計量書誌学

ディスカバリープラットフォームDimensions、収録するデータセットの件数が800万件を超えたことを発表

2020年11月24日、Digital Science社のディスカバリープラットフォームDimensionsは、同プラットフォームに含まれているデータセットの件数が800万件を超えたことを発表しました。そのうち200万件は、出版物と紐づけられています。

2020年1月にデータセットが新しいコンテンツ種別としてDimensionsの全てのバージョンに追加されました。このときはFigshare等のリポジトリ分が含まれていました。今回のリリースでは、約900のDataCiteのリポジトリ分が追加されたとしています。

Dimensions now includes more than 8 million datasets(Dimensions, 2020/11/24)
https://www.dimensions.ai/blog/dimensions-now-includes-more-than-8-million-datasets

Altmetric社、オルトメトリクス10周年を記念するレポート“The State of Altmetrics”を公開

2020年10月6日、Altmetric社は、レポート“The State of Altmetrics”の公開を発表しました。

2010年に発表された“altmetrics: a manifesto”におけるオルトメトリクスの提唱から10周年を迎えることを記念するものであり、以下のトピックが含まれています。

・オルトメトリクスの倫理的使用
・オルトメトリクス改善のための機械学習の使用
・疾病蔓延を検出する「センサー」としてのオルトメトリクス
・オルトメトリクスの将来予測

デジタル化された書籍群は出版された書籍群全体を反映しているか:1830年代後半に英国諸島で出版された小説の書誌目録を用いた調査(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2020年9月1日付で、文献“What Library Digitization Leaves Out: Predicting the Availability of Digital Surrogates of English Novels”が公開されています。

この文献は、1836年と1838年に英国諸島で初めて出版された小説の書誌目録を利用し、図書館等がデジタル化した書籍群が、その母集団となる出版された書籍群全体を反映しているかどうかを調査したものです。筆者は米・インディアナ大学ブルーミントン校のAllen Riddell氏と、米・パデュー大学フォートウェイン校のTroy J. Bassett氏です。

調査では、書誌目録所載の書籍について、Internet Archive、HathiTrust、Google Books、英国図書館のデジタルコレクションでのデジタル化の有無を確認しています。調査の結果、デジタル化の対象資料には偏りが見られること、特に男性が執筆した小説や多巻形式で出版された小説は、他の種類の小説に比べデジタル化資料の利用可能率が高いこと等が判明したとし、前後の数十年や別ジャンルにおいても同様の傾向が見られる可能性を指摘しています。

学術論文に対する自動的な「引用論文推薦」で用いられる手法とデータセット(文献紹介)

2020年8月11日付で、グローバルネットワークを介したデジタル情報等の話題を扱うSpringer Nature社の査読誌“International Journal on Digital Libraries”に、「引用論文推薦(Citation recommendation)」をテーマとした論文“Citation recommendation: approaches and datasets”がオープンアクセスで公開されています。

同論文は、ドイツ・カールスルーエ工科大学の博士研究員であるフェルバー(Michael Färber)氏と京都大学大学院情報学研究科のヤトフト(Adam Jatowt)特定准教授による共著論文です。近年の学術論文の出版点数の爆発的な増加と学術論文の執筆において適切の文献を引用する必要性から、与えられたテキストに対して適切な引用論文を自動的に推薦する「引用論文推薦」について、いくつかの手法や推薦のためのデータセットの発案が行われており、重要な研究トピックとなりつつあります。

同論文では、「引用論文推薦」に関する研究の概要の紹介、手法や使用されるデータセットの種類の概要及び様々な尺度から見た相違点・共通点の比較、推薦された引用論文に対する評価手法の分類と評価における課題などが解説されています。

論文における「引用のハッキング」のサイン(記事紹介)

2020年8月14日付けのNature誌オンライン版で、"Signs of ‘citation hacking’ flagged in scientific papers"と題された記事が公開されました。記事では、研究者間での事前の交渉、あるいは査読において追加で論文を引用することを要求することで、引用を稼ぐ行為を「引用のハッキング("citation hacking”)」としており、米国・オクラホマ医学研究財団(Oklahoma Medical Research Foundation)のJonathan Wren氏とConstantin Georgescu氏の取り組みを中心として、引用のハッキングの抽出について述べられています。

