電子書籍

インプレス総合研究所、2018年度の日本の電子書籍市場規模は2,826億円と発表:2023年度には4,330億円程度に拡大と予測

2019年7月23日、株式会社インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、『電子書籍ビジネス調査報告書2019』を2019年7月31日に刊行することを発表しました。

ニュースリリースでは調査結果の一部が公表されており、2018年度の電子書籍市場規模は前年比26.1%増の2826億円、電子雑誌市場規模は前年比6.0%減の296億円と推計されることや、電子書籍市場は2023年度には4,330億円程度に拡大すると予測されることなどが紹介されています。

2018年度の市場規模は2826億円、海賊版サイト閉鎖を受けて前年比126.1%の大幅増 ~電子書籍に関する調査結果2019~(インプレス総合研究所, 2019/7/23)
https://research.impress.co.jp/topics/list/ebook/566

イースト株式会社、PDFからの構造化テキスト抽出に成功し、この技術を利用して岩波新書のEPUB化を開始

2019年7月18日、イースト株式会社はテキストPDFからの構造化テキストの抽出に成功し、この技術を利用して岩波新書のEPUB化を開始したことを発表しました。

イースト株式会社のプレスリリースによると、この技術により、PDFに目次頁、大見出し、小見出しなど若干のマーク付けし、構造化されたマークダウン(簡易HTML)形式のテキストとキャプション文字を組み込んだ図版の画像ファイルを生成、日本電子書籍出版社協会のガイドに準拠したEPUBファイルの抽出ができる、とされています。

イースト株式会社はこの技術について、日本語の複雑に組版されたPDFからの正確な構造化テキスト抽出は世界初と目されており、新書、文庫、一般書、学術書などの出版物、学術論文、そして深層学習(AI)に投入する社内ドキュメントの構造化など、様々な分野への応用が期待される、としています。

この技術は2019年7月31日に日本電子出版協会主催のセミナーで公開され、8月8日午後に同社内で個別セミナーが開催される予定です。

堺市立図書館、同館ウェブサイトに「百舌鳥古市古墳群世界遺産登録記念特設ページ」を開設

2019年7月18日、大阪府の堺市立図書館が、7月に開催されたユネスコ世界遺産委員会において同市等に所在する百舌鳥・古市古墳群が世界文化遺産に登録されたことから、同館ウェブサイトに「百舌鳥古市古墳群世界遺産登録記念特設ページ」を開設しました。

中央図書館で開催している、百舌鳥・古市古墳群と日本の世界遺産を知るためのブックフェアやロビー展示、同館の「地域資料デジタルアーカイブ」で実施している「百舌鳥古市古墳群特集」、同館の電子書籍の貸出サービス(電子図書館)で行っている特集「電子書籍でめぐる世界遺産」、市役所ウェブサイトの関連ページへのリンクが設けられています。

百舌鳥古市古墳群世界遺産登録記念特設ページ(堺市立図書館,2019/7/18)
http://www.city.sakai.lg.jp/kosodate/library/oshirase/regWorldHeritageFair.html
※ページ開設のお知らせ

教育系出版社大手のPearson社、米国で刊行中の1,500タイトルは今後全て電子版優先で販売することを発表

2019年7月16日、教育系出版社大手のPearson社は、米国で刊行中の1,500タイトルは今後全て電子版優先(digital first)で販売し、印刷体の改訂という伝統的な教育出版のモデルから移行することを発表しました。

Pearson社最高経営責任者のJohn Fallon氏は、学生はより簡単にアクセス可能で、手頃な価格の高等教育資料を求めており、90%近くの学習者が何らかのデジタル教育ツールを使用していることをこのビジネスモデル変更の背景として挙げています。そして、目的として、学生のためにコンテンツの提供価格を下げること、中古市場に頼る必要をなくすこと、学習者や顧客のニーズにより効果的に対応できるようになること、等を挙げています。

このビジネスモデル変更によりPearson社の電子書籍の価格は平均40ドル、デジタル学習ツール一式の価格は平均79ドルとなり、学生はより安価に同社のコンテンツを購入可能になると見込まれています。また、印刷体を希望する場合には、平均60ドルで貸出できるようになる予定です。

米・テキサス州立図書館・公文書館委員会(TSLAC)、図書館を通じた州全体での電子書籍へのアクセス促進を目的とした“E-Read Texas”事業の開始を発表:電子書籍アプリSimplyEや電子書籍市場のモデル構築事業DPLA Exchangeを活用

2019年7月8日、米・テキサス州立図書館・公文書館委員会(Texas State Library and Archives Commission:TSLAC)が、“E-Read Texas”事業の開始を発表しました

