学術情報流通

欧州委員会(EC)研究・イノベーション総局の専門家グループOpen Science Policy Platform(OSPP)が最終報告書を公開

2020年6月2日、欧州委員会(EC)研究・イノベーション総局(Directorate-General for Research and Innovation)がTwitterアカウントの投稿で、専門家グループOpen Science Policy Platform(OSPP)の作成した最終報告書を紹介しています。

OSPPは研究・イノベーション総局が設置した、欧州のオープンサイエンス政策の開発・実施に関し助言を行う専門家グループです。公開された報告書は、2016年から2020年までの4年間の委任期間の状況を概略しつつ、オープンサイエンスに関する欧州委員会の8つの達成目標を示した“OSPP-Recommendations”の公表から2年間の各ステークホルダーにおける取り組みの進捗状況などが示されています。

報告書では、欧州の各ステークホルダーによる取り組みの進捗状況や主要な課題、新しい段階への展望等が具体的な事例とともに示されています。また、25の主要ステークホルダーにより、2030年までにオープンサイエンスを超えて共有された研究知識のシステムを創設するという構想が提案されています。

オランダ科学研究機構(NWO)、同機構の研究助成により刊行された単行書のオープンアクセス(OA)化を支援するプロジェクト“Open Access Books”を開始

2020年6月2日、オランダ科学研究機構(NWO)は、同機構の研究助成により刊行された単行書のオープンアクセス(OA)化を支援するプロジェクト“Open Access Books”の実施を発表しました。

学術論文のOA化は一般的となり、NWOの助成した研究成果物としての学術論文は、60から70%がOAで利用可能になっていますが、学術単行書のOAへの転換の動きは学術論文に比べると遅れています。このため、NWOは同機構の研究助成により刊行された単行書のOA化に向けた取り組みを強化するプロジェクトとして、“Open Access Books”が実施されます。

同プロジェクトには年間50万ユーロの予算が用意され、2020年6月1日からNWOから助成を受けた研究プロジェクトのプロジェクトリーダー等は、1刊行物当たり1万ユーロを上限としてOA出版のための費用を申請することができます。同プロジェクトにはNWOの予算が続く限り申請を行うことが可能で、当面2022年まで申請が受付されています。

日本学術会議、提言「オープンサイエンスの深化と推進に向けて」を公表

2020年6月3日、日本学術会議が、提言「オープンサイエンスの深化と推進に向けて」(2020年5月28日付け)を公表しました。

この提言は、日本学術会議オープンサイエンスの進化と推進に関する検討委員会における、研究データ共有の促進と共有のためのプラットフォームの重要性を明らかにすることを目的とした審議の結果を取りまとめたものです。

提言の中では、研究データ共有の重要性が高まる中、データの公開と産業展開を踏まえた非公開といった協調と競争のバランス、データ利用の法制度等が現状における課題として挙げられています。また、研究データに着目したオープンサイエンスの環境整備に関する国内外の動向や、各学術分野の状況を整理した上で、以下が提言されています。

1.データ活用に関する法規制の集約・整理等、データが中心的役割を果たす時代のルール作りの必要性

2.膨大なデータの収集・キュレート・アノテート・メタデータ付与・保存等を推進するための、データプラットフォームの構築・普及の必要性

3.研究成果のもとになった第1次試料・資料の永久保存の必要性

オープンサイエンス基盤研究センター(RCOS)、学術情報流通における書誌多様性に関するペーパーの日本語訳を公開

2020年5月29日、国立情報学研究所(NII)のオープンサイエンス基盤研究センター(RCOS)は、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)が公開したペーパー“Fostering Bibliodiversity in Scholarly Communications: A Call for Action”の日本語訳「学術情報流通における『書誌多様性』の形成に向けて —行動の呼びかけ—」を掲載しました。

日本語訳は、NIIの機関リポジトリからダウンロード可能であり、クリエイティブコモンズライセンスのCC BYで利用できます。

学術情報流通における「書誌多様性」の形成に向けて —行動の呼びかけ—(国立情報学研究所機関リポジトリ(仮称))
https://doi.org/10.20736/00001276
※2020年5月29日付で発行されています。

米・Educopia Institute、デジタル環境下における学術情報基盤の現況のレビューとして“A Bibliographic Scan of Digital Scholarly Communication Infrastructure”を公表

2020年5月18日、米国の博物館・図書館・文書館およびその他の文化資源保存機関の連携促進を目的とする非営利組織Educopia Instituteは、デジタル環境下における学術情報基盤の現況レビュー“A Bibliographic Scan of Digital Scholarly Communication Infrastructure”の公表を発表しました。

公表されたレビューは米・イリノイ大学図書館のルイス(David W. Lewis)氏によって作成されました。レビューは3つのセクションで構成され、デジタル環境下の学術情報流通システムに関わる様々な機能・分野(リポジトリ・研究データ等)別の学術文献紹介、各機能や分野の主要プロジェクト・組織等の一覧表、レビュー内で触れられた組織・プログラム・プロジェクト等の概要説明などを取り扱っています。