引用のハッキングは問題となっており、約20%の研究者が査読者から不要な参考文献を追加するように要求された経験があるとしています。また、2019年にエルゼビアは、エルゼビアが出版している学術雑誌の査読記録の検査に続いて、被引用数を稼ぐために故意に査読プロセスを操作した疑いのある研究者を調査していると述べています。引用ハッキングの疑いによって、2020年2月には米国の生物学者が複数の学術雑誌の職を解かれています。

2014年から2018年における図書館情報学分野の研究動向:学術図書館に関連する研究が盛んに実施(文献紹介)

2020年7月29日付で、Elsevier社が刊行する大学図書館の関わるテーマを主に扱った査読誌“The Journal of Academic Librarianship”掲載記事として、ハンガリーの研究者による論文“Academic libraries as the flagships of publishing trends in LIS: a complex analysis of rankings, citations and topics of research”がオープンアクセスで公開されています。

1990年から2018年までのZineを扱う研究の動向に関する文献分析(文献紹介)

2020年7月23日付で、学術情報流通やオンライン出版などをテーマにした査読付きオープンアクセス誌“Journal of Librarianship and Scholarly Communication”掲載記事として、米国ニューヨーク市立大学・スタテンアイランドカレッジのAnne Hays准教授による論文が公開されています。

Hays准教授は、自費出版される小冊子“Zine”を、研究者がなぜ、どのように研究してきたのかについて、査読付き学術誌で公表された文献に基づき明らかにする研究を実施しました。複数の学術文献データベースへの検索によって、1990年から2018年までの期間に発表されたZineを扱う研究文献163件(電子的に発表されたZineを扱う研究は対象外)を抽出し、出版年別の動向・研究分野別の動向・Zineを扱う研究が取り上げているサブトピックの傾向などを分析しています。論文では分析結果に基づいて、主に以下のことを指摘しています。

・Zineを扱う研究文献は1990年、1991年には年間を通して各1件のみの発表であったが、2017年、2018年には各18件発表されており、過去28年間で研究者のZineに対する関心は着実に高まっている

Google Scholar、学術雑誌のインパクト指標を2020年版に更新

2020年7月7日、Google Scholarは学術雑誌のインパクト指標を提供するサービス“Google Scholar Metrics”の値を2020年版に更新しました。

2020年版は、Googleのガイドラインに準拠しているウェブサイト掲載のジャーナル、および、選定した工学・コンピューター科学分野の会議のうち、2015年から2019年の間に公開・被引用された論文をもとにしています。同期間の掲載論文が100本未満等のジャーナルは対象外です。

コンピュータービジョン・パターン認識、流体力学、地理・地図学、工学・コンピューター科学、人文学、文学といった学問分野ごとにも見ることができます。

2020 Scholar Metrics Released(Google Scholar Blog,2020/7/7)
https://scholar.googleblog.com/2020/07/2020-scholar-metrics-released.html

Elsevier社、「研究計量に関するライデン声明」への支持を表明

2020年7月14日、Elsevier社は、「研究計量に関するライデン声明(“Leiden Manifesto for Research Metrics”)」への支持を表明しました。

「研究計量に関するライデン声明」は、研究評価者・評価対象者・研究指標の設計者・提供者など、研究評価に携わる人々を対象に、研究評価実践のための10原則を示した声明です。同社は2019年に設立した研究評価のあり方を検討するための国際センター“The International Center for the Study of Research”(ICSR)において、同声明の推奨事項に基づいた研究評価ツールやサービスの開発を進めることを表明しています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、研究機関の執行部とともに学術評価指標に関する課題に取り組む図書館関係者向けのレポートを公開

2020年6月20日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、研究機関の執行部とともに学術評価指標に関する課題に取り組む図書館関係者向けのレポートとして、“Why Do Measures Fluctuate?:Metrics Report - Guidelines for Talking to Management”を公開したことを発表しました。

学術評価指標等の課題を扱うLIBERの“Innovative Metrics Working Group”によって、同レポートは作成されました。学術評価指標を議論する上で陥りやすい過ちや、「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)をはじめとした新しいアプローチに触れながら、LIBERのWGや各機関の経験に基づく学術評価指標の不安定さ背景の説明の一助となる提言を提供するなどして、各機関の執行部と図書館関係者の議論を促進することを作成の目的としています。

レポートはリポジトリzenodoで公開されています。

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