機関リポジトリ

国・大学レベルのオープンアクセス状況の調査(文献紹介)

2020年5月21日、英Open Universityの機関リポジトリにおいて、国・大学レベルのオープンアクセス(OA)状況調査の論文”Open Access 2007 - 2017: Country and University Level Perspective”のプレプリントが公開されました。著者は同大学のBikash Gyawali氏ら3名です。同論文は2020年8月開催のACM/IEEE Joint Conference on Digital Libraries (JCDL)に採択されています。

調査は8カ国(オーストリア, ブラジル, ドイツ, インド, ポルトガル, ロシア, 英国, 米国)と、それらの国の約400大学を対象とし、Microsoft Academic Graph(MAG)と英国の機関リポジトリアグリゲーターであるCOREのデータを使用して実施されました。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、リポジトリにおけるCOVID-19研究成果の利用可能性・発見可能性向上のための推奨事項を公表

2020年5月25日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、リポジトリにおけるCOVID-19研究成果の利用可能性・発見可能性向上のための推奨事項を発表しました。

世界中でCOVID-19に関する研究が前例のない速度で進み、リポジトリを通じその成果が発表されている状況を踏まえ、リポジトリ間での協調・相互運用性を高めることが研究成果の利用可能性・発見可能性向上につながるとし、リポジトリに対して3点、リポジトリネットワークに対して4点の推奨事項を示しています。

うち、リポジトリに対する推奨事項には、COVID-19関連資源に対し基本的な推奨メタデータ付与とタグ付けを行うことが含まれており、推奨メタデータ要素計8点もあわせて示しています。

COAR Recommendations for COVID-19 resources in repositories(COAR, 2020/5/25)
https://www.coar-repositories.org/news-updates/covid19-recommendations/

2019年におけるフィンランドの大学等の研究成果物のオープンアクセス(OA)化状況:査読付学術論文の64.9%がOAで出版(記事紹介)

デジタルリサーチサービスやオープンサイエンスに関する話題を扱うフィンランド・ヘルシンキ大学のブログ“Think Open”に、2020年5月20日付で、フィンランドの高等教育機関による研究成果物のオープンアクセス(OA)化が近年大きく進展していることを紹介した記事が掲載されています。

フィンランドのOAに関するモニタリングは教育文化省の実施する国内の出版データ収集と一体化して取り組まれており、2016年からOA状況の報告には同一フォーマットが利用されているため、2016年から2019年までの4年間については同一基準で比較可能になっています。出版物の質と量は大学への予算配分基準の一つになっており、2021年以降、OA出版物には1.2の係数を掛ける運用が導入されるため、フィンランドの大学は出版物に関する正確なデータ収集・OA出版物の増産へ強い関心を持っています。フィンランド国立図書館が運営する国内の研究成果物の書誌情報検索サイトJuuli経由で収集された最新のデータに基づいて、ブログ記事ではフィンランドのOA状況として主に以下のことを紹介しています。

大阪大学、「大阪大学オープンアクセス方針」を策定

2020年5月14日、大阪大学附属図書館は、4月17日に「大阪大学オープンアクセス方針」が策定されたことを発表しました。

大阪大学では、2012年度に複数の研究科で研究成果の公開ポリシーが策定されましたが、同大学の研究成果をより積極的に社会に発信し、学術研究の発展及び社会的貢献に寄与することを目的に、大学全体の意思表明として「大阪大学オープンアクセス方針」が策定されました。学術雑誌に掲載された同大学の教職員の研究成果を、機関リポジトリ又は著者が選択するその他の方法によって可能な限り公開することなどが定められています。

大阪大学オープンアクセス方針を策定しました(大阪大学附属図書館,2020/5/14)
https://www.library.osaka-u.ac.jp/news/20200514_common/

英・Jiscと米・LYRASIS、米国の機関リポジトリへ全国規模で標準利用統計Institutional Repository Usage Statistics(IRUS)を導入するため提携

2020年5月5日、英・Jiscと米国の図書館等のネットワークLYRASISは、米国において全国規模で機関リポジトリの標準利用統計であるInstitutional Repository Usage Statistics(IRUS)を導入するため提携することを発表しました。

IRUSは米国のリポジトリについての標準的な利用統計を提供する初めてのサービスとなり、米国のリポジトリに関する比較可能なデータの提供・収集が可能となるほか、利用統計の国際的な比較の際の基準を提供するものになることが見込まれています。

米国の大学及び研究機関は、2020年7月1日からLYRASISの担当者に連絡することでIRUSへの登録が可能になります。

E2255 - 分散型のオープンな出版フレームワーク“Pubfair”

