ドイツ

Knowledge Unlatched(KU)、KUによりオープンアクセス化された学術成果の利用状況を分析した“Open Access Heroes 2021”を公表

2021年2月23日、Knowledge Unlatched(KU)が、KUによりオープンアクセス(OA)化された学術成果が最も利用された国・機関・出版社・分野を調査した“Open Access Heroes 2021”を公開しました。

OAPEN、JSTOR、Project MUSE、Open Research Libraryといったの複数のプラットフォームから収集したデータに基づいて分析したものです。

学術成果の総インタラクション数(ダウンロード数と閲覧数)は、前年比20パーセント増の1,000万回で、各タイトル平均では2,200回であったと紹介されています。

また、

・世界の約6,500機関から利用があったこと

・最も多く利用された分野は英語と文学であったこと

・OA化された単行書の利用が多かった国は、米国(33パーセント)、英国(9.5パーセント)、ドイツ(8.5パーセント)、インド(4パーセント)、カナダ(4パーセント)の順であったこと

・研究機関別では、英・キングスカレッジ、カナダ・トロント大学、英・ケンブリッジ大学、英・エディンバラ大学、米・ニューヨーク大学からの利用が多かったこと

ドイツ国立科学技術図書館(TIB)、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の助成によりオープンアクセス(OA)への移行を推進するための3種類のプロジェクトを実施

2021年2月8日、ドイツ国立科学技術図書館(TIB)は、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の2年間の助成に基づいて、研究成果物のオープンアクセス(OA)への移行を推進するための3種類のプロジェクトを実施することを発表しました。

ザクセン州立・ドレスデン工科大学図書館 (SLUB)と共同で取り組む“B!SON (Bibliometric and Semantic Open Access Recommender Network)”は、OAジャーナルの推薦システムの開発に関するプロジェクトです。DOAJとオープン書誌データ・引用データを提供する学術インフラサービスOpenCitationsをプロジェクトパートナーとして、機械学習を利用したユーザーの入力情報の類似度判定などにより、著者に自身の研究成果の出版に最適な高品質のOAジャーナルを推薦することを目的に挙げています。

ILLサービスで取り寄せした文献複写物を追加費用を伴わずに利用者へ直接電子提供可能に:コロナ禍による図書館休館を踏まえた2021年3月31日までの特例措置(ドイツ)

2021年1月27日、ドイツ図書館協会(DBV)は、ドイツ国内の図書館が図書館間相互貸借(ILL)サービスで取り寄せした文献複写物を追加費用を伴わずに利用者へ直接電子提供することについて、ドイツの著作権管理団体であるVerwertungsgesellschaft(VG) WORTとVG Bild-Kunstが容認したことを歓迎するお知らせを発表しました。

VG WORTとVG Bild-Kunstは、コロナ禍に伴い図書館への利用者の来館が著しく制限された状況を踏まえて、2021年3月31日までの期限を設けて、追加費用を伴わない利用者への電子的な提供を容認しました。DBVのお知らせによると、図書館の休館中にも研究・教育に必要な文献を学生・研究者らに提供するため、ILLにおいて文献複写物の紙媒体による提供を必須とした「一般合意」である“Gesamtvertrag zum Kopienversand im innerbibliothekarischen Leihverkehr”の一時的な免除に対して、VG WORTがドイツ連邦文化大臣会議(KMK)へ合意する旨を連絡したことにより、電子的な提供が可能となりました。

独・De Gruyter社がデジタルプラットフォームをリニューアル

英国のソフトフェア開発コンサルタント会社67 Bricks社が、2021年2月1日付のお知らせで、ドイツの学術出版社De Gruyter社の新しいデジタルプラットフォームの公開を発表しています。

67 Bricks社はクラウド技術を活用して、De Gruyter社の新プラットフォーム構築に貢献しました。新しいプラットフォームでは、De Gruyter社やパートナー企業等の11万冊以上の学術単行書、80万件以上の雑誌論文に、安全・安定で高速のアクセスを提供可能になったことや、柔軟性の高いコンポーネントで構築され出版社がデジタルサービスの迅速な更新が可能となったこと、ユーザーのメリットとして読み込みの高速化・セキュリティの強化などを実現したことを説明しています。

News & insights(67 Bricks)
https://www.67bricks.com/news-insights/
※1 February 2021のNewsとして“67 Bricks launch new digital research platform with De Gruyter”とあります。

独・マックスプランク協会所属の若手研究者によるオープンサイエンスの実践状況の調査(文献紹介)

2021年1月22日付で、オープンアクセス(OA)出版社Frontiersの計量書誌学等を扱う査読誌“Frontiers in Research Metrics and Analytics”に、独・マックスプランク研究所の研究者らによる共著論文“Where Do Early Career Researchers Stand on Open Science Practices? A Survey Within the Max Planck Society”が掲載されています。

同論文は、著者らがマックスプランク協会所属の若手研究者(Early career researchers)に実施した、オープンサイエンスに関するアンケート調査について報告するものです。著者らは同協会に所属する約5,100人の博士号取得候補生(Doctoral Candidate)の研究者を対象に、オープンアクセス(OA)出版・オープンデータ・研究の事前登録・登録済報告書・レプリケーション研究などオープンサイエンスと関連した取り組みについて、知識・意見・実践状況を自己申告で評価するアンケート調査を実施しました。調査には568人から回答を得ています。

