欧州

cOAlition S、Plan S原則に準拠した「出版の場」の特定を支援する研究者向けツール“Journal Checker Tool”の開発・メンテナンスのための入札案内書を公開

2020年2月7日、cOAlition Sは、Plan S原則の要件を満たしたジャーナル・プラットフォーム等の「出版の場(publishing venue)」の特定を支援する研究者向けツール“Journal Checker Tool”について、その開発とメンテナンスのための「入札案内書(Invitation to Tender:ITT)」を公開したことを発表しました。

“Journal Checker Tool”は、研究者が自身の研究機関や資金助成団体を選択の上、特定の雑誌名を入力すると、その雑誌が資金助成団体のオープンアクセス(OA)方針に準拠しているかどうか、準拠している場合にはPlan S原則準拠のために用意された4つの方法のうちどの方法でOA可能かを容易に識別できるツールとして想定されています。cOAlition Sは“Journal Checker Tool”について、Plan S原則の効力発生がこれ以上遅れることがないように段階的アプローチを採用するとしており、まずは以下の3点を満たす「出版の場」を特定することに重点を置いています。

cOAlition S、Plan S原則への準拠状況を確認するために必要なデータに関する委託調査の報告書を公開

2020年2月7日、cOAlition Sは、欧州の研究助成財団・研究実施機関が加盟するScience Europeの代理として英・Jiscがコンサルタント会社Delta Thinkへの委託により実施した、Plan S原則への準拠状況を確認するために必要なデータに関する調査報告書が公開されたことを発表しました。

公開された報告書は、Plan S原則の要件を完全に満たしたジャーナル・プラットフォーム等の「出版の場(publishing venue)」を確認するために、研究者が必要とする情報に重点を置いて作成されました。得られた知見を通して、特定の「出版の場」に関して必要なデータとして複数の詳細レベルを許容すべきであること、データ構造はPlan S原則に準拠しているかどうかだけでなく準拠のために用意された4つの方法それぞれにどのように評価されるかを把握できるものであること、特定のデータ要件の4つの方法それぞれへの影響の与え方などが示されています。報告書はPlan S原則準拠のための方法はそれぞれ異なるニーズを持っていることを確認した上で、データ仕様の設定に関する次の段階へ向けた推奨を行っています。

SPARC Europe、2019年の年次報告書を公開

2020年1月31日、SPARC Europeは2019年の年次報告書の公開を発表しました。

公開された年次報告書では、SPARC Europeが2019年に実施した、以下のようなオープンアクセス・オープンサイエンス・オープンデータ等の推進事業に関して振り返りが行われています。

・欧州連合(EU)のデジタル単一市場における著作権指令、オープンデータ指令、Horizon Europe等の重要な法令の策定を支援し、図書館に対して実施に関するガイダンスを提供
・すでに1,600回以上のダウンロードが行われた、欧州の研究助成団体を対象としたオープンアクセス方針・研究データポリシーに関する調査報告書の作成
・第一の資金調達サイクルの対象への評価や第二の資金調達サイクルの開始が行われた、非営利のオープンアクセス・オープンサイエンスサービスの資金調達を支援するフレームワークSCOSSの成長に関するレビュー

Springer Natureが全論文等の本文データへのアクセス権をOpenAIREに提供 テキスト・データ・マイニングによるリンク抽出に活用

2020年1月27日、OpenAIREはSpringer Nature社から、同社の刊行する論文や図書の章の本文データへのアクセス権の提供を受けることを発表しました。オープンアクセス状況やアクセス権限に関わらず対象となることのことです。

OpenAIREはこれらの本文データをテキスト・データ・マイニングにかけ、雑誌論文、研究データ、その他の研究上の生産物間のリンク関係を抽出するとされています。抽出されたリンク情報はSpringer NatureとOpenAIRE双方のプラットフォームにおいて、検索や統計機能に用いられるとのことです。

Springer Nature and OpenAIRE collaborate to further Open Science(OpenAIRE、2020/1/27付け)
https://www.openaire.eu/springer-nature-and-openaire-collaborate-to-further-open-science

国際図書館連盟(IFLA)、改正EU著作権指令の「アップロードフィルター条項」実施ガイドライン草案を広く共有することを求めた書簡に署名

2020年1月19日、国際図書館連盟(IFLA)は、欧州の40以上の市民社会組織とともに、2019年4月に成立した改正EU著作権指令「デジタル単一市場における著作権指令(the Directive on Copyright in the Digital Single Market)」で定められた「アップロードフィルター条項」実施ガイドライン草案を広く共有することを求めた書簡に署名したことを発表しました。

