デジタル保存

フランス国立図書館(BnF)、長期保存のためのデータ形式に関する方針の初版を公開:コメント募集を実施中

2021年4月21日、フランス国立図書館(BnF)が、長期保存のためのデータ形式に関する方針“Formats de données pour la préservation à long terme : la politique de la BnF”の初版を公開し、コメントを募集していることを発表しました。

方針は、同館の保存部門・メタデータ部門・システム部門当が構成する、デジタル保存におけるメタデータ形式に関するワーキンググループ“Formats de données et de métadonnées pour la préservation numérique”により、4月12日付で公開されています。

デジタルデータを保存する機関、デジタルデータ保存に関心があるデータ作成者等を対象とした文書であり、同ワーキンググループの活動の成果として、BnFにおけるノウハウ等がまとめられています。

コメント募集は、2021年9月21日まで実施されています。

米・カリフォルニア州立図書館、デジタル保存戦略を公表

2021年4月27日、米・カリフォルニア州立図書館がデジタル保存戦略を公表しました。

デジタル保存戦略の本文によれば、同館におけるデジタル保存プログラムの運営・管理・範囲を規定した文書であり、デジタル資料の信頼性、真正性、長期アクセスを保障するための指針を示しています。また、技術面、インフラ面、運用面での今後の進展を反映し、内容の更新を行う可能性についても言及しています。

Press Releases(California State Library)
https://www.library.ca.gov/about/press-releases/
※2021年4月27日付のプレスリリースに“California State Library Digital Preservation Strategy”とあります。

米・イェール大学図書館、同館所蔵の旧式のCD-ROMを利用できるエミュレーションビューワを公開:同大学の学生と研究者が利用可能

2021年4月28日、米・イェール大学図書館が、旧式のCD-ROMを現行のコンピュータシステムで利用できるようにしたエミュレーションビューワの公開を発表しています。同大学の学生と研究者は、当該CD-ROMの目録情報からのリンクをクリックすればコンテンツを利用できます。

同ビューワは、Andrew W. Mellon財団とAlfred P. Sloan財団の助成を受けた、同館のデジタル保存チームおよびソフトウェアへの長期アクセスのための団体Software Preservation Network等によるEaaSI(Emulation-as-a-Service Infrastructure) プログラムが提供しているもので、現在、同館が所蔵する5,000点以上のCD-ROMのうち約150点がアップロードされています。作業は現在も継続中ですが、全てのCD-ROMが利用できるようにするには約3年かかるとしています。

米・イリノイ大学が主導する助成プロジェクト““Email Archives”の第1期採択プロジェクトが発表される:図書館等の機関が電子メールを歴史記録として収集・保存する能力の構築に関するプロジェクト

2021年4月17日、米・イリノイ大学図書館は、同大学がAndrew W. Mellon財団の支援を受けて実施している4年間の助成プロジェクト“Email Archives: Building Capacity and Community”(EA:BCC)について、第1期採択プロジェクトのリストを公表しています。

同プロジェクトは、図書館・博物館・文書館における、電子メールを歴史記録として収集・保存する能力の構築を目指しています。2期に分けての採択プロジェクト選定が予定されており、採択されたプロジェクトには2万5,000ドルから10万ドルまでの助成金が授与されます。今回発表された第1期採択プロジェクト(計5件)の内容は次のとおりです。

シンガポール国家図書館委員会(NLB)及びイスラエル国立図書館(NLI)、英・デジタル保存連合(DPC)に加盟

2021年4月1日、英・デジタル保存連合(DPC)は、シンガポール国家図書館委員会(NLB)がDPCの正会員(full member)として加盟したことを発表しています。

2020年のDPCメルボルンオフィスの開設に伴い、DPCのガバナンス体制の一部としてオーストララシア・アジア太平洋地域のステークホルダーグループが設けられましたが、NLBは同グループにも参加します。同グループでは、地域内におけるDPCのプログラム開発への情報提供、DPCの戦略的方向性への意見提出といった活動が行われます。

DPCは、2021年3月3日に、イスラエル国立図書館(NLI)がDPCの準会員(Associate Member)として加盟したことも発表していました。

英・デジタル保存連合(DPC)、組織のデジタル保存における成熟度の測定ツール“DPC Rapid Assessment Model”のバージョン2.0を公開

2021年4月6日、英・デジタル保存連合(DPC)は、組織のデジタル保存における成熟度の測定ツール“DPC Rapid Assessment Model”(DPC RAM)について、バージョン2.0の公開を発表しました。初版に寄せられたフィードバック等を踏まえて改訂されたものです。

