オープンソース

米・ニューヨーク大学図書館、教員・学生向けに電子書籍アプリ“SimplyE”での学術書利用を可能にするパイロットプロジェクトを開始:ProQuest社、米・LYRASISと協力

2021年4月5日、米・ニューヨーク大学(NYU)は、NYU図書館がProQuest社及び米・LYRASISと協力し、NYUの教員・学生向けに電子書籍アプリ“SimplyE”で学術書15万点以上の閲覧を可能にするパイロットプロジェクトを開始したことを発表しました。

“SimplyE”は、スマートフォンやタブレット端末で電子書籍の閲覧・借用ができるアプリであり、Android及びAppleの端末に対応しています。米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)とLYRASISとの連携により、オープンソースの技術を用いて開発され、米国の公共図書館で広く利用されています。そのため、NYUの教員・学生は、“SimplyE”を用いてNYPL等の地元の公共図書館が提供するコンテンツも利用できます。

NYU図書館では長年にわたりProQuest社のプラットフォーム“Ebook Central”を介して学術書へのアクセスを提供してきましたが、今回のパイロットプロジェクトにより、ユーザーエクスペリエンスの向上が図られます。発表によれば、ProQuest社は、“SimplyE”に関して大学図書館及びオープンソース・コミュニティとの連携協力を行った初めての電子書籍プラットフォームプロバイダーとなります。

英国の研究プロジェクト“Living With Machines”開発のツール“Press Picker”のソースコードが公開:英国図書館(BL)所蔵新聞コレクションの概要をタイトル変遷・資料フォーマットの相違に対応して可視化

2021年3月8日、英国図書館(BL)及び英国内の大学・研究機関による共同研究プロジェクト“Living With Machines”は、プロジェクトで開発したツール“Press Picker”のソースコードを公開したことを発表しました。

“Living With Machines”は、第一次産業革命が19世紀を中心に人々へ与えた影響を、データサイエンス・人工知能(AI)・デジタル人文学の方法論を活用して探求する研究プロジェクトとして、2018年に開始しました。英国研究イノベーション機構(UKRI)による5年間の助成の下、BL、及びデータサイエンスとAIの研究機関としてBL内に本部が設置されているアラン・チューリング研究所が中心に取り組んでいます。

同プロジェクトは、BLが所蔵する当時の新聞資料について、デジタル化が未完了の資料群のデジタル化を計画していますが、分量が非常に多い上に、発行時期による頻繁なタイトルの変遷や、資料フォーマット(原紙またはマイクロフィルム)の相違が、全体像の把握を困難としています。“Press Picker”はこのような背景の下、効率的な新聞資料のデジタル化を進めるために、BLの新聞コレクションの概要を把握するツールとして開発されました。

米・RRCHNM、デジタルコレクションのウェブ公開用オープンソースソフトウェア“Omeka S”の新モジュールを公開:デジタルコレクションへの「投げ銭」が可能に

2021年3月9日、米国ジョージ・メイソン大学のロイ・ローゼンツヴァイク・歴史・ニューメディアセンター(RRCHNM)は、同センターが開発するデジタルコレクションのウェブ公開用オープンソースソフトウェア“Omeka S”に対して、“Web Monetization”機能を実装するための新しいモジュールを公開したことを発表しました。

“Web Monetization”はウェブサイトを訪問したユーザーが、ブラウザ上で少額の寄附を行うことを可能にするJavaScript APIです。新たに公開されたモジュールによりページ上部にバナーを設置するなどの方法で、Omeka Sで構築されたデジタルコレクションでは、ユーザーがブラウザから直接寄附を行うことが可能になります。

RRCHNMはモジュール開発の背景として、デジタルコレクションの財政基盤はユーザーの支える仕組みが理想的であるという方針と、デジタルコレクションのようなコンテンツ提供には一定のコストがかかる点に対するユーザー側の理解の普及を挙げています。同モジュールは、GitHubおよびOmeka Sのモジュールリポジトリで公開されています。

オープンアクセス誌eLife、コード・プログラム等を読者が直接実行可能な学術論文“Executable Research Article”出版プロジェクトの新しいフェーズを開始

2021年3月1日、オープンアクセス(OA)誌のeLifeは、著者・出版社にコンピューター上で再現可能な学術論文の出版を提供するプロジェクト“Executable Research Article”(ERA)が新しいフェーズを開始したことを発表しました。

ERAは、インタラクティブで再現性の高いドキュメント出版のためのオープンソースのツール開発を専門とするStencila社と共同して、eLifeが2017年から取り組むプロジェクトです。ERAにより出版された学術論文では、論文内のコードやプログラムの検証・修正等のため、読者がブラウザ上でこれらを直接実行することができます。論文読者が図の生成過程を把握したり、分析の範囲を任意の条件に変更することなどが可能になり、研究の透明性・再現性・インタラクティブ性の向上に寄与する取り組みとして説明しています。

米・カリフォルニア工科大学図書館、オープンソースの図書館サービスプラットフォームFOLIOを導入へ

2021年3月3日、米・カリフォルニア工科大学(Caltech)図書館は、オープンソースの図書館サービスプラットフォーム(LSP)FOLIOを導入し、2021年の秋学期から使用することを発表しました。導入に当たってはEBSCO社のホスティングサービスを利用するとあります。

