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米国南東部研究図書館協会(ASERL)、デジタル資料の“Controlled Digital Lending”導入を検討する図書館向けに法的・技術的な考慮事項等を解説したガイドを公開

2021年2月24日付で、米国南東部研究図書館協会(ASERL)は、デジタル資料の“Controlled Digital Lending”(CDL)導入を検討する図書館向けに法的・技術的な考慮事項等を解説したガイドとして、“Future Thinking: ASERL’s Resource Guide to Controlled Digital Lending for Research Libraries”を公開しました。

同ガイドは、「図書館が、物理的な資料に代わってデジタル資料を、制御された方法により貸出に供することを可能にする」技術として2011年頃から提唱され、法的側面等を詳述した2018年のホワイトペーパー発表により米国図書館界で理解が進んだCDLについて、導入を検討する図書館向けに考慮すべきポイントを説明する内容です。用語の定義・新型コロナウイルス感染症の感染拡大との関連・出版社や著者団体による反対の動き・著作権法上の考慮事項・導入に当たってのリスク評価・資源共有(Resource Sharing)に与える影響等が概説されています。

World Wide Web Consortium(W3C)、“EPUB Accessibility 1.1”の作業草案を公開

2021年2月23日、World Wide Web Consortium(W3C)のEPUB 3ワーキンググループが、“EPUB Accessibility 1.1”の作業草案を公開しました。

“EPUB Accessibility”は、EPUB出版物のアクセシビリティに関して、コンテンツとメタデータの要件を定めています。“EPUB Accessibility 1.0”からの主な変更点としては、メディア・オーバーレイ(media overlays)への準拠を推奨事項から要件に変更したこと、一部を除きWCAG2.0からWCAG2へと参照先を変更したこと等が挙げられています。

また、発表によると、あわせてアクセシビリティ要件に対応するための技術に関する文書“EPUB Accessibility Techniques 1.1”も公開されています。

ワーキンググループは、GitHub上でのコメントを求めています。

韓国国立中央図書館(NLK)、研究分野による情報格差の解消を目的に、館外から利用可能な人文・芸術分野のデータベースを拡充:データベースの活用に関する研究者向けオンラインプログラムも実施

2021年2月25日、韓国国立中央図書館(NLK)は、研究者の非対面での研究活動を支援するために行っている、学術データベースの館外利用サービスの実施にあたり、研究分野による情報格差の解消を行うと発表しています。

同館の定期利用証所持者であれば、国内外の学術データベース17件、人文・芸術分野9件、社会科学分野9件、自然・技術科学分野3件、あわせて38件の学術データベースを、同館ウェブサイトを通じて利用できるサービスですが、今年は、大学での契約率が低い人文・芸術分野のデータベースを拡充したとしています。昨年も提供し、利用率の高かったJSTORやChina Academic Journalを引き続き提供することに加え、外部の専門家に諮問した結果をふまえ、国内での契約率が相対的に低い学術データベース2件(Humanities Source Ultimate、Project Muse)や、人文・芸術分野の学術的な電子書籍が収録されているデータベース2件(EBSCO eBook Academic Collection、iG Publishing eBook EBA Model)を追加したとしています。

日本電子出版協会(JEPA)、小中学校への電子図書館サービス提供に関する緊急提言を公開

2021年1月24日、日本電子出版協会(JEPA)が、小中学校への電子図書館サービス提供に関する緊急提言を公開しました。

児童生徒1人に1台のタブレット端末環境を整備する文部科学省の「GIGAスクール構想」に合わせ、費用を国が負担し、全ての小中学校に一律で電子図書館サービスを提供することを提案しています。現在の学校図書館図書標準が抱える、学校規模による蔵書数の格差を解消すること等を目的に挙げています。

緊急提言 今こそ国は学校電子図書館の準備を!(JEPA, 2021/2/24)
https://www.jepa.or.jp/pressrelease/20210224b/

関連:
GIGAスクール構想の実現について(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm

オープンアクセス(OA)学術単行書のダイレクトリDOABがDspace ver.6上に構築した新プラットフォームへリニューアル

2021年2月17日、オープンアクセス(OA)学術単行書のダイレクトリDirectory of Open Access Books(DOAB)は、新しいプラットフォームへの移行が完了したことを発表しました。

DOABの新プラットフォームは、オープンソースのリポジトリシステムDSpace ver.6を基盤として構築されています。DOABに収録された3万4,000点以上の学術単行書は、新プラットフォームへの移行後も引き続き自由に利用することができます。

The Directory of Open Access Books (DOAB) relaunches on the open source DSpace platform(DOAB,2021/2/17)
https://www.doabooks.org/en/doab/article/doab-relaunches-on-the-open-source-d-space-platform

