ドイツ

E2420 - ビッグディール契約キャンセルの影響調査(米国)

   米国の非営利団体Ithakaの調査部門Ithaka S+Rが,2021年6月,学術誌のビッグディール契約(CA1586参照)のキャンセルが研究者にもたらす影響を調査した報告書“What’s the Big Deal?: How Researchers Are Navigating Changes to Journal Access”を公開した。本稿では報告書の概要を紹介する。

国立国会図書館、『外国の立法』2021年8月号で英国図書館理事会(借入権限)法の施行、ドイツのシュタージ文書の連邦公文書館移管についての記事を掲載

国立国会図書館は、『外国の立法』No.288-2(2021年8月 : 月刊版)の「短信」に、記事「【イギリス】英国図書館理事会(借入権限)法」「【ドイツ】シュタージ文書の連邦公文書館移管―連邦公文書館法・シュタージ文書法改正等―」を掲載しています。

「【イギリス】英国図書館理事会(借入権限)法」では、1972 年英国図書館法(1972 c.54)を改正し、2021 年英国図書館理事会(借入権限)法(2021 c.15)が2021年6月29日に施行されたことを紹介しています。1972 年英国図書館法では、英国図書館の運営を行う英国図書館理事会が借入れを行うことを禁じていましたが、英国図書館理事会(借入権限)法の施行により借入れが可能となりました。

「【ドイツ】シュタージ文書の連邦公文書館移管―連邦公文書館法・シュタージ文書法改正等―」では、2021年6月17日に施行された「連邦公文書館法及びシュタージ文書法を改正し、SED 犠牲者受託官を設置する法律」(BGBl. I 2021 S. 750)により、シュタージの記録文書が連邦公文書館に移管されることを紹介しています。なお、シュタージとは、ドイツ民主共和国(東ドイツ)の事実上の独裁政党であったドイツ社会主義統一党(SED)が組織した秘密警察です。

英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、新型コロナウイルス感染症対策としての新たな形態のリモートアクセスに関するレポートを公開:オンラインの閲覧室等を構築する取組について

2021年7月19日、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)が、オンラインの閲覧室(Virtual Reading Room:VRR)やティーチングスペース(Virtual Teaching Space:VTS)を構築する取組についての調査レポートの公開を発表しました。

同調査は、2021年5月14日から6月11日にかけてRLUKが実施したものであり、英国の大学を中心に、32機関から回答が寄せられました。発表の中では、VRRやVTSはデジタル化に依存せず、図書館内の閲覧室等に配置したビジュアライザーを用いたライブ・ストリーミングにより、コレクションへのリモートアクセスを可能とするとあります。

調査の結果明らかになった主な事柄として、両者は広がりつつあるサービスであり、利用・対象者・拡張性・持続可能性について課題が残っていること等が挙げられています。その他、VRRは、ロックダウン期間中に当該組織内の少数の研究者等を対象としたリモートアクセス提供サービスから、より広範な研究者を対象とした研究支援サービスとなったと述べています。VTSについては、当初はロックダウン期間中にオンサイトでの授業の代替とされていたものの、現在では学生の学習支援と参加・地域への貢献の拡大のためのものになっていると指摘しています。

ドイツ規格協会(DIN)、図書館・博物館・文書館におけるデジタル・オーディエンスの評価手法の要件に関する規格案(DIN 31640)を公開

ドイツ規格協会(DIN)が、2021年7月付けで、図書館・博物館・文書館におけるデジタル・オーディエンスの評価手法の要件に関する規格案“DIN 31640 Digital audience measurement in archives, libraries and museums - Requirements for measurement methods”を公開しています。

本文は有料ですが、目次(ドイツ語)は無料でダウンロードできます。

DRAFT STANDARD [NEW]
DIN 31640
Digital audience measurement in archives, libraries and museums - Requirements for measurement methods
https://www.din.de/en/wdc-beuth:din21:340796732
※「EDITION 2021-07」とあります。

米・Ithaka S+R、学術誌のビッグディール契約のキャンセルが研究者にもたらす影響を調査した報告書を公開

2021年6月22日、米・Ithaka S+Rは、学術誌のビッグディール契約のキャンセルが研究者にもたらす影響を調査した報告書“What’s the Big Deal?: How Researchers Are Navigating Changes to Journal Access”を公開しました。

今回の調査は、ビッグディール契約に関する戦略的決定を行っている米国の大学図書館10館、ドイツの大学図書館1館との提携により進められました。ビッグディール契約のキャンセルによる影響を受ける可能性が高い89人の研究者にインタビューを行っており、報告書ではその結果や、ビッグディール契約のキャンセルに際し図書館が特に注意すべきポイント等が示されています。

Ithaka S+Rによる同日付けのブログ記事“New Report: What’s the Big Deal?: How Researchers Are Navigating Changes to Journal Access”でも、本報告書の紹介が行われています。注目すべき調査結果として、ビッグディール契約のキャンセルにより一連の学術誌が利用できなくなった場合でも、研究者への悪影響は短期的にはほぼ見られないということを挙げています。

