医療情報

米国国立医学図書館(NLM)、PubMedのリニューアル版“New PubMed”へ機能追加を実施:検索結果一覧画面の表示項目追加・PubMed形式による文献情報のエクスポートなど

2020年3月16日、米国国立医学図書館(NLM)は、PubMedのリニューアル版“New PubMed”へ機能追加を実施したことを発表しました。

“New PubMed”に対して、以下のような機能追加が実施されています。

・Summary形式の検索結果一覧画面で、文献の全ての著者名など表示される情報を追加
・“Send to”メニューに“Citation Manager”を追加し、現行のPubMedと同様に、多くの文献管理ソフトで利用可能なPubMed形式の文献情報として文献をエクスポートする機能の追加
・文献の保存形式からRIS形式を削除しPubMed形式に置き換え
・Advanced Search Builderの検索履歴・検索詳細欄で、入力された語句をPubMedが変換し実際の検索に使用した構文・検索語をクエリとして表示
・クリップボードに保存した文献を、Advanced Search Builderの検索履歴上で「0番目(#0)の検索」として利用できるように仕様変更

なお、NLMは記事の投稿時点で、2020年春の終わりごろに“New PubMed”が現行のPubMed(Legacy PubMed)に代わって基本システムとして稼働を開始する予定である、としています。

米・国立生物工学情報センター(NCBI)、新型コロナウイルスに関する最新学術文献をキュレーションした情報ハブとして“LitCovid”を公開

2020年3月12日付けのNature誌のVolume 579 Issue 7798の短信(Correspondence)欄で、米国国立医学図書館(NLM)傘下の国立生物工学情報センター(NCBI)計算生物学(Computational Biology)部門に所属するQingyu Chen氏らが、NCBIのウェブサイト内に開設された新型コロナウイルスに関する最新学術文献をキュレーションした情報ハブ“LitCovid”を紹介しています。

LitCovidはNCBIの計算生物学部門で実施された研究の成果であり、NCBI・NLMの上位組織である米国国立衛生研究所(NIH)の所内研究プログラムの支援により開発されました。ウイルスの生態や感染者の診断・管理に関する学術文献から適切な知見を提供することを目的としています。

LitCovidでは、PubMedに収録された1,000件以上の新型コロナウイルスと関連する文献への一元的なアクセス提供などが行われています。また、アクセス改善のために文献情報は毎日更新されており、研究トピックや地理的条件に基づいた、より詳細な文献の分類が進められています。

株式会社ジー・サーチ、新型コロナウイルス感染症対策支援のため研究機関・医療機関等に所属の研究者を対象として「JDreamⅢ検索サービス」と「JDream Expert Finder」の無償提供を実施

2020年3月10日、株式会社ジー・サーチは、新型コロナウイルス感染症対策を進める研究者支援を目的に、同社の「JDreamⅢ検索サービス」と「JDream Expert Finder」について、2020年3月10日から5月29日まで、研究機関・医療機関等へ無償提供を行うことを発表しました。

この無償提供はデータ提供元である科学技術振興機構(JST)との協議に基づいて実施されます。新型コロナウイルス感染症対策を進める研究機関・医療機関・民間企業に所属する研究者は、所定の申込フォームから申し込むことで、国内外の科学技術や医学薬学関係の文献情報の検索が可能なデータベースサービス「JDreamⅢ検索サービス」と「JDreamⅢ検索サービス」収録データを利用した研究者探索サービス「JDream Expert Finder」を利用可能になります。新型コロナウイルス感染症対策に資する医薬品・医療機器・医療技術および周辺領域の研究・開発目的での利用が想定されています。

Elsevier社、北京中医薬大学(中国)と共同開発した中医学に関する分類法の第1弾として鍼治療に関する分類を同社の医学生物学文献に関するデータベース“Embase”で提供開始

2020年3月4日、Elsevier社は同社の医学生物学文献に関するデータベース“Embase”で、中国の北京中医薬大学(Beijing University of Chinese Medicine)と共同開発している中医学(Traditional Chinese Medicine)に関する分類法の第1弾として、鍼治療に関する分類法の提供を開始したことを発表しました。

Elsevier社はプレスリリースの中で、中医学は世界全体で1,210億ドルの市場規模を持ち、中国政府の推定によれば世界人口の約3分の1が鍼灸治療を受けているなど、中医学の治療薬や治療法の人気により、世界規模で中医学の研究開発の実践が増加しているため、容易にアクセスの可能な中医学の臨床データが求められていることを指摘しています。開発された分類法では中医学用語に対応する概念について、英語とピンイン表記の中国語の両方が提供され、ユーザーは単一のプラットフォームから包括的な情報を得ることができます。今後、中医学分類法の開発をさらに進むことで、研究者の中医学で処方される特定の医薬品の成分に関する知識獲得や、中医学と西洋医学の医薬品間の潜在的に有害な影響を及ぼす相互作用の防止による安全性確保への貢献等が期待される、としています。

米・ユタ州立大学、ユタ州内の住民から収集した「オピオイド危機」に関する32件のインタビューの録音記録コレクションを同大学のデジタルアーカイブで公開

2020年2月28日、米・ユタ州立大学は、同大学の大学エクステンションと大学図書館が共同して、「オピオイド危機(opioid crisis)」に関するインタビュー録音記録のコレクション“Informing the National Narrative: Stories of Utah’s Opioid Crisis Digital Collection”を、同大学のデジタルアーカイブ“Digital History Collections”で公開したことを発表しました。

