デジタル保存

英国図書館(BL)におけるデジタル保存の評価フレームワーク(記事紹介)

英・電子情報保存連合(DPC)の2020年8月11日付けブログ記事において、英国図書館(BL)におけるデジタル保存の評価フレームワークが紹介されています。筆者はBLのDigital Collections ConservatorであるSimon Whibley氏です。

BLは、デジタル保存における進捗状況のベンチマークや存在するギャップの特定のため、いくつかの評価フレームワークを使用してきました。本記事ではBLが過去に使用した評価フレームワークとその際に得た教訓を紹介しており、2015年に実施したISO 16363(Audit and certification of trustworthy digital repositories)に基づく自己評価、2017・2018年に実施したDPCによる外部評価(CoreTrustSeal認証フレームワークのカスタマイズ版に基づく)、2020年に実施したCoreTrustSeal認証フレームワークに基づく自己評価を取り上げています。

オランダの遺産機関におけるデジタル保存ツールの使用状況(記事紹介)

英・電子情報保存連合(DPC)の2020年8月10日付け記事において、オランダデジタル遺産ネットワーク(DDHN)のAnia Molenda氏による、オランダの遺産機関におけるデジタル保存ツール使用状況の調査報告書“The Use of Preservation Tools among Dutch Heritage Organizations”(2020年5月20日付け)が紹介されています。

2018年、DDHNのJoost van der Nat氏らは、オランダの遺産機関が自機関で利用できるデジタルアーカイブ又はデジタルリポジトリを有しているかを調査しました。Molenda氏は、この調査で「有している」と回答した27機関を対象として2019年に後継調査を行い、その結果を今回の報告書にまとめました。

後継調査は2種類の方法で行われました。一つ目はオンラインアンケートによるもので、デジタルコレクションの収録資料、提供方法、使用規格、保存ツールと協力に関する組織のニーズ、現在の課題、についての情報収集が行われました。二つ目はスプレッドシートのテンプレートを用いて行われ、ワークフローの各段階における使用ツール及びその使用目的等が調査されました。一つ目の調査には27機関中22機関が回答し、二つ目の調査には27機関中18機関が回答しました。

英・電子情報保存連合(DPC)、2020/2021年度の新しい活動計画を示した“DPC Prospectus 2020-2021”を公開

2020年8月3日、英・電子情報保存連合(DPC)は、2020/2021年度の新しい活動計画を示した“DPC Prospectus 2020-2021”の公開を発表しました。

公開された“DPC Prospectus 2020-2021”では、2020/2021年度に予定されている出版物、リソース、研修・ワークショップ、イベント等の情報がまとめられています。発表では、2020年には主要なリソースを複数の言語で利用可能とすることや、2020年のハイライトの一つは11月5日に開催されるイベント「世界デジタル保存デー」(World Digital Preservation Day)となること等を紹介しています。

Forward Together: Digital Preservation Coalition publishes 2020-2021 prospectus(DPC, 2020/8/3)
https://www.dpconline.org/news/prospectus-2020-launched

英・電子情報保存連合(DPC)にオーストラリア・アーキビスト協会(ASA)らが加盟

2020年8月4日、英・電子情報保存連合(DPC)は、オーストラリア・アーキビスト協会(ASA)がDPCのFull Memberとして加盟することを発表しました。

7月30日には、オーストララシア(Australasia)の記録・情報管理専門家らの団体であるRIMPA(The Records and Information Management Professionals Australasia)が、8月3日には、アボリジニおよびトレス海峡諸島の多様な歴史、文化、遺産に関する活動を行うオーストラリアの国家機関であるAIATSIS(The Australian Institute of Aboriginal and Torres Strait Islander Studies)がDPCのAssociate Memberとして加盟することを発表していました。

DPCは2020年1月、オーストラリアのメルボルン大学に新たなオフィスを開設し、南半球のデジタル保存コミュニティに対する支援強化を図ることを発表しています。

オランダデジタル遺産ネットワークとOpen Preservation Foundation(OPF)、デジタル保存のツールをテストできる仮想研究環境を開発中

2020年7月21日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、オランダデジタル遺産ネットワーク(The Dutch Digital Heritage Network:DDHN)との協力を通じ、オープンソースのデジタル保存ツールをテストできる仮想研究環境(VRE)を開発中であることを発表しました。

広く使用されているデジタル保存ツールを、個別にインストールすることなく実行できるVREを開発することにより、国際コミュニティにおけるデジタル保存ツール利用へのニーズの高まりに応えることを目的としています。現在のバージョンでは、Apache Tika、DROID、 JHOVE、veraPDFといったデジタル保存ツールを含んでおり、開発チームがプロトタイプのテストを行っている段階とあります。

