ラテンアメリカ

ラテンアメリカとアフリカの機関がオープンサイエンスに関する活動強化のため覚書を締結:LA ReferenciaやWACREN等の5機関

2021年4月1日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、ラテンアメリカとアフリカの機関がオープンサイエンスに関する活動強化のため覚書(Memorandum of Understanding:MoU)を締結したことを発表しました。

覚書に参加した機関は、ラテンアメリカではLA Referencia及びRedCLARA、アフリカではASREN、WACREN、UbuntuNet Allianceです。連携のねらいとして、国際協力の枠組のなかで、各大陸独自のニーズや状況を反映したオープンサイエンス政策、サービス、インフラの進展を図ることを挙げています。

発表では、グローバル・サウスのオープンサイエンス及びリポジトリのための、相互運用可能で国際的なエコシステムを拡大・強化する上で、今回の締結は重要なマイルストーンとなる、と述べています。また、締結に際しCOARも支援を行っており、今後もオープンサイエンスに関する知見の交換や、LA Referenciaのソフトウェアに関して地域間の技術移転を支援するとしています。

米・図書館情報資源振興財団(CLIR)、ラテンアメリカやカリブ海地域の文書館・図書館等との連携に関するシンポジウムの内容と推奨事項をまとめた報告書を公開

2021年2月16日、米・図書館情報資源振興財団(CLIR)が、ラテンアメリカやカリブ海地域の文書館・図書館等との連携に関するシンポジウム“Capacity Assessment of Latin American and Caribbean Partners: A Symposium about Open-Access, Technological Needs, and Institutional Sustainability”の内容と、推奨事項をまとめた報告書を公開したことを発表しました。

同シンポジウムは、2020年4月16日と4月17日に開催され、ラテンアメリカやカリブ海地域の機関の事例を中心に情報共有を行い、共通のニーズを特定するためのフォーラムが行われました。

報告書には、シンポジウムの内容、開催までの経緯、参加者の反応等がまとめられており、英語、フランス語、ハイチ語、ポルトガル語、スペイン語で公開されています。また、ラテンアメリカとカリブ海地域の機関、米国を拠点とする図書館・文書館・文化遺産関係機関、助成機関について、以下をはじめとした推奨事項が記載されています。

●ラテンアメリカとカリブ海地域の機関
・異なる機関間で、学者や連携相手になる可能性がある人と連絡を取る。

米国の大学図書館が受入したスペイン語資料の出版国に関する分析(文献紹介)

2020年9月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.81, no.6に、米・コロラド大学図書館に所属しロマンス諸語を専門とするオリバ(Kathia Salomé Ibacache Oliva)准教授らによる共著論文“Forgotten Hispano-American Literature: Representation of Hispano-American Presses in Academic Libraries”が掲載されています。

著者らは2019年7月に、OCLCのWorldCatの所蔵データを利用して、2014年から2018年に出版されたスペイン語資料の米国の大学図書館88館の所蔵状況について、資料の出版国がスペイン及び南北米国大陸の19のスペイン語圏国家のいずれであるかという観点から調査を実施しました。同論文はこの調査・考察等を報告するものとして発表されています。

ラテンアメリカ地域におけるビッグディール契約の調査(記事紹介)

研究成果のオープンアクセス(OA)化を推進するラテンアメリカの国際組織LA Referencia の2020年8月27日付け記事において、2019年のラテンアメリカ地域におけるビッグディール契約の調査結果が紹介されています。

調査は2018年10月にチリのサンティアゴで開催された第2回ラテンアメリカ・カリブ海諸国コンソーシアム会議(Segunda Reunión de Consorcios de América Latina y El Caribe)に端を発するもので、学術雑誌のパッケージ契約に対する各国の支出を定量化することを目的として実施され、5つの主要出版社(American Chemical Society、Elsevier、Springer Nature、Taylor&Francis、Wiley)との契約に焦点を当てています。

調査結果のレポートはスペイン語で公開されていますが、記事ではその概要を英語で紹介しており、以下のような内容等が示されています。

米国・カナダ・ラテンアメリカの大学図書館におけるハゲタカ出版に対する取り組み(文献紹介)

2020年7月8日付で、図書館情報学分野の査読誌“Aslib Journal of Information Management”にて、研究論文“Investigating academic library responses to predatory publishing in the United States, Canada and Spanish-speaking Latin America”が公開されていました。カナダ・オタワ大学の機関リポジトリで、著者版が公開されています。

論文では、米国、カナダ、スペイン語圏のラテンアメリカの国々の大学図書館におけるハゲタカ出版に対する取り組みについて比較調査が実施されています。Times Higher Education(THE)社の世界大学ランキングで上位に位置している各地域の大学の大学図書館が対象となっています。各大学図書館のウェブサイトを閲覧して、学術コミュニケーション司書の雇用、学術コミュニケーションに関するワークショップの開催、ウェブサイトでの学術コミュニケーションに関する情報の提供の有無について調査しています。さらに、これらのイベントや情報にて、ハゲタカ出版が扱われているか探っています。

学術出版プラットフォームRedalycとAmeliCAがDOAJとの共同事業を発表:DOAJへのラテンアメリカの非APCベースのオープンアクセスジャーナル収録増加等を目指す

