カレントアウェアネス

CA1919 - ミャンマーにおける図書館文化財の保護活動 / 井手亜里

 2015年度から2017年度にかけて、京都大学大学院工学研究科井手研究室により、文化庁の委託事業「ミャンマー連邦共和国の文化遺産のデジタル保存に関する拠点交流事業」が実施された。本事業は京都大学が開発した文化財イメージング技術(1)(2)を活用し、ミャンマーの文化遺産の保存、活用のための共同研究と人材育成を目的としている。

CA1918 - 「地方創生レファレンス大賞」3年間の歩み / 糸賀雅児

 「地方創生レファレンス大賞」とは、図書館のレファレンスサービスの認知度を高め、その普及を図るねらいから、文部科学省生涯学習政策局(以下、文科省生涯局と略)が発案し、図書館関係の組織や団体、有識者らに呼びかけて、3年前に創設した表彰制度である。

CA1916 - 県立長野図書館の改革事業とネーミングライツ制度の導入 / 北原美和

 近年、公共図書館へのネーミングライツ制度の導入が見られるようになってきた(1)

 本稿では、県立長野図書館がこのたび、空間整備を目的に、ネーミングライツ制度を活用して共知・共創の場としての知識情報ラボ「UCDL(ウチデル):Uchida Community Design Labo」を設置した経緯を、当館が現在取り組んでいるこれからの図書館に向けた改革について触れながら解説する。

CA1915 - 公共図書館への継続的な寄付の事例―寄付は地域の図書館を元気にする― / 嶋崎さや香

 2016年度、日本国内の公共図書館全体の資料費予算は279億2,309万円であった。これを10年前と比較すると、8.4%の減少となる。この間に、公共図書館(以下、図書館とする)の数は198館増加していることから、各館の資料費はこの数値以上に削減されている(1)(2)

CA1914 - 国立国会図書館によるベトナム国会図書館支援の取組 / 福林靖博

 ベトナム社会主義共和国は、1980年代のドイモイ政策以降、急速な経済成長を遂げてきた。それに伴い社会情勢が変化する中で、発展に見合った政 治や行政の体制整備が必要となり、1992年に憲法の大幅な改正が行われた。改正後の憲法の規定では、国民の代表機関である国会の権限が強化されており、 それに伴い国会議員の活動を補佐する国会事務局の能力向上が急務とされた(1)

 こうした背景のもとで、ベトナム政府からの日本政府に対する要請を受けて、2014年1月から独立行政法人国際協力機構(JICA)が「国会事務 局能力向上プロジェクト」を開始した。プロジェクトの支援対象はベトナム国会事務局であり、ベトナム国会図書館(NALV)はその一部門である(後述)。 国立国会図書館(NDL)は、衆議院法制局及び衆議院事務局とともに協力機関としてプロジェクトに参画することとなった。当初2017年1月までの3年の 予定であった本プロジェクトは、途中延長を経て、2017年9月まで約3年8か月実施された(プロジェクトフェーズ1)。また、2017年10月以降は フェーズ2としてプロジェクトを継続中である。

 本稿では、フェーズ1においてNDLが取り組んだNALVへの支援を中心に紹介する(2)

CA1913 - 図書館向けデジタル化資料送信サービスの利用促進の取り組み ―静岡大学附属図書館の事例― / 杉山智章, 中川恵理子

静岡大学附属図書館(以下、当館)では2015年10月1日から国立国会図書館(NDL)の図書館向けデジタル化資料送信サービス(以下、「図書館送信」)を導入し、閲覧および複写サービスを利用者に提供している。

 本稿では、当館における「図書館送信」の利用促進について、主に静岡大学附属図書館OPAC(1)(以下、OPAC)の利便性向上の取り組みを中心に述べたい。

CA1912 - 図書館向けデジタル化資料送信サービスの利用状況 -京都市右京中央図書館の事例- / 谷内のり子

 本稿では、京都市右京中央図書館における国立国会図書館(NDL)の図書館向けデジタル化資料送信サービス(以下、図書館送信)の実施状況について述べる。

 京都市右京中央図書館は、京都市の西南部に位置し、2008年6月に右京区総合庁舎の3階に右京図書館を拡大移転して開館した。図書館の専有面積は、京都市図書館20館の中で最大となる約3,000平方メートルであり、一日の平均来館者数は約2,200人、貸出冊数は約4,500冊、一か月当たりの新規登録者数は約410人と、京都市図書館の中ではいずれも最多である(1)。利用者は、右京区民だけでなく広く京都市全域から来館し、また「学生の街」と呼ばれる京都らしく、市内の大学等に通学している学生の利用者も多い。

CA1911 - 図書館向けデジタル化資料送信サービスの統計に見る開始から3年の状況 / 上綱秀治

国立国会図書館(NDL)の「図書館向けデジタル化資料送信サービス」(図書館送信)は、NDLが収集・保存しているデジタル資料のうち、絶版等で入手困 難な資料を全国の公共図書館、大学図書館等の参加館に送信するサービスである。2014年1月21日の図書館送信開始から3年以上が経過した。そこで、参 加や利用に関する統計に基づき、2016年12月時点の状況について報告する。関連する基本的な統計等がNDLのウェブサイト(1)や、毎年刊行される電子出版制作・流通協議会の「電子図書館・電子書籍貸出サービス調査報告」(2)に掲載されているのであわせて参照いただきたい。

CA1910 - ラテンアメリカのオープンアクセスとLa Referencia / 水野翔彦

 

 一般的に、オープンアクセス(OA)の推進には2つの手段があるといわれている。ひとつはOA誌の推進(ゴールドOA)、もうひとつはセルフアーカイブ(グリーンOA)である。

 ラテンアメリカについていえば、学術情報のOAが世界に広まり始めた1990年代、汎米保健機構の仮想保健図書館(1)、CLACSO(2)、SciELO(3)CA1566参照)やRedALyC(4)などのプラットフォーム上でゴールドOAは広がりを見せていた。DOAJ(Directory of Open Access Journals)(5)の登録情報からも、域内の各国が比較的早い時期からOAに取り組んでいることがわかり、ブラジル、メキシコ(6)を中心に2000年代後半にはかなり浸透していた(7)

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