ロシア

E2445 - 第31回日本資料専門家欧州協会(EAJRS)年次大会<報告>

   2021年9月15日から18日まで,日本資料専門家欧州協会(EAJRS;E2203ほか参照)第31回年次大会が,ロシア・サンクトペテルブルクのロシア科学アカデミー東洋古文書研究所でのオンサイトおよびオンラインのハイブリッド形式により開催され,筆者2人はオンラインで参加した。昨年2020年のEAJRS年次大会は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大により中止されたため,今大会は2年ぶりの開催であった。今大会には19か国から約140人が参加し,うちオンサイト参加は25人,また日本からは58人が参加した。今年2021年は「日本資料における実質性・仮想性(Materiality and virtuality in Japanese studies resources)」をテーマに掲げ,計29件の発表(うちオンサイト12件,オンライン17件)が行われたほか,複数のデータベースベンダーによるワークショップや,オンサイト参加者向けのロシア国立図書館(サンクトペテルブルク)の見学会も実施された。発表資料及び動画については,EAJRSのウェブサイト及びYouTubeチャンネルで公開されている。

国際図書館連盟(IFLA)、政府情報と図書館に関する現況調査報告書を公開

2021年7月7日、国際図書館連盟(IFLA)の政府情報・公的刊行物分科会(GIOPS)が、政府情報と図書館に関する現況調査報告書“The Government Information Landscape and Libraries”を公開しました(IFLA Professional Report No.137)。

サブサハラアフリカ、カナダ、中東・北アフリカ、ギリシャ、国際政府組織、韓国、ロシア連邦、英国、米国における事例調査にもとづいて、政府の出版刊行、寄託機関、情報へのアクセス、政府図書館、保存、データ、デジタル化等といった事例を提供しています。

国際図書館連盟(IFLA)、「国際マーケティング賞2021」の受賞館を発表:1位は豪・モナシュ大学と米・ペンシルベニア州立大学の“The Monash and Penn State Great Rare Books Bake Off”

2021年6月14日、国際図書館連盟(IFLA)の管理・マーケティング分科会が、今回で18回目となる、「国際マーケティング賞2021」の受賞館を発表しました。同賞は、創造的で結果重視のマーケティングプロジェクトやキャンペーンを実施した機関を表彰するものです。

オーストラリア・ベラルーシ・ブラジル・中国・コロンビア・クロアチア・エジプト・ドイツ・ガーナ・アイルランド・カザフスタン・ケニヤ・ナイジェリア・ポ-ランド・ロシア・韓国・スペイン・台湾・ウクライナ・米国・ザンビア・ジンバブエ・ノルウェーといった国・地域からの応募の中から選ばれたもので、1位から3位までの受賞者には新しい技術を購入するための賞金が授与されます。

1位には、オーストラリア・モナシュ大学と米・ペンシルベニア州立大学による“The Monash and Penn State Great Rare Books Bake Off”が選ばれています。同取組は、両大学のコレクション内のレシピを用いて料理をして、ソーシャルメディアに投稿することを呼びかけることで、コミュニティーに貢献した取組で、コロナ禍のなかで楽しく創造的なサービスを提供したと評価されています。

北米の研究図書館センター(CRL)、East View Information Services社との協力事業の成果として帝政ロシア時代に刊行された新聞のデジタルコレクションを公開

2021年4月20日、北米の研究図書館センター(CRL)は、East View Information Services社との協力プロジェクトの成果として、帝政ロシア時代に刊行された新聞のオープンアクセス(OA)デジタルコレクション“Imperial Russian Newspapers”の公開を発表しました。

“Imperial Russian Newspapers”は、East View Information Services社が推進する新聞のデジタルアーカイブ“Global Press Archive(GPA)”のコレクションに、CRLとの共同プロジェクトによる成果物の第4弾として追加されました。18世紀から20世紀初頭にかけての、モスクワやサンクトペテルブルクで刊行された主要紙に加え、広大なロシア帝国内の地方紙を含む、23万ページ分のコンテンツが含まれています。

これらのコンテンツの多くは、ロシア国立図書館の支援により利用可能となったものと説明されています。また、帝政ロシア時代に刊行された既知の新聞の詳細な書誌情報を含む、2点の電子書籍型式のレファレンスリソースも最終的には含まれる予定としています。

ロシア国立図書館(モスクワ)とロシア書籍院の統合が決定

2021年2月1日、ロシア国立図書館(モスクワ)は、同館とロシア書籍院(Rossiiskaia knizhnaia palata)との統合に向けたロードマップが、2021年1月26日付のロシア政府命令によって承認されたことを発表しました。ロシア書籍院がロシア国立図書館(モスクワ)に吸収合併されることになります。

