カナダ

カナダ研究図書館協会(CARL)、国内機関向けにオープンアクセス(OA)方針のテンプレートと関連ツールキットを公開

2020年5月14日、カナダ研究図書館協会(CARL)は、カナダ国内の機関向けにオープンアクセス(OA)方針のテンプレートと方針策定準備を支援する関連ツールキットを公開したことを発表しました。

カナダでは連邦政府助成機関3機関のOA方針制定をきっかけに機関のOA方針の整備が進み、現在で機関全体としてOA方針が10件、機関内の学部・部局等に適用されるOA方針が2件、機関内の図書館員やアーキビストの支持によるOA方針が7件策定されています。

CARLはOA方針の論拠を支える主要原則・OA方針策定までの段階・得られた教訓等を提供するツールキットについて、初めて機関全体の方針を策定する取り組みへの支援を意図して設計しているが、学部・部局等に特化した方針の策定や機関の既存の方針を拡張する際にも有用である、としています。

CARLはOA方針の実践が急速に進展しているという認識の下、OA方針の標準やOA方針に対する期待の変化に応じて、テンプレートとツールキットを継続的に改訂することを表明しています。

北米の研究図書館における男女の給与格差の経時的変化(文献紹介)

2020年5月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.81, no.4に、米・パデュー大学のハワード(Heather A. Howard)准教授を筆頭著者とする論文“The Gender Wage Gap in Research Libraries”が掲載されています。

米国における男女間の給与格差は過去数十年で縮小したとはいえ依然として健在であり、米国国勢調査局の近年の調査でも女性の給与は平均して男性の8割程度であることが報告されています。男女間の給与格差の傾向は、伝統的に女性が多くを占める研究図書館にもあてはまります。論文では、米国・カナダの研究図書館における男女間の給与格差はどの程度か、時間の経過により給与格差の問題の改善が見られたか、などについての調査結果を報告したものです。

調査には北米研究図書館協会(ARL)が発行する給与調査レポートが使用され、1976-1977年度から2018-2019年度までのデータに基づく分析が行われました。分析はレポートの内容に基づき、役職・権限に応じて、館長レベル・副館長レベル・分館長レベル・部門長レベル・その他の実務者レベルの5段階の階層別に行われています。

カナダ研究図書館協会(CARL)、2019年5月開催のオープンスカラシップに関するワークショップ“Advancing Open”の報告書を公開

2020年4月30日、カナダ研究図書館協会(CARL)は、ワークショップ“Advancing Open”の報告書を公開したことを発表しました。

“Advancing Open”は2019年5月6日から7日にかけて、カナダの学術図書館の学術コミュニケーションに関する実践者コミュニティが、オープンアクセス・オープンデータ・オープンエデュケーションを含む「オープンスカラシップ」をカナダ国内で促進するために新しい戦略を模索する機会として開催されました。CARL・カナダ研究知識ネットワーク(CRKN)や国内の大学図書館等の主催により実施されています。

報告書はワークショップ当日に70人以上の参加者の間で交わされた議論を取りまとめた内容となっています。ワークショップでは、機関から国際的なレベルまでのオープンスカラシップに関するポリシー、オープンスカラシップに関する日常業務などの実践のためのワークフローや運営、ソフトウェアやインフラなどのオープンスカラシップを支える技術、ダイバーシティ・作業量・コミュニティからの支援といった人的要素、教育・アウトリーチを通したオープンスカラシップのアドヴォカシーの5つのテーマについて、参加者の間で議論が交わされました。

カナダ出版者協会(ACP)及びアクセス・コピーライト、新型コロナウイルスの感染拡大をうけ“Read Aloud Canadian Books Program”を開始:加盟出版社の本を用いた教員・図書館員によるオンラインでの読み聞かせにおける著作権使用料を免除

2020年3月26日、カナダ出版者協会(ACP)及びカナダの著作権管理団体のアクセス・コピーライト(Access Copyright)が、新型コロナウイルスの感染拡大をうけ“Read Aloud Canadian Books Program”の開始を発表しています。

ACP加盟出版社の本を用いた教員・図書館員によるオンラインでの読み聞かせや動画の投稿における著作権使用料を免除するもので、教員・図書館員からの要請に応じたものです。

ACPとアクセス・コピーライトでは、同プログラムを活用した教員や図書館員に対して、ハッシュタグ#ReadAloudCanadianを用いて、ACP、アクセス・コピーライト、著者、出版者へのメンションとともにSNSに投稿するよう求めています。

