学術情報流通

韓国において国家知識情報の連係および活用の促進に関する法律(デジタル集賢殿法)が成立:国家の知識情報を1か所で検索・アクセス・活用できるプラットフォームの構築

2021年5月26日、韓国国会は、国家知識情報の連係および活用の促進に関する法律(デジタル集賢殿法)が5月21日に可決成立したと発表しています。

韓国国会図書館(NAL)、政府、公共機関等の国家の知識情報を1か所で検索・アクセス・活用できるプラットフォームの構築を目指すものです。また、コロナ禍以降、非対面教育環境へと転換するなかで、教育コンテンツの生産・流通や、教育・学習支援のためのインフラとなることも想定されています。

NALにおいても、韓国版ニューディール政策の政策課題の1つとして2020年から2025年までの6年間に、国会政策資料・学術資料・国会刊行物・立法懸案資料といった「立法・政策・学術資料」コンテンツを拡充して大規模な知識インフラを構築し、「国会電子図書館」を通じて「デジタル集賢殿」と連携するとしています。また、「国会電子図書館」は、国家学術情報統合データや、ビックデータ分析・主題用語メタデータ管理のためのシソーラス・著者典拠DB、地方議会の議政情報とも連携する計画であるとしています。

“Journal Citation Indicator”の問題点(記事紹介)

学術情報流通に関連した多様な話題を提供する学術出版協会(Society for Scholarly Publishing:SSP)運営のブログ“The Scholarly Kitchen”に、2021年5月24日付けで記事“Journal Citation Indicator. Just Another Tool in Clarivate’s Metrics Toolbox?”が掲載されています。筆者は出版コンサルタントのPhil Davis氏です。

Clarivate Analytics社が新たに発表した学術誌単位の引用評価指標“Journal Citation Indicator”(JCI)は、同社の説明によれば、研究分野ごとに異なる出版率・引用率を正規化することにより、研究分野を超えて解釈・比較できる指標です。なお、JCIの値は、過去3年間に当該学術誌に掲載された全ての論文・レビューの相対被引用度(Category Normalized Citation Impact:CNCI)の平均値であると説明されています。

生命科学画像のデータ形式の標準化とデータ共有リポジトリの整備に向けた提言(記事紹介)

理化学研究所による2021年5月11日付けのお知らせで、同研究所所属の研究者を含む世界11か国の研究者による、生命科学画像のデータ形式の標準化とデータ共有リポジトリの整備に向けた提言が紹介されています。提言は“Nature Methods”オンライン版(2021年5月4日付け)で発表されました。

お知らせでは、提言の背景や内容、将来の展望等が述べられています。

生命科学画像のデータ形式の標準化とデータ共有リポジトリの整備に向けた国際提言-生命科学分野のオープンサイエンスの推進-(理化学研究所, 2021/5/11)
https://www.riken.jp/pr/news/2021/20210511_2/index.html

参考:
E2052 - FAIR原則と生命科学分野における取組状況
カレントアウェアネス-E No.353 2018.08.30
https://current.ndl.go.jp/e2052

Taylor & Francisグループ、単行書出版に関する新たなパイロット事業“Open Plus Books”を開始:F1000のオープンリサーチ出版モデルを活用

2021年5月13日、Taylor & Francisグループは、単行書出版に関する新たなパイロット事業“Open Plus Books”の開始を発表しました。従来の印刷出版モデルと、F1000のオープンリサーチ出版モデルを融合したものであり、Taylor & Francisグループが2020年にF1000を買収して以降、初の両者共同のイニシアチブとあります。

“Open Plus Books”では、著者や編集者は投稿から数日以内に、オープンリサーチプラットフォーム上でのオープンアクセス(OA)単行書の出版が可能となります。各章を独立したものとして扱い、章単位での出版や追加・修正に対応しています。

出版後のオープン査読を選択できる“Open Plus Books+”オプションも提供することや、Taylor & FrancisグループのインプリントであるRoutledge及びCRC Pressでの印刷版出版やOA出版も可能であることも紹介しています。

Europe PMC、心理学分野のプレプリントサーバー“PsyArXiv”の収録論文を検索対象に追加

2021年5月11日、Europe PMCは、心理学分野のプレプリントサーバー“PsyArXiv”の収録論文1万4,000件以上を検索対象に追加したことを発表しました。

