電子書籍

OAPEN、OAPEN Libraryの新プラットフォーム運用を開始:DSpace上に構築・ONIXフォーマットのメタデータインポート等の新機能も追加

2020年4月15日、単行書のオープンアクセス(OA)を推進する欧州のコンソーシアムOAPENは、OAPEN Libraryの新しいプラットフォームの運用を開始したことを発表しました。

OAPEN LibraryはOAPENが運用する査読付きのOA単行書の検索サービスを兼ねたフルテキストのリポジトリです。OAPEN Libraryは今回のリニューアルで、オープンソースのリポジトリシステムDSpace上に構築された新しいプラットフォームへ移行しています。また、プラットフォームの移行に伴い、コンテンツマネジメントシステム(CMS)のStrapiを導入して、ウェブサイトのリニューアルも行われています。

新しいOAPEN Libraryでは、ライセンスや出版タイプ別の表示オプション、図書館からのフィードバックによるMARCXML・MARC 21フォーマットのメタデータの改善、OAPEN Library検索システムでの利用を想定したREST APIの追加などが実施されています。また、出版業界のデータ交換で広く利用されるONIXフォーマットのメタデータに対応し、ONIX XMLをOAPEN Libraryへインポートして新規レコードを作成する機能が追加されています。

図書館流通センター(TRC)が提供する電子図書館サービスの2020年3月貸出実績が前年対比255%に増加:新型コロナウイルス感染症拡大による公共図書館の休館等の影響

2020年4月20日、図書館流通センター(TRC)は、TRC電子図書館サービスの2020年3月貸出実績が前年対比255%に増加したと発表しました。

発表では、新型コロナウイルス感染症の拡大による公共図書館の休館・業務縮小、小中学校や高校の休校に伴い、来館せずに利用できる電子図書館サービスの利用が増えたとしています。

国内導入実績 No.1のTRC電子図書館サービス今年3月貸出実績が前年対比255%大幅増!(TRC, 2020/4/20)[PDF:2ページ]
https://www.trc.co.jp/information/pdf/TRCrelease_20200420.pdf

韓国・大統領所属図書館情報政策委員会、新型コロナウイルス感染症に関する世界各国の図書館政策及び国内の公共図書館の運営状況(第2報)を発表

2020年4月17日、韓国・大統領所属図書館情報政策委員会が、同委員会がとりまとめた新型コロナウイルス感染症に関する各国の図書館にかかわる政策(4月16日付)、及び、文化体育観光部図書館政策企画団がとりまとめた、韓国国内の公共図書館の臨時休館や代替サービスの現状(4月9日付)について発表しました。

3月31日発表分に続く第2報です。

国内公共図書館の運営状況ですが、2月11日から現在までの間で臨時休館している館は1,141館中1,109館(97.2%)となっています。

また、4月9日午前9時現在、休館のため代替サービスを行っている館は877館(76.9%)で、行っているサービスとしては、

・貸出サービス:894館(78.4%)
スマート図書館(274館)、ドライブスルー(83館)、配達(185館)、予約貸出(206館)、地域書店希望図書貸出(146館)

・デジタル図書館:702館(61%)
電子書籍、オンラインコンテンツ、オーディオブック、録音図書の提供

・その他:402館(35%)
貸出期間の延長、電子展示会、オンライン講座等

があげられています。

出版社による図書館向け電子書籍提供状況と図書館のコレクション構築に関する調査報告書(オーストラリア)

2020年4月1日付の国際図書館連盟(IFLA)著作権等法的問題委員会(CLM)のお知らせで、オーストラリア・メルボルン大学ロースクールのギブリン(Rebecca Giblin)准教授らが新たに公開した調査報告書“Driven By Demand: Public Library Perspectives on the Elending Market”が紹介されています。

ギブリン准教授らによる調査は、同准教授らが主導する電子書籍貸出に関する調査研究プロジェクト“eLending Project”の一環として行われました。出版社による図書館向け電子書籍ライセンスの提供状況が各図書館の電子書籍選書の意思決定にどのような影響を与えているか、各図書館は電子書籍タイトルの不足とコミュニティの多様なニーズとのバランスをどのようにとっているかの調査を目的として、オーストラリア全土の図書館を対象としたアンケート調査が行われ、アンケート結果に基づいて調査報告書が作成されました。

米・公共図書館協会(PLA)、新型コロナウイルス感染拡大下の公共図書館の対応状況の調査結果を発表

2020年4月9日、米・公共図書館協会(PLA)が、新型コロナウイルス感染拡大下の公共図書館の対応状況の調査結果を発表しました。

調査は3月24日から4月1日にかけて、PLAが他の図書館団体とともにオンラインで実施したもので、米国の公共図書館の28%から回答がありました。各州少なくとも1館からの回答があり、43州では10%以上の館が回答しています。

98%の館が休館していると回答していますが、図書館は同状況下において急速にサービスを適応させており、オンラインの更新ポリシーの延長(76%)、電子書籍やストリーミングメディアといったオンラインサービスの拡大(74%)、オンラインでのプログラムの実施(61%)等が行われています。また、自由記述欄においては、紙資料の購入予算のデジタル資料購入への割当変更、デジタル技術に不慣れな人への電話でのアウトリーチ等を行っているといった記載もあったとしています。

