カナダ

カナダのデジタル学術出版の推進等を目的としたイニシアチブ“Coalition Publica”、学術出版におけるメタデータに関する2件のレポートを公開

2021年10月21日、カナダの研究成果の普及とデジタル学術出版の推進を目的としたイニシアチブ“Coalition Publica”が、学術出版におけるメタデータに関する2件のレポートを公開したと発表しました。

同イニシアチブのメタデータワーキンググループによるものであり、今回公開されたのは、ガイド“Better Practices in Journal Metadata”とテクニカルレポート“Metadata Feedback for Coalition Publica”です。

“Better Practices in Journal Metadata”では、“Coalition Publica”に参加しているジャーナル向けに、メタデータ、プラットフォームで公開しているジャーナルの設定、記事毎のメタデータについてまとめています。要約の箇所では、ジャーナルレベルのメタデータと設定を定期的に見直すこと、出版物とメタデータが合致しているようにすること、出版する前に論文のメタデータの点検を行うこと等を、ジャーナルに対して求めています。

米・Ithaka S+R、北米の学術図書館におけるストリーミングメディアへの対応に関する大規模調査を開始

米・Ithaka S+Rは、2021年10月21日付けのブログ記事において、北米の学術図書館におけるストリーミングメディアへの対応に関する大規模調査を開始したことを発表しています。ストリーミングメディアの定義については、ビデオ・オーディオコンテンツを含む広範なもの、と述べています。

発表によれば、今回の調査は「高等教育におけるストリーミング」に関するこれまでで最も包括的な調査であり、米国の各4年制大学の代表者と、カナダ研究図書館協会(CARL)の各図書館の代表者に直接招待状を送付しています。調査内容は図書館のストリーミングメディア戦略であり、調査結果は2022年春に公開される予定です。

今回の調査は、Ithaka S+Rが2021年夏に発表した新プロジェクトの一環です。このプロジェクトは、ストリーミング市場の動向評価や、ストリーミングメディアを用いた授業に関する指導方法や支援ニーズの調査を行うものであり、米国等の大学図書館24館と協力して実施しています。

カナダ国立図書館・文書館(LAC)とドイツ国立図書館(DNB)、情報共有や展示会での連携等に関する覚書を締結

2021年10月21日、カナダ国立図書館・文書館(LAC)が、ドイツ国立図書館(DNB)と覚書(Memorandum of Understanding:MoU)を締結したと発表しました。

LACとDNBの間で4回にわたって行われた議論の結果を踏まえたものであり、2026年まで有効です。取り組む内容として以下を挙げています。

・組織体制やシステム、プログラム、サービス、コレクション、緊急時の計画、コレクションのデジタル化、電子資料の管理についての情報共有
・文書資料の収集と、記述、アクセス、保存等についての情報共有
・展示会、共同での活動やプロジェクトにおける協力の機会を探る

また、議論の様子はLACのYouTubeで公開していると述べています。

Internet Archive(IA)、公共図書館を対象とした地域の歴史のウェブアーカイブ構築支援プログラム“Community Webs”に新たに約60館が参加すると発表:米国・カナダに加え台湾等

2021年10月18日、Internet Archive(IA)は、地域の歴史のウェブアーカイブ構築を支援するための公共図書館を対象としたプログラム“Community Webs”に、新たに60館以上が参加すると発表しました。

カナダの35館、米国の22館に加え、アルバ、台湾、ナイジェリア、トリニダード・トバゴの各1館が新たな参加館として挙げられています。発表の中では、参加機関が150以上となり、米国外に拡大したと述べています。

図書館スタッフへのセクハラ・脅迫・暴力:カナダ・トロント大学の調査(記事紹介)

カナダ放送協会(CBC)による2021年10月2日付けの記事で、図書館スタッフへのセクハラ・脅迫・暴力に関するカナダ・トロント大学の調査結果が報じられています。

トロント大学情報学部教授のSiobhan Stevenson氏が調査プロジェクトを主導し、2020年1月から2021年4月にかけて、オンタリオ州内4都市の図書館スタッフ計527人を調査しました。記事では、回答者(女性が大半を占める)のうちほぼ全員が、図書館での勤務時に暴力・脅迫・ハラスメントを目撃したり経験したりしていること、3分の2を超える回答者が月に数回以上職場で危険を感じていること等、調査結果の概要が紹介されています。

