学術情報流通

Elsevier社、抄録・引用文献データベースScopus搭載の1,650万件の論文に助成情報を付与

2021年4月12日、Elsevier社が、抄録・引用文献データベースScopusの1,650万件の論文に助成情報を付与したと発表しています。これにより、当該研究成果に助成を行った助成機関を詳細に確認することができるようになったとしています。

Funding Sponsorの検索結果のファセット機能を強化したことで、特定の助成機関から助成を受けた研究を同定することを容易にしたもので、助成機関の組織の階層構造を把握することで、助成機関の親機関名で検索すると、当該機関の下部組織が助成した研究成果を含む結果を得ることができるようになっています。

単行書へのCC BYライセンス適用と第三者による複製版販売の問題(記事紹介)

オープンアクセス(OA)出版に携わるUbiquity Press社のブログに、2021年4月9日付けで記事“CC BY: A (Somewhat) Cautionary Licensing Tale”が掲載されています。

同社ではこれまで、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BYライセンスの下で単行書を刊行してきました。本記事では、同社が2020年の年末に直面した、別の企業による単行書再販売の問題が紹介されています。

当該企業は、これまでUbiquity Press社を含む複数社がCC BYで刊行した単行書を取得し、それらを自社の名義で販売していました。法的な問題はないものの、これら複製版の単行書によりいくつかの問題が生じたと述べています。記事では複数の問題を挙げており、その例としては次のような内容が含まれています。

・多くのオンライン小売サイトでの検索結果において、これら複製版のほうがより「新しい」ためにオリジナル版よりも上の順位で表示され、読者がオリジナル版を探しづらくなった。
・単行書内の画像等のコンテンツがCC BYより厳しい利用条件で提供されている場合、複製版ではぼかしが入れられたり削除されたりしていた。表紙画像も異なるデザインになるなど、品質上の問題がみられた。

ラテンアメリカとアフリカの機関がオープンサイエンスに関する活動強化のため覚書を締結:LA ReferenciaやWACREN等の5機関

2021年4月1日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、ラテンアメリカとアフリカの機関がオープンサイエンスに関する活動強化のため覚書(Memorandum of Understanding:MoU)を締結したことを発表しました。

覚書に参加した機関は、ラテンアメリカではLA Referencia及びRedCLARA、アフリカではASREN、WACREN、UbuntuNet Allianceです。連携のねらいとして、国際協力の枠組のなかで、各大陸独自のニーズや状況を反映したオープンサイエンス政策、サービス、インフラの進展を図ることを挙げています。

発表では、グローバル・サウスのオープンサイエンス及びリポジトリのための、相互運用可能で国際的なエコシステムを拡大・強化する上で、今回の締結は重要なマイルストーンとなる、と述べています。また、締結に際しCOARも支援を行っており、今後もオープンサイエンスに関する知見の交換や、LA Referenciaのソフトウェアに関して地域間の技術移転を支援するとしています。

カナダ研究知識ネットワーク(CRKN)、OA2020の関心表明に署名

2021年4月8日、カナダ研究知識ネットワーク(CRKN)は、学術誌のオープンアクセス(OA)化を目指すイニシアチブ“OA2020”の関心表明(Expressions of Interest:EOI)に署名したことを発表しました。

発表では、CRKNによる“OA2020”への参加について、OAに向けた持続可能な道筋を見出す上でのカナダの役割と、学術コミュニケーションを変革する上での国際協力の必要性を強調するものであると述べています。

CRKN Signs Open Access 2020 Expression of Interest(CRKN, 2021/4/8)
https://www.crkn-rcdr.ca/index.php/en/crkn-signs-open-access-2020-expression-interest

北米の研究図書館センター(CRL)、OA2020の関心表明に署名

2021年4月5日、北米の研究図書館センター(CRL)は、学術誌のオープンアクセス(OA)化を目指すイニシアチブ“OA2020”の関心表明(Expressions of Interest:EOI)に署名したことを発表しました。

CRLは研究図書館のコンソーシアムであり、200を超える米国・カナダの機関が参加しています。CRLは今回のEOIへの署名を通じ、学術誌の持続可能なOAビジネスモデルの推進に向けて尽力する旨を表明しています。

CRL Signs OA2020 Expression of Interest(CRL, 2021/4/5)
https://www.crl.edu/news/crl-signs-oa2020-expression-interest

Wiley社とResearchGate、Wiley社が発行する学術誌の一部をResearchGate上で利用可能とするパイロットプロジェクトを開始

2021年4月8日、Wiley社と研究者向けSNSのResearchGateは、Wiley社が発行する学術誌の一部をResearchGate上で利用可能とするパイロットプロジェクトの開始を発表しました。

