2019年9月,米国の博物館,図書館,文書館およびその他の文化資源保存機関の連携促進を目的とする非営利組織Educopia Instituteは,“Sustaining Digital Curation and Preservation Training in the U.S.: Compiled Project Reports”という報告書を公表した。これは,米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)の助成を受け,2018年7月から2019年6月にかけて実施されたプロジェクト“Sustaining Digital Curation and Preservation Training”で公表された2部の報告書を1部に編集したものである。
記録遺産の長期保存を保証するためのカナダの国家計画である国家遺産デジタル化戦略(National Heritage Digitization Strategy:NHDS)は、2020年1月17日付けのニュースにおいて、デジタル化資料の長期保存において推奨されるファイルフォーマットのガイド“Digital Preservation File Format Recommendations”の公開を紹介しています。
カナダ遺産情報ネットワーク(Canadian Heritage Information Network:CHIN)のメンバー等により作成され、NHDSの運営委員会への提出を経て公開されたものです。カナダの文化遺産機関が、デジタル化資料の長期保存に適したファイルフォーマットを選択するにあたり、その参考資料となるものと位置付けられています。
その他、ファイルフォーマットやソフトウェア、コンピューティング環境に関する技術メタデータのレジストリ構築を目指す“Wikidata for Digital Preservation”など、OPFが参加しているデジタル保存関連のプロジェクトや、OPFのデジタル保存用ツールを強化・統合し単一のGUIを通じて利用できるようにするツール“JHOVE2020”の構築に取り組んでいること等への言及がなされています。