公文書館

E2353 - みんなで翻刻:歴史資料の市民参加型翻刻プラットフォーム

新しい知識・情報の創造という図書館・ライブラリーが果たす役割を実現していることや,古文書を読める世代を失いつつある結果,それらを死蔵しかねない状況の図書館にとって存在意義が大きいとしてLibrary of the Year 2020 の大賞を受賞した『みんなで翻刻』は,インターネットを通じて誰もが参加できる歴史資料の翻刻プラットフォームである。「翻刻」とは歴史学の用語で,古文書や古典籍など歴史文献資料に書かれた文字を活字に起こし,史料集として刊行したり,データベース化してオンライン公開したりする作業のことを指す。日本には江戸時代以前から伝来する大量の文献資料が保存されており,近年はこれら資料のデジタル化も急速に進められている。しかしテキスト化された歴史資料は全体のごく一部に過ぎないため,全文検索が適用できないなど効果的な利活用が困難な状況にある。『みんなで翻刻』は,多数の参加者の協力を募ることでこれら文献資料の大規模なテキスト化を実現し,歴史資料の利活用促進につなげることを目的としたプロジェクトである。翻刻されたテキストはCC BY-SAライセンスで公開され,出典を明示すれば自由に利用できる。

国立公文書館、「PARBICA善き統治のためのレコードキーピング・ツールキット」のうち「ガイドライン21:災害対応計画をつくる」の日本語版を作成・公開

2021年2月17日、国立公文書館は、国際公文書館会議太平洋地域支部(PARBICA)が策定した「善き統治のためのレコードキーピング・ツールキット」に含まれる24のガイドラインのうち、「ガイドライン21:災害対応計画をつくる」の日本語版を作成・公開したことを発表しました。

同ガイドラインは、災害の発生中および発生直後において、所蔵資料の被害を評価し、所蔵資料を移動させ救出するまでの、効果的な対応を組み立てるための「災害対応計画」の策定に関するものです。

@JPNatArchives(Twitter,2021/2/17)
https://twitter.com/JPNatArchives/status/1361948527719514114

REALM Project、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する第7回目・第8回目のテスト結果を公表:気温によるウイルスの減衰率の差を調査

2021年2月11日、博物館・図書館・公文書館の職員や利用者への新型コロナウイルスへの影響を軽減するための資料の取扱方法について、科学的根拠に基づいた情報を作成・普及させることを目的とするREALM Projectが、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する第7回目・第8回目のテスト結果を公表しました。

第7回目・第8回目の調査は、低温(1度から4度)と温暖(28度から29度)な環境下での新型コロナウイルスの自然減衰の差をテストしたものです。テスト素材には、ハードカバーの表紙、ソフトカバーの表紙、プラスチック製の保護カバー、発泡ポリエチレンが用いられ、ウイルスを付着させ乾燥させた後、外光や空気のない環境制御された装置にいれて実験されました。

調査結果として、低温下での減衰率は温暖下でのものと比べて著しく遅く、検出可能なレベルのウイルスが10日後でも存在したと紹介されています。一方で、温暖な環境下では、プラスチック制の保護カバー以外の全ての素材で6日目までには検出されなくなりました。これは常温下よりもやや速いと説明されています。

【イベント】とっとりデジタルコレクション公開記念シンポジウム「地域の情報をデジタルで! ~「とっとりデジタルコレクション」の可能性と活用法~」(3/14・鳥取)

2021年3月14日、鳥取県立博物館講堂(鳥取市)において、鳥取県立図書館・鳥取県立公文書館・鳥取県立博物館・鳥取県埋蔵文化財センターの四者の主催により、とっとりデジタルコレクション公開記念シンポジウム「地域の情報をデジタルで! ~「とっとりデジタルコレクション」の可能性と活用法~」が開催されます。

同シンポジウムは、2021年3月のデジタルアーカイブシステム「とっとりデジタルコレクション」の公開開始を記念して開催されます。デジタルアーカイブシステムの可能性・デジタル化資料の活用に関する議論を目的として、「札幌市電子図書館」開設等に携わった札幌市中央図書館の淺野隆夫氏による記念講演「デジタルアーカイブでつなげる、あなたのまち」や、「とっとりデジタルコレクション」に関する事業報告、「とっとりデジタルコレクション」の可能性と今後の展望をテーマとしたディスカッションなどが行われます。

参加費は無料ですが、参加には事前の申込が必要で、定員は先着順に80人です。

コロナ禍におけるメタデータ:米・電子図書館連合(DLF)参加機関における取組事例(記事紹介)

2021年2月3日付で、米・電子図書館連合(DLF)が、新型コロナウイルス感染症感染拡大下における、メタデータに関するプロジェクトや活動を紹介する記事を掲載しました。

同記事は、電子図書館の標準・ツール・実践等の課題に取り組むAssessment Interest Group(DLF AIG)の、メタデータワーキンググループによるものです。同ワーキンググループでは、通常は来館者サービス等別の業務を行っている職員に仕事を提供するために、リモートやオンラインでできる業務として、デジタルコレクションに関する作業を増強した方法ついて議論が行われてきました。

