欧州

Europeana、2018年の年次報告書及び年次会計報告書を公開

2019年5月7日、Europeanaは2018年の年次報告書及び年次会計報告書である“Europeana Foundation Annual Report & Accounts 2018: A decade of democratising culture”の公開を発表しました。

年次報告書は、2018年は欧州文化遺産年(European Year of Cultural Heritage)であると同時にウェブサイト公開10周年に当たる重要な年であったとして、2018年を10のハイライトで振り返るという形式で構成されています。2018年の活動として、欧州内の移民の個人的体験共有のキャンペーン、第1次世界大戦期に書かれた手書き文書2,800点以上の翻刻、データ取り込みプロセスの更新、システム更新によるコレクション発見可能性の向上、Impact Playbookを利用したデジタルアーカイブ評価、教員向け教材の作成とMOOCによる配信などのトピックが示されています。

Horizon 2020に替わる新たな研究資金助成プログラム”Horizon Europe”、欧州議会で承認 オープンサイエンス推進に関する条項も含まれる

SPARC Europeが4月17日開催の欧州議会で、次期研究資金助成プログラム”Horizon Europe”が欧州議会で承認されたことを紹介しています。

Horizon Europeは現在のHorizon 2020の助成期間(2020年まで)終了後に実施される予定の研究資金助成プログラムで、2021年から2027年の間に、1千億ユーロ規模の研究・開発資金助成を行うというものである。今回、承認されたプログラムの条項等の中では、「オープンサイエンスを促進し、妥当と考えられる場合には例外を認めつつも、科学出版物および研究データへのオープンアクセスを保証する」ことが定められています。また、「Horizon Europeではオープンアクセス出版、リポジトリ、他のデータソースを支援する」ともされています。データマネジメントについてや、データのFIAR原則順守等にも触れられています。

ただ、今回承認されたのはプログラムの規定等であり、予算措置についてはEUの次期長期予算が承認されて初めて開始されるとのことです。

欧州大学協会(EUA)、欧州の大学におけるオープンアクセスの進捗状況に関する調査報告書の第4版“2017-2018 EUA Open Access Survey Results”を公開

2019年4月4日、欧州大学協会(EUA)が、報告書“2017-2018 EUA Open Access Survey Results”の公開を発表しました。

2017年から2018年にかけて実施した欧州の大学のオープンアクセス(OA)の進展に関する4度目の調査の報告書で、欧州36ヵ国の321機関の回答に基づいて作成されています。この調査では特に研究成果物のOA、研究データ管理、研究データのオープン化に焦点が当てられており、初めて研究評価に関わる設問が追加されました。

報告書では調査結果に基づき、各機関はHorizon EuropeやPlan SなどのOAに関わる欧州規模での重要な動向を注視すべきであること、図書館員や機関の執行部と比べて低い程度に留まっている研究者のOAへの意識向上と関与の促進が重要であること、研究者にOAやオープンサイエンスへの貢献にインセンティブを与えるためにインパクトファクター等の現在優勢な指標に代わる評価制度の開発が必要であること等が指摘されています。

また、EUAは次回の調査ではオープンサイエンスの枠組みの中での研究評価について特に焦点を当てる予定であるとしています。

アイビー・プラス図書館連合(Ivy Plus Libraries Confederation)、東欧及び旧ソビエト連邦地域のウェブサイトを収集したウェブアーカイブを公開(米国)

2019年5月7日、米・コロンビア大学図書館が、東欧及び旧ソビエト連邦地域のコンテンツを収集したウェブアーカイブ“Eastern Europe and Former Soviet Union Web Archive”の公開を発表しています。

同アーカイブは、アイビー・プラス図書館連合(Ivy Plus Libraries Confederation)のもと、コロンビア大学・プリンストン大学・イェール大学・ニューヨーク大学・ニューヨーク公共図書館(NYPL)が連携し、ブラウン大学・シカゴ大学・コーネル大学・ダートマス大学・デューク大学・ハーバード大学・ジョンズホプキンズ大学・ペンシルバニア大学と共同で構築されたものです。

近年、同地域において、現在及び将来における人文学・社会科学・歴史学のプロジェクトにとって価値があると思われる多くの重要なウェブサイトが生み出されていることから、それらを収集・保存するために実施されました。

収集対象には、政党、非政府組織、活動家グループ、芸術・文化団体、歴史学者・哲学者等のウェブサイトが含まれています。

5つの国際的オープンアクセスイニシアティブがオープンアクセスに関するサンパウロ声明を公表

2019年5月1日、ブラジル・サンパウロで開催中であったGlobal Research Council(GRC)の2019年総会において、African Open Science Platform、AmeLICA、cOAlition S、OA2020、SciELOの5つの国際的オープンアクセス(OA)イニシアティブが会合を開き、OAに関するサンパウロ声明(São Paulo Statement on Open Access)を公表しました。