両者が2020年5月に締結したパートナーシップに基づくプロジェクトであり、実施目的として、著者の時間節約、査読済み論文の可視性・発見可能性の向上、研究のインパクト測定を挙げています。

同日開始されたプロジェクトの第1段階では、Wiley社が発行するゴールドオープンアクセス(OA)誌17誌に掲載された論文を、ResearchGate上で利用可能とします。今後の掲載分を含め、2019年以降の掲載分が対象となります。

2021年後半に予定されている第2段階では、購読誌・ハイブリッドOA誌計85誌を対象として、これらの学術誌へのアクセス権を有する機関の所属者向けに、ResearchGate上でのアクセスを提供するとしています。

スウェーデン王立図書館、オープンアクセス(OA)に関する調査報告書の英語版を公開:OAに関する政府目標達成支援を目的とした調査の成果

スウェーデン王立図書館(NLS)が、2021年3月付けでオープンアクセス(OA)に関する調査報告書の英語版を公開していました。

NLSは2017年から2018年にかけて、OAに関する政府目標達成支援を目的とした調査を行いました。その成果として、スウェーデン政府への推奨事項を含む5つの報告書をとりまとめ、2019年3月にスウェーデン教育研究省(Swedish Ministry of Research and Education)に提出していました。5つの報告書は次のとおりです。

DataCiteメタデータスキーマver.4.4が公開:データセット以外のリソースにも対応

2021年3月31日、研究データの共有と活用の向上にむけて活動を行っている国際コンソーシアムDataCiteが、DataCiteメタデータスキーマver.4.4を公開しました。

新しいスキーマでは、DataCiteのDOIを付与されたリソースの種類に関する統計から、データセット以外のリソースの記述にスキーマが使われている傾向があることがわかったことから、そのような記述が容易になるように改訂されました。

DataCiteの説明によると、新しいバージョンでは、リソースの識別においてテキストベースの成果により対応できるように、プロパティ(Property)の“resourceTypeGeneral”が拡張されており、値(Value)には、新たに生まれた“ComputationalNotebook”といったものも含まれるとしています。また、テキストベースの学術成果を詳細に記述できるようにもなっており、登録されているリソースに関する情報(論文・会議報告・書籍など)の含め方に関して、新しくプロパティ“relatedItem”やサブプロパティが設定されており、引用の記述や構造化された方法でタイトル・巻号・頁といった情報を追加することが可能となった等と説明されています。

韓国教育学術情報院(KERIS)、学術研究情報サービス(RISS)を通じて大学所属の研究者等に無料で提供する電子資料が39種類になったと発表:2022年度には48種類に拡大予定

2021年3月30日、韓国教育学術情報院(KERIS)は、学術研究情報サービス(RISS)を通じて大学所属の研究者等に無料で提供する電子資料が39種類になったと発表しています。

教育部と共同で行っている学術電子資料利用権支援事業において、Wiley Online Library等11種類のパッケージを追加で導入したもので、コロナ禍における大学における非対面での研究を支援することを目的としています。

これにより、国内の大学に所属する学生と研究者は、RISSを通じて、4万3,000種類の学術誌を含む、学術データベース、電子ジャーナル、電子書籍等を無料で利用できるようになります。

KERISでは、今後9種類のパッケージを新規導入し、2022年度には48種類までに拡大する予定です。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、報告書「機関リポジトリにおける識別子・ライセンスの付与状況」を公開

2021年4月2日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、報告書「機関リポジトリにおける識別子・ライセンスの付与状況」の公開を発表しました。著者は京都大学附属図書館の西岡千文氏です。

JPCOARでは、「JPCOARオープンアクセスリポジトリ戦略2019~2021年度」に基づき、2020年度に機関リポジトリにおける識別子・ライセンスの付与状況についての調査を行いました。同報告書はその成果の一つです。

同報告書では、2020 年 7 月 2 日時点で学術機関リポジトリデータベース(IRDB)に登録されている全レコード315万4,770件(ファイルがあるものは253万4,934 件)が調査対象となっています。冒頭では主な調査結果として、DOIの付与率、ライセンスの記載状況など11点が示されています。

また、Crossref REST APIを使用し、DOI が付与されているにも関わらず、メタデータにDOI が適切に入力されていないレコードの調査も試行されました。調査対象とした3万2,587 件のレコードのうち、そのようなレコードは推定 1万2,632件存在するとしています。

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