カナダ

北米研究図書館協会(ARL)と米・バージニア大学(UVA)図書館、公民権法と著作権法の調和の下でのアクセシブルなテキスト提供方法を検討したホワイトペーパーを公開

2019年7月22日、北米研究図書館協会(ARL)と米・バージニア大学(UVA)図書館はホワイトペーパー“The Law and Accessible Texts: Reconciling Civil Rights and Copyrights”の公開を発表しました。

このホワイトペーパーはアンドリュー・W・メロン財団から助成を受けたプロジェクトの一環として作成されたものです。障害者の公民権保護のために、研究・学習教材へのアクセスを確保することが不可欠であるという背景から、高等教育研究機関が現在の法的枠組みの中でいかに全ての学生に情報への公平なアクセス機会を提供するという使命を果たしているかが分析されています。

特に高等教育研究機関によるアクセシブルなテキスト制作と配布を求める公民権法としばしば公平なアクセス提供の障壁とみなされる著作権法に焦点が当てられており、著作権法の制限と例外を利用して、アクセシブルなテキストを制作・配布して障害者の権利に関する法律を順守し、研究・学習教材への公平なアクセスを提供するという組織の使命を支援する方法に関する議論が展開されています。

E2159 - ジャーナルプラットフォームの連合体“GLOALL”の結成

ユネスコが提唱する“Inclusive Knowledge Societies”という概念がある。全ての人々は,各々に合った言語や形式により,情報やコミュニケーション手段にアクセスすることが可能で,またそれらを解釈し活用するためのスキルを備えている,という状態を指し,ユネスコはそのような社会の実現を目指さなければならないとしている。科学技術・学術情報の流通も,この概念で言うところの「情報」及び「コミュニケーション手段」に含まれると考えられるが,現在の学術ジャーナルを巡る情勢は,いわゆるオープンアクセス(OA)に関する議論を踏まえても,理想的な状態からは程遠いと言わざるを得ない。特に2018年に欧州の助成機関が発表した,公的助成による研究の成果論文の即時OAを義務化する計画である“Plan S”と,それに関して世界的に展開された激しい議論は,立場による見解の相違はあるものの,科学技術・学術情報流通が多くの問題を抱えた状態にあることの明確な証左として共通認識されたのではないだろうか。

北米研究図書館協会(ARL)、加盟館・法律図書館・医学図書館の2017-2018年度版統計を刊行

2019年7月12日、北米研究図書館協会(ARL)が、2017-2018年度の3種類の統計を刊行しました。

コレクション、スタッフ、支出、サービス等に関する統計がまとめられており、それぞれ、米国とカナダのARL加盟館124機関(うち116館は大学図書館)、法律図書館72機関、医学図書館58機関が調査対象となっています。

ARL Statistics 2017–2018 Publications Describe Resources, Services of Member Libraries(ARL, 2019/7/12)
https://www.arl.org/news/arl-statistics-2017-2018-publications-describe-resources-services-of-member-libraries/

北米研究図書館協会(ARL)、“Research Library Issues”298号を刊行:研究大学におけるデータサイエンス革命を支援する図書館・図書館員の役割等を特集

2019年7月1日、北米研究図書館協会(ARL)が、“Research Library Issues”(RLI)298号を刊行しました。研究大学におけるデータサイエンス革命を支援する図書館・図書館員の役割と関わりを特集しています。

学生に中核的なデータリテラシーのスキルを教えることによってデータ科学への道筋について示した記事、Moore-Sloan Data Science Environment(MSDSE)の助成により促進されたデータサイエンス教育の大規模な成長と変革についてMSDSEに参加する3大学の職員と懇談した記事、米国国立農学図書館(NAL)におけるデータサイエンスに関するサービスの高度で協力的な成長に関する2記事が掲載されています。

同号では、研究図書館による長年にわたる貢献を活用しているため、研究図書館はデータサイエンス革命への準備ができていると主張しています。

カナダ国立図書館・文書館(LAC)、同館の新しい保存センターの設計計画を発表:炭素排出量実質ゼロ

2019年6月18日、カナダ国立図書館・文書館(LAC)と、同館の第二の保存センターの建設を担当するPlenary Properties Gatineauコンソーシアムが、同建物の設計計画を発表しました。

カナダ政府のグリーン戦略を満たす同国初の建物、また、ネットゼロカーボン(炭素排出量実質ゼロ)な施設として、ケベック州ガティノー市にある現在の保存センターの後ろに建設されます。

