計量書誌学

欧州研究図書館協会(LIBER)、研究機関の執行部とともに学術評価指標に関する課題に取り組む図書館関係者向けのレポートを公開

2020年6月20日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、研究機関の執行部とともに学術評価指標に関する課題に取り組む図書館関係者向けのレポートとして、“Why Do Measures Fluctuate?:Metrics Report - Guidelines for Talking to Management”を公開したことを発表しました。

学術評価指標等の課題を扱うLIBERの“Innovative Metrics Working Group”によって、同レポートは作成されました。学術評価指標を議論する上で陥りやすい過ちや、「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)をはじめとした新しいアプローチに触れながら、LIBERのWGや各機関の経験に基づく学術評価指標の不安定さ背景の説明の一助となる提言を提供するなどして、各機関の執行部と図書館関係者の議論を促進することを作成の目的としています。

レポートはリポジトリzenodoで公開されています。

否定的な引用と出版後の査読プラットフォームが論文の訂正・取り下げに与える影響(文献紹介)

2020年6月3日、査読誌”Scientometrics”より、否定的な引用と出版後の査読プラットフォームが論文の訂正・取り下げに与える影響を調査した論文が公開されました。

この論文では、否定的な引用と出版後の査読プラットフォームが論文の訂正/取り下げへ与える影響について調査しています。調査は工学、医学、生物学分野の論文を対象としています。否定的な引用(矛盾を指摘した引用)はSciteを利用して特定し、出版後の査読プラットフォームとしてはPubPeerを利用しました。結果として、否定的な引用よりも、出版後の査読プラットフォームにおけるコメントのほうが、論文の訂正・取り下げにより大きな影響を与えることが判明しました。特に、出版後の査読プラットフォームのコメントは、否定的な引用よりも論文を訂正させる機会が多いことが報告されています。

このことから、出版後の査読プラットフォームのコメントは、学術の修正に貢献するメカニズムの一つであると述べています。

エルゼビア社、学術雑誌の評価指標“CiteScore”の2019年版を公開

2020年6月9日、エルゼビア社が、学術雑誌の評価指標“CiteScore”の2019年版の公開を発表しました。

CiteScoreは、同社の抄録・引用文献データベースScopus上の330分野25,000タイトル以上の査読誌・業界誌・会議録・書籍が対象です。2019年版では、利用者や専門家からのフィードバックに基づき、以下のとおり算出手法の変更が行われています。

・2019年版では、対象年を含む過去4年間における累積引用回数を、対象年を含む過去4年間にそのジャーナルが掲載した文献数で割る、という手法に変更した。具体的には、2016年から2019年までに出版された文献が2016年から2019年までに引用された回数を、2016から2019年までに出版された文献数で割る、という手法とした。
・これまでは、引用回数・文献数のカウントにおいて査読を経ていない出版物類型(エディトリアル、ニュース記事、レター、ノートなど)も対象としていたが、2019年版では査読を経る出版物類型(論文、レビュー、会議論文、本の章、データペーパー)のみに限定した。
・これまではCiteScore値を小数点第2位まで表示していたが、小数点第1位までの表示に変更した。

QS社、世界大学ランキング2021を公開:100位以内には日本から5大学がランクイン

2020年6月10日、QS社が毎年公開している世界大学ランキングの2021年版が公開されました。2020年版と同じく、1位は米・マサチューセッツ工科大学(MIT)、2位は米・スタンフォード大学、3位は米・ハーバード大学でした。

このランキングは世界の研究者を対象とする調査や、Scopusのデータを利用した所属研究者の過去5年分の論文の引用分析の結果等に基づいて算出されるものです。

100位以内には、日本からは24位に東京大学、38位に京都大学、56位に東京工業大学、72位に大阪大学、79位に東北大学の5大学がランクインしています。

@worlduniranking(Twitter)
https://twitter.com/worlduniranking/status/1270490856030642179

E2262 - シンポジウム「社会に魅せる研究力」を測る<報告>

2020年2月13日に,国立国語研究所IRシンポジウム「社会に魅せる研究力を測る-論文では見えてこない社会に貢献する研究を評価する指標-」が国立国語研究所(東京都立川市)にて開催された。