DPC RAMの初版は、デジタル保存の各要素に関する11のセクションからなり、各セクションについて自機関の状況に応じ5段階で評価を行う仕組みとなっていました。バージョン2.0でも同様の構成が維持されています。

一方で、バージョン2.0では各セクションでの例示が追加されました。追加部分には、利用者のニーズ、倫理、環境の持続可能性、アクセシビリティ、組織戦略、継続計画等への言及が含まれています。また、モデル内の一貫性・明確性の確保に焦点を当てた変更も行われました。

DPC の2021年4月7日付けブログ記事でも、バージョン2.0における変更内容とその理由が解説されています。同記事には、DPC RAMに関し、バージョン2.0における変更箇所を強調表示したバージョンへのリンクも掲載されています。

米・国家デジタル管理連盟(NDSA)、デジタルコンテンツ及びメタデータを新しいデジタル保存システムに移行する際のチェックリスト“Good Migrations”を公開

2021年3月24日、米・国家デジタル管理連盟(NDSA)は、チェックリスト“Good Migrations: A Checklist for Migrating Your Digital Preservation Infrastructure”の公開を発表しました。

“Good Migrations”は、デジタルコンテンツとメタデータを新しいデジタル保存システムに移行する前後に実施すべき事項と考慮すべき点をまとめたチェックリストです。構成に当たり、NDSAが作成したデジタル保存の支援ツール“Levels of Digital Preservation”で示された機能領域(functional area)との対応付けもなされています。

“Good Migrations”の本文によれば、「固定された」(fixed)デジタルコンテンツやメタデータの移行作業をその対象範囲としており、コンテンツの正規化やメタデータのフォーマット変換は対象範囲外です。

国立国会図書館(NDL)、「国立国会図書館デジタル資料長期保存基本計画 2021-2025」を策定

2021年3月3日付で、国立国会図書館(NDL)が、「国立国会図書館デジタル資料長期保存基本計画 2021-2025」を策定しました。

NDLが所蔵するデジタル形式の資料の保存に関する取組の、基本的な進め方について示したものです。計画の背景や位置づけ、目的の他、対象とする資料、基本方針、保存対策として実施する事項、計画的な技術的調査研究、連携・協力および人材育成、実施体制や進捗管理について記載されています。

国立国会図書館デジタル資料長期保存基本計画 2021-2025 [PDF:220KB](NDL, 2021/3/3)
https://www.ndl.go.jp/jp/preservation/dlib/pdf/NDLdigitalpreseravation_basicplan2021-2025.pdf

E2361 - 英・デジタル保存連合と「デジタル保存賞」の来し方

英国のデジタル保存連合(Digital Preservation Coalition:DPC)は2001年に結成されたデジタル保存に関する啓蒙普及団体である。法的には非営利の保証有限責任会社という位置づけで,公式な設立年は英国下院で発足イベントが行われた2002年と公表されてきた。設立を牽引した一人ビーグリー(‪Neil Beagrie‬)氏によれば,その契機は1999年に英・ウォリックで開催されたデジタル保存に関するワークショップでまとめられた提言にさかのぼるという。設立の背景的要因として,公共・民間部門を問わず,資金提供者や社会にデジタル保存の意義を訴えていくには単独機関だけでは限界があり,技術的・組織的な課題の大半は共同して解決していく方が効率的・効果的であることなどが関係者間で共有されていたことを指摘できる。‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬

英・電子情報保存連合(DPC)、視聴覚資料のデジタル保存に関するレポート“Pragmatic Audiovisual Preservation”を公開

2021年2月23日、英・電子情報保存連合(DPC)は、視聴覚資料のデジタル保存に関するレポート“Pragmatic Audiovisual Preservation”の公開を発表しました。著者は映像資料やデジタル保存ワークフローの専門家であり、現在はデジタル保存に関するソフトウェア開発やコンサルティング等を行うカナダの企業Artefactualに勤務するAshley Blewer氏です。

同レポートは、デジタル保存の概念やアーカイブ作業の実務に関する基礎知識を有し、かつ視聴覚資料に関する専門知識を有さない実務者を対象とした実践的ガイダンスと位置付けられています。内容としては、視聴覚資料のメディアやファイル構造に関する解説、デジタル保存におけるベストプラクティス、課題の整理、各種ファイルフォーマットの解説、3機関を対象としたケーススタディー、組織タイプ別の保存シナリオ、参考文献等が含まれています。

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