新しいセンターは、

・建設デザインや効率化によるエネルギー消費での炭素排出の最小化
・無炭素燃料によるエネルギー需要への対応
・建築素材に含まれる炭素の最小化

といった特徴を持つほか、先端技術を用いて自動化された書庫や検索システムを備える保存施設となる予定です。

建設は2019年に始まり、2022年のオープンが予定されています。

IFLA Journal、2019年6月号が発行

2019年6月13日、国際図書館連盟(IFLA)が刊行する“IFLA Journal”の45巻2号(2019年6月)が公開されました。

ギリシャの図書館情報学のあらゆる側面での変化の始まりを意味するマイルストーンの概観、SDGsへのナイジェリアの農村住民の関与のためのオーダーメイドの情報リテラシーの提供の効果、議会図書館の図書館評価基準、新しい実践と専門職認識、バングラデシュの大学図書館におけるオープンソースの統合図書館システムの導入要因、新興国における大学生の情報探索行動、バングラデシュの中等学校の図書館及び図書館員の地位、に関する論考が掲載されています。

Out Now: June 2019 issue of IFLA Journal(IFLA,2019/6/13)
https://www.ifla.org/node/92223

北米及び英国の公共図書館とウォーキングプログラム(文献紹介)

2019年5月に発行されたInternational Journal of Environmental Research and Public Health誌の16巻10号に、公共図書館のウォーキングプログラムについて調査した論考“Public Libraries and Walkable Neighborhoods”が掲載されています。

米・ノースカロライナ大学グリーンズボロ校図書館情報学部のNoah Lenstra氏等によるもので、北米及び英国の公共図書館を対象に、公衆衛生に係わって、地域のウォーキングプログラムへの公共図書館の貢献度を調査することを目的としたものです。

同文献では、地域のウォーキングプログラムに対して、公共図書館は、

・小説や地域の歴史とウォーキングプログラムを結びつける資源として
・フィットネスクラブ等がない地域のコミュニティーセンターとして
・地域のウォーキングクラブの活動や公衆衛生の研究者の研究の提携先として
・歩きやすいルートの目的地として

貢献していることを指摘しています。

OCLC、WorldCat収録の出版物から見たカナダの影響力についての調査報告書を公開

2019年5月21日、OCLCが、WorldCatに収録されているカナダ関係の出版物から見たカナダの影響力についての調査報告書“Maple Leaves: Discovering Canada through the Published Record”を公開しました。

調査は、WorldCatとWikidataの情報を用いて、カナダにおける出版物、カナダ人による出版物、及びカナダに関する出版物を特定することにより行われました。これらのカナダ関係出版物は、WorldCatにおいて1,090万件確認されたとあります。

報告書では、カナダ関係の出版物が世界の図書館で広く所蔵されており、所蔵数が最多の作品はルーシー・モード・モンゴメリ作『赤毛のアン(Anne of Green Gables)』であることや、カナダの先住民族やイヌイット、混血民族の言語による出版物も多く見られること、コミックやグラフィックノベルの出版においてもカナダの存在が顕著であること等が紹介されています。

カナダの出版団体BookNet Canada、図書館利用と図書の購入の関係性について調査した報告書を公開

2019年5月28日、カナダの出版団体BookNet Canadaが、調査報告書“Looks at the Intersection of Library Use and Book Buying in Canada”を公開しました。

図書館利用と図書の購入の関係性について調査したもので、2018年の1年間を通じ、英語を話す18歳以上のカナダ人を対象にオンライン調査で行われました。 

・本を購入し図書館でも借りる人のほうが、図書館を全く利用しない人よりも、月平均でより多くの本を購入すること
・図書館で本を借りる人の41%が過去1年間に紙媒体の図書を、12%が電子書籍を、4%がオーディオブックを購入したこと
・図書館で本を借りる人は、過去1年間に少なくとも1冊は読書をしたカナダ人の平均よりオーディオブックをよく利用していること、
・図書館で本を借りる人は、毎日もしくは週に数回本を読む傾向があり、読書をする人の平均より読む頻度が高いこと
・読むための本を探すにあたって公共図書館は4番目に人気があること

等が指摘されています。

北米の東アジア研究課程に提出された博士論文における東アジア諸言語で書かれた情報源の引用状況に関する調査(文献紹介)

2019年5月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.80, no.4に、米・コロラド大学図書館のXiang Li氏による論文“Citing East Asia: A Citation Study on the Use of East Asian Materials in East Asian Studies Dissertations”が掲載されています。

同論文は、北米の大学の東アジア研究課程に提出された博士論文における東アジア諸言語(中国語、日本語、朝鮮語、モンゴル語、チベット語、満州語)で書かれた情報源の引用状況の調査結果をまとめた研究です。2013年から2015年に北米の大学の博士号を授与する32の東アジア研究課程へ提出された博士論文213件を対象に、各論文の引用文献について、東アジア諸言語(中国語、日本語、朝鮮語、モンゴル語、チベット語、満州語)で書かれた情報源の引用数や割合、引用された情報源の形式や出版年を調査・分析したものです。

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