電子書籍

Science Europe、学術書に対してオープンアクセス(OA)方針を実施する際の重要問題の特定、及び促進・加速に向けての提言等を概説したブリーフィングペーパーを公開

2019年9月26日、欧州の研究助成財団・研究実施機関が加盟するScience Europeは、ブリーフィングペーパー“Science Europe Briefing Paper: On Open Access to Academic Books”を公開したことを発表しました。

オープンアクセス(OA)への移行に関する動きはこれまで論文を中心に展開されていますが、社会科学・人文科学等の分野では研究成果として多数の単行書が生産され活用されています。このブリーフィングペーパーは、こうした状況を背景に、学術書に対してOA方針を実施する際の重要問題の特定や様々な利害関係者がこれらの方針を促進・加速するための提言を概説したものである、としています。

公開されたブリーフィングペーパーは、学術単行書をめぐる現在の状況、学術単行書のOAは論文とは異なる道筋をたどっていることを挙げながら、学術書のOA実施に求められる原則として、「学術書についても明示されたOA方針」「持続可能な資金提供・ビジネスモデル」「OA学術書に対する品質保証プロセスの確立」「生産者の著作権の保証と再利用のための適切なライセンス設定」「標準的なメタデータの運用等によるOA学術書の普及・発見・保存体制」の5つが示されています。

米・LYRASISと米・ミシガン大学出版局、米国学術団体評議会(ACLS)の人文系学術電子書籍サイト“ACLS HEB”収録コンテンツ提供のため提携

2019年9月12日、米国の図書館等のネットワークLYRASISは、米・ミシガン大学図書館の出版部門であるミシガン大学出版局(Michigan Publishing)と提携して、米国学術団体評議会(ACLS)の人文系学術電子書籍サイト“ACLS HEB”収録コンテンツの提供を行うことを発表しました。

コンテンツの選定についてはこの提携後も引き続きACLSが監督しますが、収録コレクションの運営については、2002年からACLS HEBへホスティングを提供しているミシガン大学出版局に責任が移行します。LYRASISはミシガン大学出版局を支援しながら、単一の販売・ライセンス契約窓口等を提供し図書館やコンソーシアムが負担する経費を安価に抑える、としています。

この提携の効力が発生する2019年10月1日以降、ACLS HEBのコレクション購読についてはLYRASISが窓口となります。

ACLS HEBは2002年に立ち上げられた最も初期に開発された電子書籍コレクションの1つです。2018年にミシガン大学出版局の次世代出版プラットフォームFulcrumへ移行し、機能向上や新機能の追加が行われています。

神戸大学附属図書館、Evidence Baced Acquisition(EBA)モデル契約による電子書籍サービスCambridge Core eBooksの提供を開始

2019年9月19日、神戸大学附属図書館は、電子書籍サービスCambridge Core eBooks について、Evidence Baced Acquisition(EBA)モデル契約により提供を開始したことを発表しました。

同館が締結した契約により、神戸大学の構成員は、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)の学術プラットフォームCambridge Core上で、2018年までにオンラインで刊行された経済・経営・法学・政治学・国際関係関連の学術研究書約8,700タイトルを2020年3月31日まで利用することができます。なお、同館は締結した契約について、2019年10月1日から2020年3月31日までの利用統計に基づいて、購入タイトルの選定が可能なEvidence Baced Acquisition(EBA)モデルによる契約である、としています。

Cambridge Core eBooksをご利用いただけます。(神戸大学附属図書館,2019/9/19)
https://lib.kobe-u.ac.jp/libraries/14036/

米・オハイオ州の図書館コンソーシアムOhioLINKが購入した電子書籍パッケージの利用率に関する調査(文献紹介)

2019年9月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.80, no.6に、米・オハイオ州のボーリング・グリーン州立大学 (Bowling Green State University:BGSU)図書館で電子リソースを担当する大学図書館員であるAmy Fry氏による論文“Ebook Rate of Use in OhioLINK: A Ten-Year Study of Local and Consortial Use of Publisher Packages in Ohio”が掲載されています。

同論文は、90以上の機関が加盟する米・オハイオ州の図書館コンソーシアムOhioLINKがコンソーシアム購入したSpringer、Wiley、及びOxfordの電子書籍パッケージについて、COUNTERの利用統計等に基づき、刊行年が2007年から2017年までの(Wileyのみ2012年から2017年まで)タイトルの利用率を調査し、その結果を分析したものです。

米国図書館協会(ALA)、Macmillan社に電子書籍のエンバーゴの撤回を求める請願書を公開:電子書籍無料貸出サービスも開始予定

2019年9月11日、米国図書館協会(ALA)と米・公共図書館協会(PLA)が、電子書籍への図書館からのアクセスを制限する昨今の動きに対する全国的なキャンペーンを行うことを発表しました。

まずALAは、大手出版社Macmillan社が図書館に販売する電子書籍に設定予定のエンバーゴの撤回を求める請願書を、オンライン上で公開しました。

Macmillan社は、各図書館で電子書籍の新刊書は1タイトルにつき1点しか購入できず、2点目以降の購入には刊行から8週間のエンバーゴが設けられる新しい電子書籍貸出モデルを2019年11月1日から導入予定です。

