欧州

cOAlition SとScience Europe、「ダイヤモンドオープンアクセス(OA)」モデルの現状分析に関する調査報告書と調査を受けた推奨事項を公表

2021年3月9日、cOAlition S、及び欧州の研究助成財団・研究実施機関が加盟するScience Europeは、購読者・著者に財政的負担を負わせないオープンアクセス(OA)出版モデル「ダイヤモンドOA」のジャーナル・プラットフォームについて、現状分析に関する調査報告書と調査を受けた推奨事項を公表しました。

cOAlition S、研究者を対象に「プランS」が研究成果の公開やオープンアクセス(OA)への見解に与えた影響に関するアンケート調査を開始

2021年3月2日、cOAlition Sは、助成した研究成果の完全即時オープンアクセス(OA)実現に向けて、研究者を対象に「プランS」が学術出版やOAへの見解に与えた影響に関するアンケート調査を開始したことを発表しました。

同調査は「プランS」の影響をモニタリングするcOAlition Sの取組の一環として行われます。アンケートは簡易調査を定期的に繰り返す「パルス・サーベイ」として2021年を通して実施され、第1回の調査期間は2021年3月1日から16日までです。

cOAlition S calls researchers to complete Plan S impact survey(cOAlition S,2021/3/2)
https://www.coalition-s.org/coalition-s-calls-researchers-to-complete-plan-s-impact-survey/

E2363 - 欧州のオープンサイエンス・インフラストラクチャーの現状

2020年10月,SPARC Europeが,欧州のオープンサイエンス・インフラストラクチャー(以下「OSI」)の現状に関するアンケート調査の結果をまとめた報告書“Scoping the Open Science Infrastructure Landscape in Europe”を公開した。

欧州研究図書館協会(LIBER)、図書館によるLinked Open Data公開のためのガイド“Best Practices for Library Linked Open (LOD) Publication”を公開

欧州研究図書館協会(LIBER)は、2021年2月23日付けのTwitterにおいて、LIBER のLinked Open Data Working Groupが“Best Practices for Library Linked Open (LOD) Publication”を公開したことを発表しています。

“Best Practices for Library Linked Open (LOD) Publication”は、図書館によるLOD公開のためのガイドであり、LOD公開に関する6つの作業ステップについて解説しています。各ステップは次のとおりです。

ステップ1:公開プロセスの計画を立てる
ステップ2:データセットの選択とキュレーションを行う
ステップ3:リンク先とするリソースを特定する
ステップ4:モデルを適用する:エレメント・セットと値の語彙
ステップ5:データを変換する
ステップ6:データを利用可能にし、最新の状態を保つ

欧州研究図書館協会(LIBER)、フランスのADBUと共同研究実施のための覚書を締結:覚書に基づいてオープンサイエンスの発展に必要な能力開発等に関するプロジェクトを実施

2021年2月22日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、フランスの大学図書館・ドキュメンテーション分野の管理職層職員が構成する団体“l’Association française des directeurs et personnels de direction des bibliothèques universitaires et de la documentation”(ADBU)と覚書を締結したことを発表しました。

LIBERとADBUの覚書は、両者による共同研究プロジェクトの実施を可能にする目的で締結されました。国立図書館のネットワークの強化と会員館の付加価値向上というLIBERの意向を反映した内容であることが紹介されています。

LIBERとADBUは覚書に基づく第1弾の共同研究プロジェクトして、“Science and Knowledge Openness – Developing Open Science Skills and Competencies in the Academic World”を実施することを合わせて発表しています。同プロジェクトの実施目的については、次のように説明しています。

cOAlition S、国際STM出版社協会の「権利保持戦略」に対する懸念表明へ反論

2021年2月3日付で、cOAlition SによるプランSの実施に関連した見解・インタビュー・方法等を紹介するブログ“sOApbox”に、cOAlition SのCoordinatorであるRobert Kiley氏とExecutive DirectorであるJohan Rooryck氏の連名の声明が掲載されています。

この声明は、同日付で国際STM出版社協会が発表したプランSの「権利保持戦略」に対する懸念表明について、同戦略に対する誤った認識に基づいたものであるとして反論する内容です。cOAlition Sは、国際STM出版社協会の懸念表明で示された点について、主に次のように説明しています。

・出版社版(Version of Record)論文の価値の低下に対する懸念が示されているが、プランSは論文処理費用(APC)・転換契約・転換雑誌等への支援を通して、出版社版論文のオープンアクセス(OA)化を積極的に進めている