なお、記事では調査対象者として「司書」(librarian)という表現を用いていますが、カナダの図書館関連団体Librarianship.caは2021年10月3日付けのTwitter投稿においてこの記事を引用し、同調査は司書に限定したものでなく、公共図書館の全ての現場スタッフが対象であったことを強調しています。

米・SPARC、学術図書館における新型コロナウイルス感染症の財政的影響や対応等についての調査結果を公開

2021年9月20日、米・SPARCが、学術図書館における新型コロナウイルス感染症の財政的影響や対応等についての調査結果の公開を発表しています。

同調査は、パンデミックによりもたらされた予算面での課題や対応について、それらがコンテンツ・コレクション・オープンアクセス(OA)に関する取組等へのアプローチに及ぼした影響に焦点を当てつつ、明らかにするために実施されました。調査期間は2021年1月19日から2月26日までで、米国・カナダ・オーストラリアの機関から、117件の完全な回答と20件の部分的な回答が寄せられました。

主な結果として、以下をはじめとした内容が挙げられています。

・80%近くの図書館が、新型コロナウイルス感染症による予算削減を余儀なくされ、多くが継続的な予算削減となる可能性が高いと考えている。

・多くの図書館が、出版者との契約に関する再交渉や、ビッグディール契約の見直し(個別契約への変更)を行っている、または、行うことを検討していると回答した。

・OAに関する取組への次年度の投資は、50%が現状維持、35%が増加すると回答した。

カナダの学術図書館員の求人広告における多様性に関する言及(文献紹介)

2021年9月5日付で、公平性・社会正義・情報に関するオープンアクセスのオンラインジャーナル“The International Journal of Information, Diversity, & Inclusion”のVOL.5 NO.3において、カナダ・ヨーク大学の図書館員Norda Bell氏による論文“An Exploratory Study of Diversity Statements in Canadian Academic Librarian Job Advertisements”が公開されました。

同氏は、2018年の1年間にカナダ・トロント大学が公開する求人広告ウェブサイトに掲載された、カナダの大学における図書館員・アーキビストの求人広告50件を対象に、多様性に関する言及について調査を行いました。論文では、調査の結果、全体で48件、対象の内の北米研究図書館協会(ARL)参加館の求人広告全て(29件)で多様性に言及していたことが述べられています。また、記載の内容について以下の4タイプに分けられると示しています。

・タイプ1「決まり文句(boilerplate)」:多様性・公平性に関する一般的な記述のみ(合計4件)

図書館デザインショーケース2021(米国)(記事紹介)

米国図書館協会(ALA)が発行するamerican libraries誌の2021年9月/10月号において、利用者のニーズに効果的に対応した革新的で興味深い建築を表彰する“2021 Library Design Showcase”が発表されています。

今回が33回目の発表で、2020年5月1日から2021年4月30日にかけて、新築・改修・拡張された米国・カナダの図書館が対象です。今年選ばれた館は全て新型コロナウイルス感染症のパンデミック下に工事が完成した建物です。

記事では、選ばれた11館の写真が掲載されており、各館の簡単な説明と、建築家、面積、費用などの情報がまとめられています。

選ばれた11館は以下の通りです。

北米の研究図書館センター(CRL)及び学術図書館コンソーシアムNERL、米・マサチューセッツ工科大学出版局のプログラム“Direct to Open”(D2O)を支援する契約を締結

2021年8月30日、米・マサチューセッツ工科大学出版局は、北米の研究図書館センター(CRL)及び学術図書館コンソーシアムNERLとの間で3年間の契約を締結したことを発表しました。同大学出版局のプログラム“Direct to Open”(D2O)を支援する内容です。

D2Oは、図書館が学術単行書を自館のコレクションに加えるために購入するビジネスモデルから転換し、学術単行書をOA化するために資金を出資するビジネスモデルへ参加する機会を与えるプログラムです。2022年以降、MIT Pressの新刊学術単行書及び新たに選集として刊行する単行書は、D2O参加機関の出資金により全てOA化する予定となっています。

CRLとNERLは、両組織の参加館に対し、D2Oに関するライセンス及び請求の集中管理を行うとしています。2021年9月末までにD2Oコレクションの支援を表明したCRLとNERLの参加館は、コレクション全体の支援か、人文・社会科学又はSTEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)分野のコレクションいずれかの支援を選択できます。また、支援するコレクションに対応するMITの過去出版物のバックファイルへのアクセスや、書籍の割引購入も可能になります。

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