電子書籍

米・ボストン図書館コンソーシアム(BLC)、加盟館内での図書館間貸出に“Controlled Digital Lending”を導入へ:導入に関する推奨事項等をまとめたレポートも公開

2021年9月14日、19の大学・研究図書館が加盟する米・ボストン図書館コンソーシアム(BLC)は、2021年8月に理事会で承認された計画に基づき、加盟館内での図書館間貸出に“Controlled Digital Lending”(CDL)を導入する意向を表明しました。CDLとは、図書館が蔵書をデジタル化し、電子的な複製物を「1部1ユーザー」の制限のもと貸し出す方式です。

BLC内では、2020年9月にCDLワーキンググループの設置が承認され、国内外におけるCDLの状況調査、BLCのステークホルダーとの折衝、CDLに関わる組織との協議を行ってきました。その後、加盟館内の図書館間貸出にCDLを導入するという内容の提言をとりまとめ、理事会に提出しました。ただし、関心のある加盟館のみを対象としたオプトイン方式での導入となっています。

【イベント】JEPA Webセミナー 出版・電子出版著作権総講義第2回「出版・電子出版に起こる今後の変化」(10/1・オンライン)

2021年10月1日、日本電子出版協会(JEPA)の主催により、「出版・電子出版著作権総講義」の第2回「出版・電子出版界に起こる今後の変化」がオンラインで開催されます。

弁護士の松田政行氏を講師とし、以下の内容について講演が行われます。

(1)国立国会図書館における利用
(2)拡大集中許諾制度の導入
(3)利用へのシフトによる管理団体による権利処理のジャスティス

参加費は無料であり、事前の申し込みが必要です。Zoomでの参加(定員100人)、Youtube Liveによるライブ配信(定員なし)の2通りの参加方法があります。

2021年10月1日 JEPA Webセミナー「出版・電子出版著作権総講義 第2回」(JEPA, 2021/9/16)
https://www.jepa.or.jp/seminar/20211001/

英・ケンブリッジ大学図書館職員による、電子書籍に関する学生の利用状況等の調査結果が公開

2021年9月15日、英国ケンブリッジ大学図書館を拠点として同大学の学生や教職員に電子書籍提供を行うチームebooks@cambridgeのウェブサイトに、同館職員が実施した、学生の電子書籍の利用状況や電子書籍に対する意識についての調査の結果が掲載されました。

調査は、ポストコロナにおける電子書籍への支出に関する今後の判断の参考とすることを目的として行われました。学部生と講義主体の修士課程の学生を主な対象とし、2021年5月31日から7月16日にかけて実施され、751件の回答が寄せられました。

調査結果の要約には、量的調査の結果として、2020/21年度の電子書籍利用頻度について、62%が毎日または1週間に数回、17%は月に1回または全く利用しないと回答したとあります。また、大学の講義が対面式に戻った場合の電子書籍の利用について、60%は調査時点と同程度、16%は増加、24%は減少すると思うと回答したこと等が指摘されています。

E2421 - 子どもの読書活動における電子書籍活用の現状

文部科学省では,2014年度から毎年度,「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」を実施している。2020年度の同調査(以下「2020年度調査」)では,「電子書籍や電子メディアを活用した読書活動の推進及び言語活動の充実に関する施策について,詳細な実態把握とその分析を行い,今後の子供の読書活動の推進に向けた一助とすること」を目的として,全国の都道府県と市町村の教育委員会(以下「自治体」)を対象としたアンケート(2020年11月)と,先進事例を対象としたヒアリング(2020年12月から2021年2月)を行っている。文部科学省では,2018年度にも「子供の電子メディアの利用実態を把握し,読書活動等の関係を捉えること」を目的に子どもとその保護者を対象とした調査を実施しており(E2171参照),2020年度調査はその継続研究といえる。調査にあたっては,秋田喜代美氏(東京大学教授(当時))を座長とする委員会が組織され,筆者も委員として参画する機会を得た。本稿では,2020年度調査の主な結果を概観する。

米国の非営利団体Library Futures Foundation、“Controlled Digital Lending”の利点をまとめたポリシーペーパーを公開

2021年8月25日、米国の非営利団体Library Futures Foundation(LFF)が、ポリシーペーパー“Controlled Digital Lending: Unlocking the Library’s Full Potential”の公開を発表しました。なお、LFFは、知識への公平なアクセス権を擁護する非営利団体“Library Futures Institute”の「並列組織」(parallel organization)であり、法改正及び政策に焦点を当てています。