発表によれば、Europe PMCは2018年以降、査読誌の論文に加えて29万点近くのプレプリントを検索対象に追加しています。

PsyArXiv preprints now indexed in Europe PMC(Europe PMC, 2021/5/11)
http://blog.europepmc.org/2021/05/PsyArXivpreprints.html

参考:
Europe PMC、プレプリントサーバ“Research Square”に収録された4,500点以上の新型コロナウイルス感染症関連文献のインデクス化を完了
Posted 2021年1月20日
https://current.ndl.go.jp/node/43037

引用分析プラットフォームscite、オープン化された引用データ10億件以上を収録し被引用情報の表示機能を強化

引用分析プラットフォームsciteは、2021年5月18日付けのmediumでの投稿において、Crossref経由で取得したオープン化された引用データ(オープン・サイテーション)10億件以上を収録し、被引用情報の表示機能を強化していることを紹介しています。

sciteが提供する機能「スマート引用」では、対象とする論文が別論文に引用されているという事実に加え、どのように引用されているのかという「引用のコンテクスト」に関する情報も、別論文の本文における該当箇所を表示することにより参照可能となります。

別論文の全文にアクセスできない場合は「スマート引用」の提供は不可となりますが、オープン・サイテーションの利用により、対象とする論文を引用していることが特定できる場合は、書誌情報の表示が行われます。

米国計算機学会(ACM)、抄録データのオープン化を推進するイニシアティブI4OAに参加

2021年5月20日、米国計算機学会(ACM)は、抄録データ(abstracts)のオープン化を推進するイニシアティブI4OAに参加したことを発表しました。

ACMは、今回のI4OAへの参加により、ACMが出版した論文の抄録データをオープンかつ機械可読な方式で提供することを約束する、と述べています。まずACMが出版する学術誌論文の抄録データをCrossrefに提出し、その次の段階では会議論文の抄録データも提出する意向を示しています。

ACM Joins Initiative for Open Abstracts(ACM, 2021/5/20)
https://www.acm.org/media-center/2021/may/acm-joins-i4oa

英国国立・大学図書館協会(SCONUL)と英・Jisc、学術誌購読契約の評価のためのダッシュボード・サービス“Unsub”のSCONUL所属機関の利用に関しOur Research社と契約

2021年5月17日、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)と英・Jiscは、学術誌購読契約評価のためのダッシュボード・サービス“Unsub”利用に関するナショナルサイトライセンスを、同サービスを開発したOur Research社と締結した発表しました。

“Unsub”は現在、英国ではケンブリッジ大学とランカスター大学で個別に使用されていますが、今回の締結により、SCONUL所属機関も“Unsub”を使用できるようになります。

また、今回の締結により、SCONUL所属機関とJiscの間で交渉シナリオ(タイトル選択のシナリオ)を双方向で共有する機能が開発・提供される予定です。同機能では、Jiscによるコンソーシアムレベルでの交渉シナリオが各館アカウント宛に通知され、各館では送られてきたシナリオを各館のデータでフィルタリングし、各館での影響を分析・評価することができます。また、各館で修正したシナリオをダッシュボードに送る機能もあり、そのことで、Jiscはコンソーシアム全体の修正内容を分析・評価することが可能であり、Jiscによるコンソーシアムの運営や契約交渉を支援するものになると紹介されています。

Taylor & Francisグループ、スイス学術図書館コンソーシアムと転換契約を締結

2021年5月4日、Taylor & Francisグループは、スイス学術図書館コンソーシアム(Consortium of Swiss Academic Libraries:CSAL)と3年間の転換契約を締結したことを発表しました。

CSALの26機関の研究者は、所属機関による論文処理費用(APC)負担の下で、同グループの大部分の“Open Select”(ハイブリッド)誌及び全ての完全ゴールドOA誌での出版が可能となります。また、同グループのジャーナル・ポートフォリオ全体へのアクセスも可能となります。

新たな引用評価指標“Journal Citation Indicator”(記事紹介)

Clarivate Analytics社による2021年5月20日付けのブログ記事“Introducing the Journal Citation Indicator: A new, field-normalized measurement of journal citation impact”において、学術誌の新たな引用評価指標“Journal Citation Indicator”が紹介されています。筆者は同社のISI(Institute for Scientific Information)でディレクターを務めるMartin Szomszor氏です。

学術誌単位の指標である“Journal Citation Indicator”は、研究分野ごとに異なる出版率・引用率を正規化することにより、研究分野を超えて容易に解釈・比較できる指標を提供する、と述べています。

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