E2357 - ウィズ・コロナ時代の北米の大学図書館サービス<報告>

2020年12月10日,私立大学図書館協会オンラインセミナー「ウィズ・コロナ時代の大学図書館サービス~北米の現場から~」が協会加盟館の所属者を対象に開催された。筆者が所属する,本協会の国際図書館協力委員会では,例年,海外の図書館等を訪問し見識を深める海外認定研修を実施しているが,新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により,2020年度は中止となったため,その代替として実施したものである。企画・運営に関しては,丸善雄松堂株式会社様の多大なるご協力をいただいた。全国から135人の参加があり,また,東亜図書館協会(CEAL)日本語資料委員会のメンバーからも,特別に参加の希望があった。

【イベント】大学図書館研究会京都地域グループDXセミナー「アフターコロナ時代の出版と図書館」(2/13-2/22、2/23・オンライン)

2021年2月13日から2月23日にかけて、大学図書館研究会京都地域グループDXセミナー「アフターコロナ時代の出版と図書館」がオンラインで開催されます。

追手門学院大学の湯浅俊彦氏を講師とし、電子出版がもたらす読書の変容や出版コンテンツの利活用について、追手門学院の取組事例を紹介しながら、解説が行われます。

事前に講演内容をインターネットで視聴し、質問を受け付け、その後ライブ講演を行い質問に回答するという方法で開催されます。なお、ライブ講演の内容は、文字起こしをし、同大学が採用している電子図書館サービス「LibrariE」で後日公開される予定です。

参加費は無料であり、ライブ講演への参加を希望する場合は事前申込(定員50人)が必要です。

内容は以下の通りです。

■2月13日から2月22日まで:「アフターコロナ時代の出版と図書館」動画視聴
・アフターコロナ時代の出版と図書館-問題の所在
・学びが変わる・図書館が変わる-追手門学院の挑戦
・図書館運営のダイナミズム-動画・電子書籍をプロデュースする図書館へ
・電子書籍制作システムRomancerによる『本を紹介する本』制作実演

米国デジタル公共図書館(DPLA)、図書館を対象とした電子書籍作成サービスの提供開始

2021年2月11日、米国デジタル公共図書館(DPLA)が、図書館を対象とした電子書籍作成サービスの提供開始を発表しました。

Digital Divide Data社と連携して提供するもので、パブリックドメイン、もしくは、著作権を保持する冊子体資料を用いて、図書館が、EPUB形式の電子書籍を簡単かつ安価に作成できるサービスです。同サービスは、昨年末にメリーランド州・セントメアリーズ郡図書館において開始していました。

これにより、図書館は、地域資料等多様なコンテンツをコレクションに統合し、電子書籍アプリSimplyEを通じて図書館の利用者に提供するとともに、DPLAの無料電子書籍コレクションOpen Bookshelfを通じて一般にも公開することができるとしています。

DPLA now offering ebook creation service(DPLA,2021/2/11)
https://dp.la/news/dpla-now-offering-ebook-creation-service

米・ミシガン大学出版局、大学出版局として初めてBenetech社による電子書籍のアクセシビリティ検証プログラム“Global Certified Accessible™”の認証を取得

2021年1月26日、米国のミシガン大学出版局(University of Michigan Press)は、障害者の学習環境の向上等の社会貢献のためのソフトウェア開発を支援する非営利企業Benetech社から、“Global Certified Accessible™”(GCA)による認証を取得したことを発表しました。大学出版局のGCAの認証取得は、ミシガン大学出版局が初めての事例となります。

Benetech社のGCA認証は、電子書籍のアクセシビリティを検証する、世界で初めての独立した第三者機関によるEPUB認証プログラムです。同社は、EPUB出版物のアクセシビリティの仕様を定めた“EPUB Accessibility 1.0”のうち規格適合性(Conformance)と発見性(Discovery)を満たし、ウェブコンテンツアクセシビリティのガイドライン“Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)2.1”でAA以上の基準を達成した出版社について、GCAの認証基準に従って完全にアクセシブルなEPUB出版物を作成する出版社として認証しています。

韓国図書館協会(KLA)、電子書籍貸出サービスの中断を求める文書への回答書を大韓出版文化協会に送付するとともに声明を発表

2021年2月10日、韓国図書館協会(KLA)は、KLAおよび全国の公共図書館に対して送付された、著作権法を侵害する電子書籍のオンライン貸出サービスの中断を求める文書への回答書を大韓出版文化協会に送付したと発表し、あわせて、協会名で声明を出しています。

声明では、大韓出版文化協会が主張する著作権法第31条の規定は、図書館が所蔵する著作物を著作権者の許可なくデジタル化してサービスできる範囲を図書館内部に限定するとした規定であって、既に電子的形態で製作・販売されている電子書籍は対象外であること、そして、図書館の電子書籍サービスは、電子書籍のベンダーと締結した購入または購読契約に基づくもので、契約対象の電子書籍は、著作権者等と同意がなされたものに限定されていること、そして、契約締結の際にサービスの範囲と条件を決定し、これに基づき、図書館は所定の費用を支払っており、この過程で、著作権法および関連する契約事項を遵守していることから、図書館が著作権法に違反したり著作権者・出版権者等の権利を侵害していないと述べています。

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