学術情報流通

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、オープンリサーチのためのプラットフォーム“Cambridge Open Engage”の提供を開始

2020年4月2日、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)は、オープンリサーチのためのプラットフォーム“Cambridge Open Engage”の提供を正式に開始し、研究者が研究成果を直接投稿可能になったことを発表しました。

“Cambridge Open Engage”は、プレプリント・プレゼンテーション・ワーキングペーパー・会議用のポスター・灰色文献など、早期段階の研究成果を公開・共有するためのプラットフォームです。全てのコンテンツは自由に閲覧可能で、また著者は自由に研究成果物をアップロードできます。診療(clinical practice)に関する内容を除くあらゆる分野の研究成果が受付されており、著者は査読や出版に先立って、研究コミュニティへ自身の研究成果を共有可能となっています。

また、学会・研究センター・研究機関・研究助成機関等の組織に対しては、組織内での早期段階のオープンリサーチに関する研究成果の分析や研究の傾向・成長分野に関する知見など、“Cambridge Open Engage”を通したオープンリサーチに関するサービスが提供されます。

韓国教育学術情報院(KERIS)、学術電子資料利用権支援事業で契約した28種類の電子資料を学術研究情報サービス(RISS)を通じて無料で提供:新型コロナウイルスの感染拡大をうけての遠隔授業等を支援

2020年4月2日、韓国教育学術情報院(KERIS)は、学術電子資料利用権支援事業で契約した28種類の学術データベース・電子ジャーナル・電子書籍等を、学術研究情報サービス(RISS)を通じ無料で提供すると発表しました。

新型コロナウイルスの感染拡大をうけて開講の延期や遠隔授業に変更した大学の研究活動を支援することが目的で、大学に所属する学生と研究者が利用できます。

KERISでは2021年からは11種類を追加して39種類の電子資料を提供できるよう準備をしているとしています。

KERIS, 코로나19대비 전자자료 이용 범위 확대 추진으로 대학의 비대면 연구활동 지원(KERIS、新型コロナウイルス感染症に備えて電子資料の利用範囲の拡大を推進して大学の非対面研究活動を支援)(KERIS, 2020/4/2)
https://www.keris.or.kr/main/na/ntt/selectNttInfo.do?mi=1088&nttSn=36456&bbsId=1090

スウェーデン・Bibsamコンソーシアム、締結済のオープンアクセス(OA)出版モデルへの「転換契約」4件の内容詳細をESACのレジストリへ登録

2020年4月2日、Bibsamコンソーシアムを代表してライセンス契約の交渉を行っているスウェーデン王立図書館(NLS)は、締結済のオープンアクセス(OA)出版モデルへの「転換契約(transformative agreement)」4件の内容詳細について、ESAC(Efficiency and Standards for Article Charges)のレジストリへ登録したことを発表しました。

ESACはドイツのマックス・プランク・デジタル・ライブラリー(MPDL)に拠点を置き、欧州を中心とした図書館コンソーシアム等と協調して活動するイニシアチブです。OAへの転換に伴う学術出版市場の展開を示しつつより適切な評価を実施するため、OA市場全般、特に主要学術出版社に関するデータや関連のある事実を収集しています。

ESACはその活動の一環として、交渉中の機関や出版社の判断材料とすること、業務標準や市場の透明性を向上させることを目的として、各国の図書館やコンソーシアムが共有した「転換契約」のレジストリを整備しウェブサイト上で提供しています。レジストリでは多くの場合、契約条件・価格等を含む契約書の全文が提供されています。

米国計算機学会(ACM)、同学会刊行物の電子版を収録する“ACM Digital Library”を期間限定でオープンアクセスに

2020年3月30日、米国計算機学会(ACM)は、同学会刊行物の電子版を収録する“ACM Digital Library”を、2020年6月30日までオープンアクセスとすることを発表しました。

お知らせでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりリモートワーク、オンライン教育への移行が進んでいることに触れつつ、今回のオープンアクセス化が危機の状況下における研究・発見・学習の支援となることを信じている、と述べています。

Open Access to ACM Digital Library During Coronavirus Pandemic(ACM, 2020/3/30)
https://www.acm.org/articles/bulletins/2020/march/dl-access-during-covid-19

ACM Digital Library
https://dl.acm.org/

arXiv、“COVID-19 quick search”を公開:arXivにホストされた新型コロナウイルス関連の研究成果を一覧表示

プレプリントサーバーarXivは、2020年3月30日付けのブログ記事において、“COVID-19 quick search”の公開を発表しています。

“COVID-19 quick search”は、arXivにホストされたコロナウイルス及び新型コロナウイルス感染症に関する全ての研究成果を一覧表示するためのクエリであり、研究成果は日付の新しい順から表示されるようになっています。

プレプリントサーバーmedRxiv及びbioRxivにホストされたコロナウイルス及び新型コロナウイルス感染症に関するプレプリントへの外部リンクも、arXivのウェブサイト上に新たに掲載したとあります。また、記事中には以下の注意事項も示されています。

