学術情報流通

米・LYRASIS、米国の図書館におけるオープンコンテンツへの取組状況を調査した報告書を公表

2020年6月18日、米国の図書館等のネットワークLYRASISは、米国の図書館におけるオープンコンテンツへの取組状況を調査した報告書“Understanding the Landscape of Open Content Activities in United States Libraries”を公表しました。

調査は、オープンアクセス(OA)スカラシップ、オープンデータ、オープン教育資源(OER)に関する取組や財政支援の実施状況に焦点を当てた内容となっています。LYRASISのメンバー館等を対象として2020年1月31日から3月22日にかけオンラインで実施され、回答者は質問計30問への回答を求められました。計224の回答が寄せられ、空白回答や同一機関のメンバーからの重複回答の削除を経て、計166の回答が分析に用いられました。

報告書では、OAスカラシップのための機関リポジトリは広く学術図書館で採用されているが教員による学術コンテンツの登録は限定的であること、外部のOAイニシアチブへの財政支援を実施している機関は少ないこと、多くの大学図書館は機関リポジトリでOERへのアクセス提供を行っていないこと等の調査結果が図表を用いて示されています。また、調査に用いた質問票がPDF形式で、回答データがExcel及びCSV形式で公開されています。

Springer Nature社、統合型プレプリント共有サービス“In Review”を論文執筆者に無料で提供:“Nature Communications”と“Nature Biomedical Engineering”の2誌が対象

2020年6月15日、Springer Nature社は、“Nature Communications”と“Nature Biomedical Engineering”の2誌で、一次研究論文を投稿する執筆者が統合型プレプリント共有サービス“In Review”を無料で利用できるようになったことを発表しました。

“In Review”は、同社とResearch Square社が共同で開発を行い、2018年に公開され、研究成果の早期共有と透明性の高い査読を可能としたものです。発表の中では、“Nature Communications”でプレプリントを可視化するために2017年から導入された “Under Consideration”は、段階的に廃止するとしています。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、Plan S準拠状況に関するリポジトリプラットフォームへのアンケート調査結果を公表

2020年6月17日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、リポジトリプラットフォームへのアンケート調査結果を公表しました。Coalition Sとの協議を経て、リポジトリプラットフォームの現在のPlan S準拠状況と今後の準拠の意向有無、準拠する上での課題を特定するために実施されたものです。

調査は2020年4月から5月にかけて行われ、16のリポジトリプラットフォームから回答を得ました。Plan S準拠のためのガイダンスで示された、リポジトリに求められる必須基準及び推奨基準について、現在の実装状況と今後の実装意向を尋ねており、調査の要点として以下の点を示しています。

・ほとんどの回答者は必須基準を満たしており、一部未実装の基準がある回答者も今後実装する意向を示していること
・回答者はすでに推奨基準の多くを達成していること

数名の回答者からは、必須基準の内容がかなりあいまいであるため、リポジトリ毎に解釈が分かれる可能性があるとの指摘も寄せられました。COARは引き続きcOAlition Sと協力し、Plan Sが想定する主要機能の実装においてリポジトリプラットフォームを支援するため、より詳細なガイダンスの作成を行うとしています。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)コンテンツ流通促進作業部会、次期JAIRO Cloud(WEKO3)βテスト動画教材を公開

2020年6月17日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)のコンテンツ流通促進作業部会は、次期JAIRO Cloud(WEKO3)βテストに関する実施説明動画として、動画教材を公開したことを発表しました。

「基本の操作」「アイテムタイプの確認」「アイテムの確認」「インデックスの確認」「著者名典拠の確認」「ページ・モジュールの確認」の6本の動画がYouTube上で公開され、視聴可能になっています。

次期JAIRO Cloud(WEKO3)βテスト動画教材の公開について(JPCOAR,2020/6/17)
https://jpcoar.repo.nii.ac.jp/?page_id=141#_href_487

学術出版プラットフォームRedalycとAmeliCAがDOAJとの共同事業を発表:DOAJへのラテンアメリカの非APCベースのオープンアクセスジャーナル収録増加等を目指す

2020年6月5日、メキシコ州立自治大学の運営する学術出版プラットフォームRedalycとラテンアメリカの非営利民間団体のイニシアチブとして活動する学術出版・オープンサイエンスのための情報基盤AmeliCAは、DOAJ(Directory of Open Access Journals)と共同事業を実施することを発表しました。

三者は共同事業において、ラテンアメリカの非APCベースのオープンアクセス(OA)ジャーナルのDOAJへの収録増加や、ジャーナル出版の効率化・コンテンツの可視性向上に関するRedalyc・AmeliCAの先進的技術の拡大を目指します。Redalyc・AmeliCAは特に人文・芸術・社会科学分野を対象に、ラテンアメリカの非営利のOAジャーナルの可視性向上・よりよい標準への準拠・ベストプラクティスの採用に努めることを表明しています。DOAJにとってRedalyc・AmeliCAとの共同事業は、フィンランド学会連盟との共同プロジェクトやカナダの学術プラットフォームÉruditとの協調に続くものであり、その収録範囲がさらに拡大されることになる見込みです。