カナダ国立図書館・文書館(LAC)、第二次世界大戦中のホロコーストに関する重要資料を蔵書として受入:連合国陣営にホロコーストの進行を公式に報告した最も古い文書

2021年1月27日、カナダ国立図書館・文書館(LAC)は、第二次世界大戦中のナチスドイツ政権によるホロコーストについての重要資料を、同館の蔵書として受入したことを発表しました。

LACが新たに受入した資料は、1943年初頭にポーランド亡命政府が作成した16ページの英文報告書『ドイツ占領下のポーランドにおけるユダヤ人の大量殺戮(The Mass Extermination of Jews in German Occupied Poland)』です。同報告書には、ポーランド亡命政府の外務大臣が第二次世界大戦当時の連合国政府(Allied governments)宛に作成したレポートが含まれています。同レポートは、諜報活動に基づいて入手したポーランド系ユダヤ人大量殺害の詳細と、ワルシャワのユダヤ人居住区「ワルシャワ・ゲットー」から強制収容所への送還について報告した内容で、連合国陣営にホロコーストの進行を伝えた初めての公式文書であることを紹介しています。

ドイツ図書館協会(DBV)、600人以上の図書館長の署名とともに連邦議会の議員に対して公開書簡を提出:図書館における電子書籍貸出の制限を撤廃するため法整備を要望

2021年1月22日、ドイツ図書館協会(DBV)は、国内の図書館長600人以上の署名とともにドイツ連邦議会の議員に対して公開書簡を提出したことを発表しました。

DBVの提出した公開書簡は、図書館が制限なく電子書籍の貸出サービスを利用者へ提供することにより、その文化的・教育的使命を十分に満たすことができるように、連邦議会の議員に対して法整備を求めるものです。公開書簡は、電子書籍の出版が増加し、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため施設としての図書館の閉館も行われ、デジタル情報へのアクセスへの重要性が高まっている中で、ニュース週刊誌『シュピーゲル(Spiegel)』にベストセラーとして掲載されたタイトルの約7割が、図書館での提供に最大1年間の制限があるなど、電子書籍貸出が十分に実施されていない現状を指摘しています。

公開書簡は、著作権法上で電子書籍の貸出に関する権利が明記されていないことなど、法整備の不十分さが公共図書館の電子書籍サービスを阻む原因であるとして、主に次の2点を要求しています。

ドイツ研究振興協会(DFG)、オープンアクセスについての新たなウェブページを公開

2021年1月25日、ドイツ研究振興協会(DFG)は、オープンアクセスについての新たなウェブページを公開したことを発表しました。DFGは2020年にオープンアクセス方針の改訂を行い、現在ではDFGの助成を受けた研究成果はオープンアクセスで出版しなければなりません。記事では以下のDFGのオープンアクセスの取り組みに触れられており、これらの詳細については新ページで公表されているとあります。

・2020年秋には「オープンアクセス出版料」プログラムを開始しており、DFGはオープンアクセス出版のための助成を行っている。このプログラムは、学術雑誌掲載論文と単行本のオープンアクセスを対象としている。

・助成プログラム「科学出版のためのインフラストラクチャ」では、適切な標準と出版インフラストラクチャの開発を促進している。

・様々なイニシアティブ、ネットワークに参加している。2020年の終わりに参加したENABLE!コミュニティでは、革新的な共同出版モデルの開発を通じて、人文社会科学分野のオープンアクセス出版を可能にするパートナーシップネットワークを構築している。

ドイツの図書館統計“Deutsche Bibliotheksstatistik(DBS)”が2021年から学校図書館に関するデータ収集を実施

ドイツ図書館協会(DBV)が2021年1月15日付のお知らせで、2021年以降、ドイツの全国的な図書館統計である“Deutsche Bibliotheksstatistik(DBS)”において、学校図書館のデータ収集が実施されることを発表しています。

DBSは図書館統計に関するISO規格(ISO 2789:2013)に従って、ドイツの公共図書館・大学図書館に関する全国的なデータを収集する事業です。ドイツ連邦文化大臣会議(Kultusministerkonferenz:KMK)の助成の下、地域を超えて連携事業を実施するための図書館ネットワーク“Kompetenznetzwerk für Bibliotheken”(KNB)のサービスの一部であり、ドイツ国内の大学図書館向け情報サービス拠点の1つであるノルトライン-ヴェストファーレン州大学図書館センター(hbz)が実務を担当しています。

ドイツ国立図書館(DNB)、2021年から2024年の優先的戦略事項を発表

2021年1月11日、ドイツ国立図書館(DNB)は、2021年から2024年の4年間の優先的戦略事項として、“Strategische Prioritäten 2021–2024”を発表しました。

DNBの発表した優先的戦略事項は、同館が2016年に発表した中期目標“Deutsche Nationalbibliothek 2025: Strategischer Kompass”を具体化するものです。DNBにとって同様の戦略的優先事項の発表は、2014年・2017年に続いて3度目となります。

公表された優先的戦略事項では、「デジタルコレクションの拡大」「デジタル技術を活用した資料整理の展開」「デジタル技術を活用したコレクションの提供」「文化と科学のネットワーク化」「学習する組織としての発展」の5つのテーマに対して、合計25の行動目標が設定されています。

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