した機関は、ラテンアメリカではLA Referencia及びRedCLARA、アフリカではASREN、WACREN、UbuntuNet Allianceです。連携のねらいとして、国際協力の枠組のなかで、各大陸独自のニーズや状況を反映したオープンサイエンス政策、サービス、インフラの進展を図ることを挙げています。

発表では、グローバル・サウスのオープンサイエンス及びリポジトリのための、相互運用可能で国際的なエコシステムを拡大・強化する上で、今回の締結は重要なマイルストーンとなる、と述べています。また、締結に際しCOARも支援を行っており、今後もオープンサイエンスに関する知見の交換や、LA Referenciaのソフトウェアに関して地域間の技術移転を支援するとしています。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)ら、FAIRsharingが公開したデータリポジトリの要件への共同意見書を公表

2021年4月1日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、FAIRsharingが公開した”Data Repository Selection: Criteria That Matter”で記されているデータリポジトリの要件への共同意見書の公開を発表しました。

共同意見書は、COAR、CoreTrustSeal、欧州大学協会(EUA)、Science Europe、World Data Systemが連名で公表したものであり、リポジトリや研究データに関する複数の組織が支持を表明しています。

FAIRsharingは出版者や学術情報流通に関する団体から構成されるコミュニティです。2020年10月13日にデータリポジトリの識別と選択に関する基準を提案する文書を”Data Repository Selection: Criteria That Matter”として公開し、意見募集も行っていました。

オープンアクセス誌eLife、査読における多様性を促進するためにPREreviewと提携

2021年3月25日、オープンアクセス誌eLifeは、様々なバックグラウンドを有する研究者を査読に参加させ、査読における多様性を促進するためにPREreviewと提携することを発表しました。

2017年に設立されたPREreviewは、査読システムにさらなる公平性・多様性をもたらすことを目的としており、プレプリントの査読に関するプラットフォームの運営や、より良い査読のための学習リソースの提供、査読を担うコミュニティの育成等に取り組んでいます。

eLifeは2020年に、世界中の研究者がオンラインでプレプリントの内容を議論する“preprint journal club”を含むPREreviewの様々な取組に協力しました。また、若手研究者が査読に貢献できるようにするための、オンラインの指導プログラム“PREreview Open Reviewers”のパイロット版への支援も行いました。

cOAlition S、欧州研究図書館協会(LIBER)が策定したモデル法への賛意を表明:公的助成による研究成果物がゼロエンバーゴで二次出版可能であることを規定

2021年3月30日、cOAlition Sは、欧州研究図書館協会(LIBER)が策定したモデル法(model law)への賛意を表明しました。

モデル法は、公的助成による研究成果物がゼロエンバーゴで二次出版可能であることを規定した内容となっており、欧州連合(EU)及び欧州各国政府のレベルで研究成果物の二次出版権が取り扱われることを目的としています。

モデル法の策定は、プランSの「権利保持戦略」や欧州委員会の助成プログラム“Horizon Europe”などを背景とした、LIBERによるキャンペーンの一環として行われました。LIBERは同キャンペーンのウェブページにおいて、著者が自身の研究成果をコントロールできるような政策を全EU加盟国で導入し、各国で協調的・水平的なアプローチを採用する時が来た、と述べています。

cOAlition Sは、全EU加盟国での協調的・水平的なアプローチの採用、という簡明な目標をとりわけ歓迎すると述べています。

新型コロナウイルス感染症拡大下でのプレプリントの出版率と被引用数(文献紹介)

2021年3月3日、オープンアクセスジャーナルPeer Jが、” Publication rate and citation counts for preprints released during the COVID-19 pandemic: the good, the bad and the ugly”と題した論文を公開しました。著者はエクアドルのサン・フランシスコ・デ・キト大学のDiego Añazco氏、Bryan Nicolalde氏ら7名です。論文では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響を受けて数多くのプレプリントが公開されてきたことを背景として、これらのプレプリントがどの程度学術雑誌で出版され、引用されているか調査を行っています。

調査の対象となったプレプリントは、2020年1月1日から2020年5月31日までにbioRxiv、medRxiv、Research Squareに投稿されたCOVID-19に関連する5,061報のプレプリントです。5,061報のプレプリントのうち、学術雑誌で出版されたものは288報(5.7%)であることが報告されています。学術雑誌で出版されたものは学術雑誌論文としてもプレプリントとしても、学術雑誌で出版されていないものより被引用数が高いことが明らかとなっています。

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