電子書籍

オランダ科学研究機構(NWO)、同機構の研究助成により刊行された単行書のオープンアクセス(OA)化を支援するプロジェクト“Open Access Books”を開始

2020年6月2日、オランダ科学研究機構(NWO)は、同機構の研究助成により刊行された単行書のオープンアクセス(OA)化を支援するプロジェクト“Open Access Books”の実施を発表しました。

学術論文のOA化は一般的となり、NWOの助成した研究成果物としての学術論文は、60から70%がOAで利用可能になっていますが、学術単行書のOAへの転換の動きは学術論文に比べると遅れています。このため、NWOは同機構の研究助成により刊行された単行書のOA化に向けた取り組みを強化するプロジェクトとして、“Open Access Books”が実施されます。

同プロジェクトには年間50万ユーロの予算が用意され、2020年6月1日からNWOから助成を受けた研究プロジェクトのプロジェクトリーダー等は、1刊行物当たり1万ユーロを上限としてOA出版のための費用を申請することができます。同プロジェクトにはNWOの予算が続く限り申請を行うことが可能で、当面2022年まで申請が受付されています。

アイルランド政府、公共図書館のオンラインサービス需要の大幅増への対応として図書館による電子書籍・オーディオブック整備に20万ユーロの追加支援を実施

2020年5月31日、アイルランドの農村・コミュニティ開発省(Department of Rural and Community Development)のMichael Ring大臣は、公共図書館の電子書籍・オーディオブック整備に20万ユーロの支援を実施することを発表しました。

この政府による支援は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大幅に増加した公共図書館のオンラインサービス需要への対応として行われ、感染症拡大初期の2020年3月に行われた20万ユーロの支援への追加として実施されます。また、アクセシブルな電子書籍再生用ソフトウェア“EasyReader”向けコレクションの充実へ2万ユーロの支援を行うことも併せて発表されています。

アイルランド政府は、新型コロナウイルス感染症による社会活動の制限の撤廃に向けた計画として、“Roadmap for reopening society and business”を発表しており、公共図書館は2020年6月8日に開始予定の第2段階において、人数制限・ソーシャルディスタンシングの確保・厳格な手指消毒等の条件の下で、再開館する見込みです。

米国の複数の大手出版社がInternet Archive(IA)に対する著作権侵害訴訟を提訴

2020年6月1日、米国出版協会(AAP)は、会員企業のHachette Book Group・HarperCollins社・Wiley社・Penguin Random House社が、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所へ非営利団体Internet Archive(IA)に対する著作権侵害訴訟を提訴したことを発表しました。

この訴訟は、IAの運営する電子書籍貸出プログラム“Open Library”、及び2020年3月に開始した“National Emergency Library”事業において行われる、文学作品全体への大規模なスキャニング・公衆への公開・配布等についてその差し止めを裁判所に求めるものです。原告の出版社は、IAが最新作・フィクション・ノンフィクション・スリラー・児童書等を含む約130万点の書籍について違法な複製を行っている、と訴状の中で訴えています。また、IAのこれらの事業は、図書館や教育上の例外、フェア・ユースなど米国著作権法上のいかなる規定にも該当せず、IAの「盗難行為」を支持する著作権法上の根拠は存在しない、と主張しています。

高森町立図書館(長野県)、町民向け電子図書館サービス「高森ほんともWeb-Library」の提供を開始

2020年6月2日から長野県の高森町立図書館が、町民向け電子図書館サービス「高森ほんともWeb-Library」の提供を開始しています。

「高森ほんともWeb-Library」はスマートフォン、タブレット、パソコンから利用可能な電子書籍の貸出を提供するサービスです。株式会社メディア・ドゥ/オーバードライブ・ジャパンの提供するシステムを利用しています。インターネット環境があれば自宅や外出先でも利用することができます。貸出冊数は1人・3冊までで貸出期間は2週間です。

「高森ほんともWeb-Library」はオープン時点で250冊の電子書籍を提供し今後も提供タイトルは徐々に増加予定です。また、デジタル化した同町の町史などの地域資料の提供も計画されています。

高森町は「高森ほんともWeb-Library」を小学校の英語教材、読書・情報活用推進、外国語学習サポート等にも活用する予定です。

韓国国立中央図書館(NLK)、自宅から利用可能な電子書籍に海外の電子書籍1,352冊を追加:学術書や文学賞受賞作等

2020年6月1日、韓国国立中央図書館(NLK)が、自宅から利用可能な電子書籍に海外の電子書籍1,352冊を追加したと発表しています。

同館では、2019年に、2,705冊の電子書籍を利用可能としましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大で再度休館となり、利用者が良質な学術資料を利用できるようにするため早期に拡充したものです。追加分を含めた4,057冊の電子書籍は、NLKの定期利用カード所持者であれば同館ウェブサイトから利用することができます。