改正EU著作権指令の第17条では、著作権を侵害するコンテンツのアップロードを防ぐために、オンラインコンテンツ共有サービスのプロバイダが講じるべき措置に言及した「アップロードフィルター条項」が定められ、2021年6月までに加盟国は国内法化を完了する必要があります。しかし、第17条にはプラットフォームに対してユーザのアップロードした全てのコンテンツを監視する技術の利用を義務付けていると読み取れる条項と監視の義務は存在しないと宣言した条項が併存するなど、多くの矛盾した内容が指摘されています。IFLAは図書館分野からの唯一の代表として、EU加盟国の利害関係者間で行われている同条項への懸念に対処を目的とした、実施ガイドライン作成のための対話に積極的に参加しています。

改正EU著作権指令第14条により著作権保護期間の満了した資料のデジタル複製物をパブリックドメインのままとするには(記事紹介)

2020年1月21日付のEuropeana Proのブログ記事として、“Keeping digitised works in the public domain: how the copyright directive makes it a reality”が公開されています。

同記事は英国エクセター大学法学部のAndrea Wallace講師へのインタビューを通して、2019年4月に成立した改正EU著作権指令「デジタル単一市場における著作権指令(the Directive on Copyright in the Digital Single Market)」第14条の文化遺産分野における重要性と同講師の第14条に関する研究の解説を行ったものです。改正EU著作権指令第14条は、著作権の保護期間が満了しパブリックドメインとなったビジュアルアート作品の複製物について、創作性が存在しない限り著作権その他の権利は及ばないことを明記しています。

英国の機関リポジトリアグリゲーターCORE、Plan Sへの支持を表明

2019年12月9日、英国の機関リポジトリアグリゲーターCOREは、Plan Sに対する賛意を表した声明“CORE welcomes Plan S”を発表しました。

COREは、多数の学術コミュニティから支持されたPlan S原則に賛同し、様々なリポジトリや雑誌からオープンアクセス(OA)の研究成果を集約し広く利用可能なものにするという自らの使命によって、次の点でPlan Sの実現に貢献可能であることを表明しています。

Springer Nature社、cOAlition Sの“Transformative Journals”枠組み案へのフィードバックとして公開書簡を発表

2019年12月17日、Springer Nature社は、cOAlition Sが公開した“Transformative Journals”(転換雑誌)枠組み案について、公開書簡(Open Letter)により懸念事項を指摘したフィードバックを行ったことを発表しました。

同社は公開書簡の中で、cOAlition Sが示した枠組み案のうち、年間8%のオープンアクセス(OA)率の成長、OAコンテンツが50%に達した時点で完全OA雑誌に切り替えるといった数値目標が現実的ではないこと、論文処理費用(APC)の免除に関する要件が雑誌の持続可能性を損なうことなどを指摘し、これらの要件の変更がなければ出版社が枠組み案に参加するのは難しいと表明しています。

cOAlition Sは同日付でSpringer Nature社の公開書簡への応答をウェブサイトに掲載しています。この応答の中では、公開した枠組み案は草案であり2020年1月6日までの利害関係者からのフィードバックに基づいて改めて検討することなどが表明されています。同社による数値目標が現実的ではないという懸念については、Europe PMCに収録された同社のOA誌“Nature communications”掲載論文の過去数年のデータを用いて、現実的に実現可能な数値目標であると反論しています。

Europeanaなどのデジタルコレクション活用を図るプロジェクト“TuEuropeana”(ポーランド)

Europeana の2019年12月19日付けの記事で、ポーランドのFINA(National Film Archive - Audiovisual Institute)に所属するMaria Drabczyk氏へのインタビューが掲載されており、FINAが調整役を担っているプロジェクト“TuEuropeana”が紹介されています。

Europeanaを中心とするデジタルコレクションの認知度向上や、二次利用促進のための戦略・手段について話し合うことを目的としたプロジェクトであり、2015年にポーランドの文化・国家遺産省が開催した一連の会合で生まれた、Europeanaのコレクションを広めるためのイニシアチブを立ち上げるというアイデアに端を発しています。

プロジェクト開始4年目となる2019年は、アーティストを対象とした年次プログラムを実施しており、その一環としてデジタルコレクションの収録資料を素材としたポスターのデザインコンテストを開催したことが紹介されています。

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