1665年のオルデンバーグ(Henry Oldenburg)による英語圏で最古の学術雑誌Philosophical Transactionsの出版から355年,学術出版の形態は大きく変わることなく現在も続いている。1994年,ハーナッド(Steven Harnad)は「転覆提案(The Subversive Proposal)」を公表し,学術出版に係るコストの適正化を目的に,ギンスパーグ(Paul Ginsparg)によるプレプリントサーバー(後のarXiv.org)を参考にした,インターネットを活用した既存の学術出版システムに依存しない新たな学術出版のあり方を提案した。ハーナッドの提案は,その後のオープンアクセス(OA)運動に大きな影響を与え,学術論文などの研究成果物を保存・公開する数多くのリポジトリを生み出したが,学術雑誌を中心とした学術出版の変革までには至らなかった。Pubfairは,この旧態依然の学術出版を取り巻くシステムを,機関とそのリポジトリによるリポジトリネットワークとそこにあるコンテンツを利用して構築される,分散型のオープンな出版フレームワークに置き換えることを目指している。Pubfairに関するホワイトペーパーの初版は2019年9月に,第2版は同年11月に公開された。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、2019年度に研究データ作業部会が実施した2件のプロジェクトの活動報告書を公開

2020年5月11日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、同協会の研究データ作業部会が2019年度に実施した2件のプロジェクトの活動報告書を公開したことを発表しました。

報告書「データベースレスキュープロジェクト : 2019年度の活動とレスキュー事例」では、各研究機関において研究者等による管理の継続が難しくなった研究データやデータベースを機関リポジトリへ移行するレスキュー活動等を行う「データベースレスキュープロジェクト」の活動内容が示されています。9つの機関におけるプロジェクトやレスキュー事例が報告されています。

「学認LMSによる研究データ管理に関するオンライン講座試験運用報告書」では、2019年9月から12月に22機関の参加により実施した、国立情報学研究所(NII)の開発による学習管理システム「学認LMS」試験運用プロジェクトの成果等が示されています。また別紙資料として、参加機関からの意見等を取りまとめた「学認LMS試験運用プロジェクト参加機関からの報告(暫定版)」、受講者アンケート結果等を取りまとめた「学認LMSによる研究データ管理に関するオンライン講座の試験運用(受講状況と受講後アンケート結果)」も公開されています。

E2252 - 第2回SPARC Japanセミナー2019<報告>

2019年12月20日,筑波大学東京キャンパス文京校舎において第2回SPARC Japanセミナー2019が開催された。テーマは「オープンサイエンスを支える研究者情報サービスとその展望」である。これまで論文やデータあるいはそれらの格納場所について語られることの多かったオープンサイエンスであったが,今回は論文の著者である研究者の情報とのつながりが主眼に置かれたものとなった。

文部科学省、「令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者」を発表:学術情報サービス基盤CiNiiの開発・京都大学のOA推進事業等が科学技術賞を受賞

2020年4月7日、文部科学省は、「令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」の受賞者が決定したことを発表しました。

文部科学省では、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者を「科学技術分野の文部科学大臣表彰」として顕彰しています。

社会経済、国民生活の発展向上等に寄与し、実際に利活用されている画期的な研究開発若しくは発明を行った者を対象とする、科学技術賞の開発部門では、「学術情報サービス基盤CiNiiの開発」の業績による東京大学の大向一輝准教授(国立情報学研究所(NII)客員准教授)を含め、24件87人の受賞が発表されています。

科学技術の振興に寄与する活動を行った者を対象とする、科学技術賞の科学技術振興部門では、「オープンサイエンスの実現に向けたモデル基盤構築への貢献」の業績による京都大学の引原隆士教授ら同大学のオープンアクセス推進事業の関係者5人を含め、7件23人の受賞が発表されています。

史学・地理学・考古学の総合学術誌『史林』の「病」特集号がオンライン公開:「病」に関する知見の幅広い共有のため

2020年4月6日、史学・地理学・考古学の総合学術誌『史林』を発行する史学研究会は、『史林』の103巻1号(2020年1月)をオンライン公開したことを発表しました。公開は京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI)上で行われています。

103巻1号は「病」の特集号となっており、7本の論説が掲載されています。新型コロナウイルス感染症の流行に際し「病」に関する知見を広く共有するため、特例として刊行後ただちにオンライン公開が行われました。

史学研究会
http://www.shigakukenkyukai.jp/
※トップページの「お知らせ」に、2020年4月6日付けで「病」特集号特例公開のお知らせが掲載されています。

『史林』103巻1号(KURENAI)
http://hdl.handle.net/2433/250085

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