学術情報流通

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、近刊学術書をオープンアクセス(OA)化するためのクラウドファンディングキャンペーンを開始

2019年10月24日、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)は、近刊学術書をオープンアクセス(OA)化するためのクラウドファンディングキャンペーンを開始したことを発表しました。

キャンペーンはCUPとクラウドファンディングサービスのプラットフォームを提供する出版社Unboundとの提携によって実施されます。CUPにとって単行書に対するクラウドファンディング実施は初めてのことで、Unboundにとっても学術出版社との提携は初めてのことになります。

クラウドファンディングの対象となっているのは、スコットランドのナショナリズムの根源を扱った英・オックスフォード大学Ben Jackson准教授による2020年刊行予定の書籍“The Case for Scottish Independence: The Political Thought of Scottish Nationalism, c. 1960-2014”です。3か月間のクラウドファンディングキャンペーンによりOA化のための費用を調達することが目指されています。

米・ノースカロライナ大学チャペルヒル校図書館、SAGE社とオープンアクセス(OA)出版等に関する試験契約を締結

2019年10月22日、米・ノースカロライナ大学(UNC)チャペルヒル校図書館は、SAGE社とオープンアクセス(OA)出版等に関する試験契約を締結したことを発表しました。

締結された試験契約は同校所属の研究者が、SAGE社の雑誌で追加費用を支払うことなく論文をOAで出版することを可能にするものです。契約に基づき、2020年からSAGE社のコンテンツへ支払う購読料の一部が、同校所属の著者による研究成果物をOAで出版するための費用に充てられます。この試験契約により機関側へ追加費用が発生することはなく、現在SAGE社から購読しているコンテンツへのアクセスはそのまま維持されます。

Library to Debut Open Access Pilot with SAGE Publishing(UNC Libraries,2019/10/22)
https://library.unc.edu/2019/10/sage-pilot/

科学技術振興機構(JST)、2019年度第1回J-STAGEセミナー「国際動向への対応:オープンアクセス(Plan S)」の開催報告書を公開

2019年10月10日、科学技術振興機構(JST)は、2019年6月21日に開催した2019年度第1回J-STAGEセミナー「国際動向への対応:オープンアクセス(Plan S)」について、開催報告書の公開を発表しました。

同セミナーで行われた下記講演の概要、質疑応答の内容等が掲載されています。

・Adapting to a transformative future: Open Access and Plan S
Dugald McGlashan氏(INLEXIO)

・プランSが学術出版に与える影響について~欧州発論文の分析を中心に
野村紀匡氏(クラリベイト・アナリティクス)

・日本の助成・研究機関におけるオープンアクセス方針
李東真氏(JST)

・CC ライセンス・DOAJ の概要
小田島亙氏(JST)

・DOAJ収載・CCライセンス設定に関する取組み①
コミュニティの研究成果を広く、早く、安全に発信するために―日本表面真空学会「e-Journal of Surface Science and Nanotechnology」
松田巌氏(日本表面真空学会)

科学技術振興機構(JST)、「J-STAGE NEWS 20周年特別号」を公開:J-STAGE20周年を記念

2019年10月21日、科学技術振興機構(JST)は、「J-STAGE NEWS 20周年特別号」の公開を発表しました。JSTが提供する電子ジャーナルプラットフォームJ-STAGEが、1999年10月のサービス開始から20周年を迎えることを記念した特別号です。

同号には、「J-STAGE 誕生 20 周年によせて」と題した特別寄稿及び対談をはじめ、J-STAGEの歩みを振り返る記事が掲載されています。

ニュース(J-STAGE)
https://www.jstage.jst.go.jp/static/pages/News/TAB1/Current/Page1/-char/ja
※2019年10月21日付けのニュースに「J-STAGE NEWS 20周年特別号 を発行しました。」とあります。

Taylor & Francis社、研究者を対象とした学術情報流通に関する意識調査のレポートを公表

2019年10月21日、Taylor & Francis社は、研究者を対象とした学術情報流通に関する意識調査のレポートとして、“Taylor & Francis researcher survey 2019”を公開したことを発表しました。

調査は2017年から2019年の間にTaylor & Francis社の雑誌で学術論文を出版したことのある著者を対象として、2019年7月にオンラインアンケートツールSurveyGizmoにより実施されています。公表されたレポートは2,755人の研究者の回答に基づいて作成されました。

レポートはTaylor & Francis社のウェブサイトからダウンロードすることができます。また、研究データ公開プラットフォームfigshareで調査結果の完全なデータセットが公開されています。

