欧州

欧州大学協会(EUA)、ユネスコのオープンサイエンスに関する勧告を歓迎

2021年11月24日、欧州大学協会(EUA)は、ユネスコのオープンサイエンスに関する勧告の採択を歓迎すると表明しました。

勧告は、オープンアクセス、オープンデータ、オープンエデュケーションを含むオープンサイエンスとその関連分野の主流化を支援するための包括的なフレームワークを提供します。フレームワークは、共通の定義、共有される価値、具体的な行動を特定するとともに、オープンサイエンスに関する分野や地域の違い、および異なる視点を認識することによって構築されています 。

勧告で特定されている行動分野は、オープンサイエンスの実践を目指す大学が直面しているいくつかの課題に対処していると指摘しています。これらには、オープンサイエンスの実現を支援する国の政策フレームワークの重要性、さらなるデータ関連の能力と研修を開発する必要性、および研究キャリアの評価におけるインセンティブと報酬の新システムの要件が挙げられています。

EUAは、オープンサイエンスを実現するための世界的な取り組みを支援することにより、ユネスコのグローバルオープンサイエンスパートナーシップ内での建設的な役割を継続していきたいと述べています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、市民科学に関する研究図書館向けのガイドを公開:図書館職員・研究者・市民のスキルについて

2021年11月26日、欧州研究図書館協会(LIBER)のCitizen Science Working Groupが、市民科学に関する研究図書館向けガイド“Citizen Science for Research Libraries Guide”の公開を発表しました。

同ガイドは、市民科学プロジェクトの実施を支援する実践的なツールボックスとして作成されており、スキル・インフラ・優良事例・プログラム開発の4つのセクションからなります。今回公開されたのは1つ目のセクション“Citizen Science Skilling for Library Staff, Researchers, and the Public”です。

同セクションでは、市民への貢献や研究者支援における図書館の役割やデータの利用に焦点を当てているとあります。プロジェクト計画やコミュニケーション、研究データ管理、市民科学プロジェクトにおけるデータポリシーの活用、科学リテラシーの向上等についてまとめられています。

E2449 - 国際会議National Libraries Now 2021<報告>

   2021年9月16日から17日にかけて,国立図書館のキュレーションに関する国際会議“National Libraries Now 2021”(以下「NLN2021」)がオンラインで開催された。本稿では,筆者がパネリストとして参加したパネル13「スポットライト:デジタルツールによる課題解決」の内容を中心に報告する。

欧州大学協会(EUA)、オープンアクセス活動の推進に取り組む大学のための実践ガイド“The new university Open Access checklist”を公開

2021年10月25日、欧州大学協会(EUA)は、オープンアクセス(OA)活動の推進に取り組む大学のための実践ガイド“The new university Open Access checklist”の公開を発表しました。

同ガイドでは、次の3つの目標に関し、取りうる行動とその根拠、具体的な活動例、期待される効果、潜在的な落とし穴(Potential pitfalls)が示されています。

1.高次の方針や戦略を通じたエンパワーメント
2.図書館やコンソーシアムを通じた能力開発
3.学術コミュニティ主導のインフラを通じた既存構造の強化

The new university Open Access checklist(EUA, 2021/10/25)
https://www.eua.eu/resources/publications/986:the-new-university-open-access-checklist.html

欧州委員会(EC)、文化遺産の欧州共通データスペースに関する勧告を発表:文化遺産のデジタル化を促進

2021年11月10日、欧州委員会(EC)が、文化遺産の欧州共通データスペースに関する勧告“Commission Recommendation of 10.11.2021 on a common European data space for cultural heritage”の公開を発表しました。

2011年に承認された文化遺産のデジタル化・デジタル保存等に関する勧告“Commission Recommendation of 27 October 2011 on the digitisation and online accessibility of cultural material and digital preservation”に対する評価を踏まえ、改訂されたものです。文化遺産のモニュメント、作品等のデジタル化を推進すること、危機に瀕している文化遺産を保護・保存し、教育・文化的創作といった分野での二次利用を促進することが目的とされています。

勧告では、2030年までに、欧州連合(EU)加盟国は、劣化のリスクがあるモニュメントや遺跡の全てと、旅行者が頻繁に訪れるモニュメントや遺跡の半分をデジタル化すること等を記載しています。また、発表の中では、Europeanaが共通データスペースを構築するための基盤となると述べられています。

E2445 - 第31回日本資料専門家欧州協会(EAJRS)年次大会<報告>

   2021年9月15日から18日まで,日本資料専門家欧州協会(EAJRS;E2203ほか参照)第31回年次大会が,ロシア・サンクトペテルブルクのロシア科学アカデミー東洋古文書研究所でのオンサイトおよびオンラインのハイブリッド形式により開催され,筆者2人はオンラインで参加した。昨年2020年のEAJRS年次大会は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大により中止されたため,今大会は2年ぶりの開催であった。今大会には19か国から約140人が参加し,うちオンサイト参加は25人,また日本からは58人が参加した。今年2021年は「日本資料における実質性・仮想性(Materiality and virtuality in Japanese studies resources)」をテーマに掲げ,計29件の発表(うちオンサイト12件,オンライン17件)が行われたほか,複数のデータベースベンダーによるワークショップや,オンサイト参加者向けのロシア国立図書館(サンクトペテルブルク)の見学会も実施された。発表資料及び動画については,EAJRSのウェブサイト及びYouTubeチャンネルで公開されている。