オープン化された引用データのデータセットCOCIの提供するデータ件数が7億件を突破

2020年5月13日、セマンティックウェブ技術の活用によるオープンな書誌データ・引用データ公開を通してオープンスカラシップの推進に取り組む非営利団体OpenCitationsは、“COCI, the OpenCitations Index of Crossref open DOI-to-DOI citations”(COCI)の提供するオープン化された引用データの件数が7億件を突破したことを発表しました。

COCIは、OpenCitationsが提供するRDF形式のデータセットで、Crossref DOIをもつ引用元文献と何らかのDOIをもつ引用先文献との間の引用関係について、オープン化されたデータを公開しています。2020年5月12日に、2020年4月に取得したCrossrefのダンプデータに基づく4,700万件のデータ拡張がなされたことにより、COCIは5,800万件以上の文献間の引用関係として7億2,000万件以上のオープン化された引用データを提供するようになっています。

Clarivate Analytics社、Journal Citation Reports(JCR)のジャーナル詳細情報にオープンアクセス(OA)に関するデータを追加

2020年4月23日、Clarivate Analytics社は、学術出版におけるオープンアクセス(OA)モデルの透明性を向上させるため、学術誌評価分析データベース“Journal Citation Reports”(JCR)のジャーナル詳細情報(profile)にOAに関するデータを追加したことを発表しました。

この新機能により、助成機関・出版社・図書館員・研究者等はゴールドOAの学術論文について、学術雑誌全体のコンテンツに占める割合や引用への貢献状況に関する中立的な情報を得ることができるとあります。またハイブリッドジャーナルについて、論文の本数と引用状況をOA・非OAに分けて容易に比較することが可能になります。

この新機能は2020年6月に最新の2020年版が公開されるまで、ベータ版として提供されます。

Scopusのデータに基づくTwitter上の言及の論文への引用状況の実証分析(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2020年3月25日付で、文献“Which Papers Cited Which Tweets? An Empirical Analysis Based on Scopus Data”が公開されています。

この文献は2020年9月にデンマーク・オーフスで開催予定の科学技術イノベーション指標に関する国際会議STI2020の会議録として投稿されたものです。著者は独・マックスプランク研究所のRobin Haunschild氏らです。

Haunschild氏らは、Twitter上の言及の学術的な影響関係を調査するために、論文の中で引用されたツイートに関する調査を行いました。調査にはElsevier社の抄録・引用文献データベースScopusが利用され、2007年から2019年に出版されたScopus収録論文のうち、Twitter上の言及を引用文献に挙げている2,910件の論文が分析対象になっています。

セミナー「学術論文発表を取り巻く最新動向 : オープンアクセスの現在」の発表資料が大阪大学機関リポジトリ(OUKA)で公開される

大阪大学機関リポジトリ(OUKA)で、大阪大学附属図書館、及び同大学の経営企画オフィス研究支援部門・研究推進本部による共催セミナー「学術論文発表を取り巻く最新動向 : オープンアクセスの現在」の発表資料が公開されています。

同セミナーは文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として、2020年1月24日に大阪大学生命機能研究科(大阪府吹田市)で開催されました。セミナー当日は、電子ジャーナルの価格高騰・論文処理費用(APC)を必要とするオープンアクセス(OA)ジャーナルやハイブリッドジャーナルの広がり・ハゲタカジャーナルの出現・研究データの公開や共有に関わる動きなど、学術論文発表を取り巻く最新動向について有識者の講演等が行われています。

当日の主なプログラムは以下のとおりでした。

・開会挨拶

・講演1「学術論文発表と研究評価を取り巻く環境の大変貌―オープンアクセス誌がもたらすパラダイムシフト」
 船守美穂氏(国立情報学研究所情報社会相関研究系准教授)

・講演2「ハゲタカOAにどう向きあうか」
 佐藤翔氏(同志社大学免許資格課程センター准教授)

Altmetricスコアの“2019年トップ100”論文発表

2019年12月17日、Altmetric社が、2019年版の“Altmetric Top 100”を公開しました。

2019年の第1位は、2019年5月に Arxivで公開された論文“Few-Shot Adversarial Learning of Realistic Neural Talking Head Models”でした。特定の個人に似せたスピーチ・表現の動画を合成できるシステムに関する内容であり、“Altmetric Top 100”の7年間の歴史の中で最も広く共有された論文であると紹介されています。

The most discussed and shared scientific research of 2019(Altmetric,2019/12/17)
https://www.altmetric.com/press/press-releases/2019-altmetric-top-100/

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