Creative Commons

単行書へのCC BYライセンス適用と第三者による複製版販売の問題(記事紹介)

オープンアクセス(OA)出版に携わるUbiquity Press社のブログに、2021年4月9日付けで記事“CC BY: A (Somewhat) Cautionary Licensing Tale”が掲載されています。

同社ではこれまで、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BYライセンスの下で単行書を刊行してきました。本記事では、同社が2020年の年末に直面した、別の企業による単行書再販売の問題が紹介されています。

当該企業は、これまでUbiquity Press社を含む複数社がCC BYで刊行した単行書を取得し、それらを自社の名義で販売していました。法的な問題はないものの、これら複製版の単行書によりいくつかの問題が生じたと述べています。記事では複数の問題を挙げており、その例としては次のような内容が含まれています。

・多くのオンライン小売サイトでの検索結果において、これら複製版のほうがより「新しい」ためにオリジナル版よりも上の順位で表示され、読者がオリジナル版を探しづらくなった。
・単行書内の画像等のコンテンツがCC BYより厳しい利用条件で提供されている場合、複製版ではぼかしが入れられたり削除されたりしていた。表紙画像も異なるデザインになるなど、品質上の問題がみられた。

大阪市立東洋陶磁美術館、ウェブサイト「大阪市立東洋陶磁美術館収蔵品画像オープンデータ」を公開

2021年3月26日、大阪市立東洋陶磁美術館が、ウェブサイト「大阪市立東洋陶磁美術館収蔵品画像オープンデータ」を公開したと発表しています。

同ウェブサイトには、同館所蔵の、国宝2件・重要文化財13件を含む23件の作品画像が搭載されており、「利用規約」にのっとることで、同当館への申請なく、自由にダウンロード、複製、再配布することが可能です。

利用規約によると、所蔵者名・撮影者名の表記や、編集・加工の表記等が必要で、また、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの表示4.0国際、と互換性があり、同利用規約が適用されるコンテンツはCC BYに従うことでも利用できるとしています。

「大阪市立東洋陶磁美術館収蔵品画像オープンデータ」サイト公開のお知らせ(大阪市立東洋陶磁美術館,2021/3/26)
https://www.moco.or.jp/whatsnew/newarrival/2406/

奈良県立図書情報館、「まほろばデジタルライブラリー」で公開済のデジタル画像約10万点の二次利用条件を変更:クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスでの提供に

2021年3月23日、奈良県立図書情報館が、「まほろばデジタルライブラリー」で公開済みのデジタル画像の二次利用条件を変更し、クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスにて提供すると発表しました。

対象は、古文書・絵図・古地図・古典籍や奈良県指定有形文化財を含む、明治から昭和初期の公文書など約6,000点(約10万画像)で、公文書のみCC BY-ND 4.0ですが、それ以外はCC BY 4.0の条件の下での提供です。

また、利用時の資料名と出典の明示、成果物の提供、出版・放送などに資料を利用された際の連絡、著作者人格権・肖像権・プライバシーなどへの十分な配慮への協力をお願いしています。

同館が「まほろばデジタルライブラリー」以外で公開している画像データは事前申請が必要です。

お知らせ(奈良県立図書情報館)
https://www.library.pref.nara.jp/news
※2021-03-23欄に「2021年3月23日より奈良県立図書情報館が公開している約10万点のデジタル画像が自由に利用できます!」とあります。

米国科学振興協会(AAAS)、Science誌及びその姉妹誌においてcOAlition Sの研究助成成果に当たる受理済論文にCC BYまたはCC BY-NDライセンスの付与を容認

2021年1月15日、米国科学振興協会(AAAS)は、オンラインニュース配信サイト“EurekAlert!”で、Science誌及びその姉妹誌の合計6誌において、オープンアクセス(OA)出版の条件が更新され、cOAlition Sから助成を受けた研究者は、受理済の論文にCC BYまたはCC BY-NDライセンスを付与できるようになったことを発表しました。

AAASはこのOA出版に関する新方針の背景として、Science Advances誌によりゴールドOAを進める一方で、他の5誌では長年に渡ってグリーンOAを支援してきたこと、ゴールドOAのみの促進では、過大な金銭的負担により、人種・ジェンダー・地域・分野・機関に関する研究者間の不平等が温存・助長される懸念を持っていることを挙げています。

この新方針は、2021年1月1日以降にScience誌及びその姉妹誌に投稿された論文のうち、プランSの「権利保持戦略」を採択済のcOAlition S加盟機関から助成を受けた研究成果に該当する論文に適用されます。

国立国語研究所、「研究情報発信センターが管理・配布するデータセットに対するライセンス付与の基本方針」を策定:原則としてCC BYライセンスを付与

2021年1月12日、国立国語研究所は、同研究所の研究情報発信センターが管理・配布するデータセットに適用されるライセンス付与の基本方針を策定したことを発表しました。

2020年12月22日付の「研究情報発信センターが管理・配布するデータセットに対するライセンス付与の基本方針」において、同センターが広くデータセットを提供し、営利・非営利の利用目的を問わず、利用促進のため原則としてクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BYを明示すること、著作権保護期間を過ぎたデータセットについては、パブリックドメインであることを表示して公開することなどが示されています。