行なわれているサービスの具体的としては、3Dプリンターを用いたフェイスシールドの作成、地方政府の事業継続計画のための人員の提供、オンラインでの読み聞かせや編み物教室、電子書籍等を利用するためのオンライン図書館カードの発行などがあげられています。

英国図書館情報専門家協会(CILIP)、新型コロナウイルス感染症の拡大をうけ、図書館員が子ども・若者に本を推薦するライブ配信番組“National Shelf Service”を開始:推薦本は電子書籍として貸出可能

2020年4月3日、英国図書館情報専門家協会(CILIP)が、新型コロナウイルス感染症の拡大をうけ、図書館員が子ども・若者向けに本を推薦するライブ配信番組“National Shelf Service”を開始すると発表しました。

自宅に退避していても、子どもの読書への動機や熱意を維持することは不可欠であることから、子どもやその家族の新しく多様な読書体験を支援することを目的に、平日の11時から毎日、YouTubeを使って行われます。

内容は、1人の図書館員が1つの本を毎日推薦するもので、選ばれた本は、地域の図書館で電子書籍として借りることができます。

National Shelf Service launches this Monday(CILIP, 2020/4/3)
https://www.cilip.org.uk/news/499503/National-Shelf-Service-launches-this-Monday.htm

韓国教育学術情報院(KERIS)、学術電子資料利用権支援事業で契約した28種類の電子資料を学術研究情報サービス(RISS)を通じて無料で提供:新型コロナウイルスの感染拡大をうけての遠隔授業等を支援

2020年4月2日、韓国教育学術情報院(KERIS)は、学術電子資料利用権支援事業で契約した28種類の学術データベース・電子ジャーナル・電子書籍等を、学術研究情報サービス(RISS)を通じ無料で提供すると発表しました。

新型コロナウイルスの感染拡大をうけて開講の延期や遠隔授業に変更した大学の研究活動を支援することが目的で、大学に所属する学生と研究者が利用できます。

KERISでは2021年からは11種類を追加して39種類の電子資料を提供できるよう準備をしているとしています。

KERIS, 코로나19대비 전자자료 이용 범위 확대 추진으로 대학의 비대면 연구활동 지원(KERIS、新型コロナウイルス感染症に備えて電子資料の利用範囲の拡大を推進して大学の非対面研究活動を支援)(KERIS, 2020/4/2)
https://www.keris.or.kr/main/na/ntt/selectNttInfo.do?mi=1088&nttSn=36456&bbsId=1090

韓国・文化体育観光部、新型コロナウイルス感染拡大防止のための社会的距離の確保や自宅での生活を支援するキャンペーンを開始:電子書籍・オーディオブックの最大2点までの無料提供及び総計5,000冊の紙の本のプレゼント

2020年4月1日、韓国・文化体育観光部が、韓国出版文化産業振興院と連携し、4月の1か月間、「本と一緒に賢く距離を置く」キャンペーンを実施すると発表しています。

新型コロナウイルス感染拡大防止のための社会的距離の確保や自宅での生活が日常化した現状を支援することが目的で、以下の2種類の事業を実施します。

1点目は、教保文庫の電子図書館に搭載された4万7,000件の電子書籍とオーディオブックの中から最大2点まで全国民が無料で利用できるものです。提供された80万点分がなくなるまで実施されます。

2点目は、韓国出版文化産業振興院が選定した7分野84点の中から本を選び、応援メッセージと選んだ本を送りたい人の住所を添えて申請すると、同住所宛にメッセージを添えて無料で本をプレゼントできるものです。期間は4月1日から10日までで、毎日先着順で50人、総計5,000冊分が用意されています。

韓国・国立障害者図書館、DAISY資料と電子書籍(EPUBファイル)の統合ビューアの提供開始にあたり、統合ビューアの評価イベントを実施

2020年3月31日、韓国・国立障害者図書館が、DAISY資料と電子書籍(EPUBファイル)の統合ビューアの提供開始にあたり、統合ビューアの評価イベントを実施すると発表しました。

DAISY資料と電子書籍(EPUBファイル)の各々のビューアを個別にダウンロードせずに、統合的に利用できるビューアで、同館のオンライン会員(障害者認証済み会員)が評価イベントに参加できます。

参加申込の期間は4月1日から4月21日までで、4月27日に参加者が決定されます。

参加者は、イベント期間中、統合ビューアを用いて指定された図書をダウンロードして利用します。指定図書5冊すべてをダウンロード、利用満足度・評価の提出、クイズに全問正解等により、抽選で賞品が当たります。

電子書籍・電子ジャーナル等への付加価値税(VAT)がゼロ税率へ(英国)

英・Guardian紙は、2020年3月11日付けの記事で、英国における電子書籍やオンライン新聞への付加価値税(VAT、日本の消費税に相当)が、2020年12月からゼロ税率となることを報じています。

紙の書籍や新聞に対するVATはこれまでもゼロ税率であった一方、電子書籍やニュースサイトのオンライン購読等には現在20%のVATが課されています。電子雑誌・電子ジャーナルもこの税率変更の適用対象となるため、大学図書館における費用負担軽減につながるとしています。なお、オーディオブックは適用対象外となっています。

同記事では、出版社側が節約できた税額分全てを消費者側に還元するかは不透明であること、電子書籍のコスト減が従来の書店業への打撃となりうることも指摘しています。

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