同館のLSP評価チームはFOLIOの採用を満場一致で決定したとし、その理由として、電子リソース管理や他のアプリケーションとの連携といった面で優れていることを挙げています。

Caltech Library Will Adopt the FOLIO Library Services Platform for Fall 2021(Caltech Library, 2021/3/3)
https://www.library.caltech.edu/folio-announcement

オープンアクセス(OA)学術単行書のダイレクトリDOABがDspace ver.6上に構築した新プラットフォームへリニューアル

2021年2月17日、オープンアクセス(OA)学術単行書のダイレクトリDirectory of Open Access Books(DOAB)は、新しいプラットフォームへの移行が完了したことを発表しました。

DOABの新プラットフォームは、オープンソースのリポジトリシステムDSpace ver.6を基盤として構築されています。DOABに収録された3万4,000点以上の学術単行書は、新プラットフォームへの移行後も引き続き自由に利用することができます。

The Directory of Open Access Books (DOAB) relaunches on the open source DSpace platform(DOAB,2021/2/17)
https://www.doabooks.org/en/doab/article/doab-relaunches-on-the-open-source-d-space-platform

米・Educopia Institute等のプロジェクト“Next Generation Library Publishing”、学術情報流通に関わるオープンソースのツールやサービスをカタログ化した“SComCat”を公開

2021年1月26日、米国のMLAおよびその他の文化資源保存機関の連携促進を目的とする非営利組織Educopia Instituteは、学術情報流通に関わるオープンソースのツールやサービスをカタログ化したウェブサイト“Scholarly Communication Technology Catalogue(SComCat)”が公開されたことを発表しました。

SComCatは、Educopia Instituteを中心としたオープンソースの出版インフラの開発・統合プロジェクト“Next Generation Library Publishing”の一環として、プロジェクトパートナーであるオープンアクセスリポジトリ連合(COAR)や、デジタル分野の高等教育・研究等に関するコンサルタント会社Antleaf社が共同開発しました。学術情報流通に関わるオープンソースのソフトウェアと主要な運用中のサービスを含む情報技術をカタログ化し、ナレッジベースとして提供しています。開発の目的については、これらの情報技術の機能、組織モデル、依存関係、標準規格の採用状況、普及状況などの概要を提供し、ユーザーの意思決定の支援を行うことである、と説明しています。

EBSCO社、スペイン・サラゴサ大学図書館によるオープンソースの図書館サービスプラットフォームFOLIO導入を発表:同社のホスティングサービスによるスペインで最初の導入事例

2021年1月21日、EBSCO社は、同社がホスティングサービスを提供するオープンソースの図書館サービスプラットフォームFOLIOについて、スペインのサラゴサ大学(La Universidad de Zaragoza)図書館が導入することを発表しました。スペインにおいて、同社のホスティングサービスを利用したFOLIOの導入は、同館によるものが最初の事例となります。

EBSCO社はスペインにおける図書館のFOLIO実装について、図書館等に情報技術・アウトソーシングサービスを提供するIBAI-SCANBIT社と業務提携関係を結んでおり、同館のFOLIO実装はIBAI-SCANBIT社が中心となって行います。同館のFOLIO実装に向けた移行の作業はすでに進行しており、2021年春に完了する予定です。

オープンソースのJPEG2000コーデック“OpenJPEG”のバージョン2.4.0がリリースされる

2020年12月28日、オープンソースのJPEG2000コーデック“OpenJPEG”のウェブサイト上で、OpenJPEGのバージョン2.4.0のリリースが発表されました。

エンコーダーにおける主な改善点として、マルチスレッド対応、IMFプロファイルの書き込みや(JPEG2000の)PLTマーカー生成のサポート等を挙げています。その他、様々なバグの修正も行われました。

OpenJPEG 2.4.0 released(OpenJPEG, 2020/12/28)
http://www.openjpeg.org/2020/12/28/OpenJPEG-2.4.0-released

東京大学人文情報学部門、IIIF対応ビューワMirador 3の改良版を開発・公開:Miradorで表示した動画に対するアノテーション付与を実装

2020年12月24日、東京大学大学院人文社会系研究科附属次世代人文学開発センターの人文情報学部門は、デジタル画像相互運用のための国際規格IIIF対応ビューワMirador 3の改良版を公開したことを発表しました。

東京大学人文情報学部門は2020年12月24日にウェブサイト内で、同部門のIIIFに関する取り組み等を紹介するページ「IIIFに関する取り組み」と、動画へのアノテーション等を可能にするIIIF Presentation APIバージョン3.0に対応したアプリケーション開発の取り組みを紹介するページ「IIIF動画アノテーション」を公開しました。「IIIF動画アノテーション」内で、同部門がIIIF対応ビューワであるMirador 3へ機能追加を行い、IIIF Presentation APIバージョン3.0の動画対応仕様に基づく動画アノテーションが可能なアプリケーションのパイロット版を開発したことを発表しています。また、開発したアプリケーションによって、Miradorで表示した動画に対してアノテーションを付与した事例が紹介されています。

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