ロシア書籍院は、1917年にペトログラード(現在のサンクト・ペテルブルグ)に創設された「書籍院」を前身とし、2013年からは国営通信社イタル・タス(現在のTASS)傘下の一支局となって、ロシア連邦における義務納本の窓口として、全国書誌の作成やISBN・ISSNの付与等を担っていました。

これまで、書誌作成や納本出版物の保存は、ロシア国立図書館(モスクワ)とロシア書籍院のそれぞれにおいて重複して行われており、業務の非効率や納本を義務づけられている出版者の負担等が問題視されていました。

今回の統合によって、そうした問題が解消されることに加え、総資料点数が2億点を超えることが見込まれ、ロシア国立図書館(モスクワ)によれば、同館は統合によって蔵書面で「世界最大の図書館となる」とされています。

ロシアで展開される研究不正行為の実情:ハゲタカジャーナルへの掲載・共著者枠の売買・外国語論文のロシア語訳による剽窃など(記事紹介)

2021年2月4日付で、学術情報流通に関連した多様な話題を提供する学術出版協会(Society for Scholarly Publishing:SSP)運営のブログ“The Scholarly Kitchen”に、ドイツのミュンヘンに所在するルートヴィヒ・マクシミリアン大学の研究員Anna Abalkina氏が執筆した記事“Guest Post — Unethical Practices in Research and Publishing: Evidence from Russia”が掲載されています。

同記事は複数のオンライン情報源を用いて、近年のロシアで展開される大規模な研究不正行為の実情を報告するものです。ロシアでは、国際的な索引データベースに収録された学術雑誌上での論文掲載や引用に関する定量的な指標を含んだ、研究評価のための新しい全国基準が約10年前に導入され、各大学は新基準に関連して教員に昇任や奨励金等のインセンティブを設けるようになりました。このことはロシアの研究成果が国際的な舞台で発表される機会を増進した反面、特に社会科学・人文学・医学分野において研究不正行為の呼び水になっているとAbalkina氏は指摘します。

ロシア国立図書館(サンクトペテルブルク)、開館207周年を記念し、19世紀と現在の閲覧室の様子を比較できるページを公開

2021年1月15日、ロシア国立図書館(National Library of Russia;サンクトペテルブルク)が、1814年1月の開館から207周年を記念し、19世紀と現在の閲覧室の様子を比較できるページ“Strolling through the Library Interiors”を公開しました。

1851年の同館の改装後に招かれた画家のピョートル・ボレルが描き、1852年に刊行された“Imperial Public Library Guidebook”の挿絵として用いられた閲覧室の絵と、現在の閲覧室の写真が比較して見られるようになっています。

同館は、図書館・博物館として建てられたため、部屋が広く、書架以外にも、絵画や彫刻も収められていたと説明されています。

National Library of Russia News
http://nlr.ru/eng
※「15.01.2021 207th anniversary of the Opening of the Imperial Public Library」とあります。

Library Publishing Coalition(LPC)、大学・研究図書館の出版活動に関するダイレクトリーの2021年版を公開

2021年1月12日、図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”(LPC)が、大学・研究図書館の出版活動に関するダイレクトリー“Library Publishing Directory”の2021年版の公開を発表しました。

PDF版、EPUB版での公開のほか、掲載情報を検索できるオンラインデータベースも提供されています。

ダイレクトリーには、米国とカナダを中心に、英国・アイルランド・ウクライナ・南アフリカ・ドイツ・オーストラリア・ロシア・チェコ・ノルウェーを含む計136の大学・研究図書館での出版活動が紹介されています。各館ごとに、担当部署、連絡先、ウェブサイト、SNS、職員数や機関種別をはじめとした出版活動の概観、査読誌・APCが必要な学術雑誌の割合や、出版プラットフォーム、デジタル化戦略、学内外・機関内外の連携先等がまとめられています。

北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター図書室、「極東ロシア・シベリア所蔵資料ギャラリー」にシベリア出兵関係の写真帖・戦前の大連とハルビンの地図・昭和11年発行の南樺太地図を追加

2020年11月17日、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター図書室が、同室の所蔵資料を中心に画像資料を紹介する「極東ロシア・シベリア所蔵資料ギャラリー」において、シベリア出兵関係の写真帖4冊、戦前の大連とハルビンの地図、昭和11年発行の南樺太地図を追加収録したと発表しています。

極東ロシア・シベリア所蔵資料ギャラリーに画像追加(北海道大学附属図書館,2020/11/17)
https://www.lib.hokudai.ac.jp/2020/11/17/85644/

極東ロシア・シベリア所蔵資料ギャラリー
http://srcmaterials-hokudai.jp/

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