ポリシーペーパーのタイトルとなっているControlled Digital Lending (CDL)とは、図書館が蔵書をデジタル化し、電子的な複製物を「1部1ユーザー」の制限のもと貸し出す方式です。発表によれば米国・カナダの図書館100館以上がCDLを採用しています。

ポリシーペーパーでは、CDLがもたらす利点をまとめるとともに、議会に対し次の点を要求しています。

【イベント】JEPA Webセミナー 出版・電子出版著作権総講義第1回「著作権法の底流の変化」(9/17・オンライン)

2021年9月17日、日本電子出版協会(JEPA)の主催により、「出版・電子出版著作権総講義」の第1回「著作権法の底流の変化」がオンラインで開催されます。

弁護士の松田政行氏を講師とし、以下の内容について講演が行われます。

(1)30年改正法・令和2年の諸法
(2)柔軟な権利制限規定の導入
(3)授業目的公衆送信補償金制度の導入
(4)令和2年法の著作権法改正関連諸法による改正
(5)軽微利用と著作者の利益(もう一つの柔軟な権利制限規定)

参加費は無料であり、事前の申し込みが必要です。Zoomでの参加(定員100人)、Youtube Liveによるライブ配信(定員なし)の2通りの参加方法があります。

2021年9月17日 JEPA Webセミナー「出版・電子出版著作権総講義 第1回」(JEPA, 2021/9/1)
https://www.jepa.or.jp/seminar/20210917/

米国公共図書館協会(PLA)、“2020 Public Library Technology Survey”の調査結果を公開

2021年8月31日、米国公共図書館協会(PLA)が、American Institutes for Research と連携して行った、図書館が利用者に提供しているリソース、技術インフラ、デジタルリテラシープログラム、技術スタッフの配置や財政状況に関する調査“2020 Public Library Technology Survey”の概要報告書を公開しました。

プレスリリースでは、以下のような調査結果が紹介されています。

・63%以上の館で、仕事や雇用関係のリソースをオンラインで提供(拡張現実に関する職業訓練、ビデオ会議用のリソース、「現実」および「バーチャル」でのコワーキングスペース)。

・93%以上の館で、デジタルコレクション(電子書籍・オーディオブック)を提供。

・半数以上の館で、図書館のモバイルアプリを通じて図書館の資料や宿題支援サービスなどへのアクセスを提供。

・3分の2近くの館で、ワイヤレスでのプリントサービスを提供。

・88%以上の館が、公式・非公式でのデジタルリテラシーに関するプログラムを実施。

・36.7%以上の館でデジタルリテラシーや技術関連の講座や教育を担当する職員を雇用。

フィンランドの「公共図書館におけるデジタルメディアのサービスコンセプト」に係るプロジェクト、9月からパイロットフェーズに

2021年8月19日、フィンランドのLibraries.fiが、「公共図書館におけるデジタルメディアのサービスコンセプト」に係るプロジェクトが、9月からパイロット・フェーズとして継続実施されると発表しました。

8月に教育教育文化省から資金提供が認められたことによるもので、同フェーズでは、協力モデルの設計や、さまざまな技術的解決策の特定や試行が行われます。またプロジェクトを前進させるため、図書館ネットワーク、技術、コミュニケーション等に関する新たな取りまとめ役が採用される予定です。

同プロジェクトでは、電子サービスを調整する単一の運営体の設置が推奨されていますが、事業の成功には各地の公共図書館が重要な役割を果たすとしています。

Internet Archive(IA)による全書籍の売り上げデータ10年分の要求に対する大手出版社4社の返答が公開

米国の出版情報誌“Publishers Weekly”の2021年8月13日付の記事で、Internet Archive(IA)が要求した全書籍の売り上げデータ10年分の提供について、Hachette Book Group・HarperCollins社・Wiley社・Penguin Random House社側の返答が公開されたと報じられています。

売り上げデータは、同商業出版社4社がIAの“Controlled Digital Lending(CDL)”による電子書籍貸出の停止を求めて提起した著作権侵害訴訟において、IAの電子書籍貸出が書籍の売り上げに及ぼす影響を検証することを目的に要求されていました。

8月12日付で4社側の弁護士から提出された文書では、法的に意義のある結果が得られず訴訟の遅延をもたらすものであり、原告側への負担が検証により得られる価値を上回るため、要求は却下されるべきであること等が述べられています。

また、書籍は代替可能なものではないため、異なる書籍間での比較は不可能であり、映画化をはじめとしたその他の要因によって売り上げは大幅に変わり得ることから、検証の前提が誤っていると指摘しています。

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