いまさらWeb2.0と訝しがる向きは多いかもしれない。オライリー(Tim O'Reilly)が“What is Web2.0”でWeb2.0の考え方を示したのは2005年であり、日本で梅田の『Web進化論』が話題となったのは2006年と、いずれも10年以上前のことである。Googleトレンドを見てもWeb2.0の登場のピークは2006年8月であり、最近言及する人は少ないのが見て取れる。First Monday誌では2016年にWeb2.0の10年と題する特集を組み、Web2.0全般に関する現時点での論考を集めている。本稿では図書館や学術情報流通といった観点から、昨今ではあまり言及されなくなったWeb2.0が、現在ではどのように様変わりをしたのかを概観する。
2015年2月に、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)は、2000年に制定した「高等教育のための情報リテラシー能力基準(Information Literacy Competency Standards for Higher Education)」(1)(以下、「能力基準」と記す)の改訂版に相当するものとして、「高等教育のための情報リテラシーの枠組み(Framework for Information Literacy for Higher Education)」(2)(以下、「枠組み」と記す)を策定した。本稿は、この「枠組み」の概要を紹介するとともに、特徴となる性格を指摘し、今後の議論の素材とするものである。...