過去のニュース 2020年度(国立国語研究所)
https://www.ninjal.ac.jp/newsyears/2020/
※2021.01.12欄に「研究情報発信センターでは,データセットの利用促進のため「研究情報発信センターが管理・配布するデータセットに対するライセンス付与の基本方針」を策定しました。」とあります

オープンアクセス出版で使用されているライセンス(記事紹介)

2021年1月10日、出版系コンサルタント企業であるDeltaThinkのウェブサイトにて”News & Views: Breaking Out Open Access License Types”という題目で記事が公開されました。記事では、オープンアクセス出版で使用されているライセンスの調査結果が報告されています。

記事では、ライセンスの種別を寛容(permissive)と制限付き(restricted)に分類しています。寛容なライセンスにはCC-BY、CC-0、制限付きのライセンスには商業利用や改変を禁止しているCC BY-NC、CC BY-ND等が分類されています。

全体としては寛容なライセンスがより一般的に使用されており、制限付きのライセンスとの比率はおおよそ3:2となっています。オープンアクセスジャーナル内では比率が2:1であるのに対して、ハイブリッドジャーナルでは半々になっています。分野ごとの分析では、健康科学分野、特に医学分野では制限付きのライセンスがより大きな割合を占めているとしています。社会科学は、平均と比較すると制限付きのライセンスがわずかに多いことを報告しています。物理学、工学では、寛容なライセンスがより普及しているとしています。

「プランS」の発効と研究成果物のオープンアクセス(OA)化を巡る最新の論点(記事紹介)

2021年1月1日付の米国科学振興協会(AAAS)のScience誌Vol. 371, Issue 6524掲載の記事として、“Open access takes flight”がオープンアクセス(OA)で公開されています。

同記事は、欧州を中心とした研究助成機関のコンソーシアムcOAlition Sのイニシアティブ「プランS」が、2021年1月に発効したことを受けたものです。プランSに対して、購読モデルを基盤とした学術出版の伝統を覆すためのOA運動の現れである一方で、地理的な広がりの停滞、財政的な持続可能性への疑義等の問題点も存在することを指摘しつつ、研究成果物のOA化を巡る最新の論点をテーマ別に解説しています。記事は主に以下のことを指摘しています。

・OAが被引用数に与える影響範囲は一部のスター論文に限られるという指摘がある一方で、ダウンロード数・ビュー数・ソーシャルメディア等における非学術的な言及にはOA論文が優位であるという指摘があり、この点でOAは学術論文の著者に恩恵を与える。また、学術雑誌には研究機関に所属しない読者も一定の割合で存在し、こうした読者層へ研究成果を届けやすいという点もOAが著者に与える恩恵と言える。

E2346 - 著作権とライセンスからみるオープンアクセスの現況

「著作権はオープンアクセスへの鍵を握る課題」。SPARC Europeは,2020年9月に公開した報告書“Open Access: An Analysis of Publisher Copyright and Licensing Policies in Europe, 2020”の序文で,こう述べている。本報告書は,出版社各社の著作権・出版権に係る規約やオープンライセンス方針が,どの程度オープンアクセス(OA)の推進を支援できているかという調査の結果を,関係者への提言とともにまとめたものである。2021年1月に発効したPlan S(CA1990参照)に留意しつつ,内容を概説する。

カナダ研究図書館協会(CARL)、大学教職員を対象とした著作権学習のためのオープン教育資源(OER)を公開

2020年12月17日、カナダ研究図書館協会(CARL)は、大学教職員を対象とした著作権学習のためのオープン教育資源(OER)を公開したことを発表しました。

CARLが新しく公開した“Copyright Open Educational Resource for University Instructors and Staff”は、大学の教職員に対して複雑なカナダの著作権法の内容を案内するために作成されました。4分から6分程度の動画と簡単なクイズで構成されたモジュールが7種類公開されています。

公開されたモジュールのコンテンツには、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY-NCが付与されています。また、授業で採用・利用を検討している大学向けに、実務ガイド(Implementation Guide)を公開しています。

オープンアクセス学術出版協会(OASPA)、加盟機関が2019年に出版したオープンアクセス論文のライセンス種類別統計を公表:2019年のCC-BY論文は約36万2,000本

2020年12月16日、オープンアクセス学術出版協会(OASPA)は、加盟機関が2019年に出版したオープンアクセス(OA)論文の、ライセンス種類別の統計を公表しました。

統計に基づいて、主に次のようなことが報告されています。

・会員機関の出版した2000年から2019年までの累計OA論文数は約210万本であり、2019年には前年から約17%の増加となる42万5,000本以上が出版された

・2019年には、完全OAジャーナルで約32万3,000本、ハイブリッドジャーナルで約3万9,000本の論文がCC BYライセンスの付与されたOA論文として出版された

・2019年のOA論文のうち、完全OAジャーナルでは約88%、ハイブリッドジャーナルでは約66%についてCC BYライセンスが付与されている

・近年、完全OAジャーナルではCC BYライセンスの付与されたOA論文の割合は減少傾向にあったが2019年は増加に転じた。ハイブリッドジャーナルでは2019年には増加傾向がやや後退したものの、依然としてCC BYよりも制限の強いCC BY-NC・CC BY-NC-NDライセンスの付与が伸長している

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