Europe PMC、新型コロナウイルス感染症に関する研究論文のプレプリント版についてXML形式のフルテキストを閲覧・再利用可能にするための新プロジェクトを発表

2020年6月8日、Europe PMCは、新型コロナウイルス感染症に関する研究論文のプレプリント版について、標準的なXML形式のフルテキストを閲覧・再利用可能にする取り組みを実施することを発表しました。

この取り組みは英国のウェルカム・トラストの支援、及び英国医学研究会議(UK Medical Research Council:MRC)・スイス国立科学財団(SNSF)との提携による新しいプロジェクトとして実施されます。今後数週間から数か月をかけて、Europe PMCはプレプリントサーバーやプレプリント版の著者と掛け合い、可能な限り多くの新型コロナウイルス感染症に関連する研究のプレプリント版がEurope PMC上で閲覧・再利用可能となるように取り組む予定です。また、主要なプレプリントのプラットフォームで公開された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)または新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する研究の責任著者に対しては、近日中に対応する研究論文プレプリント版のEurope PMCバージョンについて確認を依頼する、としています。

物質・材料研究機構(NIMS)、材料データの利活用に資するリポジトリ“Materials Data Repository”(MDR)を公開

2020年6月15日、物質・材料研究機構(NIMS)の統合型材料開発・情報基盤部門 材料データプラットフォームセンターは、材料データの利活用に資するデータリポジトリ“Materials Data Repository”(MDR)を公開しました。

MDRは、論文や学会発表資料等および付随する材料データの収集・保存を行い、物質・材料研究の推進やマテリアルズ・インフォマティクスに適した形で蓄積・公開するためのものであり、ユーザーは自由に閲覧やデータのダウンロードを行えます。ユーザー登録や利用料は不要です。

また、既存のNIMSリポジトリである文献用の“PubMan”および 画像データ用の“Imeji”の内容や一部、NIMS物質・材料データベース(MatNavi)についても、MDRにデータが移行されます。

米・オハイオ州立大学図書館とTaylor & Francisグループが3年間の“Read and Publish”契約を締結

2020年6月10日、米・オハイオ州立大学図書館とTaylor & Francisグループは合同して、“Read and Publish”契約を締結したことを発表しました。

同契約はオハイオ州立大学にとって初めての“Read and Publish”契約となります。また、Taylor & Francisグループにとっては北米で締結した初めての“Read and Publish”契約となります。

契約期間は2020年7月からの3年間です。契約に基づき、オハイオ州立大学の構成員は2,300タイトル以上を提供するTaylor & Francisグループのジャーナルコレクションへ継続してアクセス可能となります。また、Taylor & Francisグループの学術雑誌へ掲載される同大学著者の論文のオープンアクセス出版にかかる費用も契約の範囲内に含まれています。

英・JiscのPublications RouterとElsevier社の研究情報管理システム“Pure”がシステム連携を開始

2020年6月9日、英・Jiscは、論文のメタデータおよびフルテキストを出版社等から各大学の機関リポジトリ等へ通知・転送するためのシステムPublications Routerが、Elsevier社の提供する研究情報管理システム“Pure”と連携を開始したことを発表しました。

両システムの連携により、Pureを利用して論文のオープンアクセス(OA)状況を管理している英国の約50の機関が、Publications Routerが提供するコンテンツ・アラート等の自動配信等のサービスを利用可能になっています。

両システムの連携は、JiscとElsevier社のオープンサイエンスに関する枠組である“Jisc-Elsevier Open Science Forum”が2019年2月に公開した声明を履行するものとして実施されます。

欧州研究図書館協会(LIBER)、2019/2020年の年次報告書を公開

2020年6月12日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、2019/2020年の年次報告書である“LIBER Europe 2019-2020 Annual Report”のリポジトリZenodo上での公開を発表しました。

LIBERによる年次報告書の公開は、2018/2019年版に続き今回が2度目となります。2019年6月から2020年5月までの主な出来事、2018-2022年の戦略計画の進捗状況、関与した国際的なプロジェクト、年次大会や季刊誌“LIBER Quarterly”に関するデータ、会計状況等が報告されています。

年次報告書公開に関する発表では、対象期間内の主な出来事として、第48回年次大会の開催、同大会でLIBERの運営を持続可能とするための提案が採択されたこと、国際プロジェクト(SSHOC、INOS、 reCreating Europe)での他機関との協力実施、第49回年次大会のオンライン開催決定、ウェビナーを17回開催し計2,500人以上の参加があったこと、LIBERに新たに10機関が参加したことなどを挙げています。

ページ