アイルランド

アイルランド政府、公共図書館のオンラインサービス需要の大幅増への対応として図書館による電子書籍・オーディオブック整備に20万ユーロの追加支援を実施

2020年5月31日、アイルランドの農村・コミュニティ開発省(Department of Rural and Community Development)のMichael Ring大臣は、公共図書館の電子書籍・オーディオブック整備に20万ユーロの支援を実施することを発表しました。

この政府による支援は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大幅に増加した公共図書館のオンラインサービス需要への対応として行われ、感染症拡大初期の2020年3月に行われた20万ユーロの支援への追加として実施されます。また、アクセシブルな電子書籍再生用ソフトウェア“EasyReader”向けコレクションの充実へ2万ユーロの支援を行うことも併せて発表されています。

アイルランド政府は、新型コロナウイルス感染症による社会活動の制限の撤廃に向けた計画として、“Roadmap for reopening society and business”を発表しており、公共図書館は2020年6月8日に開始予定の第2段階において、人数制限・ソーシャルディスタンシングの確保・厳格な手指消毒等の条件の下で、再開館する見込みです。

アイルランド国立図書館(NLI)、新型コロナウイルス感染症拡大に関するアイルランドのウェブサイトのアーカイブ事業を実施中

2020年4月15日、アイルランド国立図書館(NLI)は、同館のウェブアーカイブプログラムの一環として、アイルランドの新型コロナウイルス感染症拡大の経験を物語るウェブサイトの収集を実施していることを発表しました。

アーカイブ対象となるのは、新型コロナウイルス感染症に対抗する政府・医療セクター・アイルランド社会全体の主要な取り組みを扱ったウェブサイトです。

NLIは、現代社会で記録は主にデジタル形式で行われること、ウェブサイトは平均して100日以内に変更または削除されるためアーカイブが行われないとコンテンツの多くが永久に失われること、などからウェブアーカイブ事業の意義を説明し、新型コロナウイルス感染症拡大に関するデジタルコレクションを構築することで、アイルランド社会の経験の収集と将来世代へ継承するための保存を実現する、としています。

アーカイブ対象とするウェブサイトについてはメールフォームからNLIに推薦することもできます。

国際図書館連盟(IFLA)、アイルランド・ダブリンで開催予定の2020年世界図書館情報会議(WLIC)・IFLA年次大会の中止を発表:ダブリンでは2022年に開催

2020年4月9日、国際図書館連盟(IFLA)が、アイルランドのダブリンで開催予定であった2020年の世界図書館情報会議(WLIC)・IFLA年次大会の中止を発表しました。

開催月の8月までに最悪の事態がおさまって安全でオープンで感動的なイベントを実施できるかは不確実である現状に鑑み、IFLAの運営理事会(Governing Board)とアイルランドの国内委員会が決定したものです。会議中に開催予定であった総会については遅くとも2020年11月30日までに開催できるよう日程と場所を調整するとしています。

2021年は予定通りオランダ・ロッテルダムで開催されます。

2022年はニュージーランド・オークランドでの開催が予定されていましたが、会場の整備が遅れており、また、新型コロナウイルスにより準備作業に制限がかかっており、十分な時間が取れないことから、IFLAではニュージーランドの国内委員会と協議し、オークランドでの開催を中止すると発表しています。かわりに、2022年にはダブリンで開催されます。

2023年は、欧州以外の全世界の地域を対象に候補地の募集が行われます。

アイルランド国立図書館(NLI)、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため休館

2020年3月12日、アイルランド国立図書館(NLI)が、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、3月29日まで休館すると発表しています。

対象となる建物は、本館、写真アーカイブ、展示施設の“Seamus Heaney: Listen Now Again”です。

NOTICE: NATIONAL LIBRARY CLOSING ON 12 MARCH(NLI)
https://www.nli.ie/en/list/latest-news.aspx?article=96c0a3d9-4cd7-471e-9b4a-edd05900aa83

@NLIreland(Twitter, 2020/3/12)
https://twitter.com/NLIreland/status/1238094076723036160

英・BMJ、アイルランド共和国と臨床意思決定支援ツール“BMJ Best Practice”に関するナショナルライセンス契約を締結

2020年2月13日、英国の医学系雑誌出版者であるBMJは、アイルランドの公営医療サービスを提供するHealth Service Executive(HSE)の図書館部門“National Health Library and Knowledge Service”と臨床意思決定支援ツール“BMJ Best Practice”に関するナショナルライセンス契約を締結したことを発表しました。

“BMJ Best Practice”は、医療従事者が診断と治療に関する意思決定を行う際に、最新情報への迅速なアクセスを可能とする臨床意思決定支援ツールです。ツールは毎日更新され、最新のエビデンスに基づいた研究・ガイドライン・専門家の意見に基づく、診断・予後・治療・予防に関する段階的な手引きを提供します。

医師・看護師・救急救命士等の対象となるユーザーはIPアドレスによって認識され、レスポンシブデザインのウェブサイトやオフラインでも利用可能なアプリを介して、いつでも“BMJ Best Practice”の提供する情報へアクセス可能になります。また、国内の医療サービス提供主体である各トラストは、電子カルテシステムに“BMJ Best Practice”の情報を統合することもできます。