・他のプレプリントサーバーと同様、arXivは詳細な査読を促進しておらず、ホストする論文の内容を特に推奨するものではない。arXiv上の研究成果は予備的なものと見なされるべきで、臨床診療や健康関連の行動の指針として使用すべきではない。同様に、確立された情報としてニュースメディアで報道されるべきではない。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、プレプリント「Unpaywallを利用した日本におけるオープンアクセス状況の調査」を公開

2020年3月30日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、プレプリント「Unpaywallを利用した日本におけるオープンアクセス状況の調査」の公開を発表しました。

JPCOARオープンアクセスリポジトリ戦略 2019~2021年度に基づいて行われた調査成果の一つであり、著者はJPCOARコンテンツ流通促進作業部会の西岡千文助教(京都大学)と、JPCOAR運営委員の佐藤翔准教授(同志社大学)です。

プレプリントは京都大学学術情報リポジトリKURENAIに登録されています。抄録によれば、日本と世界のオープンアクセス状況を調査したものであり、日本の調査では Unpaywall とScopus に収録されている日本の著者による雑誌論文約200 万件を、世界の調査ではUnpaywall に収録されている雑誌論文約8,000 万件を対象としています。

Unpaywallを利用して日本のOA状況を明らかにしました(JPCOAR, 2020/3/30)
https://jpcoar.repo.nii.ac.jp/?page_id=49#_href_454

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)タスクフォースによるオープンアクセス担当者養成等に関する海外文献3件を日本語化

2020年3月31日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、同協会の人材育成作業部会がオープンアクセスリポジトリ連合(COAR)タスクフォースによるオープンアクセス担当者養成等に関する海外文献3件を日本語化したことを発表しました。

JPCOARは、文献日本語化の目的として、機関リポジトリ新任担当者研修のリニューアル、情勢に即した新種のセミナー等の企画検討の参考資料とすることを挙げ、今後の研修・セミナー企画につなげていく、としています。日本語化された海外文献は、COARがかつて取り組んでいたeリサーチと学術コミュニケーションに関わる図書館員の能力に関するタスクフォース“Librarians’ Competencies for E-Research and Scholarly Communication”によって作成された3件の文献です。

Scopusのデータに基づくTwitter上の言及の論文への引用状況の実証分析(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2020年3月25日付で、文献“Which Papers Cited Which Tweets? An Empirical Analysis Based on Scopus Data”が公開されています。

この文献は2020年9月にデンマーク・オーフスで開催予定の科学技術イノベーション指標に関する国際会議STI2020の会議録として投稿されたものです。著者は独・マックスプランク研究所のRobin Haunschild氏らです。

Haunschild氏らは、Twitter上の言及の学術的な影響関係を調査するために、論文の中で引用されたツイートに関する調査を行いました。調査にはElsevier社の抄録・引用文献データベースScopusが利用され、2007年から2019年に出版されたScopus収録論文のうち、Twitter上の言及を引用文献に挙げている2,910件の論文が分析対象になっています。

F1000Prime、新型コロナウイルス感染症に関する重要論文の推薦情報を無料公開に

F1000Prime の2020年2月28日付けブログ記事で、新型コロナウイルス感染症に関する重要論文の推薦情報について、無料でアクセス可能としたことが紹介されています。

F1000primeはFaculty of 1000が提供する、生物学・医学分野の研究者から優れた論文の推薦を求め、その情報を取りまとめたサービスです。

COVID-19: Capturing the research that matters most(F1000Prime Blog, 2020/2/28)
https://blog.f1000.com/2020/02/28/covid-19-capturing-the-research-that-matters-most/

The COVID-19 articles you need to read(F1000Prime)
https://f1000.com/prime/covid-19/

台湾国家図書館、学位論文の著者に同館データベース上での全文公開許諾を呼び掛け:感染拡大防止期間における知識共有促進のため

2020年3月26日、台湾国家図書館は、同館の修士・博士論文データベース「台湾博碩士論文知識加値系統」に収録されている学位論文の著者に対し、全文公開許諾の呼び掛けを発表しました。

「台湾博碩士論文知識加値系統」では、利用登録を行なえば51万点を超える学位論文の全文を無料で閲覧できるものの、まだ31万点余りの論文が公開の許諾を得られておらず、閲覧には国家図書館に直接来館する必要があるとしています。新型コロナウイルスの感染が拡大している状況において、遠方からの来館による感染リスクを避けつつ知識共有の促進を図るため、今回の呼び掛けが行われました。

許諾の手続きは、ダウンロード・印刷した許諾書に自筆で記入し、オンラインフォームに記入済みの許諾書画像を添付して提出するという流れになっており、簡易に行えるものであることも記載されています。

國家圖書館呼籲民眾授權學位論文全文公開,防疫期間共同促進知識便捷共享(台湾国家図書館, 2020/3/26)
https://www.ncl.edu.tw/information_237_10809.html

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