電子書籍

大手出版社Macmillan社、2019年11月から実施中の図書館向け電子書籍提供モデル変更を撤回

2020年3月17日付の米国図書館協会(ALA)のお知らせで、大手出版社Macmillan社が2019年11月1日から実施していた図書館向け電子書籍提供モデル変更を撤回し、2019年10月以前の提供モデルへ復帰することが発表されています。

米国の出版情報誌“Publishers Weekly”も同日付でMacmillan社のこの決定を報じています。“Publishers Weekly”の記事では、この決定に関する同社CEOのJohn Sargent氏による図書館員等に宛てた書簡が紹介されています。書簡の中で、Sargent氏は、2020年3月20日から図書館向け電子書籍提供モデルを10月以前のモデルに戻すこと、現在の困難な時期に図書館のコレクション拡張を支援するためいくつかのタイトルの電子書籍の提供価格を一時的に引き下げること、を示しています。

同記事では、新型コロナウイルス感染症の大流行が同社の決定に大きな役割を果たしたとしつつ、この決定がMacmillan社の収集した関連するデータに基づく結論に沿うものなのか、Macmillan社の執行部がこの方針を見直す予定があるのか、将来的に図書館の電子書籍へ別の大きな条件改訂を検討しているのか、などのことは現時点では不明である、としています。

DAISYコンソーシアム、Microsoft Word形式の文書をEPUBファイルに変換するツール“WordToEPUB”を公開

2020年3月14日、DAISYコンソーシアムはTwitterアカウント上で、Microsoft Word形式の文書から容易にEPUBファイルを作成できる無料のツール“WordToEPUB”を公開したことを発表しました。

“WordToEPUB”はMicrosoft社の支援により、DAISYコンソーシアムが開発したツールです。Windowsのエクスプローラ上でWordファイルを右クリックして実行する、ツールバーのリボンにあるアドインからWordファイル編集中に直接実行する、などの操作によりWord形式の文書を最新のEPUB 3形式のファイルへ変換することができます。

“WordToEPUB”は、英語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語・オランダ語に対応したインターフェースが用意されており、DAISYコンソーシアムのウェブサイトから無料でダウンロードすることができます。

@accessibledaisy(Twitter,2020/3/14)
https://twitter.com/accessibledaisy/status/1238508258425335809

ProQuest社、出版社50社以上と提携しEbook Central上の提携出版社のタイトルを2020年6月中旬まで同時アクセス数無制限で提供:新型コロナウイルス感染症拡大に伴う図書館支援の一環

2020年3月13日、ProQuest社は、50以上の出版社と提携し、同社の電子書籍プラットフォームEbook Central上の提携出版社のタイトルについて、全ての利用機関に対して2020年6月中旬まで同時アクセス数無制限で提供することを発表しました。

ProQuest社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、世界中の高等教育機関の図書館がキャンパス外での学習や研究への対応に迫られ、電子リソースへのアクセス確保が不可欠になったため、この緊急のニーズに応えることを目的に今回の措置を実施した、としています。新型コロナウイルス感染症による影響を受けたEbook Centralの利用機関は、2020年6月中旬までProQuest社と提携を結んだ出版社の提供する全てのタイトルを同時アクセス数無制限で利用可能になります。機関側で同時アクセス数を無制限とするために必要な手続きはなく、この移行は自動的に行われます。

ProQuest社が今回の実施にあたって提携した出版社の一覧は、同社のウェブサイトで公開されています。

Knowledge Unlatched(KU)、2019年の利用状況を報告:ダウンロード数と閲覧数の合計は前年比50%増の300万回以上

2020年3月5日付で、Knowledge Unlatched(KU)は、2019年の利用状況を報告した記事“Knowledge Unlatched Presents Open Access Heroes 2020”を公開しました。

KUは、2019年中のダウンロード数と閲覧数の合計が2018年から50%増となる300万回以上に達し、1タイトル当たりで1,900回になったことを報告しています。2019年中、KUの提供タイトルには200か国以上からの利用があり、最も利用されたタイトルがUCL Press社刊行の“Social Theory of the Internet”で、最も多く利用した機関が米国のジョンズホプキンス大学であったことなども報告されています。

KUはOAPEN、JSTOR、Project MUSE等の複数のプラットフォームから収集したデータに基づいて今回の利用状況を報告していますが、2020年初頭にOpen Research Libraryが正式公開されたことに伴い、今後はさらに多くの利用に関するデータを活用できる、としています。KUは記事で報告した利用に関するデータについて、縦向き・横向き両方の形式で1枚にまとめた図をウェブサイト上で公開しています。

韓国・文化体育観光部、「2019年国民読書実態調査」の結果を発表

2020年3月11日、韓国・文化体育観光部が、「2019年国民読書実態調査」の結果を発表しました。

隔年で行なわれている調査で、2019年12月中旬から2020年1月末までの期間において、満19歳以上の成人6,000人及び小学校4年生以上の児童・生徒3,000人を対象に全国規模で実施されました。