同コレクションは、米国で社会問題化している医薬品オピオイドの過剰摂取による死亡事故の急増等の「オピオイド危機」について、回復期にある患者・患者の家族・治療の提供者など、オピオイドの流行と関わりのあるユタ州内9郡の住民から収集した32件のインタビューの音声とトランスクリプトで構成されています。インタビューは同大学の職員らによって、2019年の6月から12月に行われ、精査済のトランスクリプトは2020年1月に完成しました。

医学中央雑誌刊行会、「医中誌Web」「最新看護索引Web」の臨時のリモートアクセス利用の案内を提供:新型コロナウイルス感染症拡大防止のため在宅勤務・通学自粛を行う機関向け

医学中央雑誌刊行会が2020年3月3日付で、新型コロナウイルスの国内での感染拡大により在宅勤務・通学自粛を行う機関の支援を目的として、同会のデータベース「医中誌Web」「最新看護索引Web」について、臨時のリモートアクセス利用の案内をこれらの機関向けに提供することを発表しています。

同時アクセス数プランで「医中誌Web」を契約する機関は、所定のフォームから申し込むことで臨時のIDとパスワードが発行され、2020年3月3日から31日まで本来は利用できない契約施設外からのアクセスが可能になります。アクセスフリープランで契約しIPアドレス認証のみで利用している機関は、契約した代理店に連絡することで新規のIDとパスワードが一組発行され、契約施設外からアクセス可能になります。

「最新看護索引Web」については、もともとの契約内容にリモートアクセス権が含まれているため、契約施設外から利用することが可能です。ID/パスワード認証で利用している機関の場合、通常のIDとパスワードを利用する等によりそのまま契約施設外からアクセスすることができます。IPアドレス認証のみで利用している機関の場合、契約した代理店に連絡することで新規のIDとパスワードが一組発行され、契約施設外からアクセス可能になります。

世界保健機関(WHO)、必須医薬品モデルリスト(EML)のオンラインデータベース版を公開

2020年2月27日、世界保健機関(WHO)は、必須医薬品モデルリスト(Model list of Essential Medicines:EML)の電子版の公開を発表しました。

EMLは、自国の健康状況や優先事項を検討した最適な必須医薬品リストの作成において、150か国以上の国々で活用されているリストです。WHOは1977年の初版刊行以来、2年おきに改訂し冊子版やPDF版の形で公開しており、最新版は2019年版です。リストには利用可能な剤形・力値、服用すべき対象の指定、治療が可能となる条件、服用方法、服用の推奨の裏付けとなる臨床上のエビデンスに関する詳細、といった情報が掲載されています。

電子版のEMLは、既存のEMLをスマートフォンやPCから包括的で自由にアクセスできるオンラインデータベースとして公開されました。医薬品名や医療に関するトピックをクリックするだけで検索可能になっている他、一部またはすべてをExcelやWord形式で出力し独自のリストを作成することも可能になっています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のデューイ十進分類法(DDC)による分類方針は保留中(記事紹介)

デューイ十進分類法(DDC)編集チームによるブログ“025.431: The Dewey blog”の2020年3月2日付の投稿において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のDDCによる分類について、現在の検討状況を報告した記事を公開しています。

記事ではCOVID-19の分類に関する推奨がまだ定まっていないことを報告しています。その背景として、2000年代初頭に流行した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」のケースでは、米国国立医学図書館(NLM)が医学件名標目表(MeSH)上で、SARSを「呼吸器感染症(Respiratory Tract Infections)」を上位語とする標目に定めたことに倣って、呼吸器系疾患に対応した616.2へ分類するようにしていましたが、今回のCOVID-19の場合には事情が異なっていることを説明しています。

バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)、「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する研究データ・リソース」のページを公開

2020年3月3日、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)は、「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する研究データ・リソース」のページを公開しました。

新型コロナウイルスに関連して現在公開されている、研究データや研究リソースを紹介するページであり、以下の4章からなります。

・新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の研究データ一覧
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するWebリソース一覧
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬 候補に関する情報
・コロナウイルス関連の研究情報を広く調べる

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する研究データ・リソース(NBDC, 2020/3/3)
https://biosciencedbc.jp/blog/20200303-01.html

米国食品医薬品局(FDA)、FDAの認可・承認を受けたバイオ医薬品のリスト“Purple Book”を検索可能なオンラインデータベースとして公開

米国の薬事規制専門家協会(Regulatory Affairs Professionals Society:RAPS)の2020年2月24日付のお知らせで、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)が、FDAの認可・承認を受けたバイオ医薬品のリスト“Purple Book”について、検索可能なオンラインデータベースとして公開したことを発表しました。

データベースは以前から公開されていたPDF版のリストに基づいて構築され、容易な検索が可能になっています。医薬品の名称(商標上の名称と一般的な名称)、提出された生物学的製剤承認申請(BLA)の種類、力値、剤形、製品表示、認可の状態、BLA番号、承認日等に関する情報が含まれています。

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