ドイツ

Springer Nature社と独・Max Planck Digital Library、転換契約を締結

2020年10月20日、Springer Nature社と独・Max Planck Digital Library(MPDL)が、転換契約を締結したことを発表しました。

2020年1月にプロジェクトDEALと同社で締結された“Read and Publish”契約をもとにしており、契約期間は2021年1月から4年間です。

同契約により、MPDLの参加機関に所属する論文著者は、同社が刊行する“Nature”やその関連雑誌で、追加費用なく即時にオープンアクセス(OA)出版が可能となります。その他、発表の中では、“Nature”やその関連雑誌の閲覧が可能であること、購読料の大部分をOA出版のサポートに再配分すること等が述べられています。

クラリベイト社、ドイツのOpen Access MonitorにWeb of Scienceのデータを提供

2020年9月30日、クラリベイト社は、ドイツのOpen Access Monitorを同社のデータベースWeb of Scienceからのデータの提供によって支援することを発表しました。この支援では、Web of Scienceに収録されているDACH地域(ドイツ、オーストリア、スイス)の文献についてのデータを一週間ごとに提供します。

Open Access Monitorは、DACH地域の連邦、州、機関単位での出版物のオープンアクセスについて、量と資金という観点から評価を行っています。ドイツ連邦教育研究省(German Federal Ministry of Education and Research (BMBF))から助成されており、ドイツのユーリッヒ総合研究機構(Forschungszentrum Jülich)によって管理されています。

Web of Scienceの責任著者のデータを、OA Monitorから提供された出版費用と関連付けることは、学術図書館コミュニティに幅広い影響を及ぼします。また、このデータは、政策立案者がオープンアクセスへの転換の状況を評価することにも役立つとしています。

ドイツ医学中央図書館(ZB MED)、研究データ管理(RDM)・公正な研究実践における電子実験ノートの選定・導入・活用等に関するガイドを公開

2020年10月7日、ドイツ医学中央図書館(ZB MED)は、生命科学分野を対象とした電子実験ノート(Elektronische Laborbücher:Electronic Lab Notebook)に関するガイドの改訂更新版を公開したことを発表しました。

研究室での実験過程を電子的に記録する「電子実験ノート」を活用する研究機関が増加していますが、内容のモニタリングや研究データ管理(RDM)プロセスへの統合といった「電子実験ノート」に関する新たな課題が惹起しています。また、使いやすさ・機能・接続性・セキュリティなどについての多様なニーズに対応するため、「電子実験ノート」市場では様々な製品が提供される状況にあります。

ZB MEDはこのような「電子実験ノート」に関わる新たな課題を背景に、既存のガイドを更新し、RDMや公正な研究実践における選定・導入・活用等を案内するための改訂更新版を作成・公開しました。改訂更新版のガイドでは、法的枠組みに関する章の新設、ベストプラクティスの更新、詳細情報のリンクの更新や新規追加などが行われています。

ZB MEDが運営する生命科学分野のオープンアクセス(OA)出版プラットフォーム“PUBLISSO”上で、同ガイドの全文が公開されています。

ドイツ国立図書館(DNB)、東西ドイツの統一及び国立図書館の統合から30周年を記念した冊子を刊行

2020年10月1日付で、ドイツ国立図書館(DNB)が、東西ドイツの統一及び国立図書館の統合から30周年を記念した冊子として、“Umbruch, Aufbruch 1990 – 2020. 30 Jahre gemeinsam Zukunft leben”の刊行を発表しています。

1990年の東西ドイツの統一は、1912年に設立されたライプツィヒの「ドイツ図書館(Deutsche Bücherei)」と1946年に設立されたフランクフルト・アム・マインの「ドイツ図書館(Deutsche Bibliothek)」の統合に繋がり、国立図書館にとっても一大画期となりました。DNBは統一30周年の2020年10月1日に、同館の30年の歴史を振り返りながら将来の文化的記憶・文化やメディアの将来の姿を展望する同冊子を刊行しています。

同冊子では、DNBのコレクションから抜粋された30枚の写真や、文化メディア担当国務大臣、ゲーテ・インスティトゥート(Goethe-Institut)の総裁、ドイツ連邦議会の議長、ドイツ出版・書店協会(Börsenvereins des Deutschen Buchhandels)長、ドイツ国立図書館長らの寄稿とともに、統一から30年間のDNBの歴史や将来への展望等が示されています。

Wiley社、ドイツ研究振興協会が助成するオープンアクセス(OA)プロジェクトDeepGreenへプロジェクトDEALとの契約によりOA出版された文献フルテキストの提供を開始

Wiley社の2020年9月29日付のプレスリリースで、同社とドイツ研究振興協会(DFG)が助成するオープンアクセス(OA)プロジェクトDeepGreenが、同社とプロジェクトDEALが2019年1月に締結したOA出版等に関する契約に基づいて出版された文献をドイツ国内のOAリポジトリに配信可能とする共同契約へ署名したことが発表されています。

