2012年2月16日、中国の大学図書館ネットワーク“CALIS”(China Academic Library and Information System)の書誌レコード50万件が、OCLCの総合目録WorldCatへ投入されたと発表されました。1987年から2001年までの出版物が対象とされています。OCLCとCALISはこのプロジェクトに関して2011年10月25日に協定を結んでいました。今回の投入をもってプロジェクトの第一フェーズを終了し、1年後に必要なコストやILLへの効果等を含めた評価を行う予定とのことです。
2012年2月13日、OCLCが、総合目録WorldCatでRDA(Resource Description and Access)を採用した後の運用方針等についてまとめたディスカッションペーパーを公表し、4月15日までコメントを募集しています。RDA適用以前のレコード(legacy record)をどうするかが一つの焦点になっているようです。
スウェーデン王立図書館(Kungliga Biblioteket:KB)が、2011年12月21日付けで発表した“No deal with OCLC”というニュースの中で、2006年から5年にわたって続けてきた交渉の結果、OCLCの総合目録WorldCatへの参加を見送ったことを公表しています。その理由は、OCLCのレコード利用ポリシーが、KBの開発・運営しているスウェーデンの総合目録LIBRISのポリシーと一致しないこと等にあるとしています。LIBRISのコンテンツは、KBに所有権があるものの他システムへ書誌データを移すなどの自由な利用が認められているそうですが、WorldCatからコピーした書誌データはそのような利用が制限されてしまうことになるそうです。また、KBがWorldCatに参加した場合、自由利用が可能なデータしか受け入れないと発表しているEuropeanaに対して書誌データを提供する際にも問題が起こるとしています。