学術情報流通

CHORUS、各出版社が定めたソフトウェアの引用に関するポリシーへのリンクをまとめたウェブページ“Software Citation Policies Index”を公開

2021年6月7日、公的助成研究成果のパブリックアクセスに向けた官民連携イニシアティブCHORUSは、各出版社が定めたソフトウェアの引用に関するポリシーへのリンクをまとめたウェブページ“Software Citation Policies Index”の公開を発表しました。

国際イニシアティブFORCE11の「ソフトウェア引用ワーキンググループ」(Software Citation Working Group)との協力により作成されたものであり、少なくとも年1回の更新を行う予定とあります。

近年、出版社はソフトウェアの引用に関するポリシーを出版社又は学術誌単位で定め、周知を行っています。発表では、その多くが「ソフトウェア引用ワーキンググループ」が定めた手引きである“Recognizing the value of software: a software citation guide”に沿っていると述べています。

自動論文生成ソフト“SCIgen”による論文は依然として存在する(記事紹介)

Nature誌のオンライン版に、2021年5月27日付けで記事“Hundreds of gibberish papers still lurk in the scientific literature”が掲載されています。自動論文生成ソフト“SCIgen”で作成された論文が依然として存在することを紹介し、今後論文の撤回が相次ぐ可能性に言及しています。

“SCIgen”は、ランダムなタイトル・本文・図表を持つ、意味をなさない研究論文を自動的に生成するソフトウェアです。記事によれば、3人の博士課程の学生らが、でたらめな論文を受理する学会があることを示すため2005年に作成したものです。

記事では、かつて“SCIgen”により生成された論文が複数発見され、その後撤回されるという問題が生じたことを振り返るとともに、2021年5月に発表された論文で新たに“SCIgen”による論文の検出結果が報告されたこと等を紹介しています。同論文では、“SCIgen”により全体又は一部が作成された論文が計243件特定されたと報告しています。

京都大学学術研究支援室(KURA)、2021年度「人社系海外出版書籍のオープンアクセス(OA)化事業」の公募を開始

2021年6月1日、京都大学学術研究支援室(KURA)が、2021年度「人社系海外出版書籍のオープンアクセス(OA)化事業」の公募を開始しています。

同大学の指定国立大学法人構想のうちの一つである「人文・社会科学の未来形発信」計画を推進することを目的に、国立大学改革強化推進補助金(国立大学経営改革促進事業)に基づいて実施されるものです。

海外の出版社から外国語で書籍を出版した人からの応募が期待されています。

2021年度 【人社系海外出版書籍のオープンアクセス(OA)化事業】の公募を開始しました。(KURA,2021/6/1)
https://www.kura.kyoto-u.ac.jp/news/funds/20210601-2/

人社系海外出版書籍のオープンアクセス(OA)化事業(KURA)
https://www.kura.kyoto-u.ac.jp/support/shoseki/oa/

国立情報学研究所(NII)、NIIが取り纏めるJaLC準会員のDataCite DOIの登録開始を公表:現時点は利用している機関リポジトリがJAIRO Cloud以外の場合のみ可能

国立情報学研究所(NII)は2021年6月1日、NIIが取りまとめるJaLC準会員がDataCite DOIを登録できるようになったと公表しました。

DataCite DOIは研究データに特化した国際的なDOI登録機関であるDataCiteによるDOIです。DataCite DOIの登録に際し費用はかかりませんが、Prefixの申請が必要で、Prefixの申請は、現時点では、利用している機関リポジトリがJAIRO Cloud以外の場合のみ可能です。

JAIRO Cloudを利用している機関については、全利用機関の次期JAIRO Cloud(WEKO3)への移行が完了しWEKO3がDataCite DOI登録に対応した後に申請を受付するということ、また、受付開始時には改めてアナウンスを行う予定であると、案内がなされています。

DataCite DOIの登録開始について(NII,2021/6/1)
https://support.irdb.nii.ac.jp/ja/news/20210601

Elsevier社のアクセス制限がドイツの研究者の出版行動と引用行動に与えた影響(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2021年5月25日付で、ドイツ経済学中央図書館(ZBW)のNicholas Fraser氏らが共著で執筆した文献“No Deal: Investigating the Influence of Restricted Access to Elsevier Journals on German Researchers' Publishing and Citing Behaviours”が公開されています。

2014年にドイツでは、大手出版社とのナショナルライセンス契約を交渉するプロジェクトDEAL(Projekt DEAL)が設置されました。DEAL とElsevier社の交渉は2016年に開始されましたが、2018年に決裂しました。この結果、約200のドイツの研究機関がElsevier社との契約を取り止め、2018年7月以降これらの機関のElsevier社のジャーナルへのアクセスは制限されました。