記事の中では、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により休館、テレワーク体制となった以下の機関における、他部局の職員や学生スタッフ等を取り込んだ、デジタル資料に関するメタデータ作成・修正やテキスト化、索引付与のプロジェクト、新たなデジタルコレクション構築をはじめとした取組の内容や実施方法、成果等が紹介されています。

カナダ国立図書館・文書館(LAC)、今後10年間の構想・ビジョンの策定に向け意見を募集中

2021年2月1日、カナダ国立図書館・文書館(LAC)が、今後10年間およびそれ以降の構想・ビジョンの策定に向け、意見募集を開始しました。

同館では、カナダの文書遺産の収集・整理・保存・普及という同館への継続的な負託を補完するための構想・ビジョンの策定を2022年春に予定しています。構想・ビジョンは、達成目標や、その実現方法を定義するもので、急速に変化する技術と限られた財源の中でそのことを実現するために、LACでは、2020年春にVision 2030プロジェクトを立ち上げています。

同館では、2020年11月から様々な利害関係者、利用者等と協議を行っており、今回の意見募集は2021年春までが予定されています。

LAC’s Vision 2030: We want your input(LAC,2021/2/1)
https://www.bac-lac.gc.ca/eng/news/Pages/2021/LAC-Vision-2030-We-want-your-input.aspx

英国国立公文書館(TNA)、オンライン展示“With Love”を公開:同館所蔵の「ラブレター」を8つのテーマに分類して紹介

英国国立公文書館(TNA)が、2021年1月11日に、オンライン展示“With Love Letters of love, loss & longing”を公開していました。

同展は、TNAの展示室Keeper's Galleryにおいて、2020年2月14日に開始し、同年7月5日までの開催予定であったものの、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のためのロックダウンにより終了した展示です。

いわゆるラブレターだけでなく、遺言、記録、官僚にあてた手紙など、様々な種類の愛情表現を読み取れるものも「ラブレター」とし、同館が所蔵する過去500年の間のこのような「ラブレター」を、「名声(reputation)」「犠牲(Sacrifice)」「裏切り(Betrayal)」「助言(Advice)」「悲嘆(Heartache)」「別離(Separation)」「家族(Family)」「遺産(Legacy)」の8つのテーマに分けて紹介しています。

英国国立公文書館(TNA)、2019年に策定した戦略“Archives for Everyone”の目標達成のための取組“Becoming the inclusive archive”を公表

2021年1月29日、英国国立公文書館(TNA)、“Becoming the inclusive archive”を公表しました。

TNAでは、2019年に策定した戦略“Archives for Everyone”において“The inclusive archive”を掲げ、利用等のための障壁の除去、多様な背景を持つ人材の活用、大胆・積極的・外に目を向けるとしており、今回発表された取組は、その目標を達成するための第一歩として位置づけられています。

同取組は、館内外の主要な関係者との協議と策定作業を経て、1月にTNAの理事会で承認されたもので、「職員」「利用者」「実践」「ポジション」の4つの重点分野が示されています。

Becoming the inclusive archive (TNA,2021/1/29)
https://www.nationalarchives.gov.uk/about/news/becoming-the-inclusive-archive/

E2352 - 米国国立公文書館(NARA)のソーシャルメディア新戦略

2020年9月,米国国立公文書館(NARA)は2021年度から2025年度までのソーシャルメディア戦略を公表した。この戦略はNARAの使命「高い価値をもつ政府記録への市民のアクセスを通じ,開放性を向上させ,市民参加を促進し,国の民主主義を強化する」を達成する鍵として位置づけられており,同館が館全体で定める以下4つの戦略目標とも密接に関連している。

宗教改革期のスコットランドにおける聖職者等の人物情報をオンライン地図上にマッピングしたウェブサイト“Mapping the Scottish Reformation”(記事紹介)

スコットランド・エディンバラ大学の情報サービス部門が、2021年1月18日付のお知らせで、自身の国際共同研究プロジェクトへの技術的な貢献の成果として、ウェブサイト“Mapping the Scottish Reformation”が構築されたことを紹介しています。

2020年12月11日付で公開された同ウェブサイトは、スコットランドで宗教改革が展開された1560年から1689年の期間における聖職者及びその配偶者の人物情報をオンライン地図上で提供するツールです。スコットランド国立公文書館(NRS)に保存された約1万ページ相当の手稿から抽出したデータを情報源とし、エディンバラ近郊のロージアン(Lothian)地方・ツィードデール(Tweeddale)地方を中心に、聖職者約700人とその配偶者約500人の人物情報を提供しています。ウェブサイト上では、在職期間・移動・学歴・配偶者・出来事の5つのテーマに基づくデータセットが利用可能なほか、スコットランド国立図書館(NLS)が提供する“Historic Maps API”を活用した地図デザインの切り替え等にも対応しています。

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