2020年6月5日、メキシコ州立自治大学の運営する学術出版プラットフォームRedalycとラテンアメリカの非営利民間団体のイニシアチブとして活動する学術出版・オープンサイエンスのための情報基盤AmeliCAは、DOAJ(Directory of Open Access Journals)と共同事業を実施することを発表しました。

三者は共同事業において、ラテンアメリカの非APCベースのオープンアクセス(OA)ジャーナルのDOAJへの収録増加や、ジャーナル出版の効率化・コンテンツの可視性向上に関するRedalyc・AmeliCAの先進的技術の拡大を目指します。Redalyc・AmeliCAは特に人文・芸術・社会科学分野を対象に、ラテンアメリカの非営利のOAジャーナルの可視性向上・よりよい標準への準拠・ベストプラクティスの採用に努めることを表明しています。DOAJにとってRedalyc・AmeliCAとの共同事業は、フィンランド学会連盟との共同プロジェクトやカナダの学術プラットフォームÉruditとの協調に続くものであり、その収録範囲がさらに拡大されることになる見込みです。

Latin American Digital Initiatives(LADI)リポジトリのリニューアル版が利用可能に:ラテンアメリカ7機関のアーカイブコレクションから6万点以上の画像を提供

2020年6月8日、米国のテキサス大学図書館は、ラテンアメリカ7機関のアーカイブコレクションから6万点以上の画像を提供するLatin American Digital Initiatives(LADI)リポジトリのリニューアル版が利用可能になったことを発表しました。

LADIリポジトリは人権問題・少数コミュニティの記録に特に重点を置いて、ラテンアメリカの提携機関のネットワークからユニークなアーカイブ資料を保存し、デジタルアクセスを提供する共同プロジェクトです。LADIリポジトリのリニューアルは、2018年から2019年にアンドリュー W.メロン財団の支援の下、ラテンアメリカ研究に関する同大学オースティン校の学際プログラム“Teresa Lozano Long Institute of Latin American Studies(LLILAS)”と同校の主要図書館の一つであるベンソン・ラテンアメリカコレクションの提携による“LLILAS Benson Digital Initiatives”、及びテキサス大学図書館のソフトウェア開発チームによって実施されました。

米国化学会(ACS)とカンピーナス大学(ブラジル)がオープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結:ACSとラテンアメリカの機関による同種の契約の締結は初めて

2020年6月4日、米国化学会(ACS)は、ACSの出版部門とブラジルのカンピーナス大学が、ACSにとってラテンアメリカ地域で初めてとなるオープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結したことを発表しました。

締結された契約に基づき、カンピーナス大学に所属する研究者は、ACSの刊行する65以上のジャーナルへの自身の論文のOA出版等が可能になります。

ACSはOA出版等に関する契約への世界的な関心の高まりの支援に取り組んでおり、プレスリリースの発表時点で、17か国・300以上の機関とOA出版等に関する提携関係を結んでいます。

SciELO、プレプリントサーバー“SciELO Preprints”の運用を開始:特に新型コロナウイルス感染症に関する研究成果物の共有を奨励

2020年4月7日、ラテンアメリカのオープンアクセス(OA)の電子ジャーナルプラットフォームSciELOが、プレプリントサーバー“SciELO Preprints”の運用を開始したことを発表しました。

“SciELO Preprints”は、査読前または査読中の論文等の研究成果物を共有するためのプラットフォームです。あらゆる分野の研究成果物が受付されていますが、特に新型コロナウイルスに関連した研究成果物の迅速な共有に注力することが表明されています。

“SciELO Preprints”の設立は、2018年9月に開催されたSciELOの20周年カンファレンスでオープンサイエンスに関する取り組みの一環として発表されました。オープンソースの出版システムを開発・提供している複数の大学によるイニシアチブPublic Knowledge Project(PKP)の電子ジャーナル出版システム“Open Journal System(OJS)”と構造を共有する、“Open Preprint Systems(OPS)”が“SciELO Preprints”のシステムとして採用されています。OPSの開発はSciELOとPKPの共同で行われました。

リポジトリソフトウェアDspace ver. 5とver. 6 のOpenAIREの最新メタデータガイドライン対応を目指す機能拡張がカナダの大学図書館を中心とした共同事業として開始される

2019年12月2日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、オープンアクセス(OA)学術コンテンツの国際的データベースであるOpenAIRE経由で、リポジトリソフトウェアDspaceが世界各国で提供するコンテンツの大部分が発見できるように、カナダの複数の研究図書館が資金提供を実施することを発表しました。

ネットワーク上に分散したリポジトリコンテンツに対して、コンテンツ発見等のサービスを構築するためには高品質で包括的なメタデータが必要になります。そのため欧州・ラテンアメリカ・カナダなどの世界のいくつかの地域のリポジトリネットワークは、OpenAIREの最新のメタデータガイドライン“OpenAIRE Guidelines for Literature Repository Managers v4”を採用しています。しかしこのガイドラインに対応するために、リポジトリプラットフォームはメタデータの公開方法の変更が必要になります。最新のリポジトリソフトウェアはガイドラインに対応しているものの、多くの機関では旧バージョンのリポジトリソフトウェアが使用されており、ガイドラインに対応していない、もしくは自機関でソフトウェア開発を行うことが困難な状況にあります。

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