学術情報流通

Scopusのデータに基づくTwitter上の言及の論文への引用状況の実証分析(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2020年3月25日付で、文献“Which Papers Cited Which Tweets? An Empirical Analysis Based on Scopus Data”が公開されています。

この文献は2020年9月にデンマーク・オーフスで開催予定の科学技術イノベーション指標に関する国際会議STI2020の会議録として投稿されたものです。著者は独・マックスプランク研究所のRobin Haunschild氏らです。

Haunschild氏らは、Twitter上の言及の学術的な影響関係を調査するために、論文の中で引用されたツイートに関する調査を行いました。調査にはElsevier社の抄録・引用文献データベースScopusが利用され、2007年から2019年に出版されたScopus収録論文のうち、Twitter上の言及を引用文献に挙げている2,910件の論文が分析対象になっています。

F1000Prime、新型コロナウイルス感染症に関する重要論文の推薦情報を無料公開に

F1000Prime の2020年2月28日付けブログ記事で、新型コロナウイルス感染症に関する重要論文の推薦情報について、無料でアクセス可能としたことが紹介されています。

F1000primeはFaculty of 1000が提供する、生物学・医学分野の研究者から優れた論文の推薦を求め、その情報を取りまとめたサービスです。

COVID-19: Capturing the research that matters most(F1000Prime Blog, 2020/2/28)
https://blog.f1000.com/2020/02/28/covid-19-capturing-the-research-that-matters-most/

The COVID-19 articles you need to read(F1000Prime)
https://f1000.com/prime/covid-19/

台湾国家図書館、学位論文の著者に同館データベース上での全文公開許諾を呼び掛け:感染拡大防止期間における知識共有促進のため

2020年3月26日、台湾国家図書館は、同館の修士・博士論文データベース「台湾博碩士論文知識加値系統」に収録されている学位論文の著者に対し、全文公開許諾の呼び掛けを発表しました。

「台湾博碩士論文知識加値系統」では、利用登録を行なえば51万点を超える学位論文の全文を無料で閲覧できるものの、まだ31万点余りの論文が公開の許諾を得られておらず、閲覧には国家図書館に直接来館する必要があるとしています。新型コロナウイルスの感染が拡大している状況において、遠方からの来館による感染リスクを避けつつ知識共有の促進を図るため、今回の呼び掛けが行われました。

許諾の手続きは、ダウンロード・印刷した許諾書に自筆で記入し、オンラインフォームに記入済みの許諾書画像を添付して提出するという流れになっており、簡易に行えるものであることも記載されています。

國家圖書館呼籲民眾授權學位論文全文公開,防疫期間共同促進知識便捷共享(台湾国家図書館, 2020/3/26)
https://www.ncl.edu.tw/information_237_10809.html

韓国科学技術情報院(KISTI)、国家オープンアクセスプラットフォームKOARを公開:研究者のOAコンテンツの利用・出版・公開等を支援

2020年3月25日、韓国科学技術情報院(KISTI)が、国内の研究者が、オープンアクセス(OA)の研究成果を、自由に利用し、出版・公開し、モニタリングすることを支援するプラットフォームKOAR(Korea Open Access platform for Researchers)の公開を発表しました。

OA2020やPlan Sといった世界的な流れに賛同し、国内研究者の学術情報への自由なアクセス・活用、普及を支援することを目的に構築されたもので、全世界の2,100万点のOA論文の検索と利用が可能なポータル機能、研究者や学会などからセルフアーカイブできるリポジトリ機能、ハゲタカジャーナル等の質の良くない学術誌を確認できる「健全学術活動支援システム(R&D AID)」等といった機能が提供されています。

また、OA論文を識別できるインターネットブラウザの拡張機能や、オンラインでの共同執筆を支援するためのプラグイン機能を、2020年度の上半期中に公開する計画であるとしています。

米・カリフォルニア大学、学位論文・博士論文に関するオープンアクセス(OA)方針を公表

2020年3月25日、米・カリフォルニア大学は、同大学の学位論文・博士論文に関するオープンアクセス(OA)方針として、“Policy on Open Access for Theses and Dissertations”を公表しました。

新たに公開されたOA方針は、カリフォルニア大学の個々のキャンパスで実施済の方針の内容に倣った大学システム全体としての方針であり、同大学で作成された学位論文・博士論文は大学のOAリポジトリへ保存され、著者の申告したエンバーゴ期間を経てOAにより自由に利用可能になることを定めたものです。OAとなった学位論文・博士論文は同大学の機関リポジトリeScholarshipで公開されます。