Elsevier社のアクセス制限がドイツの研究者の出版行動と引用行動に与えた影響(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2021年5月25日付で、ドイツ経済学中央図書館(ZBW)のNicholas Fraser氏らが共著で執筆した文献“No Deal: Investigating the Influence of Restricted Access to Elsevier Journals on German Researchers' Publishing and Citing Behaviours”が公開されています。

2014年にドイツでは、大手出版社とのナショナルライセンス契約を交渉するプロジェクトDEAL(Projekt DEAL)が設置されました。DEAL とElsevier社の交渉は2016年に開始されましたが、2018年に決裂しました。この結果、約200のドイツの研究機関がElsevier社との契約を取り止め、2018年7月以降これらの機関のElsevier社のジャーナルへのアクセスは制限されました。

【イベント】東京大学史料編纂所国際研究集会「日本中世史データベースの国際比較」(5/28・オンライン)

2021年5月28日、東京大学史料編纂所の主催により国際研究集会「日本中世史データベースの国際比較」がオンラインで開催されます。

ドイツ・ボン大学で立ち上げられた、共同研究センター「権力と統治―文化横断的アプローチら見た前近代史上の諸形態」の一環として進められている、日本中世史プロジェクトで作成中のデータベースについて紹介が行われます。

報告は日本語で行われます。参加費は無料で、事前の申し込みが必要です。

当日の内容は以下の通りです。

・「ボン大学の地頭データベース―由来・現在状態・前途―」(仮)
シモン・チェルカフスキ氏(ボン大学研究員、史料編纂所外国人研究員)

・コメント1
西田友広氏(東京大学史料編纂所・准教授)

・コメント2
田中大喜氏(国立歴史民俗博物館・准教授)

国際研究集会のご案内 [PDF:1ページ]
https://www.hi.u-tokyo.ac.jp/news/2021/20210528chuseiDB.pdf

メタデータの拡充によりオープンアクセス出版の機能強化を図るOPTIMETA(文献紹介)

2021年4月14日、Research Ideas and Outcomes誌に“OPTIMETA – Strengthening the Open Access publishing system through open citations and spatiotemporal metadata”と題された文献の初稿が公開されました。著者はドイツ国立科学技術図書館(TIB)のChristian Hauschke氏ら4人です。文献では、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)から助成されているオープンアクセス(OA)ジャーナルのメタデータ拡充等を目的としたプロジェクトOPTIMETA(Stärkung des Open-Access-Publikationssystems durch offene Zitationen und raumzeitliche Metadaten)について述べられています。

独・バイエルン州立図書館(BSB)、総合閲覧室内の座席を事前に予約可能な無料のスマートフォン用アプリ“BSB-Leseplatzreservierung”の提供を開始

2021年3月11日、ドイツのバイエルン州立図書館(BSB)は、総合閲覧室内の座席を事前に予約可能なスマートフォン用アプリとして、“BSB-Leseplatzreservierung”を提供することを発表しました。

“BSB-Leseplatzreservierung”は、iOS用、Andoroid用のアプリとしてそれぞれ無料で提供されています。同アプリにより、BSBの有効期限内の利用者カードを持つユーザーは、総合閲覧室内の座席を指定して事前に予約することができます。なお、一度に予約できる件数は最大5件までで、同一の日に複数の予約を行うことはできません。予約済の座席には電子ペーパーのディスプレイにPINコードが表示され、予約したユーザーはアプリ内でこのコードを入力することで座席利用を開始することができます。

BSBは新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、閲覧室利用を停止していましたが、2021年3月16日以降、月曜日から金曜日に限定して閲覧室利用を再開します。ただし、閲覧室の利用には事前予約が必須となります。BSBの総合閲覧室で現在利用可能な140席のうち、60席が同アプリによる事前予約の対象になっています。

独・プロジェクトDeepGreen、サービスの概要・制度的枠組・技術仕様・将来の展望等を解説した手引きを公開

2021年2月11日付で、ドイツ研究振興協会(DFG)が助成するオープンアクセス(OA)プロジェクトDeepGreenが、提供サービスの概要等を解説した手引きとして、“DeepGreen: Open-Access-Transformation in der Informationsinfrastruktur – Anforderungen und Empfehlungen”の公開を発表していました。

DeepGreenは、参加機関に関連する出版物を機関のOAリポジトリ・研究情報システム等へ転送し、OAへの転換の促進を目指すプロジェクトです。公開された手引きは多数のユースケースや広範なユーザ評価を経て、プロジェクトと提供サービスの概要、制度的な枠組み、リポジトリの種類ごとの技術的な仕様、関連する作業手順の推奨事項、今後の開発に向けた課題や展望などが示されています。

手引きはドイツの応用数学・コンピューターサイエンスに関する研究所Zuse Institute Berlin(ZIB)の報告書シリーズ“ZIB Report”として作成され、全文はZIBのリポジトリからダウンロードすることができます。

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