請願書では、電子書籍の特長として、文字の拡大が容易であること、ディスレクシアの人や目の不自由な人の読書をより容易にするためのフォントや行間隔が提供されていること、携帯用機器は軽量で持ちやすく、体の不自由な人の中にはそれによって読書がより容易になる人もいることを挙げ、このエンバーゴが、特に身体障害や学習障害を持つ図書館利用者に損失を与えるものであるとしています。そして、同請願書に署名することでMacmillan社の方針への反対を表明するよう呼び掛けています。

Microsoft社、ウェブブラウザEdgeのEPUB形式電子書籍へのサポートを終了:電子書籍閲覧用のアクセシブルな推奨アプリリストを公開予定

2019年8月21日、Microsoft社は同社が提供するウェブブラウザEdgeのEPUB形式の電子書籍へのサポートを終了見込みであることを発表しました。

DAISYコンソーシアム等のパートナー機関とともに作成したアクセシブルな推奨アプリのリストが、Microsoft社のアプリストア“Microsoft Store”上で2019年9月以降に公開予定です。

Download an ePub app to keep reading e-books(Microsoft,2019/8/21)
https://support.microsoft.com/en-us/help/4517840/microsoft-edge-download-an-epub-app-to-keep-reading

オーストラリア国立図書館(NLA)、電子リソースの統合ポータルサイトeResourcesをリニューアル

2019年9月2日、オーストラリア国立図書館(NLA)が、電子リソースの統合ポータルサイトeResourcesをリニューアルしました。

電子ジャーナル・電子書籍の全文検索(現在、オンラインコンテンツの80%が検索可)、最も関連性の高い検索結果の表示、検索結果の絞り込み機能、検索結果の引用・保存・エクスポート等の機能があります。

館外から電子リソース等の本文を閲覧するには、同館の利用者カード記載のIDを用いてログインする必要があります。館内利用の場合は自動的に全て閲覧することができます。

ポータルサイトのトップバナーには、NLAのOPAC、リサーチガイド、旧ポータルサイトへのリンクが貼られています。旧ポータルサイトは11月まで利用可能です。

E2171 - 子どもの電子メディアの利用実態と読書との関係

政府が2018年4月に閣議決定した第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」では,スマートフォンの普及やSNSなどのコミュニケーションツールの多様化にみられる子どもの情報環境の変化が読書環境にも大きな影響を与えている可能性に鑑みて,「国は,本計画の実施期間中にこうした読書環境の変化に関する実態把握とその分析等を行う必要がある」とした。これを受けて,文部科学省では,2018年度に「子供の電子メディアの利用実態を把握し,読書活動等の関係を捉えること」を目的とした「子供の読書活動の推進等に関する調査研究(平成30年度委託研究)」を実施し,報告書を2019年5月にウェブサイトで公表した。この調査研究は秋田喜代美氏(東京大学教授)を座長とする委員会のもとで実施されたが,筆者も委員として参画する機会を得た。本稿では,筆者がポイントと考える点に絞って,関連する先行研究にも触れながら,調査結果を紹介したい。

米国図書館協会(ALA)と米・公共図書館協会(PLA)、州立図書館・地域図書館向けにMacmillan社の新しい電子書籍貸出モデルへの反対声明等として利用可能なテンプレートを公開

2019年8月23日、米国図書館協会(ALA)と米・公共図書館協会(PLA)は、州立図書館・地域図書館がMacmillan社の新しい電子書籍貸出モデルに対して反対声明等を表明する際に活用可能なテンプレートを公開したことを発表しました。

大手出版社のMacmillan社は、図書館に対して新刊書は各館1冊までしか購入できず、2冊目以降の購入は刊行から8週間のエンバーゴが設ける新しい電子書籍貸出モデルを2019年11月1日から導入予定です。

公開されたテンプレートは、Word形式で作成されており、ALA会長・PLA会長の同社の新モデルへの反対声明、情報アクセスの保証者・出版社と著者の広報媒体としての図書館の役割等が予め明記されています。州立図書館・地域図書館はこれを編集することにより、Macmillan社の新しい電子書籍貸出モデルへの反対決議・反対声明・書簡等を作成することが可能です。

ProQuest社とEBSCO社、電子書籍に関する既存のパートナーシップを拡大

2019年8月19日、ProQuest社とEBSCO社は電子書籍に関する両社の既存のパートナーシップを拡大することを発表しました。

このパートナーシップ拡大により、ProQuest社提供の電子書籍をEBSCO社の書誌検索・選書ツールGOBIを通して受入することが可能になります。同時に、EBSCO社提供の電子書籍もProQuest社の選書・発注システムOASISや将来的には現在開発中の包括的な選書受入サービスRialtoを通して受入が可能になります。

両社のパートナーシップは、EBSCO社がGOBIを提供していたYBP Library Solutionsを買収し、ProQuest社がOASIS等を提供していたCoutts社を買収した2015年に始まり、現在まで4年間延長されています。

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