“E-Read Texas”は、テキサス州全体で図書館を通じた電子書籍の利用を可能とするための事業で、オープンソースの電子書籍アプリケーションであるSimplyEを用いて、地元の図書館が提供している電子書籍と同事業で提供する電子書籍をあわせて閲覧できる使いやすいプラットフォームを構築することが目的です。まずは、小規模な館から同事業を開始するとしています。

9月には州全体の図書館で利用可能となる予定で、州全体での電子書籍へのアクセス促進を目的にSimplyEを活用する州立図書館としては5館目となります。

電子書籍コンテンツが少ない、もしくは導入していない館を支援するため、TSLACでは電子書籍を購入することも計画しています。また、9月からは、米国デジタル公共図書館(DPLA)による図書館のための電子書籍市場のモデル構築事業“DPLA Exchange”を通じて、大人向けの娯楽用電子書籍を提供することも予定されています。

米国図書館協会(ALA)、出版大手Hachette Book Group(HBG)の発表した図書館向け電子書籍・オーディオブックの貸出モデル変更に懸念を表明

2019年6月17日、米国図書館協会(ALA)は、同日に発表された出版大手Hachette Book Group(HBG)の図書館向け電子書籍・オーディオブックの貸出モデル変更への懸念をウェブサイト上で表明しました。

このALAの懸念は、米国の五大出版社の一つであるHBGが、2019年7月1日から図書館向けの電子書籍・オーディオブックについて、永続的なアクセス権を付与するモデルから2年間の購読モデルへ切り替えること、モデルの切り替えにより提供価格が25%割引されるが、2年後の更新時にはこの割引は適用されないことを発表したことを受けて発せられました。

ALAはHBGの提供モデル変更について、初期導入費用の削減やエンバーゴを設けない方針が維持されていること等は歓迎しつつ、この変更が電子書籍やオーディオブックへの長期的なアクセスを減少させ、米国の文化遺産の長期保存に対する課題を増大させる可能性を指摘しています。

岐阜県図書館、ビジネス支援の強化や来館が困難な利用者へのアウトリーチサービスの充実を目的に電子書籍サービスを開始

岐阜県図書館が、2019年7月7日から電子書籍サービスを開始すると発表しています。

ビジネス支援の強化及び来館が困難な利用者へのアウトリーチサービスの充実を図ることが目的です。

学術書・専門書を中心とした紀伊國屋書店学術電子図書館「KinoDen」の電子書籍を提供しており、ビジネス支援や地場産業に関する分野を中心に、法律や健康医療分野等の書籍が含まれます(辞典・事典28点、ビジネス支援277点、地場産業173点、法律53点、健康・医療174点、計705点)。

電子書籍サービス(岐阜県図書館)
https://www.library.pref.gifu.lg.jp/siryo-search/ebook/top.html
※「岐阜県図書館では、令和元年7月7日(日)10:00から、電子書籍サービスを開始します」とあります。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、『知識解縛:オープンアクセスに関する著作選,2002-2011』を公開:オープンアクセスに関する重要文献の日本語訳

2019年6月21日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、『知識解縛:オープンアクセスに関する著作選,2002-2011』の公開を発表しました。

オープンアクセス運動を支える理論家として知られるPeter Suber氏の著作“Knowledge unbound : selected writings on open access, 2002-2011”(MIT Press, 2016)の日本語訳です。

原著はオープンアクセス版がクリエイティブ・コモンズ表示4.0 国際ライセンス(CC-BY)で公開されており、今回の日本語訳も原著にならいCC-BYで公開するとあります。

オープンアクセスリポジトリ推進協会
https://jpcoar.repo.nii.ac.jp/
※トップページの「お知らせ」に、2019年6月21日付けのお知らせとして「ピーター・スーバー著『知識解縛』の公開」とあります。

米国デジタル公共図書館(DPLA)、戦略計画2019-2022を公表

2019年6月23日、米国デジタル公共図書館(DPLA)が、戦略計画2019-2022“Collaborating for Equitable Access to Knowledge for All”を公表しました。

戦略計画は、

・Introduction
・Who We Are
・Approach
・Audience
・Expanding Our Current Work
・Long-Term Success
・Conclusion

で構成されており、歴史・文化・知識を共有するためのアクセスを最大化することで、人々が学び、成長し、多様でより良く機能する社会に貢献できるようにすることを“Our Mission”として掲げ、これまで取り組んできた文化遺産の集約と電子書籍事業をさらに発展させることを述べています。また、全ての事業が持続可能となるように取り組むともされています。

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