公表されたレポートでは調査の結果として、次のようなことが示されています。

・大半の研究者(88%)は、誰もが研究成果にアクセスできることの意義を認めている。

・自身の研究成果が必要とされる全ての人にアクセス可能な状態にあると認識している研究者は半数以下であり、人文社会科学系の研究者に限るとわずか33%であった。

カナダ研究図書館協会(CARL)とカナダ連邦政府助成機関の3機関、OpenAIREと提携してオープンアクセス(OA)の研究成果の発見可能性を向上させる試験プロジェクトを実施

2019年10月23日、カナダ研究図書館協会(CARL)は、カナダ連邦政府の助成機関3機関とともに、OpenAIREと提携してカナダで生産されたオープンアクセス(OA)の研究成果の発見可能性を向上させることを目的とした試験プロジェクトを実施することを発表しました。

カナダでは、カナダ保健研究機構(Canadian Institutes of Health Research:CIHR)、カナダ自然科学・工学研究会議(Natural Sciences and Engineering Research Council of Canada:NSERC)、及び社会・人文科学研究会議(Social Sciences and Humanities Research Council:SSHRC)の3つの連邦政府助成機関が、研究コミュニティの成果物のオープン化を促進するためのポリシーを実施しています。しかし、これらの研究成果は様々なプラットフォーム・リポジトリ・サービスに分散し、これらを発見し追跡する包括的な方法がありません。また、ある研究成果物やデータセットを研究資金助成機関と関連付けるための標準的な方法も存在しない状況にあります。

米・カリフォルニア大学アーバイン校、大学システム内で初めて同大学の拡大オープンアクセス(OA)方針を実施

2019年10月23日、米・カリフォルニア大学は、同大学のアーバイン校が大学システム内で初めて“UC Presidential Open Access Policy”の実施校となったことを発表しました。

“UC Presidential Open Access Policy”は2015年に発行された、カリフォルニア大学のオープンアクセス(OA)方針の対象を、大学評議会(Senate)を構成しない大学所属の全ての学術論文著作者へも拡大したOA方針です。アーバイン校の拡大OA方針実施により、同校所属の臨床系教授や図書館員等が、自身の学術論文を同大学の機関リポジトリeScholarshipを通じて自由にOA化することができるようになっています。

Springer Nature社、設立50年以下の大学の研究力に関するランキングNature Index Young Universitiesを公開:中国・韓国・シンガポール等のアジア諸国の新興大学が高評価

Springer Nature社は2019年10月23日付のプレスリリースで、82の高品質科学ジャーナルに掲載された論文を基にした研究者所属情報に関するデータベースNature Indexにおいて、設立50年以下の大学の研究力に関するランキングNature Index Young Universitiesが公開されたことを発表しました。

新興大学を対象にしたランキングはNature Indexにとって初めての試みです。公開されたNature Index Young Universities特別冊子の印刷版では、2018年のNature Indexにおけるある論文への各共著者の相対的貢献度を示す指標Fractional count(FC)に基づく上位50校のテーブル“Nature Index Young Universities”と2015年から2018年にFCがどれだけ上昇したかによって順位付けした上位25校のテーブル“Rising Young Universities”の2種類のテーブルが掲載されています。また、オンライン版では分野別のランキングも公開されています。

大学・研究図書館協会の国際的な連合体IARLA、Plan Sに対する声明を発表

2019年10月23日、北米研究図書館協会(ARL)・カナダ研究図書館協会(CARL)・オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)・欧州研究図書館協会(LIBER)・英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)による大学・研究図書館協会の国際的な連合体“International Alliance of Research Library Associations”(IARLA)は、Plan Sに対する声明“A View of Plan S”を発表しました。

論文のオープンアクセス環境を目指す動きと、その達成のための助成機関のポリシーとの調整を歓迎するとし、Coalition Sが公開するPlan Sの全体目標について支持を表明しています。

その上で、Plan S実現の手引きにおいて、初版から変更があった箇所のうち肯定的に評価する箇所5点を示しているほか、要望として次の3点を挙げています。

ジャパンリンクセンター(JaLC)、保有するメタデータのオープン化計画を発表

2019年10月1日、ジャパンリンクセンター(JaLC)運営委員会は、メタデータのオープン化に伴い「ジャパンリンクセンター参加規約」および「ジャパンリンクセンター運営規則」を変更することを発表しました。

公開された資料「メタデータのオープン化に伴う JaLC 参加規約および運営規則の改正について」では、JaLCの保有するメタデータのオープン化計画が説明されており、次のような内容等が述べられています。

・これまでは利用できるメタデータの範囲に制限が設けられていたものの、今後JaLC 正会員が JaLC システムに登録する全てのメタデータをオープン化すること
・オープン化するメタデータには、書誌データ、URI、引用情報(引用文献や引用データ等の引用に関する情報)、抄録が含まれること
・現時点では2020年4月から段階的にオープン化を実施する予定であること

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