欧州

デジタルライブラリーの利用状況へのコロナ禍の影響:セルビアの公共図書館の事例(文献紹介)

オンラインジャーナル“Journal of Web Librarianship”において、2021年4月14日付で、論文“The Impact of the COVID-19 Pandemic on Digital Library Usage: A Public Library Case Study”が公開されました。

セルビア共和国・クニャジェヴァツの公共図書館“Njegos”のJelena Ćirića氏とベオグラード大学Vinča Institute of Nuclear SciencesのAleksandar Ćirić氏によるものです。

Abstractによると、コロナ禍でのロックダウン政策下で公共図書館が利用者に提供できた唯一のものがデジタルコンテンツであり、同館においても、デジタルコンテンツへのアクセスの改善や利用の促進に努めたとしています。本文献は、今後のサービス改善につなげるために行った同館のデジタルライブラリーへのアクセスの分析結果をまとめたものです。

SPARC Europe、YouTubeチャンネルを開設:第1弾としてオープンサイエンス基盤に関するPeter Suber氏へのインタビュー動画を公開

2021年4月14日、SPARC Europeは、オープンアクセス運動を支える理論家として知られるPeter Suber氏へのインタビュー動画の公開を発表しました。

2021年3月に行われた同インタビューでは、オープンサイエンス基盤(OSI)をテーマとして、学術コミュニケーションエコシステムにおけるOSIの役割と、新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックがもたらしたオープンサイエンス及び学術に関する教訓といった話題が扱われました。Suber氏は、OSIを維持することの重要性を強調し、OSIへの支援の欠如は「我々が依って立つインフラの死、あるいはサイエンスよりも利益を重視する企業に買収されるかもしれない」ことを意味すると指摘しています。

発表では、SPARC Europeが新たにYouTubeチャンネルを開設し、今回のインタビューが第1弾の動画となることや、今後もイベントの記録動画、オープンサイエンス等に関するインタビュー・シリーズの動画掲載を計画していることを紹介しています。

カナダ研究知識ネットワーク(CRKN)、OA2020の関心表明に署名

2021年4月8日、カナダ研究知識ネットワーク(CRKN)は、学術誌のオープンアクセス(OA)化を目指すイニシアチブ“OA2020”の関心表明(Expressions of Interest:EOI)に署名したことを発表しました。

発表では、CRKNによる“OA2020”への参加について、OAに向けた持続可能な道筋を見出す上でのカナダの役割と、学術コミュニケーションを変革する上での国際協力の必要性を強調するものであると述べています。

CRKN Signs Open Access 2020 Expression of Interest(CRKN, 2021/4/8)
https://www.crkn-rcdr.ca/index.php/en/crkn-signs-open-access-2020-expression-interest

北米の研究図書館センター(CRL)、OA2020の関心表明に署名

2021年4月5日、北米の研究図書館センター(CRL)は、学術誌のオープンアクセス(OA)化を目指すイニシアチブ“OA2020”の関心表明(Expressions of Interest:EOI)に署名したことを発表しました。

CRLは研究図書館のコンソーシアムであり、200を超える米国・カナダの機関が参加しています。CRLは今回のEOIへの署名を通じ、学術誌の持続可能なOAビジネスモデルの推進に向けて尽力する旨を表明しています。

CRL Signs OA2020 Expression of Interest(CRL, 2021/4/5)
https://www.crl.edu/news/crl-signs-oa2020-expression-interest

Europeanaの画像分類パイロットプロジェクト(記事紹介)

Europeana Proの2021年4月6日付け記事で、Europeanaが取り組む画像分類パイロットプロジェクトの内容が紹介されています。筆者はEuropeana財団の機械学習エンジニアであるJosé Eduardo Cejudo Grano de Oro氏です。

Europeanaでは、パートナー機関から提供されたメタデータに付加価値を与えること(エンリッチメント)により、コレクションの検索・閲覧・推薦といった機能の向上に取り組んでいます。Europeanaの2020年から2025年にかけての戦略“Europeana strategy 2020-2025: Empowering digital change”でも、機械学習によるメタデータの自動エンリッチメントを目標の一つとしています。

本記事では、画像分類パイロットプロジェクトのうち、分類のための語彙の定義、Europeana Search APIを利用した注釈付きデータセット作成のプロセスを取り上げています。また、使用語彙、作成されたデータセット、データセット及び画像分類モデル作成のためのコードを、GitHub上で公開していることも紹介しています。

cOAlition S、北米研究図書館協会(ARL)が示した5つの目標への賛意を表明

2021年3月29日、cOAlition Sは、北米研究図書館協会(ARL)が示した5つの目標について、Plan Sの原則に完全に一致しているとして賛意を表明しています。