欧州のアカデミー組織連盟“All European Academies”、オープンアクセスにおける公平に関する声明を発表

2021年10月25日、欧州のアカデミー組織連盟である“All European Academies”(ALLEA)が、オープンアクセス(OA)における公平に関する声明“Equity in Open Access”を発表しました。

発表の中では、同声明は、2021年10月25日から30日にかけてのオープンアクセスウィーク(International Open Access Week)のテーマ“Open with Purpose: Taking Action to Build Structural Equity and Inclusion”を踏まえたものであること等が述べられています。

声明では、論文処理費用(APC)が必要なゴールドOAは、アクセスにおける障壁を参加への障壁に置き換えるものであると指摘しています。また、図書館コンソーシアムと商業出版者の間での転換契約は、大手商業出版者の市場支配力を強め、小規模な出版者が不利になるリスクがあること、対象に含まれない分野の研究者や若手研究者、グローバル・サウスの研究者のニーズが考慮されていないこと等を述べています。

欧州国立図書館員会議(CENL)、新型コロナウイルス感染症の拡大や“Black Lives Matter”運動の展開などの社会情勢に対応した2基金の2021年度助成対象機関を発表

2021年10月15日、欧州国立図書館員会議(CENL)は、CENL加盟館を対象とした基金“Covid-19 Support Fund”及び“Hidden Stories Fund”について、2021年度助成対象機関を発表しました。

“Covid-19 Support Fund”は、新型コロナウイルス感染症の拡大に関する差し迫った課題への対応や、長期的な将来に向けた協働体制への適応と再構築を支援する基金であり、助成額は最大2,500ユーロです。

“Hidden Stories Fund”は、“Black Lives Matter”運動の展開などの社会情勢に対応し、国立図書館のコレクションに十分に反映されていない(underrepresented)コミュニティのストーリー収集・保存・研究等の取組を支援する基金であり、助成額は最大5,000ユーロです。

各基金の助成対象館とその取組は次のとおりです。

・マルタ国立図書館(Covid-19 grant)
同館所蔵のコレクションに関するデジタル・プレゼンテーション及び情報パネルの作成と、図書館ネットワークやブックフェア等でのそれらを用いた広報

北米の研究図書館センター(CRL)、学術図書館の欧州関係コレクション等に関するフォーラム“New Shape of Sharing”の報告書を公開

2021年9月15日、北米の研究図書館センター(CRL)が、学術図書館の欧州関係コレクション等に関するフォーラム“The New Shape of Sharing: Networks, Expertise, Information”の報告書を公開していました。

同フォーラムは、CRLと国際的な図書館サービスプロバイダーCasalini Libriとの共催により2021年1月から4月にかけてオンラインで開催され、北米・欧州の図書館員、出版関係者らによる発表及びディスカッションが行われました。その内容は多岐にわたりますが、主なテーマは次の3点に整理できるとしています。

・共同でのコレクション構築とサービスのための新たなモデル
・コンテンツとフォーマットの種類の増加が図書館及び研究者にもたらす意義
・研究プロセスにおける図書館・図書館員の役割の変化

発表によれば、報告書にはフォーラムの主な成果と今後の活動のためのアイデアが含まれているほか、欧州関係コレクションや、より一般的なコレクションを扱う図書館員のためにさらなる共同作業への道筋を示したものとなっています。

cOAlition S、“Journal Checker Tool”を更新

2021年10月13日、cOAlition Sは、ウェブベースのツール“Journal Checker Tool”の更新を発表しました。Journal Checker Toolは、Plan Sの原則に準拠した研究助成機関のオープンアクセス(OA)方針に従って特定の学術雑誌で研究成果を公表する方法を、研究者が明確に確認できるように設計されたツールです。研究者がPlan Sに準拠したOA化の方法を提供する学術雑誌・プラットフォームを容易にすばやく特定できることを意図しています。

最新の更新には、インタフェースの改修、結果の説明における言語の簡素化、および結果を共有するための新機能が含まれています。

多くのユーザーが、結果のページでは長いスクロールが必要であると指摘したことから、スクロールせずに検索結果を表示できるようになりました。同時に、ウェブサイトデザインのアクセシビリティ要件に沿って、レイアウトはシンプルで整頓されたものになりました。

さらに、混乱を生じさせやすかった検索結果の文言の修正が行われています。例えば、著者がリポジトリルート(「グリーンOA」と呼ばれることが多い)を介して原稿をOA化にする場合には、このルートに出版料金が適用されないことが明確にされました。

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