同レビューは、2018年から2020年までAndrew W. Mellon財団の支援により、米国のデジタル環境下における学術情報基盤の現状調査等を目的に実施中のプロジェクト“Mapping the Scholarly Communication Infrastructure”の成果の一部として制作されています。

ジャパンリンクセンター(JaLC)、JaLCコンテンツを自動でORCIDに業績登録できる機能をリリース

2020年5月27日、ジャパンリンクセンター(JaLC)は、JaLCコンテンツを自動でORCIDに業績登録できる機能をリリースしたことを発表しました。

JaLCコンテンツ検索画面から研究者がORCIDにログインし、ORCID設定画面から「ORCIDに業績を自動的に連携します」を“ON”にすることにより、自身のORCID iDを含むJaLCコンテンツが自動でORCIDに業績登録されるようになる、とあります。

お知らせ(JaLC)
https://japanlinkcenter.org/top/news/index.html
※2020年5月27日付けのお知らせとして、「JaLCコンテンツを、自動でORCIDに業績登録できる機能をリリースしました。詳細は、以下の「リリースノート」をご覧下さい。」とあります。

EBSCO社、Google ScholarのCampus Activated Subscriber Access(CASA)に対応:契約機関外のネットワークからGoogle Scholar経由で同社の購読コンテンツへアクセス可能に

2020年5月27日、EBSCO社は、Google Scholarを通じたCampus Activated Subscriber Access(CASA)との提携を発表しました。

CASAは、シームレスなリンクおよび認証を提供することで、エンドユーザーの所属機関が契約している学術コンテンツへのリモートアクセスを可能にする機能です。Google Scholarを通じたCASAとの提携により、大学・研究機関等に所属するエンドユーザーは、契約機関内のネットワークからGoogle Scholarへアクセスした際に作成される「トークン」を通じて、契約機関外のネットワークからGoogle Scholarにアクセスした際にもユーザー識別が行われ、EBSCO社の購読コンテンツへアクセスすることが可能になります。

オープンアクセス(OA)学術単行書のダイレクトリDOABと人文・社会科学系の電子資料提供サービスProject MUSEが新たにパートナーシップ関係を締結

2020年5月27日、オープンアクセス(OA)学術単行書のダイレクトリDirectory of Open Access Books(DOAB)は、人文・社会科学系の電子資料提供サービスProject MUSEと新たにパートナーシップ関係を締結したことを発表しました。

締結されたパートナーシップ関係は、Project MUSEに収録されたOA単行書の発見可能性の強化とDOABに登録される出版社数・OA単行書タイトル数の増加を目指すものです。

Project MUSEは、米・ジョンズホプキンス大学のミルトン・S・アイゼンハワー図書館とジョンズホプキンス大学出版局による非営利共同事業として運営され、100以上の出版社の6万点以上の単行書を提供しており、提供タイトルの中には2,800点以上のOAタイトルが含まれます。Project MUSE上のOAの単行書のDOABへの登録を希望する出版社は、申請を行うだけでDOABへの登録が可能になります。

筑波大学、F1000 Researchと英語と日本語に対応したオープンリサーチ出版ゲートウェイの開発に向けた契約を締結

2020年5月28日、筑波大学は、オープンアクセス出版プラットフォームを提供するF1000 Researchと、英語か日本語で論文を出版できる世界初のオープンリサーチ出版ゲートウェイの開発に向けた契約を締結したことを発表しました。

同ゲートウェイはF1000 Researchのウェブサイト内において2020年11月の公開を予定しており、これにより筑波大学所属の研究者は、英語と日本語のうち研究分野に適した言語での簡単なオープンアクセス(OA)出版が可能になります。発表によると、対象はすべての分野における、研究論文、プロトコル、報告書、データノート等のあらゆる種類の研究成果です。また、日本語で発表された研究論文については、英語と日本語の両方で要旨とメタデータが収録され、書誌データベースに掲載されます。

筑波大学とF1000 Research社、オープンサイエンス先導に向けた契約を締結 ~日本語にも対応した世界初のオープンリサーチ出版~(筑波大学, 2020/5/28)
http://www.tsukuba.ac.jp/news/n202005281630.html

国・大学レベルのオープンアクセス状況の調査(文献紹介)

2020年5月21日、英Open Universityの機関リポジトリにおいて、国・大学レベルのオープンアクセス(OA)状況調査の論文”Open Access 2007 - 2017: Country and University Level Perspective”のプレプリントが公開されました。著者は同大学のBikash Gyawali氏ら3名です。同論文は2020年8月開催のACM/IEEE Joint Conference on Digital Libraries (JCDL)に採択されています。

調査は8カ国(オーストリア, ブラジル, ドイツ, インド, ポルトガル, ロシア, 英国, 米国)と、それらの国の約400大学を対象とし、Microsoft Academic Graph(MAG)と英国の機関リポジトリアグリゲーターであるCOREのデータを使用して実施されました。

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