今回追加されたものは、米国図書館協会(ALA)傘下の大学研究図書館協会(ACRL)が刊行する書評誌に掲載された学術書、ピューリッツァー賞・マン・ブッカー賞といった権威のある文学賞受賞作、新型コロナウイルス関連や医学分野の学術書等が含まれています。

追手門学院幼稚園(大阪府)、関西の幼児教育保育機関で初めて電子図書館サービスを導入

2020年5月28日、学校法人追手門学院は、幼保連携型認定こども園追手門学院幼稚園(大阪府豊中市)が関西の幼児教育保育機関で初めて電子図書館サービスを導入することを発表しました。

同園の電子図書館サービスは2020年6月1日から運用を開始します。同サービスを活用することによって、保育教諭・園児によるオリジナルのデジタル絵本の製作や、製作したデジタル絵本の電子図書館サービスを通じた園児・保護者への提供等の取り組みが行われる予定です。

学校法人追手門学院は、同法人が設置する大学・中学高等学校・小学校においてすでに電子図書館サービスを導入しており、同園への導入により、関西で初めて幼小中高大を網羅した形での電子図書館が誕生した、としています。

【追手門学院No.13】関西の幼稚園初!電子図書館を導入(追手門学院,2020/5/28)
https://www.otemon.ac.jp/whatsnew/pressrelease/_13903.html

オープンアクセス(OA)学術単行書のダイレクトリDOABと人文・社会科学系の電子資料提供サービスProject MUSEが新たにパートナーシップ関係を締結

2020年5月27日、オープンアクセス(OA)学術単行書のダイレクトリDirectory of Open Access Books(DOAB)は、人文・社会科学系の電子資料提供サービスProject MUSEと新たにパートナーシップ関係を締結したことを発表しました。

締結されたパートナーシップ関係は、Project MUSEに収録されたOA単行書の発見可能性の強化とDOABに登録される出版社数・OA単行書タイトル数の増加を目指すものです。

Project MUSEは、米・ジョンズホプキンス大学のミルトン・S・アイゼンハワー図書館とジョンズホプキンス大学出版局による非営利共同事業として運営され、100以上の出版社の6万点以上の単行書を提供しており、提供タイトルの中には2,800点以上のOAタイトルが含まれます。Project MUSE上のOAの単行書のDOABへの登録を希望する出版社は、申請を行うだけでDOABへの登録が可能になります。

株式会社メディアドゥ、「電子図書館緊急導入支援キャンペーン」の対象を公共図書館にも拡大

2020年5月27日、株式会社メディアドゥは、学校・学校図書館を対象に実施している「電子図書館緊急導入支援キャンペーン」の対象を、同日から公共図書館にも拡大すると発表しました。

同キャンペーンは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、図書館を利用できない児童・生徒を支援することを目的として、5月7日から学校・学校図書館向けに開始されました。発表の中では、同キャンペーンの開始後に公共図書館からの問い合わせも多く受けたこと、公共図書館でもOverDrive電子図書館サービスの利用が増えていることを受けて拡大を決定したとしています。

2021年3月31日までのキャンペーン期間中に申し込んだ場合、米国OverDrive社が提供するOverDrive電子図書館サービスの初期費と2020年度分運用費が無料となり、初年度にかかる費用はコンテンツ購入費のみとなります。

公共図書館にも「電子図書館緊急導入支援キャンペーン」を適用(株式会社メディアドゥホールディングス, 2020/5/27)
https://www.mediado.jp/group/2785/

E2260 - Open Research Libraryの動向

Open Research Library(ORL)は,世界中のオープンアクセス(OA)の査読付き学術単行書や論文集等のチャプターを単一のプラットフォームから利用可能とするKnowledge Unlatched(KU)の新しい取組であり,2019年5月にベータ版,2020年1月に正式版がリリースされた。OA学術単行書はオンライン上に散在しており,利用者が見つけ出したり,図書館が流通・利用状況を管理したりすることは,困難である。ORLはその解消を目指している。

英国図書館(BL)、2018年7月から2019年6月にかけて公共図書館で最も貸し出された電子書籍等を初めて公表:公共貸与権に係る補償金の支払いを実施

2020年5月19日、英国図書館(BL)は、2018年7月から2019年6月にかけて公共図書館で最も貸し出された電子書籍・オーディオブックを初めて公表しました。

同館は公共貸与権(PLR)に関するプログラムを所管しており、今回の発表は、同日公表された、同期間における公共図書館の貸出データに基づいており、今回、初めて電子書籍・オーディオブック等に関する数値が含まれ補償金の支払いが行われています。

また、Libraries Connectedが発表した、同国のロックダウン下中に電子書籍を借りた人が358パーセント増加したとの推定も紹介されています。

Press releases(BL)
https://www.bl.uk/press-releases
※「Annual public library loans figures reveal the UK’s most borrowed e-books for the first time Tue 19 May 2020」とあります。

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