・出版社が査読の管理に多大なリソースを割いている点は認識しており過小評価していないが、査読は研究コミュニティが自発的に行う営為である点には留意すべきである

・長年尊重されてきた学問の自由を損なっているという指摘は具体性を欠いており、そのようなことが実際に起こることはまず想定できない

国際STM出版社協会、出版社・学協会と連名でプランSの「権利保持戦略」に対する懸念を表明

2021年2月3日付で、国際STM出版社協会が、出版社・学協会と連名でプランSの「権利保持戦略」に対する懸念を示した声明を発表しています。

同声明は、欧州の研究助成機関のコンソーシアムcOAlition Sのイニシアティブ「プランS」による研究成果のオープンアクセス(OA)化の拡大という理念に共感しつつ、即時OA化の保証を意図して導入された「権利保持戦略」については、現状のままでは支持することができないと表明しています。「権利保持戦略」の問題点として、無料の代替物の提供が出版社の購読料・論文処理費用(APC)収入を脅かしOA誌の財政的持続可能性を損なうこと、学術情報の基盤である出版社版(Version of Record)論文の公正性を掘り崩す恐れがあることなどを挙げています。

同声明は、署名した出版社を含む多くの出版社で運用されているように、著者に対して再利用可能なライセンスの付与を認めて、リポジトリ等で公開できる選択肢の提供は可能であるが、持続可能性を保証するためには、「権利保持戦略」のような包括的なポリシーとしてではなく、個々の雑誌のレベルで採用が検討されるべきである、と主張しています。

SPARC Europe、2021年から2024年までの次期4年間に関する新戦略を発表

2021年1月28日、SPARC Europeは、2021年から2024年までの次期4年間に関する新戦略を発表しました。

SPARC Europeは次期4年間について、公平、多様で持続可能なオープンサイエンス・オープンエデュケーションのエコシステム開発に中心的に取り組むことを表明し、次のような項目を新戦略の目標に掲げています。

・欧州におけるオープンアクセス・オープンスカラシップ・オープンサイエンス・オープンエデュケーションに関するポリシーの確立に努め、可能な限り全体の調和を図る
・研究・教育の場面で「オープン」に向けた流れを推進する
・研究・教育リソースが広く公開・共有されることを願う全ての人がより良い方法で実現できるように、「オープン」の利益が公平に甘受されるように努める
・オープンリサーチ、オープンエデュケーションの成果公開において多様性を促進する
・オープンリサーチの報酬とインセンティブのあり方を再考し、公的資金の助成を受けた研究の影響力を向上させる
・「オープン」を支えるインフラストラクチャーやサービスのエコシステムの持続を支援する

ポルトガル科学技術財団(FCT)がcOAlition Sに参加:参加機関は26に

2021年1月26日、cOAlition Sは、ポルトガル科学技術財団(Fundação para a Ciência e a Tecnologia:FCT)が新たに参加機関に加わったことを発表しました。

FCTは1997年に設立されたポルトガル国営の研究助成機関です。cOAlition Sはプレスリリースの中で、ポルトガルではFCTの下で先進的なオープンアクセス(OA)推進の取り組みが進んでおり、FCTは「プランS」の支持によりさらにその取り組みを加速させること、cOAlition SはFCTの参加により欧州におけるOA推進のための研究助成体制が強化されたことなどを紹介しています。

また、cOAlition SのExecutive DirectorであるJohan Rooryck氏は、「プランSの発効直後で、ポルトガルが欧州連合理事会の議長国にいるという大変良いタイミングでFCTの参加が叶い喜ばしく思う。他の多くの欧州諸国がcOAlition Sに参加し、公的助成を受けた研究成果物の完全即時OA化を実現できるように、模範となってくれることを願っている」とコメントしています。

FCTの参加により、cOAlition Sの参加機関数は26となりました。

Science Europe、「研究データ管理の国際的な調整に関する実践ガイド」の増補版を公開:研究データ管理計画(DMP)評価のためのルーブリックを追加

2021年1月27日付で、欧州の研究助成財団・研究実施機関が加盟するScience Europeは、「研究データ管理の国際的な調整に関する実践ガイド」(“Practical Guide to the International Alignment of Research Data Management”)の増補版(Extended Edition)を公開しました。

Science Europeは、研究データの適切な整理・保存を行う機関、研究コミュニティ、研究者個人を対象とした手引きとして、2019年に「研究データ管理の国際的な調整に関する実践ガイド」を作成しました。2019年のガイドが多くの機関で採用されるなどしたことを受けて、Science Europeは研究データ管理計画(DMP)の評価を容易にすることを意図したルーブリックを追加して増補版を作成し公開しました。

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