プレスリリースでは、

・成人の紙の本の読書率・読書量が減少した一方、電子書籍の読書率・読書量が小幅増

・紙、電子書籍をあわせた読書率・読書量は大学生・30代で小幅増。高齢者や小規模な都市では大幅に下落

・成人の読書が困難な理由で最も多かった回答が「本以外の他のコンテンツを利用している」

・読書を行なう成人の読書時間は2倍以上に増加

という結果の紹介や

・「読書指標」が平均以下の地方公共団体においては読書振興のための特別プログラムの開発

・メディア環境の変化と高齢化時代に対応した読書振興政策の推進

が必要であることが指摘されています。

神戸市立図書館、臨時休校で自宅待機中の児童・生徒のために電子図書館サービス「KOBE電子図書館 by Rakuten OverDrive」へ児童書300冊を新たに追加提供

2020年3月10日、神戸市立図書館は、新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う臨時休校により、自宅待機中の児童・生徒の利用を意図して、同館の電子図書館サービス「KOBE電子図書館 by Rakuten OverDrive」へ児童書300冊を新たに追加提供したことを発表しました。

同館は3月16日まで臨時休館を予定していますが、予約図書の受取等が可能な臨時窓口を各館に設置しており、臨時窓口で電子図書館の利用申し込みができます。また、通常は電子図書館サービス利用のためのID・パスワードは利用者本人が来館し図書館カードを取得する必要がありますが、臨時休館中は特例として保護者が来館して代理申込することが可能であることも併せて発表しています。

メニュー(神戸市立図書館)
https://www.city.kobe.lg.jp/a09222/kosodate/lifelong/toshokan/index.html
※「【電子図書貸出サービス】 どこでも読める電子図書館に、新たに児童書約300冊が増えました(2020年3月10日)」とあります。

図書館流通センター(TRC)、新型コロナウイルス感染拡大の影響による図書館の休館等をうけ、TRC電子図書館サービス導入館に対しコンテンツを無償提供

2020年3月9日、図書館流通センター(TRC)が、新型コロナウイルス感染拡大の影響による公共図書館の臨時休館や小中学校・高等学校・特別支援学校の臨時休校などの事態を受け、TRC電子図書館サービスの導入館に対し、期間限定でコンテンツを無償提供すると発表しました。

期間は3月9日から4月5日までで、出版社等の協力を得て、既導入館のサイトに、「角川つばさ文庫」ほか100タイトル、「Hir@gana Times」2018年・2019年刊行の24冊、保健指導者のための「子どもの感染症と予防接種の手引き」第4版といったコンテンツが追加登録されます。

国内導入実績No.1のTRC電子図書館サービス導入館に対しコンテンツを無償提供<期間限定>(TRC, 2020/3/9)
https://www.trc.co.jp/information/200309_trc.html

新型コロナウイルス感染拡大防止のため臨時休館中の八千代市立図書館(千葉県)、電子図書館利用のための臨時ID・パスワードを電話で発行

2020年3月5日、新型コロナウィルス感染拡大防止のため2020年2月29日から3月13日まで臨時休館中の千葉県の八千代市立図書館が、同館の電子図書館利用のため、暫定措置として、臨時ID・パスワードを電話で発行すると発表しました。

対象は、八千代市の住民もしくは通勤・通学者で利用の期限は4月2日までです。

八千代市電子図書館の臨時利用の開放をします(八千代市立図書館)
https://www.library.yachiyo.chiba.jp/opw/OPW/OPWNEWS.CSP?PID=OPWNEWSLIST&DB=LIB&MODE=1&LIB=&TKAN=0&CLASS=1&IDNO=100716

韓国・文化体育観光部、全国の公共図書館が休館していることを受け、電子図書館や駅・バスターミナル等設置の「スマート図書館」の利用を呼びかけ

2020年3月4日、韓国・文化体育観光部が、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、2月26日現在、全国の96.6%の公共図書館が休館していることを受け、電子図書館や駅・バスターミナル設置の「スマート図書館」の利用を呼びかけています。

「スマート図書館」は同部と地方公共団体と協力して地下鉄の駅やバスターミナル等に設置している400冊から600冊ほどの図書を備える自動貸出機で、全国57か所に設置されています。借りたい本をスマートフォンで予約することも可能です。

また、韓国国立中央図書館(NLK)や公共図書館が運営している電子図書館から電子書籍・オーディオブック・電子ジャーナルが無料で利用できることや、「国家電子図書館」から国会図書館・農村振興庁農業科学図書館・法院図書館・韓国科学技術院図書館等の原文データベースを利用できることも紹介されています。

電子書籍規格EPUB 3.0.1に関するISO規格(ISO 23736:2020)が発行

2020年2月19日付で、電子書籍規格EPUB 3.0.1に関するISO規格(ISO 23736:2020)が発行されています。

規格は「概要(Overview)」「EPUB出版物(Publications)」「コンテンツ文書(Content documents)」「オープン・コンテナ・フォーマット(Open container format:OCF)」「メディア・オーバーレイ(Media overlays)」「フラグメント識別子(Canonical fragment identifiers)」の6つのパートで構成されています。それぞれのパートの電子版はISO/IECの情報技術タスクフォース(ITTF)のウェブサイトからダウンロードすることができます。

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