これらの目標は、ARLが米・カリフォルニア大学とElsevier社との転換契約締結に際し3月16日付けで発表した声明中で示されました。ARLは、研究図書館と学術出版社との交渉の背景にある目標として、次の5つを例示しています。

(1)著者による出版費用(APC)の負担を軽減し、代わりにこれらの費用負担を組織として約束すること
(2)当該機関で生産された研究へのアクセスを拡大すること
(3)学術コミュニケーションのエコシステムをより公平にすること
(4)権利保持や学術成果への機械的アクセスといった研究者の研究ニーズを支援すること
(5)コストを抑制・削減すること

cOAlition S、欧州研究図書館協会(LIBER)が策定したモデル法への賛意を表明:公的助成による研究成果物がゼロエンバーゴで二次出版可能であることを規定

2021年3月30日、cOAlition Sは、欧州研究図書館協会(LIBER)が策定したモデル法(model law)への賛意を表明しました。

モデル法は、公的助成による研究成果物がゼロエンバーゴで二次出版可能であることを規定した内容となっており、欧州連合(EU)及び欧州各国政府のレベルで研究成果物の二次出版権が取り扱われることを目的としています。

モデル法の策定は、プランSの「権利保持戦略」や欧州委員会の助成プログラム“Horizon Europe”などを背景とした、LIBERによるキャンペーンの一環として行われました。LIBERは同キャンペーンのウェブページにおいて、著者が自身の研究成果をコントロールできるような政策を全EU加盟国で導入し、各国で協調的・水平的なアプローチを採用する時が来た、と述べています。

cOAlition Sは、全EU加盟国での協調的・水平的なアプローチの採用、という簡明な目標をとりわけ歓迎すると述べています。

欧州委員会(EC)、オープンアクセス(OA)出版プラットフォーム“Open Research Europe”を正式公開

2021年3月24日、欧州委員会(EC)は、オープンアクセス(OA)出版プラットフォーム“Open Research Europe”の正式公開を発表しました。

“Open Research Europe”は、欧州連合(EU)における2021年から2027年の研究・イノベーション支援プログラムHorizon Europeとぞの前身であるHorizon 2020による助成を受けた研究成果物に対して、OA出版を提供するプラットフォームです。研究者・市民を問わず誰もが最新の科学の知見に無料でアクセスできることを目指しており、研究成果の再利用の遅延・障壁、高額な費用など、研究成果の公開に関わる主要な問題に直接対処した取り組みとして説明しています。“Open Research Europe”はHorizon Europe及びHorizon 2020で助成を受けた研究者へのオプションサービスとして提供され、該当する研究者は費用負担を負うことなく、研究成果物をOA化し、研究成果の即時OA化に関する助成要件を満たすことができます。

正式公開された“Open Research Europe”では、様々な分野の約40本の論文が投稿され、内容の閲覧・レビューが可能になっています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、公的助成による研究成果物がゼロエンバーゴで二次出版可能であることを規定したモデル法を策定し公開

2021年3月16日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、公的助成による研究成果物がゼロエンバーゴで二次出版可能であることを規定したモデル法(model law)として、“Draft Law for the Use of Publicly Funded Scholarly Publications”を公開したことを発表しました。

LIBERは同日付で、プランSの「権利保持戦略」や欧州委員会の助成プログラム“Horizon Europe”などを背景に、公的助成による研究成果物のゼロエンバーゴによる公開を支援するキャンペーンを開始しました。モデル法は同キャンペーンの一環として、適法にオープンリポジトリ上でゼロエンバーゴにより研究成果物を公開可能とする目的で提案されました。LIBERの著作権・法的諸問題に関するワーキンググループとオープンアクセス(OA)に関するワーキンググループが合同で作成し、2020年6月に理事会で全会一致による承認を得ています。

EuropeanaTech が開催した第1回人工知能・機械学習データセットチャレンジの受賞者が発表される

Europeana Proのウェブサイトに掲載された2021年3月22日付けのお知らせで、Europeanaの研究開発部門の専門家・開発者・研究者によるコミュニティEuropeanaTechが開催した第1回人工知能・機械学習(AI/ML)データセットチャレンジの受賞者が発表されています。

第1回人工知能・機械学習データセットチャレンジでは、Europeanaのコレクションを用いた、人工知能・機械学習に利用できるデータセットの作成に関する提案が募集されました。合計5つの提案が提出され、うち次の3つの提案が受賞しています。受賞者には、2021年5月末を期限としたデータセットの生成・文書化・公開のために2,500ユーロの支援金が与えられます。

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