Library Publishing Coalition(LPC)、大学・研究図書館の出版活動に関するダイレクトリーの2020年版を公開

2020年2月10日、図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”(LPC)が、大学・研究図書館の出版活動に関するダイレクトリー“Library Publishing Directory”の2020年版の公開を発表しました。

PDF版、EPUB版での公開のほか、掲載情報を検索できるオンラインデータベースも提供されています。

米国・カナダを中心に、ニュージーランド・ウクライナ・アイルランド・インド・オーストラリア・ドイツ・英国・ブラジル・南アフリカ・ナイジェリアを含む計153の大学・研究図書館での出版活動が紹介されており、各館ごとの担当部署、ウェブサイト、SNS、出版活動の概観、職員数、財源、OA・有料・ハイブリッドのタイトル数、出版媒体、分野、査読誌の割合、APCが必要な学術雑誌の割合、連携先、出版プラットフォーム、デジタル保存戦略等がまとめられています。

Elsevier社、アイルランドの高等教育研究機関19機関のコンソーシアムと試験的なオープンアクセス(OA)出版モデルへの「転換契約」を締結

2020年2月18日、Elsevier社は、同社とアイルランドの高等教育研究機関によるコンソーシアムが、アイルランドの研究成果物の完全なオープンアクセス(OA)化を支援するため、試験的なOA出版モデルへの「転換契約(transformative agreement)」を締結したことを発表しました。

アイルランドで主要学術出版社との「転換契約」が締結されるのはこれが初めての事例となります。契約はアイルランド国内の大学や工科大学で構成される高等教育研究機関19機関のコンソーシアムがElsevier社と締結しました。3年間の契約期間中、コンソーシアムの19機関に所属する研究者は、Elsevier社のプラットフォームScienceDirect上で電子ジャーナルパッケージ“Freedom Collection”に含まれる全ての文献にアクセス可能になります。また、これらの機関に所属する研究者の研究成果物の70%以上について、論文処理費用(APC)を支払うことなく公開可能とすることで、アイルランドのOAへの転換を促進する内容となっています。

アイルランドの農村・コミュニティ開発省、公共図書館による感覚障害者等に配慮した施設・機器の設置や提供に対して総額80万ユーロの支援を実施

2019年12月16日、アイルランドの農村・コミュニティ開発省(Department of Rural and Community Development)のMichael Ring大臣は、感覚障害・特別な教育的ニーズ・その他の学習障害・自閉症スペクトラム症等を抱える人々に配慮した公共図書館による施設・機器の設置や提供に対して、地方自治体からの資金も含めて総額80万ユーロの支援を実施することを発表しました。

公共図書館への支援対象となる例として、センサリールームの設置・感覚障害を持つ児童向けの遊具や玩具の提供・感覚障害者等への支援技術の導入・自閉症に配慮したサインの設置等が挙げられています。この支援に基づくサービスは、2020年半ばに図書館で利用可能になる予定である、としています。

オランダ王立図書館(KB)とダブリン大学トリニティ・カレッジ(TCD)、近世欧州の重要な個人コレクションであるオランダ・ファーヘルコレクションの目録作成作業を開始

2019年12月9日、アイルランドのダブリン大学トリニティ・カレッジ(TCD)は、オランダ政府及びオランダ王立図書館(KB)の支援を受け、TCD図書館が所蔵するオランダ・ファーヘルコレクション(Fagel Collection)の目録作成作業を開始すると発表しました。

同コレクションは、その多くがオランダの公職に就いていたファーヘル家で5世代にわたって構築されたものですが、フランス革命軍がオランダに進行したことでオランダ総督の書記官(griffier)を務めていたヘンドリックファーヘルがイングランドに留まった際、ロンドンに送られた同コレクションが売却を余儀なくされ、TCDで所蔵されることになったものです。

同コレクションは、近世欧州の重要な個人コレクションの一つで、フランス・ドイツ・英国の著作が多く、歴史・政治・法律分野が充実していますが、哲学・神学・地理学・旅行・自然史・視覚芸術など多様な分野のものが含まれます。最近の調査によると、コレクション内の10%を超すものが現存唯一のタイトルで、また、いくつかの地図は、その地域の最も早く知られた地図であることが判明したと紹介されています。

2020年の世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会はアイルランド・ダブリンで開催:ニュージーランド・オークランドでの開催が2022年に延期になったことを受け

2019年7月26日、国際図書館連盟(IFLA)は、2020年の世界図書館情報会議(WLIC)・IFLA年次大会を、アイルランドのダブリンで開催すると発表しました。期間は8月15日から21日までです。

4月に、2020年に予定していたニュージーランド・オークランドでの開催が2022年に延期されたことを受け、IFLAでは新たな開催地を検討していました。

IFLA World Library and Information Congress host city for 2020 - Dublin(IFLA,2019/7/26)
https://www.ifla.org/node/92327

参考:
世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会、ニュージーランド・オークランドでの開催を延期 2020年から2022年に
Posted 2019年4月16日
http://current.ndl.go.jp/node/38028

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