カナダ・トロント公共図書館、同館の3Dプリンターをトロント総合病院へ貸与:新型コロナウイルス感染症に対応する医療従事者用の個人防護具(PPE)製造支援のため

2020年3月27日、カナダのトロント公共図書館(TPL)は、同館の3Dプリンター“Ultimaker 2+”10台をトロント総合病院の医療チームへ貸与していることを発表しました。新型コロナウイルス感染症対応の最前線に立つ医療従事者が着用する個人防護具(Personal Protective Equipment:PPE)の製造を支援することが目的です。

トロント総合病院では、Azad Mashari医師らによるイメージング研究室内の医療チームが、3Dプリントされた部品を含むフェイスシールドを製造しています。このフェイスシールドはプラスチック・マイラ・伸縮素材を素材とし、顔全体を覆うことで新型コロナウイルスから鼻や目を保護する目的で使用されています。

トロント公共図書館は、世界の多くの公共図書館にはメイカースペースや3Dプリンティングの技術やプログラムが存在し、新型コロナウイルス感染症対応として、オンタリオ州のキッチナー公共図書館やストラトフォード公共図書館などでも、同様の取り組みが行われていることを紹介しています。

カナダ保存研究所、文化財のカビ予防・除去に関するガイドラインの改訂版を公開

2020年3月13日、カナダ保存研究所(Canadian Conservation Institute;CCI)は、文化財のカビ予防・除去に関するガイドライン“Mould Prevention and Collection Recovery: Guidelines for Heritage Collections”の公開を発表しました。

同ガイドラインの初版は2004年の刊行であり、今回公開された版は改訂版となります。カビについての一般情報のほか、図書館・アーカイブ・ミュージアムの所蔵品におけるカビ成長防止、所蔵品からのカビ除去、カビによる健康被害防止のための個人用保護具等に関する情報がまとめられています。

@cci.conservation(facebook, 2020/3/13)
https://www.facebook.com/cci.conservation/posts/3920490831324601

カナダ国立図書館・文書館(LAC)、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため休館

2020年3月13日、カナダ国立図書館・文書館(LAC)が、14日から追って通知があるまで、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため休館すると発表しています。

対象は、オタワ・バンクーバー・ウィニペグ・ハリファックスのサービスポイントです。

オンラインと電話によるサービスは継続され、退役軍人へのサービスや情報へのアクセス、プライバシーに関する依頼は優先されます。

Our service points are closed until further notice(LAC, 2020/3/13)
http://www.bac-lac.gc.ca/eng/news/Pages/2020/service-points-closed.aspx

職員が利用者から受ける暴力・暴言の増加:カナダ・トロント公共図書館(TPL)の事例(記事紹介)

2020年2月2日、カナダ放送協会(CBC)が、トロント公共図書館(TPL)において、職員が利用者から受ける暴力・暴言が増加している問題を取り上げています。

報道では、同館職員は、唾を吐かれたり、言葉による脅迫や、物を投げつけられるといった、暴力・暴言を受けており、2011年には103件の暴力的で人を罵倒する行為と262件の脅迫的な言動がありましたが、2018年には、各々249件と623件へと増加していることが紹介されています。

TPLの職員組合からの声として、過去20年間で人員配置が15%減少したことによる分館における職員の少なさが問題の一部であるという意見や、2,100人の組合員を対象とした2018年の調査で、39%が仕事上安全ではない/37%が時々安全でないと感じると回答したことや、60%がTPLが安全な職場を提供していない、と回答したことを紹介しています。

北米の研究図書館センター(CRL)、サハラ以南のアフリカの新聞をDigital Delivery System (DDS)を通じてオープンアクセス(OA)で公開

2020年2月12日、北米の研究図書館センター(CRL)が、Digital Delivery System (DDS)を通じて、40万ページを超すサハラ以南のアフリカの新聞をオープンアクセス(OA)で公開したと発表しています。

対象は、1800年から1922年までの、20か国の60を超すタイトルで、画像のみの公開となっており、日付ごとに閲覧できます。

世界中の歴史的新聞の保存と持続的アクセスのための取り組みである“World Newspaper Archive”でデジタル化したもので、CRLとNewsBank社による米国の歴史的な新聞データベースReadexとの取り決めにより、一定期間後にOAとしたものです。

CRL Opens African News Content(CRL, 2020/2/12)
https://www.crl.edu/news/crl-opens-african-news-content

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