デジタル保存に関するイベント“#WeMissiPRES”が2020年9月にオンラインで開催:無料で参加可能

英・電子情報保存連合(DPC)のウェブサイトで、デジタル保存に関するイベント“#WeMissiPRES”の開催が紹介されています。

“#WeMissiPRES”は、オランダデジタル遺産ネットワーク(Dutch Digital Heritage Network)、DPC、中国科学院文献情報センターの主催により、2020年9月22日から24日にかけてオンラインで開催されます。2020年9月に中国・北京で開催予定であった第17回電子情報保存に関する国際会議(iPRES)が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により2021年10月に延期されたことを受け、iPRES2019以降の進捗の共有やコミュニティ間での意見交換等を行う場として設けられるものです。

2020年8月19日までの期間、予め提示されている3テーマのいずれかに沿った発表の応募を受け付けているほか、2020年9月2日には参加登録が開始されます。なお、参加は無料となっています。

#WeMissiPRES(DPC)
https://www.dpconline.org/events/wemissipres

Open Preservation Foundation(OPF)、フランス語・イタリア語・日本語・スペイン語・ポルトガル語によるメンバー募集パンフレットを公開

2020年7月9日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、メンバー募集パンフレットが6か国語で利用可能になったことを発表しました。

英国図書館(BL)のスタッフによって、英語パンフレットのフランス語・イタリア語・日本語・スペイン語・ポルトガル語への翻訳が行われ、英語を含めた6か国語によるパンフレットがOPFのウェブサイト上で公開されています。

OPFのメンバー募集パンフレットには、加入による特典の概要・加入機関からの声・メンバーの種別と年会費の概略などが案内されています。

New OPF membership brochure now available in six languages(OPF,2020/7/9)
https://openpreservation.org/news/new-opf-membership-brochure-now-available-in-six-languages/

オープンで持続可能なデジタル保存をテーマとした会議“OPFCON”の資料が公開される

2020年7月7日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、オープンで持続可能なデジタル保存をテーマとした会議“OPFCON”の発表資料や各セッションの記録映像を、OPFのウェブサイト上で公開したことを発表しました。

同会議は、OPFの設立10周年を記念し、2020年6月9日及び10日にオンラインで開催されました。

OPFCON content now available online(OPF, 2020/7/7)
https://openpreservation.org/news/opfcon-content-now-available-online/

OPFCON(OPF)
https://openpreservation.org/resources/opfcon
※OPFCONの資料を掲載しているOPFのページです。

国立公文書館、「電子公文書等の適切な保存に係る調査検討報告書」を公開

国立公文書館のウェブサイトにおいて、「電子公文書等の適切な保存に係る調査検討報告書」(令和2年7月付け)が公開されています。

電子公文書等に関し、同館が「長期保存の技術・方法」「長期保存に求められるシステム環境・運用管理」という2つの視点で実施した調査検討の結果を報告するものです。報告書は以下の6章からなります。

1.調査の概要
2.電子公文書等の保存に係る問題及び課題の把握
3.電子公文書等に係る館の保存対策に対する対応
4.受入れ等に係る業務の実施に対する対応
5.電子公文書等システムの運用に対する対応
6.あるべき姿へ向けて

同館では、本調査検討の結果に基づき、次期電子公文書等システムの要件定義を実施する予定としています。

「電子公文書等の適切な保存に係る調査検討報告書」を掲載しました(国立公文書館)
http://www.archives.go.jp/news/20200703095731.html

デジタル保存におけるリスクの定量評価を支援するツールDiAGRAM(記事紹介)

英・グラスゴー大学におけるデジタル保存の取組を紹介するブログ“Digital Preservation @ University of Glasgow”の2020年6月29日付け記事で、ベイジアンネットワークに基づいた方法論を使用してデジタル保存におけるリスクを定量化し、1つ以上のリスク要因が変化した場合の結果を比較できるツールDiAGRAMが紹介されています。

同ツールは、英国国立公文書館が、国内の5つのアーカイブ及び英・ウォーリック大学の統計学者との協力を通じ開発を行っているものです。2020年7月6日時点では、バージョン0.9.6(プロトタイプ)とあり、ステータスは開発中となっています。

ユーザーは最初に、スタッフの技術スキル、システムのセキュリティ、チェックサムの利用、情報管理、保存するデジタルファイルの種類、ストレージ、物理的なリスク(洪水)に関する内容を含む9つの質問への回答を通じ、デジタル保存のリスクレベルを示すモデルを作成します。作成後のモデルに対し、さまざまなリスク要因を変化させる機能が設けられており、各リスク要因の変化がリスクレベルに及ぼす影響を比較することができます。

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