今回公表されたOA方針は、2017年と2019年に大学システム全体のレビューを経て策定されています。

ドイツ医学中央図書館(ZB MED)、新型コロナウイルス感染症拡大へ対応した研究支援としてウイルス学及び関連分野に関する特別サービスを提供

2020年3月16日、ドイツ医学中央図書館(Zentralbibliothek der Medizin:ZB MED)は、新型コロナウイルス感染症拡大へ対応した研究支援としてウイルス学及び関連分野に関する特別サービスを提供していることを発表しました。

ZB MEDは、生物情報学データ分析・テキストマイニング・データの視覚化・FAIR原則に準拠した研究データ管理・情報サービスのホスティング等へのサービス提供が可能であり、データのアクセス性や引用の度合いを高めたい場合、大規模データセットを分析したい場合、双方向的なデータの視覚化が必要な場合などには、それぞれ対応可能である、としています。

ZB MEDはデータの集約・再利用に関するサービス提供も可能であるとしており、関連する最初のサービスとして、同館のウェブサイト上で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のウイルス分離株の塩基配列データを視覚化したゲノムブラウザを提供しています。

文部科学省、2019年度の「研究支援サービス・パートナーシップ認定制度」の認定サービス8件を決定

2020年3月31日、文部科学省は、同省で実施する「研究支援サービス・パートナーシップ認定制度」において、認定サービス8件が決定したことを発表しました。

「研究支援サービス・パートナーシップ認定制度」は、民間事業者が行う研究支援サービスのうち、一定の要件を満たすサービスを研究者の研究環境を向上させ科学技術の推進及びイノベーションの創出を加速するものとして、文部科学大臣が認定する制度です。第1回である2019年度には、2019年10月30日から11月29日まで公募が行われ、38件のサービスについて申請がありました。

申請されたサービス38件の中から、株式会社ジー・サーチの若手研究者の発掘が可能な共同研究探索サービス「JDream Expert Finder」や、丸善雄松堂株式会社の貴重史料のオンライン提供サービス「J-DAC ジャパンデジタルアーカイブズセンター」など8件のサービスが認定されています。認定サービス8件の事業者は、認定サービスを行う場合に専用のロゴマークを使用することができます。

cOAlition S、購読者・著者に財政的負担を負わせることなく論文を出版する「ダイヤモンドオープンアクセス(OA)」モデルを分析・概観した研究を募集

2020年3月27日、cOAlition Sは、非営利・非APCベースで購読者・著者に財政的負担を負わせることなく論文をオープンアクセス(OA)で共同出版する「ダイヤモンドOA」のビジネスモデルについて、このモデルによるジャーナルやプラットフォームを分析・概観した研究を募集していることを発表しました。

cOAlition Sは研究募集の目的として、ダイヤモンドOAによるビジネスモデルの導入を希望する出版イニシアチブに対する支援方法の特定を挙げています。少なくとも以下の6点の研究目標に取り組むことを条件としています。

九州大学附属図書館、九大コレクションに収録された「貴重資料」「蔵書印画像」「炭鉱画像」についてJPCOARスキーマ形式によるメタデータをオープン化

2020年3月27日、九州大学附属図書館は、九大コレクション「貴重資料」「蔵書印画像」「炭鉱画像」のメタデータ提供を開始したことを発表しました。

同館は、オープンサイエンスの世界的な進展に伴う、大学保有の学術情報共有を求める世界的な流れを受けて、所蔵コンテンツのメタデータをオープン化した、としています。メタデータはJPCOARスキーマ形式で提供され、CC0ライセンスをメタデータの利用条件に定めています。Webサービス等への活用のため、オープン化されたメタデータはOAI-PMHによる取得にも対応しています。また、TSV形式によるメタデータの全件ファイルをダウンロードすることもできます。

九州大学附属図書館は「貴重資料」「蔵書印画像」「炭鉱画像」以外のメタデータについても調整を進めており、今後提供範囲を拡大する予定である、としています。

メタデータの提供を開始しました(九州大学附属図書館,2020/3/27)
https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/news/32331

米国化学会(ACS)の出版部門と米・マサチューセッツ工科大学(MIT)図書館、オープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結

2020年3月19日、米国化学会(ACS)は、米・マサチューセッツ工科大学(MIT)図書館とオープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結したことを発表しました。

締結された契約に基づき、ACSの刊行する全ての学術誌において、MITの所属者が責任著者である論文は全てOAとなります。また、著者最終稿(accepted manuscript)は、MITが学術出版社との間に定めた“Framework for Publisher Contracts”、及びACSの出版ポリシーに従って、自動的にMITのOAリポジトリへ登録されます。最終的な出版社版(the version of record)についても、個々の著者による追加費用の支払不要でACSの出版プラットフォーム上でOAにより公開されます。

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