Science Europe、研究データの長期保存・アクセス保障に取り組む組織に向けた実践ガイド“Practical Guide to Sustainable Research Data”を公開

2021年6月2日、欧州の研究助成機関・研究実施機関が加盟するScience Europeが、研究データの長期保存・アクセス保障に取り組む組織に向けた実践ガイド“Practical Guide to Sustainable Research Data”の公開を発表しました。

同ガイドでは、研究助成機関(Research Funding Organisations:RFOs)、研究実施機関(Research Performing Organisations:RPOs)、研究データ基盤(Research Data Infrastructures:RDI)の三者に対して、持続可能な研究データへの取組における成熟度の指標を示した表が含まれています。これらの指標を参考にして、各組織のポリシーと実践の評価や、次のステップの特定、他組織との連携模索を行うことができる、とあります。

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、「ROR-NISTEP大学・公的機関名辞書対応テーブル」を公開

2021年5月28日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、「ROR-NISTEP大学・公的機関名辞書対応テーブル」の公開を発表しました。

「ROR-NISTEP大学・公的機関名辞書対応テーブル」には、機関IDに関するイニシアチブResearch Organization Registry(ROR)のレジストリに登録された日本所在機関のデータを、NISTEP大学・公的機関名辞書ver.2020.1の収録機関と対応づけした結果が示されています。なお、同テーブルには、対応づけられた機関、対応づけられなかった機関両方のデータが収録されています。

ROR-NISTEP大学・公的機関名辞書対応テーブルの公表について(NISTEP, 2021/5/28)
https://www.nistep.go.jp/archives/47410
※同テーブル及び同テーブルの利用説明書へのリンクが掲載されています。

SAGE社、査読プロセスの透明性向上のためClarivate Analytics社とパートナーシップを締結

2021年5月28日、SAGE社は、査読プロセスの透明性向上のためClarivate Analytics社とパートナーシップを締結し、Clarivate Analytics社のデータベース“Web of Science”のサービスを介してオープン査読レポートを提供するプログラムを開始したことを発表しました。

SAGE社は、同社の学術誌4誌において同プログラムを提供します。同プログラムはSAGE社のオンライン投稿・査読システム“SAGE Track”を介して行われ、著者・編集者・査読者は参加・不参加を選択することができます。

対象となるすべての出版物には、出版プロセスにおける各段階での査読レポート、著者回答、編集者の決定通知を含む査読履歴へのリンクが付記されます。また、これらの査読資料にはDOIも付与されます。査読者は、自身の氏名を査読レポートと共に公表するかどうかを選択でき、公表した場合はClarivate Analytics社傘下の査読登録サービス“Publons”上の自身のプロフィールに査読への貢献が記録されます。

JSTOR、著者の名前変更に関する新たなポリシーを発表

2021年6月2日、JSTORが公式Twitterアカウントで、あらゆる理由による著者の名前変更を支援する新たなポリシーを策定したと発表しました。

当該著者の著作物のメタデータに、変更後の名前を追加するという対応を取るとしています。変更前と変更後の名前を併記するメリットとして、利用者がどちらの名前でも検索可能であることが挙げられています。また、変更前の名前の記載を控えたい場合は、JSTORが提供するメタデータやコンテンツのPDF、PDFの光学文字認識(OCR)結果から、変更前の名前を削除するとしています。

発表の中では、著者名変更の対応に際しては、関連する出版者らと協力し、アプローチに齟齬が無いか確認すると述べています。

@JSTOR(Twitter, 2021/6/2)
https://twitter.com/JSTOR/status/1399821811748061184

CESAER、EUA、Science Europe、出版者にオープンアクセスについての透明性と研究者の権利の尊重を求める共同声明を発表

2021年5月25日、欧州の科学技術大学の団体CESAER、欧州大学協会(EUA)、欧州の研究助成財団・研究実施機関が加盟するScience Europeが、出版者がオープンアクセスについての透明性を提供することで研究者の権利を尊重することを求める共同声明を発表しました。

共同声明では、出版者に対して、制限やエンバーゴ期間なしに査読済みの研究結果を共有するなど、研究者の権利を完全に尊重することを求めています。 特に、この声明は、著者最終稿をCC-BY等のオープンライセンスでリポジトリへ登録することを希望する研究者には、エンバーゴ期間なしに実現できなければならないと宣言しています。

通常、出版社は、著者が研究結果に対してできることを制限する独占的な出版契約に署名することを著者に要求しています。この声明は、このシステムが時代遅れであるとしてその置き換えを促し、社会の利益のために研究をオープンに広めるための多様なモデルを支援しています。

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