DeepGreenは出版社稿の論文フルテキストとそのメタデータを自動的に機関リポジトリや分野リポジトリへ配信することで、OAへの転換の促進を目指すプロジェクトです。DFGの助成により2016年から展開されています。2020年9月29日以降、プロジェクトDEALに参加するドイツ国内の500以上の学術機関は、OAリポジトリへのデータ配信システム“DeepGreen-Router”経由で同社とプロジェクトDEALの契約に基づいて出版された文献のPDFファイルとメタデータを自動的に受信可能となりました。データの配信は半年ごとに行われる予定ですが、初回の配信は2019年中に契約の範囲内でOA出版された全ての文献のデータが含まれています。

ドイツ読書バリアフリーセンター(dzb lesen)、DAISY 2.02規格に対応しWindows 10で利用可能なDAISY図書再生用ソフトウェア“DAISY-Leser 2.1”を公開

2020年9月28日、ドイツ読書バリアフリーセンター(Deutsche Zentrum für barrierefreies Lesen:dzb lesen)は、DAISY 2.02規格に対応しWindows 10で利用可能なDAISY図書再生用ソフトウェア“DAISY-Leser 2.1”を公開したことを発表しました。

“DAISY-Leser 2.1”はマウスやキーボードで操作可能なDAISY図書再生用のソフトウェアです。図書内の特定の位置への移動、ページ番号の入力、任意の位置へのブックマークの設定、音声の速度や音量の調整、脚注の表示・非表示の切り替えといったDAISYの仕様が提供する多くの機能を利用することができます。ソフトウェアはdzb lesenのウェブサイトからインストール用ファイルをダウンロードすることで、無料で利用することができます。

独・ネットワーク情報イニシアチブ(DINI)、オープンアクセス(OA)出版サービスに必要な最低限度の基準の一覧を公開

2020年8月21日付で、ベルリン・フンボルト大学(ドイツ)が運営するオープンアクセス(OA)出版プラットフォーム“edoc-Server”に、ドイツのネットワーク情報イニシアチブ(DINI)による文書“DINI Certificate for Open Access Repositories and Publication Services 2019”が公開されています。

学術研究において、出版は科学的な知識や科学全体の発展にとって重要な柱となる営みです。学術コミュニティにおけるその重要な特徴として、著者及び潜在的な読者を含む研究者間の効果的なコミュニケーションを組織化し学術情報の適切な普及を確保すること、出版物の利用者である研究者に品質や著作権等に関する十分な信頼性の存在を伝達すること、引用・長期的な可用性等により持続可能性と検証可能性を保障することの3点が挙げられます。

独・ビーレフェルト大学図書館の運用するオープンアクセス(OA)学術リソース検索エンジンBASEの検索対象が2億件を突破

ドイツのビーレフェルト大学図書館が運用するオープンアクセス(OA)学術リソース検索エンジンBielefeld Academic Search Engine(BASE)は、2020年8月13日付のブログ記事において、8,000件以上の情報源に由来する2億件以上のリソースが検索対象となったことを発表しました。

同ブログ記事では、2012年以降のBASEの情報源とリソース件数の推移を表した表が示されています。また、Crossrefのプラットフォームを介した出版社由来の文献の索引化が件数増加の主要因となっていることや、OA文献探索のためのブラウザ拡張機能UnpaywallのAPI活用によって以前よりも多くのOA文献を提供できるようになったことなどを紹介しています。

Über 200 Millionen Nachweise in BASE(BASE Weblog,2020/8/13)
https://ekvv.uni-bielefeld.de/blog/base/entry/%C3%BCber_200_millionen_nachweise_in

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、世界各国の1,200人以上の研究者を対象とした査読に関する意識調査の結果を公開

2020年8月27日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)は、世界各国の1,200人以上の研究者を対象に実施した査読に関する意識調査の結果として、“Peer Review Motivations Report 2020”を公開したことを発表しました。

英国物理学会出版局は、2018年1月から2020年3月に同出版局の雑誌への査読を行った、または査読の依頼を受けたことのある1,200人以上の研究者に対して、査読の動機等に関する意識調査を実施しました。なお、調査対象とした研究者群については、代表標本を構築するため中国の研究者に意図して偏らせたことや、物理学研究者の現状を反映して回答者の86%が男性となったことを留意点として説明しています。調査から得られた主な知見として以下のことを報告しています。

オランダ・ILP Lab、文化遺産機関によるウェブサイト収集に関するポリシーペーパーを公開:収集における法的課題や複数国の法制度等を調査

2020年8月28日、オランダのThe Glushko & Samuelson Information Law and Policy Lab(ILP Lab)は、ポリシーペーパー“Web harvesting by cultural heritage institutions”の公開を発表しました。

ILP Labは、オランダ・アムステルダム大学情報法研究所(Institute for Information Law)に属しており、学生が運営するイニシアチブです。欧州の情報法分野において、基本的な権利と自由の保護を踏まえた政策解決の発展・促進に携わっています。

このポリシーペーパーは、ILP Labがオランダ国立図書館及びオランダ視聴覚研究所との協力のもと作成したものであり、文化遺産機関によるウェブサイト収集に関する法制度を策定する際に考慮すべき事項を論じています。作成の背景として、オランダには文化遺産機関がウェブサイト収集を許諾なしに行うための法制度がないためオンラインの文化遺産が収集されず日々失われつつあることを、作成の目的として、現在オランダで進められている法制度導入の検討に資することを挙げています。

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