声明では以下の5点が述べられています。

・5機関は科学的知識は国際的な公共財であると考えている。公的資金によって生み出された科学的知識への自由なアクセスは普遍的な権利である。

・5機関は学術情報に対する普遍的で、制限のない、即時のOA(人および機会による利用・再利用を含む)を提供する、という究極の共通目的を共有している。

・5機関はこの共通目的はさまざまなアプローチを通じて達成できる、という信念を共有している。

・5機関はそれぞれのアプローチ間の整合性と、共通目的を達成するために協力する方法を追求していく。

EU理事会(Council of the EU)、EU著作権指令改正案を承認

2019年4月15日、EU理事会(Council of the EU)は、デジタルかつ越境的な環境のための著作権の例外規定・制限規定の採用、クリエイティブ・コンテンツへの広範なアクセスを確保するための権利処理に関する改正、著作権の正しく機能する市場の達成等を内容とする、EU著作権指令改正案を承認しました。

EU加盟国は、欧州議会議長と欧州理事会議長の署名及びEU官報(the Official Journal of the EU)での公表後、24か月以内にこの新しい著作権指令を国内法化する必要があります。

EU adjusts copyright rules to the digital age(Council of the EU,2019/4/15)
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2019/04/15/eu-adjusts-copyright-rules-to-the-digital-age/

LIBER、EU著作権指令改正案可決へのコメントを発表:改正の意義を評価しつつ一部条項に懸念を表明

2019年3月26日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、同日に欧州議会で可決されたEU著作権指令改正案(New European Copyright Directive)について、改正の意義を評価しつつ、一部の条項に懸念を示したコメント“LIBER Cautiously Welcomes Copyright Improvements for Libraries”を発表しました。

同記事では、人工知能の基礎を形成するテキスト・データ・マイニング(TDM)が著作権の例外になったこと、著作権保護期間内でも商業的な利用のない作品を大規模にデジタル化可能になったこと等を挙げて、ヨーロッパの図書館、教育・研究コミュニティに有意義な改正であったと評価しています。

一方、第11条(「リンク税」)に定められた著作権の適用範囲が明確でなく、自由な情報流通を阻害する可能性があること、第13条でオンラインコンテンツ共有サービスの提供者(学術機関リポジトリは除外)に新たな義務が課されコンテンツの共有と再利用に影響を与える恐れがあることについては懸念を示しています。

欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)、“A Library Manifesto for Europe”に署名

2019年3月20日、欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)は“A Library Manifesto for Europe”に署名したことを発表しました。

“A Library Manifesto for Europe”は、国際図書館連盟(IFLA)がコーディネートしている活動であり、ヨーロッパにおける図書館の役割を簡潔に要約した声明を発表しています。 誰もが情報資源にアクセスできることの保証、オープンサイエンス支援の場、国連の持続可能な開発目標の達成等が主要な内容です。

この声明は、ウェブサイト上で、英語版だけでなく、スペイン語版、フランス語版、ドイツ語版が公開されています。

“A Library Manifesto for Europe”には、EBLIDAのほか、欧州研究図書館協会(LIBER)、Public Libraries 2030、SPARC Europeがパートナーに名を連ねています。

中国のOA2020署名機関、Plan Sの実現にかかる手引きへのフィードバックを公表

2019年4月2日、中国のOA2020署名機関による、Plan Sの実現にかかる手引きへの議論の結果をまとめたフィードバックが、中国科学院国家科学図書館のウェブサイトで公表されました。

これは中国の中でも、学術雑誌のオープンアクセス(OA)化を目指す国際的なイニシアティブであるOA2020への関心表明に署名した研究機関・大学の図書館が集まって2019年3月26日に行われた会議の結果をまとめたものです。すでにPlan Sの実現にかかる手引きへのフィードバック期間は過ぎていますが、これからの学術コミュニケーションのエコシステム構築に中国の研究・図書館コミュニティが参加することは、中国が国際的な研究・OAの取り組みにおける活動的・重要なパートナーであるために重要であると考え、フィードバックの表明に至った、とされています。

公表されたフィードバック内容はPlan Sをおおむね支持するものとなっていますが、ORCIDやDOIの導入は義務ではなく推奨要件とすること、OAリポジトリに関する技術要件の緩和等を求めています。また、研究助成を受けた研究者が、自身の成果をOAリポジトリに登録するのに十分かつ非独占的な権利を保持することを、法律ないし助成機関との契約中に含めることをPlan Sの項目の中に含めることを提案しています。

奈良文化財研究所、欧州考古学情報基盤ARIADNE Plusに参画

奈良文化財研究所は、2019年3月28日付けのプレスリリースで欧州考古学情報基盤ARIADNE Plusへの参画を発表しました。

ARIADNEとは、多国間での考古学情報を統合し、相互連携により情報アクセス向上を目指したシステムの構築やコミュニティ形成に取り組む EU の事業であり、ARIADNE Plusはその第2期計画となります。参画を通じ、遺跡情報の相互検索、情報発信の強化、デジタルデータの管理手法研究の面で効果が期待できるとしています。

プレスリリースでは、考古学データのアーカイブ、再利用、オープンアクセス等を目指す枠組であるSEADDA(Saving European Archaeology from the Digital Dark Age)にInternational Partnerとして同研究所が参画することも紹介されています。

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